西住みほ「これが本当のドラフト・ウォーです!」

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 19:46:17.94 ID:zKmHimi0o

大洗女子学園 生徒会室

柚子「それでは、前回とは違い簡易的ではありますが、ここで第二回大洗女子学園オールスターVS黒森峰女学園オールスタードラフト会議を開催します」

まほ「今回はみほが大洗女子学園の監督か」

みほ「い、一応、企画の立案者ってことになってて……それで監督に……」

桃「一応ではない。第二回の草案を作ったのはお前だ、西住。立派な立案者だろう」

みほ「そ、そうなんですけど……」

杏「監督兼選手なんだから、しっかりね。西住ちゃん」

みほ「は、はい」

杏「んじゃ、前置きはこれぐらいにして、選んでくれる? 今度は私たちも込みでね」

まほ「そう聞いて、選抜メンバーを多少変更させてもらった」

桃「我々をチームに入れてくれるということか!?」

柚子「ドキドキするね、桃ちゃん」

桃「桃ちゃんって言うな!!」

杏「一位指名がいいけどねぇ」

みほ「それじゃあ大洗女子学園、一位指名の戦車は――」


ガールズ&パンツァーWalker ウォーカームック

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 19:47:28.22 ID:zKmHimi0o

前スレ
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1465035623/


3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 19:54:52.60 ID:zKmHimi0o

翌日 大洗女子学園 廊下

桂利奈「あっれー? どうしてだろー?」

あや「私、はいってなーい」

あゆみ「少しだけ変わってるんだ」

優季「ほんとだぁ。会長の名前があるぅ」

梓「というかいつの間に第二回があったんだろう」

おりょう「なにをしているぜよ」

左衛門佐「号外でもでているのか」

紗希「これ」

カエサル「ほう……。第二回ドラフト会議があったのか」

エルヴィン「まさにドリームチームと言った感じだな。とはいえ、前回と変更点に乏しいが」

おりょう「一回目と変わらないのでは意味がないぜよ。なんのために張り出しているのか」

カエサル「いや、まて。もっと大きな違いがあるぞ」

左衛門佐「どこだ?」

カエサル「今度はこのチームで試合をするようだ」


4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 19:58:31.84 ID:zKmHimi0o

教室

典子「西住さん!!」ガラッ!!!

沙織「のりリン、おっはよー」

典子「おはようございます!! あの、西住さんは!?」

沙織「みぽりんはまだ来てないけど?」

典子「そうですか……」

華「何かありましたか?」

典子「まだ掲示板を見ていないんですか?」

沙織「掲示板って?」

典子「実は……」

優花里「西住殿!!!」

沙織「ゆかりんまで、どうしちゃったの?」

優花里「こ、これですよぉ!! これが貼り出されていたんですぅ!!」

典子「秋山さん、それ持ってきちゃったんですか!?」

優花里「つ、つい、勢いで。あとで戻しておきます。それより、武部殿も五十鈴殿も見てください!!」


5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 20:02:57.13 ID:zKmHimi0o

第二回大洗女子学園オールスターVS黒森峰女学園オールスタードラフト会議 結果発表


大洗女子学園オールスター

使用車輌 Ⅳ号戦車H型(隊長車)

車長  西住みほ
通信手 アリサ
装填手 カルパッチョ
砲手  ノンナ
操縦手 河西忍


黒森峰女学園オールスター

使用車輌 VI号戦車ティーガーI(隊長車)

車長  逸見エリカ
通信手 武部沙織
装填手 オレンジペコ
砲手  角谷杏
操縦手 ミッコ


沙織「おぉ、あれの二回目ってあったんだ」

華「会長が隊長車の砲手に選ばていますね」

優花里「細かい変更はありますが、一番下を見てください!!」


6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 20:11:41.74 ID:zKmHimi0o

沙織「最後って……」


※このチームによる試合を以下の日程で執り行うことに決定した。
 選抜された選手は本日の放課後に生徒会室に集合すること。


沙織「えぇぇ!? し、試合するの!?」

優花里「今度は試合をすると明言していますからね」

華「丁度一ヶ月後ですね。予算や会場は大丈夫なのでしょうか」

典子「西住さんから真実を知りたかったんですが……」

沙織「全然、知らなかった……。ここまで話が進んでたんだ……」

華「優花里さんはお手伝いしていたのでは?」

優花里「西住殿がオールスター戦の準備を進めているのは知っていましたが、まさか詳細が決まっていたなんて聞かされていませんでした」

沙織「ぶー。みぽりん、黙ってたんだ」

典子「けど、あの西住さんが秋山さんや武部さんにまで黙っていたのは変じゃないですか?」

優花里「私も多少、各校の日程調整等でアドバイスをさせていただいたのですが……」

華「優花里さんが知らなかったとなると、考えられるのは……」

沙織「会長が口止めしてたんじゃない?」


7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 20:21:10.35 ID:zKmHimi0o

生徒会室

杏「今頃、みんな大騒ぎしてるかな」

みほ「えっと、やっぱり優花里さんには伝えておいてもよかったんじゃないですか? 色々と私に助言もしてくれてたのに……」

杏「まぁまぁ。こういうのは隠しておいたほうが盛り上がるから」

みほ「ずっとみんなを騙していたみたいで……申し訳ないような……」

杏「問い詰められたら私の所為にしていいよ。そしたらみんなも納得するだろうし」

みほ「それはそれで問題があるような……」

杏「で、他校の選手から返答はあった?」

柚子「はい。聖グロリアーナのダージリンさんからは『もう実現するとは嬉しいかぎりですわ。参加します』とのことです」

柚子「サンダースのケイさんからは『オールオッケー』と」

みほ「けど、カチューシャさんは『絶対に参加しない』って……」

柚子「大丈夫。そのあとすぐにノンナさんから『必ず同志と共に参加します』って返答があったから」

みほ「そうなんですか? よかったぁ」

柚子「そのほか、アンツィオ、継続、知波単も参加する意志を見せています」

杏「んじゃ、問題ないな。ただ一つだけを除いては」


8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 20:26:37.86 ID:zKmHimi0o

倉庫

桃「……」

ナカジマ「あー……」

ツチヤ「あれ、どうする?」

スズキ「どうするって言われても」

ホシノ「どうしようもないって」

ももがー「なにがあったなり?」

ぴよたん「河嶋さんが膝抱えてるっちゃ」

ねこにゃー「あの第二回ドラフト会議の結果、見た?」

ぴよたん「見たけど?」

ねこにゃー「そこに、河嶋さんの名前が……その……なくて……」

ももがー「あ、ああ……」

ぴよたん「そういえば、会長と副会長の名前はあったような……」

ねこにゃー「だから、今はこうして見守っておくしかないかなって、ナカジマさんたちと話してて……」

桃「うぅぅ……」


11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 20:37:00.36 ID:zKmHimi0o

放課後 生徒会室

優季「どんなこと話すんだろう?」

麻子「眠い……」

みどり子「冷泉さん、もう放課後なんだからシャキッとしなさいよね」

麻子「早起きしたから眠いんだ、そどこぉ」

みどり子「知らないわよ! あとそど子はやめて!」

杏「やぁやぁ、みんな。集まってくれてあんがと。んじゃ、西住ちゃん、よろしくっ」

みほ「は、はい。え、えーと、もう掲示板にあったドラフト会議の結果は見てもらえていると思います」

カエサル「試合をするというのはまことなのか」

みほ「はい。そのため、練習もしなければならないんですが、各学園艦が寄港日程を合わせる必要が出てきます」

妙子「なんだか、大変そう」

忍「集まれるものなんですか」

杏「そっちは秋山ちゃんや私が日程を色々考えてみたけど、まともに練習をできるのは今度の土日ぐらいしかないんだよねぇ」

みどり子「二日だけですか!?」

みほ「試合会場を押さえられる日が決まっている以上、練習する日は他になさそうでした。すみません」


12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 20:44:53.99 ID:zKmHimi0o

ナカジマ「戦車の整備とかは各校でやる感じですか?」

みほ「はい。選抜車輌を保有している学校で整備等を行います」

ツチヤ「ってことは、大洗からはⅣ号とレオポンか」

スズキ「島田さんとの約束もあるし、ボコで車内を埋め尽くしておかないと」

ホシノ「忘れてた。西住さん、ボコのぬいぐるみ、貸してもらえない?」

みほ「え? あ、はい」

ナカジマ「ダメだって、ホシノ」

ホシノ「なんで?」

ナカジマ「戦車の中に置いたら、鉄や油の臭いが染み込んじゃうから」

ホシノ「それがダメなの?」

ナカジマ「ホシノは相変わらず男らしいなぁ。とにかく、ぬいぐるみは私たちで集めますんで、西住さんは気にしないでください」

みほ「そ、そうですか?」

ホシノ「どうしてなんだ?」

スズキ「それはまたあとで話すよ」

ホシノ「……?」


13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 20:53:02.75 ID:zKmHimi0o

優花里「二日の間にチームワークを育み、試合のための戦術も練るんですね」

梓「忙しくなりそうですね……」

あゆみ「ついて行けるかなぁ」

みほ「ハードスケジュールになるけど、どうしても成功させたいんです」

沙織「みぽりん……」

みほ「最初で最後の我儘にします。だから、皆さん、私に力を貸してください」

華「この手でよければいつでもお貸ししますわ」

優花里「右に同じです!! この体、西住殿の好きなようにしてください!!」

優季「わぁ、秋山先輩、だいたぁん」

優花里「え? そう?」

みほ「ごめんなさい。今回の試合のこと、ずっと黙ってたのに……」

沙織「ううん。どーせ、会長が口止めしてたんでしょ?」

杏「そだよっ」

沙織「だったら、気にしないで。一緒にかんばろ、みぽりん。そして、全国の男子を虜にしちゃおーよ! これぞ、モテ道!!」

みほ「あはは……」


14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 21:04:25.42 ID:zKmHimi0o

黒森峰女学園 ミーティングルーム

まほ「揃ったな」

小梅「はい」

エリカ「はっ」

愛里寿「……はい」

まほ「黒森峰からはお前たちが参加することになった。エキシビジョンではあるが、黒森峰の名に相応しい活躍を期待している」

愛里寿「隊長車は私が撃破してもいい?」

まほ「私はあくまでもチームのまとめ役に過ぎない。試合の戦術に関してはエリカに一任している。隊長とよく話し合ってくれ」

愛里寿「逸見さん、私がみほさんの車輌を――」

エリカ「欠陥戦車でみほのⅣ号を捉えることはできないでしょ。島田さんの役回りはあとで考えておくわ」

愛里寿「それは、みほさんの撃破は私に任せられないということか」

エリカ「そういうことね」

愛里寿「納得できない」

エリカ「私は隊長よ。従えないなら、チームから外れてもらってもいいけど」

まほ「……」


15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 21:14:37.14 ID:zKmHimi0o

数日後 練習会場

桃「遅い!! 他校は何をしているんだ!!」

柚子「すぐにはこれないよ。寄港する場所だって離れているところもあるんだから」

桃「だとしたら移動時間を考慮して時間を調整するものだろう!」

杏「おちつけぇ、かわしまぁ」

優花里「この練習場って蝶野教官が紹介してくれたんですよね」

みほ「うん。会長が提案書を出したら――」


亜美『グッドアイディア! ベリーナイス!! そういうことなら練習会場を貸してあげるわ!!』


みほ「――って言ってくれて」

麻子「太っ腹だな」

華「蝶野さんのような女性になりたいです」

沙織「華はもう完成されてるし、今のままでいいんじゃない?」

華「いえ、わたくしはまだまだ成長しなければなりませんわ」

麻子「それ以上、大きくなるのか」


16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 21:22:50.75 ID:zKmHimi0o

バババババ……!!!

優季「なんだろう?」

桂利奈「鳥だ!!」

あゆみ「飛行機だ!!」

梓「ヘリコプターでしょ」

カエサル「サンダースのものだな」

ケイ「――グッモーニン!!」

みほ「ケイさん、おはようございます」

ケイ「やっと心の底から戦車道を楽しめそうね」

みほ「え?」

ケイ「今まで、みほもアンジーもヘビィなもの背負ってたでしょ」

みほ「いえ、そんな」

ケイ「いっぱいエンジョイしましょ!」

アリサ「隊長とは敵同士ですね」

ナオミ「ああ。私たちは大洗のほうへ行こうか」


17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 21:30:15.60 ID:zKmHimi0o

ケイ「アリサ、ナオミ。手加減はナッシングよ! 正々堂々、正面から戦うのよ! オッケー!?」

アリサ・ナオミ「「イエス、マム」」

桃「各チームごとに集まって整列するように」

アリサ「どこに行けばいいの?」

桃「お前は、西住のチームだな。あそこだ」

アリサ「はいはい」

みほ「よろしくお願いします、アリサさん」

アリサ「やるからには勝つわよ。どんな手を使ってもね」

みほ「は、はい。がんばります」

アリサ「まぁ、実力に関しては文句もないけど」

ナオミ「待たせた?」

カエサル「いいや。我々も先ほど到着したばかりだ」

ツチヤ「それに肝心の車長が着てないしね」

ナオミ「キヌヨ……。ふふ、面白くなりそうだ」

カエサル「悪い顔になっているぞ」


18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 21:36:45.74 ID:zKmHimi0o

ケイ「さぁ! 私のチームメイツは集合して! ハリーアップ!!」

桂利奈「わー」テテテッ

優季「よろしくおねがいしまぁす」

紗希「……」

ケイ「チーム・ラビットが中心みたいになっちゃったわね」

優季「がんばりまぁす」

ケイ「ま、いいわ! みんなでウィナーになるわよー!!」

桂利奈「おー!!!」

ミカ「楽しそうだね」ポロロン

ケイ「お、ミカ! 来たのね」

ミカ「呼ばれた気がしてね」

アキ「気がしたんじゃなくて、呼ばれたんだって」

柚子「アキさーん、こっちにきてくださーい」

アキ「はーい!! それじゃミカ、またあとで!!」

ミカ「ああ。アキもこの貴重な時間を満喫するといい」


19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 21:42:23.44 ID:zKmHimi0o

ミッコ「私は……」

沙織「こっちだよー」

杏「ミッコぉ」

ミッコ「よろしく」

杏「最初のメンバーとは違うけど、よろしくっ」

ミッコ「こちらこそ」

杏「あとは車長と装填手を待つだけだな」

ミカ「さて、このまま風の吹くほうへ歩いていくのもいいかもしれないね」

桃「それでは困るんだ」

ミカ「どうしてかな」

桃「参加する以上は、規律を守ってもらうぞ。誰かが余計なことをするだけでこのイベントが失敗するかもしれないからな」

ミカ「なるほど。それは困るかな」

桃「だったら、指定された場所へ移動してもらう」

ミカ「貴方は自分が思う以上に、自分に期待してもいいんじゃないかな」

桃「何を言っているんだ。さっさと移動しろ」


20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 21:51:40.84 ID:zKmHimi0o

華「ミカさん、不束者ですがよろしくお願いします」

典子「気合と根性でがんばります!!」

ホシノ「できることはするつもりだ」

ミカ「車長としてみんなに言うことは、一言だけ」

ミカ「――全ては戦車道という旋律のままに」ポロロン

華「良い音色ですね」

典子「私たちはフロントセンターってことですか!?」

ホシノ「音楽を聞きながら運転すると、リラックスできる」

ミカ「流石は大洗のメンバーだね。安心できる」

アキ(ミカのチーム、大丈夫なのかな)

柚子「ミカさんが気になる?」

アキ「え? ああ、ううん。私はみなさんと仲良くなりたいですから!!」

妙子「私もアキさんと仲良くなりたいです」

あゆみ「だったら、ケータイの番号とかLINEの交換とかしませんか?」

アキ「いいの!? やったぁ!! 是非お願いします!!」


21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 22:10:37.72 ID:zKmHimi0o

ゴゴゴゴ……!!

アンチョビ「たーのもー!!!」

杏「おー、チョビ子。P40の修理、間に合ったんだ」

アンチョビ「前回のドラフト会議のときに修理は殆ど終わっていた、じゃなかった、完璧に終わっていた。あと、アンチョビ!」

ペパロニ「どーでした、姉さん!! 私の操縦!!」

アンチョビ「それでいい。本番も頼むぞ」

ペパロニ「おぉぉ!! ヴァ・ベーネ!!」

カルパッチョ「ペパロニさんが舞い上がってしまいましたけど?」

アンチョビ「あいつはアホだけど、バカじゃない。この程度で調子に乗ってミスはしないだろう」

カルパッチョ「そうですね」

ペパロニ「よっしゃー!! くぅー!! 燃えてきたー!! 姉さん、私、がんばりまーす!!」

みどり子「本当に任せていいのね」

アンチョビ「お前たちの隊長であるミホが選んだんだ。文句はないだろう」

梓「そういえば西住先輩って桂利奈を選んでいたような……」

みどり子「抽選に負けたんだって。相手には会長がいるから、くじ運で負けるのは仕方のないことなのよ」


23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 22:30:16.59 ID:zKmHimi0o

カチューシャ「もういっぱいいるわね」

ダージリン「遅れてしまったかしら」

みほ「カチューシャさん、ダージリンさん。わざわざ遠いところからすみません」

ダージリン「気にしなくてもよろしくてよ。それにみほさんが気にするのは、これからのことででしょう」

みほ「そうですね。戦術も練らないと……」

ダージリン「そちらではないけれど」

みほ「えっと、それはどういう……」

ダージリン「こんな言葉を知っているかしら。最善のものを希望せよ。しかし最悪のものに備えよ」

みほ「は、はぁ……」

カチューシャ「ちょっとミホーシャ。敵と仲良くおしゃべりしてていいわけ?」

ダージリン「敵ではあるけれど、友人であることに変わりはなくてよ」

カチューシャ「ふん。ダージリンのことだから、試合前に相手を揺さぶることぐらいしそうだもの」

ダージリン「そんなことしないわ。そもそもみほさんに揺さぶりなど通用しないでしょうし」

みほ「カチューシャさん、いつも以上に張り切ってる……?」

ノンナ「楽しみで仕方なかったようです」


24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 22:37:58.40 ID:zKmHimi0o

絹代「申し訳ありません!!!」ダダダッ

みほ「わわ!? 西さん!?」

絹代「はぁ……はぁ……! か、会場が分からず、このような時間になってしまいました!!」

みほ「大丈夫、大丈夫。時間には間に合ってるから」

絹代「ですが、皆さんをお待たせしてしまったのは事実です!!」

ナオミ「確かにね」

絹代「ナオミ殿!! 大変失礼しました!! お待たせしてしまい、面目ありません!!」

ナオミ「ペナルティとして、ガムを噛むように」

絹代「が、がむでありますか……」

みどり子「ナオミさん!! 西さんを不良の道に誘わないで!!」

ナオミ「まるで私が不良みたいな言い方だな」

みどり子「西さんはこのままでいいの! 西住さんもそう思うでしょ!?」

みほ「は、はい」

ナオミ「ほら、フーセンガムの膨らませかたを教えてあげる」

絹代「ふ、ふーせんがむをでありますか!!」


25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 22:42:14.31 ID:zKmHimi0o

まほ「なんとか間に合ったようね」

みほ「お姉ちゃん」

杏「うちらの監督がきたぞー」

優季「わーい、監督かっこいぃ」

桂利奈「ボスだー!!」

まほ「ボス……」

エリカ「馴れ馴れしいわよ!! 下がって!!」

愛里寿「……」

みほ「愛里寿ちゃんも、来てくれてありがとう」

愛里寿「構わない。私も望んでいたいことだから」

みほ「そっか」

愛里寿「けど……」

みほ「ん? なにかあったの?」

愛里寿「なんでもない。これは私たちのことだから」

みほ「そ、そうなの?」


26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 22:51:21.66 ID:zKmHimi0o

桃「全チーム揃ったところで、まずは礼を述べたい。急な申し出にもかかわらず、ここまでの選手が集まったのは高校戦車道史においても異例のことである」

桃「立案者である西住みほや全ての段取りをつけてくれた会長はもちろんのこと、他校の全面協力なくしては実現はしなかったと――」

柚子「桃ちゃん、長いよ」

桃「……では、会長、一言」

杏「たった二日の練習だけど、たのしむぞー!」

「「おぉぉー!!!」」

杏「西住ちゃんからはなんかある?」

みほ「えっと、改めまして、集まってくれてありがとうございます。いい試合にしましょう」

ダージリン「ふふっ。悪い試合になることはないでしょうね」

カチューシャ「ダージリンだろうが、ミカだろうか、捻りつぶしてあげるわ。そうでしょ、クラーラ?」

クラーラ「Ураааааааа」

ねこにゃー「や、やるにゃー」

ノンナ「猫田さん?」

ねこにゃー「な、なんですか?」

ノンナ「あの約束、覚えていますね?」


28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 23:00:56.10 ID:zKmHimi0o

桃「これより、各チームで最初のミーティングを行う。自己紹介などをし、親睦を少しでも深めてほしい」

桃「時間は20分だ。それでは開始!!」


大洗女子学園オールスター

使用車輌 Ⅳ号戦車H型(隊長車)

車長  西住みほ
通信手 アリサ
装填手 カルパッチョ
砲手  ノンナ
操縦手 河西忍


カルパッチョ「アンツィオ高校のカルパッチョです」

アリサ「今更自己紹介なんて必要ないでしょ。さっさと作戦会議や搭乗して練習したほうがいいわね」

忍「でも、チームワークを高めるためにはこうしたことも必要だと思います」

ノンナ「アリサさんはこういいたいのでは? 貴方達のことはよく知っている。身長も体重もスリーサイズも趣味も、何もかもを。だから何も知るものはない、と」

カルパッチョ「私たちのこと、よく調べてくれているのですね」

みほ「わぁ、そうなんですか? 私はまだみんなの誕生日ぐらいしか覚えてなくて……」

アリサ「ち、ちがうわよ!! ちょっと!! 余計なことを言わないでもらえますか!?」


29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 23:12:15.69 ID:zKmHimi0o

使用車輌 クルセイダーMk.III

車長兼装填手 秋山優花里
砲手兼通信手 アッサム
操縦手     冷泉麻子


優花里「大洗女子学園あんこうチーム所属、秋山優花里です!!」

麻子「知ってる」

優花里「い、いえ、冷泉殿に言ったのではなくてアッサム殿に自己紹介をしたのですが」

アッサム「ご丁寧にどうも。わたくしも貴方達のことはよく知っているから、大丈夫ですわ、優花里さん」

優花里「おぉ、光栄です。あのアッサム殿にまで名前を憶えてもらっているなんて」

アッサム「けれど、お互いに名前ぐらいしか知りませんわね。では、こういうのはどうでしょう?」

アッサム「禁煙なんて簡単だよ。私はもう100回はやったね」

麻子「……」

優花里「えっと、えっと……えー……?」

麻子「100回も禁煙したということは、何度も途中で煙草を吸ってしまっているということだ」

優花里「いや、それはわかりますけど」

アッサム「あら、つまらなかったかしら? では、もう一つ。生まれてからの2年間、親は子供に歩き方と話し方を教える。その後の16年間は、座っておとなしくしてなさいと説教する」


30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 23:20:12.77 ID:zKmHimi0o

使用車輌 KV-2

車長  カチューシャ
通信手 ニーナ
砲手  ぴよたん
装填手 ねこにゃー
装填手 ももがー
操縦手 ルクリリ


カチューシャ「いい? このKV-2はカチューシャが一番好きな戦車なの。それが白旗を挙げるなんてこと、絶対にあってはならないのよ」

ニーナ「は、はい。わがってます」

ルクリリ「最後まで生き残れってことか」

ぴよたん「これがKV-2の砲弾だっちゃ」

ももがー「すごいぃ」

ニーナ「砲弾、重いですから、きぃづけてくださいねぇ」

ルクリリ「砲塔も手回ししなければいけないしな」

ニーナ「どっぢもすんげぇおもいんですよねぇ」

ぴよたん「これを回す……」

ねこにゃー「この砲弾を装填する……」


32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 23:30:09.88 ID:zKmHimi0o

使用車輌 ファイアフライ

車長兼通信手 西絹代
砲手       ナオミ
装填手     カエサル
操縦手     ツチヤ


絹代「僭越ながら、このチームの車長を務めることになりました、知波単学園、西絹代です!!」

カエサル「勇ましいな。西さんのソウルネームはハンニバルでどうだ」

ツチヤ「怖いものなしって感じならジョン・サーティースじゃない?」

ナオミ「ジョージ・パットンは?」

カエサル・ツチヤ「「それだ!!」」

絹代「あ、あの……」

カエサル「ジョージ、さぁ、私たちはどうしたらいい?」

ツチヤ「ジョージ、なにする?」

絹代「ジョージはその、あまり、できるなら、岩本徹三のほうが」

ナオミ「そうきたか」

カエサル「ジョージがそういうなら、徹三に改めるか」


33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 23:39:54.57 ID:zKmHimi0o

使用車輌 カルロ・アルマート P40

車長兼砲手 アンチョビ
装填手    園みどり子
通信手    澤梓
操縦手    ペパロニ


アンチョビ「よく聞け!! きっと我々はこう思われていることだろう!! 五位指名のチームはどーせ弱いと!! 放っておいても問題はないと!!」

ペパロニ「なんすかそれ!! そんなことでいいんすか、姉さん!!」

梓「誰も思ってないと思いますけど」

みどり子「五位指名のチームと言えども、数多くの中から選ばれたんだから自信を持ったほうがいいわ」

ペパロニ「あ、そっすね。姉さん、何言ってんすか。そんなこと誰も思っちゃいないっすよー。だって、私らは選ばれた選手なんですから!!」

アンチョビ「その通り。だが、周りを見てみろ!! 相手は黒森峰の副隊長に、大学リーグの元隊長に、サンダース、聖グロリアーナ、継続と実力者がそろい踏みだ」

ペパロニ「言われてみれば……私たちって実は最弱なんじゃ……」

梓「そんことないと思いますけど」

みどり子「安斎さんはそんなに弱い人って感じはしないけど?」

ペパロニ「そーっすよね!! 姉さん、弱気になっちゃだめっすよ!!」

アンチョビ「おい!! 黙っていろ!! 話がすすまないだろうが!! あと、そど子!! アンチョビと呼べ!!」


34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 23:48:50.60 ID:zKmHimi0o

黒森峰女学園オールスター

使用車輌 VI号戦車ティーガーI(隊長車)

車長  逸見エリカ
通信手 武部沙織
装填手 オレンジペコ
砲手  角谷杏
操縦手 ミッコ


杏「いやぁ、これだけの選手が固まっていれば楽できそうだねぇ」

沙織「何言ってるんですか」

ミッコ「あの黒森峰の隊長が一位指名した砲手ってことは、多少暴れても当ててくれるか」

杏「そんな期待しないでね」

オレンジペコ「装填も忙しくなりそうです」

エリカ「……」

杏「逸見ちゃん、どうかしたぁ?」

エリカ「別に。自己紹介は不要ね。このまま戦車に搭乗して練習をするわよ」

沙織「エリりん、悩んでるのかな? 恋の悩みだったりするのかなぁ」

杏「とりあえず視線の方向は西住ちゃんじゃなかったな」


35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/13(月) 23:58:15.65 ID:zKmHimi0o

使用車輌 ヤークトパンター

車長  ダージリン
通信手 近藤妙子
砲手  山郷あゆみ
装填手 アキ
操縦手 小山柚子


ダージリン「親睦を深めるのなら、やはりお茶会に限りますわね」

アキ「そうなんですか」

ダージリン「そうよ。紅茶の香りを共に楽しむことで、輪ができあがるもの」

ダージリン「そして、こんな格言もあるわ。愛するか愛さないかは、我々の自由にはならない」

アキ「あいするかあいさなかいは……」メモメモ

あゆみ「今の格言って関係あるんですか?」

柚子「あ、あるんじゃないかな?」

妙子「バレーボールに関する格言はありませんか?」

ダージリン「え、えーと……な、なにか、あったかしら……」

妙子「ないんですか……」

柚子(あのダージリンさんを追い込むなんて……。近藤さんって、実はすごい人なんじゃ……)


36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/14(火) 00:02:36.98 ID:/715p2sVo

使用車輌 T-34/85

車長  ケイ
装填手 丸山紗希
通信手 宇津木優季   
砲手  クラーラ
操縦手 阪口桂利奈


ケイ「私たちがライドする戦車も、ちょっと変わったわね」

クラーラ「みたいですね」

桂利奈「クラーラさんって、留学生なんですよね!?」

クラーラ「はい」

桂利奈「私、留学生って初めてみました!! 握手してください!!」

クラーラ「いいですよ」ギュッ

桂利奈「わーい、ありがとうございます!!」

優季「私もおねがいしまぁす」

クラーラ「喜んで」ギュッ

ケイ「クラーラって、日本語上手いわよね。どうして普段はロシア語で喋ってるわけ?」

クラーラ「ロシア語で話すとカチューシャが怒るから、です」


37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/14(火) 00:07:11.41 ID:/715p2sVo

使用車輌 マチルダⅡ歩兵戦車

車長兼通信手 ミカ
砲手       五十鈴華
装填手     磯辺典子
操縦手     ホシノ


ミカ「……」ポロロン

華「ミカさんの演奏は心が洗われるようです」

典子「自己紹介はいいんですか?」

ミカ「ん? 必要かな。このチームにまだ何かがいるとすれば、それは……」

ホシノ「それは?」

ミカ「もう一つの色、かもしれないね」

華「お花のことでしょうか」

典子「バレーボールの白とか?」

ホシノ「塗装するなら、黒とかもいいんだけどな」

ミカ「そういうことだね」

華「そうですね」


38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/14(火) 00:13:15.74 ID:/715p2sVo

使用車輌 ポルシェティーガー

車長  島田愛里寿
装填手 ナカジマ
通信手 スズキ
操縦手 ローズヒップ
砲手  赤星小梅


ローズヒップ「ついに、ついにきましたですわー!! 今日はこのポルシェティーガーで戦場を疾走しますわー!!」

ナカジマ「そこまで速度はでないですけどねぇ」

ローズヒップ「そんなことありませんわ。試合のとき、あんなにも駆けていたのに」

小梅「あの操縦技術って、やはり自動車部であることが関係しているんでしょうか」

ナカジマ「ツチヤの操縦がうますぎるっていうのもあるかもしれませんね」

ローズヒップ「ならば、ツチヤ様に劣らぬ走りをみなさんに見せてあげますわ」

ナカジマ「よろしくお願いします。レオポンが愚図ったらなんとかするんで、ローズヒップさんは気にせず爆走してください」

ローズヒップ「かしこまりましたわ」

愛里寿「……」

小梅「あの、島田さん? なにか……」

愛里寿「なんでもない。自己紹介、しておく。島田愛里寿。よろしく」


42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/14(火) 21:27:10.74 ID:/715p2sVo

桃「こら!! 勝手に戦車に乗るな!!」

エリカ「なんですって?」

典子「まだ練習はしないんですか?」

妙子「時間も限られていますし、練習したほうが」

桃「まだだ。練習よりも先に決めてもらうことがある」

アンチョビ「何を決めるんだ」

桃「チーム名に決まっているだろう」

エリカ「そんなの必要なの?」

まほ「呼称しやすい部隊名は必須だ。作戦を伝えるときに手間取ることになる」

カチューシャ「そんなのカチューシャ隊とかでいいじゃない」

まほ「それを決めるのは監督の役目だ」

カチューシャ「う……」

ダージリン「ふふっ。では、わたくしたちはオレンジペコ隊にしようかしら」

オレンジペコ「紛らわしいんでやめてください」

桃「いいから、さっさと決めてくれ。こちらも管理する上でチーム名が決まっているほうが都合がいいんだ」


43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/14(火) 21:40:43.59 ID:/715p2sVo

アリサ「で、監督兼隊長さんは考えてあるの?」

みほ「あ、はい。一応、第二回ドラフト会議前から考えていました」

優花里「流石です、西住殿。二手、三手先を読んでいたのですね」

絹代「尊敬いたします!! 西住隊長!!」

ペパロニ「すっげー!! にしずみ流って、隙がないって感じだな!!」

麻子「そこまで感心するほどのことか」

ナオミ「では、ボス。各チーム名を発表してもらえる?」

みほ「分かりました。ええと、私のチームは、あんこうチームとします」

アリサ「そのまま引継ぐの? 私は大洗のメンバーでもなんでもないんだけど」

忍「まさかこの私があんこうチームに入れるだなんて!! 嬉しいです!!」

ノンナ「私はカチューシャ隊でもよかったのですが」

カチューシャ「よくわかんなくなるでしょ」

みほ「優花里さんのチームは、ねずみさんで」

優花里「ねずみですか!! わかりました!!」

アッサム「あまりイメージがよろしくないような気も……」


44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/14(火) 21:46:26.85 ID:/715p2sVo

みほ「カチューシャさんのチームは、ぞうさんで」

カチューシャ「ゾウですって? なんでよ」

みほ「KV-2はどっしりしていて、大きいから、象かなって……」

カチューシャ「ふぅん。ミホーシャが決めたんだから、別に反対はしないわ。それで行きましょう」

みどり子「(もしかして喜んでます?)」

ノンナ「(とても喜んでいますね)」

カチューシャ「なによ?」

みほ「西さんのチームは、ほたるさんチームで」

絹代「はっ!!」

カエサル「まさに名は体を表す、だな」

ナオミ「獰猛な名前だ」

ツチヤ「そうなの?」

みほ「アンチョビさんのチームは、ワニさんでいきます」

アンチョビ「ワニだと……?」

みほ「え? あ、ダ、ダメですか?」


45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/14(火) 22:00:03.45 ID:/715p2sVo

アンチョビ「ワニと言えば一度食らいついたら離さない、凶悪な生物だ。自身の体を回転させ、獲物の肉を捩じりきるという……」

梓「うわぁ……」

ペパロニ「凶暴すぎるっすね……」

みほ「嫌だったら、別のチーム名でも……」

アッサム「でしたら、ねずみさんではなくゴクラクチョウさんでも――」

アンチョビ「はーっはっはっはっは!!! 実にいいじゃないか!! ワニさん!! 我がアンチョビ隊に相応しい名だ!!」

ペパロニ「サイコーっすよ、西住姉さん!! こんなかっこいい名前、頂いちゃっていいんすか!?」

みほ「えっと、ペパロニさんは、私と同じ歳だから、姉さんはちょっと」

ペパロニ「いやいや。もう滲み出るオーラは姉さんっすよ!! 姉さんって呼ばせてください!! 姉さん!!」

麻子「聞く前から何度も呼んでる」

アンチョビ「しかし、ワニさんではいまひとつ私たちの凄みが表現できていない気がする。そうだ! アリゲーターさんというのはどうだ!?」

ペパロニ「くぅー!! ドゥーチェ、それいいっすよ!! マジで!! アリゲーターとか、ちょーこわそーじゃないっすか!! 名前だけで相手がビビるっすね!!」

アンチョビ「だろう! よし!! ワニさん改め、アリゲーターさんでいくぞ!!」

ねこにゃー「アリゲーターってワニの中では大人しいほうだった気が……」

みほ「あの! やっぱりワニさんでお願いします!!」


46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/14(火) 22:14:20.84 ID:/715p2sVo

エリカ「チーム名を決めろと言われても……」

まほ「既に決めている。エリカたちが悩む必要はない」

エリカ「隊長! 本当ですか!?」

ダージリン「まほさんのネーミングセンスはどれほどなのか、見物ですわね」

ケイ「ミホと同じなら、キュートでいいんだけどね」

小梅(すごくシンプルな気がする)

華「楽しみですわ」

ミカ「名前は形あるモノの骨格と言える。その骨格が歪んでいれば、自然と中身も歪んでしまう」

ミッコ「不吉なこと言わないでほしいんだけど」

まほ「まず逸見エリカ率いるチームの呼称は……」

沙織「なにかな、なにかなー」

まほ「チーム・虎、とする」

小梅(あ、やっぱり)

ケイ「タイガーとかティーガーじゃダメなの?」

まほ「チーム・虎だ」


48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/14(火) 22:22:59.15 ID:/715p2sVo

沙織「あんまりかわいくないぃ……」

杏「いいじゃん。強そうで」

桂利奈「虎だって、かっこいい!! がおー!!」

優季「きゃあ、こわ~い」

ナカジマ「これは私たちのチーム名が期待できる感じだ」

スズキ「うん。きっとレオポンが日本名になるね」

ローズヒップ「なるほど。チーム・女豹ですわね」

クラーラ「女狐ではダメですか?」

オレンジペコ「ダメです」

まほ「続いてダージリン率いるチームの呼称は、チーム・豹とする」

ダージリン「まぁ、強そう」

愛里寿「棒読みだ」

エリカ「あ、の、隊長、もう少しチーム名を練ったほうが……」

まほ「一週間考えたんだが……ダメだろうか……」

エリカ「い、いえ!! シンプルでいいと思います!!」


49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/14(火) 22:35:28.51 ID:/715p2sVo

まほ「ケイのチームは、チーム・熊」

ケイ「ベアーね。迫力あっていいじゃない!!」

桂利奈「ウサギから熊かぁ」

優季「大出世したみたぁい」

クラーラ「てっきり、チーム・シベリアジャコウジカかと」

あゆみ「どこの動物ですか?」

まほ「ミカのチームは、チーム・狼」

アキ「なんかカッコいいんだけど!!」

ミッコ「そっちがいい……」

ミカ「これも運命だ。受け止めるべきだと思うけれど?」ポロロン

ローズヒップ「そのチーム名、欲しかったですわ」

ミカ「隣の芝はいつでも青くみえてしまうだけさ」

典子「狼でも心にあるのはバレーボールだ!!」

華「狼のようにアグレッシブなチームを目指しましょう」

ホシノ「アルピナみたいな感じでいきたいな」


50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/14(火) 22:41:21.02 ID:/715p2sVo

まほ「最後に島田愛里寿率いるチーム名は……」

ナカジマ「獅子かな」

スズキ「獅子でしょ」

ローズヒップ「女豹ですわね」

まほ「チーム・ボコだ」

ナカジマ「……ん?」

ダージリン「ボコ……?」

沙織「ボコってあのボコですか?」

まほ「ああ。ボコられグマのボコだ」

愛里寿「……」

小梅「いいんですか、島田さん?」

愛里寿「まほさん……」

まほ「なんだ?」

愛里寿「最高のチーム名だっ。ありがとう!」

まほ「そう言ってもらえると考えた甲斐がある」


51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/14(火) 22:51:30.40 ID:/715p2sVo

愛里寿「やってやるやってやる、やーってやるぜ」

桂利奈「ぼーこぼこにー!」

エリカ「隊長!! それは流石にどうかと思うのですが!!」

まほ「何故だ」

エリカ「島田だけを特別扱いしていませんか」

まほ「そう思う?」

エリカ「こればかりは……」

ダージリン「チーム名など必要なのか、と問うていた人の発言とは思えませんわね」

エリカ「それとこれとは……!!」

ケイ「いいじゃない、エリカ。マホだって呼びやすいほうがいいって言ってたんだし」

エリカ「しかし……」

ミカ「何か心の中に引っかかることでもあるのかい?」

エリカ「……」

まほ「何か意見があるのなら何でも言ってほしい」

エリカ「いえ、特にありません。そのチーム名で構いません」


52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/14(火) 23:09:14.70 ID:/715p2sVo

みほ「いいな、愛里寿ちゃんたち……。私もボコチームにしておけばよかった……」

アリサ「そんなチーム名だったら敵側に寝返ってたわね」

忍「ボコではなく、バボとかどうでしょう?」

ノンナ「あまり変わりませんね」

カルパッチョ「西住さんはボコの熱烈なファンなのですね」

優花里「ボコへの愛は海よりも深いですからね」

麻子「ボコミュージアムでの西住さんは正直、見ていられなかったぐらいだ」

カルパッチョ「そこまでなのですか」

絹代「分かります。私もウラヌスには戦車と同等の愛情を捧げていますから」

カエサル「馬のことか?」

絹代「いえ、愛車のバイクです」

カエサル「人以外にソウルネームをつけるという発想はなかったな。三突にもソウルネームをつけたくなってきた」

アンチョビ「……大変そうだな」

梓「はい?」

アンチョビ「気にするな。独り言だ」


54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 09:35:27.23 ID:GYd2x1mCo

桃「最後がチーム・ボコ、と」カキカキ

愛里寿「チーム標章は初代ボコでいきたい」

ナカジマ「いいですよ。どんなデザインかあとで教えてください。こちらで作っておきます」

愛里寿「すまない。恩に着る」

桃「チーム名も決まったところで午前の練習を開始する。練習内容は各チームで決めてほしい」

桃「全体練習をするもよし、個別で練習するもよし、ポジションごとで練習するもよし。とにかく自由だ」

桃「その分、各車長、隊長の指導力が如実に表れる時間となることだろう。それから――」

みほ「まずは戦車に慣れるために練習会場をみんなで隊列を維持しながら周ってみましょう。その際、丁度いい目標物があれば練習弾で発砲してもらっても構いません」

カルパッチョ「装填の感じも掴めそう」

ルクリリ「隊列を維持するのであれば操縦手、通信手共に仕事が多くなるわね」

ナオミ「目標物というのは岩や木を狙うの?」

みほ「それも自由です。ただ隊列の維持を最優先にしてください」

アンチョビ「つまり動きながら撃て。それができないなら、全隊止まれで撃て、か」

みほ「みなさん、よろしくお願いします。それでは、パンツァー・フォー!!」

「「おぉー!」」


55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 09:46:58.37 ID:GYd2x1mCo

ケイ「どんなプラクティスをするの?」

エリカ「午前の練習は3時間、ね……。1時間、各チームに分かれて自由に練習。その間に戦車に慣れてください」

ダージリン「了解ですわ」

あゆみ「あの、西住先輩みたいにみんなで固まって練習は……」

エリカ「残りの2時間をそれに充てるわ」

優季「そうなんですかぁ」

ローズヒップ「では、走り回ってもいいんですの!?」

エリカ「車長がそれを許可するならね」

ローズヒップ「島田さまっ!」

愛里寿「やめてほしい」

ローズヒップ「……!?」

沙織「エリりんってみぽりんとは真逆って感じがする」

ミカ「まさに鏡だね」

沙織「鏡なら全く一緒なんじゃないんですか?」

ミカ「鏡に映る自分は左右が反転しているじゃないか」ポロロン


56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 09:56:03.17 ID:GYd2x1mCo

Ⅳ号戦車内

みほ「このままA8地点へ進みます。みなさん、ついてきてください。何か異常はありませんか」

梓『こちらウサギ、じゃなかった、ワニさん、問題は――』

ペパロニ『まっかせてください!! 西住姉さん!!』

梓『あの、勝手に割り込まないでください!!』

みどり子『西住姉さんってまほさんのことを言ってるみたいで、勘違いしそうね』

ペパロニ『それもそっすね。んじゃ、これからはみほ姉さんで!!』

アンチョビ『ワニさん、聞いての通り、問題はない!!』

梓『私の仕事とらないでくださーい!!』

みほ「あはは……」

アリサ「ふぅん。A8からB33地点までは見通しが良さそうね。ここは丘になってるけど」カキカキ

ノンナ「……」

絹代『こちらほたるさん。視野良好。問題ありません』

ニーナ『ぞうさんもだいじょうぶです』

優花里『ねずみさん、異常ありません!! どこまでもついていきます!!』


57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 10:05:16.77 ID:GYd2x1mCo

ファイアフライ 車内

ナオミ「ん? あの岩、ちょうどいい」

絹代「何かありましたか?」

ナオミ「11時の方向にちょっとした岩が転がっている」

カエサル「あれか? ちょっとした岩って、かなり遠いぞ」

ナオミ「この車輌に乗っていたのは誰だと思っている?」

ツチヤ「じゃあ、走りながら撃つ?」

ナオミ「ああ、この速度なら狂うこともない。キヌヨ、ゴーサインが欲しい」

絹代「ま、待ってください。西住隊長!!」

みほ『はい、なんでしょう?』

絹代「砲撃許可を願いたいのですが」

みほ『はい。いいですよ』

絹代「ナオミ殿、許可がでまし――」

ドォォォォン!!!

ナオミ「ヒット。次だ」


58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 10:18:49.64 ID:GYd2x1mCo

絹代「む。ツチヤ殿、少し隊列に乱れ――」

ツチヤ「ありゃ、ちょっと遅れちゃったか。よっと」グイッ

絹代「あ。ナオミ殿――」

カエサル「ナオミさん、あの木はどうだ? 1時の方向にある」ガコンッ

ナオミ「ベリーイージー。それともカエサルは私の腕を見くびっているのか」

カエサル「そんなつもりで言ったわけじゃない」

ナオミ「当ててみせる」ドォォン!!

ツチヤ「命中だ。さっすが、名スナイパー」

カエサル「まさにアルコンだ」

ナオミ「センキュー」クッチャクッチャ

絹代「……」

みほ『みなさん、良い調子です。このままを維持しましょう』

『『はいっ!!』』

ツチヤ「やっぱり、あんこうとねずみさんはすっごいなぁ。全然、乱れる様子がない」

カエサル「謙遜するな。貴殿はアウクシリアでも活躍できるほどの技量がある」


59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 10:35:12.79 ID:GYd2x1mCo

会場

エリカ「……」

沙織「エリりーん。のらないのー?」

エリカ「貴方達だけで動かしておいて。私は次の練習で乗り込むから」

オレンジペコ「よろしいのですか?」

エリカ「貴方達よりはその戦車に触れているもの」

杏「それもそっか。んじゃ、ミッコ、しゅっぱーつ」

ミッコ「セルヴァ!!」

エリカ「……」

ポルシェティーガー『いきますですわー!!』ズゴゴゴゴ!!!!

ナカジマ『ローズヒップさん!! ちょっと待って!!』

ローズヒップ『なんですの!?』

スズキ『もうダメだ』

ナカジマ『あーあ、やっちゃったぁ。履帯直さないと』

ローズ『わたくしの所為ですの?』


60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 10:37:40.36 ID:GYd2x1mCo

>>59
ローズ『わたくしの所為ですの?』

ローズヒップ『わたくしの所為ですの?』


61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 10:49:17.72 ID:GYd2x1mCo

マチルダⅡ車内

ミカ「……」ポロロン

華「右から来るようです」

ホシノ「そうは行くか!!」

ドォォォン!!!

典子「回避できました!!」

ケイ『やるじゃない! でも、次はわからないわよ!! カリナ! しっかりついていって!! サキ!! 装填早めにね!! ユウキ!! チーム・パンサーと連携を密にね!! クラーラはフリーダムに!!』

優季・桂利奈『『おっけーでーす』』

クラーラ『Уразуметно』

ダージリン『ミカさんは一筋縄ではいきませんわね。各員、なんとかしなさい』

妙子『はい!! なんとかします!!』

あゆみ『指示がテキトーすぎませんか!?』

アキ『ダージリンさんってもっとちゃんとしてる人かと思ったのに』

ダージリン『この練習は車輌に慣れるためのもの。大変なのは貴方達のほうですわ』ズズッ

柚子『答えになってないような……』


62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 11:02:14.01 ID:GYd2x1mCo

会場

あけび「すごいですぅ」

エルヴィン「壮観だな」

あや「混ざりたかったなぁ」

おりょう「次があるぜよ。多分」

左衛門佐「練習風景を見るのもいいが、我々の役目を果たすでござる」

希美「ですね」

モヨ子「これを運んでもらえますか?」

玉田「了解であります!!」

福田「カモ殿!! 私は何をすればいいでありますか!!」

細見「私は何をしましょう!?」

寺本「写真とってもいいですか!?」

希美「あの、少し落ち着いてください、えっと……福田さんは……えーと……」

桃「何をしている!! この紙にそれぞれの係が書かれているだろう!! これを見て行動しろ!!」

福田「も、申し訳ありません!!」


63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 11:21:42.54 ID:GYd2x1mCo

ポルシェティーガー 車内

ナカジマ「強化しているとはいえ足回りの弱さは隠せないんですよ」

ローズヒップ「だから地面にめり込んでしまったのですわね」

スズキ「そうそう」

ローズヒップ「気を付けますわ」

小梅「次はどうしましょう。ケイさんたちと一緒に……」

愛里寿「このまま走って」

ローズヒップ「いいんですの!?」

愛里寿「うん。知っておきたいこともあるから」

ナカジマ「レオポンのことなら何でも答えられる自信がありますけど」

愛里寿「戦車のスペックは記憶している。見るべきところは別」

スズキ「教えてくれる?」

愛里寿「この戦車とチームでみほさんを撃破できるかどうか」

ローズヒップ「五位指名チームが一位指名チームを倒すということですわね。わたくし、紅茶にそそぐお湯のように熱くなってきましたわー!!」

ナカジマ「沸騰直前ってことですか」


64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 11:34:21.60 ID:GYd2x1mCo

会場

みほ『撃て!!』

Ⅳ号戦車『Да』ドォォォン!!!!

クルセイダー『うわぁ!?』

アッサム『的確に当ててくるとは恐ろしいですわね。ブリザードのノンナ、伊達ではありませんのね』

麻子『やるな』

優花里『こちらも負けてはいられません! 冷泉殿、もっと鋭く動きましょう!!』

麻子『別にいいが、秋山さんの装填は大丈夫か』

優花里『私のことは気にしないでください。冷泉殿の操縦で装填ができなかった、なんて言いたくもありませんから』

麻子『そういうことなら、遠慮はしない』

アッサム『この自信と信頼関係……。なるほど』

アンチョビ『我々も続けー!!』

P40『おらおらおらー!!! ワニさんのお通りだー!!』ゴゴゴゴッ!!!!

絹代『ほ、砲撃準備を!!』

ナオミ『イエス、マム』


65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 11:43:15.68 ID:GYd2x1mCo

KV-2 車内

ニーナ「みなざん、やっぱりうんめえなぁ」

カチューシャ「感心してないで、こっちもやるのよ!! ここからKV-2の実力をミホーシャたちに見せてやるのよ!!」

ルクリリ「とはいっても、威力はあっても速さで負けている気が」

ねこにゃー「ももがー」ポイッ

カチューシャ「ん?」

ももがー「はい! ぴよたん、いけるなり!!」ガコンッ

ぴよたん「発射ずらぁ!!」

ドォォォォン!!!!

アンチョビ『相変わらずの反則級の威力だな!!』

ペパロニ『ふんっ。けど、装填するのに時間がかかるのはわかってること! 一発撃てば、あとはただのでっかい的っすよ!!』

ねこにゃー「二射目!!」ポイッ

ももがー「いくなり!!」ガコンッ

ぴよたん「ほい!!」ドォォォォン!!!!!

ペパロニ『うわぁぁぁぁ!!!』


66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 11:50:27.54 ID:GYd2x1mCo

カチューシャ「……」

ニーナ「はえー……」

優花里『KV-2って連射できましたっけ!?』

絹代『そこまでいくと、鉄の物の怪にしか見えないであります!!』

みほ『ワニさん、怪我はありませんか?』

アンチョビ『訓練弾でこの威力とは……』

みどり子『反則よ!! 校則違反よ!!』

梓『いたた……』

ペパロニ『くっそぉ。私の反応があと3秒早ければ避けれてたのに』

梓『惨敗ってことですね』

忍『P40がひっくりかえった……』

カルパッチョ『訓練弾でもああなるとは、味方でよかったです』

ペパロニ『アンチョビ姉さん、早く戦車を起こしてリベンジっすよ!!』

アンチョビ『できるわけないだろ!!!』

桃『横転した戦車はこちらでなんとかする。しばらく待っていろ』


67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 11:59:20.24 ID:GYd2x1mCo

ノンナ『カチューシャ?』

カチューシャ「な、なによ」ビクッ

ノンナ『装填手のお二人はどのようにして装填をされたのですか』

カチューシャ「え、あ、べ、別にフツーよ、フツー! 頼れる同志として認めてあげてもいいぐらいではあるけど、フツーよ」

ノンナ『普通の装填であのような速射ができるでしょうか』

カチューシャ「で、できるのよ!! カチューシャの教え方が上手いから!!」

ノンナ『そうですか』

ニーナ「すげえ!! ふだりとも、ホーダンでお手玉しでたみてぇだぁ!!」

カチューシャ「こ、こら!! 黙ってなさい!!」

ニーナ「へ?」

ノンナ『聞こえましたよ』

カチューシャ「物のたとえよ!」

ノンナ『みほさん。あんこう踊りの衣装なのですが――』ブツッ

カチューシャ「ノンナ!? ノンナー!!! 応答しなさい!! ノンナー!!!」

ルクリリ「あの約束、生きてたんだ」


68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 12:09:19.10 ID:GYd2x1mCo

会場

まほ「エリカ、まだ練習に参加しないのか」

エリカ「私には私の考えがありますので」

まほ「他人のことを言えないが、気持ちは言葉にしなければ伝わらない」

エリカ「分かっています」

まほ「そう。では、安心だ」

エリカ「あの、隊長」

まほ「なに?」

エリカ「何故、隊長は参加されないのですか」

まほ「これでも参加しているつもりだが」

エリカ「いえ、選手として、その……」

杏『逸見ちゃーん、そろそろ隊長の指示が欲しいんだけど、合流してくれない?』

沙織『車長の席が寂しいなー、なんてねっ』

エリカ「……今から行くわ。隊長、この話はまた、後ほど」

まほ「ああ」


69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 12:21:12.31 ID:GYd2x1mCo

休憩所

ローズヒップ「つかれましたわー」

ナカジマ「あれだけ派手に暴れたらねー」

愛里寿「……」

小梅(結局、チーム・ボコだけ一緒に練習しなかったけど、いいのかな……)

杏「島田ちゃん、そっちはどうだった?」

愛里寿「いい感じだ。車内はボコでいっぱいだし、チームも悪くない」

ローズヒップ「おぉ!! わたくし、今、褒められた気がしますわ」

愛里寿「貴方はもう少し丁寧な操縦を心掛けてほしい」

ローズヒップ「紅茶が零れないような運転をしろということですわね。簡単ですわ」キリッ

ダージリン「既に袖が濡れているわよ、ローズヒップ」

杏「楽しそうでよかったよ」

エリカ「……」

沙織「あーうー……おなかすいたぁ……」

桃「これより昼食をとる。午後からの練習に備えてしっかりと英気を養ってくれ」


70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 13:01:09.53 ID:GYd2x1mCo

ペパロニ「もちろん、パスタだよな」

福田「えっ」

ペパロニ「どうした?」

福田「あ、あの、食事は知波単と大洗のみなさんで用意させてもらったでありますが……」

あけび「カレーライスです」

ペパロニ「なにぃ!?」

福田「も、も、も、申し訳ありません!! 要望を事前に聞いておけばこんなことには!!」

ペパロニ「サイコーじゃん!! 外でカレーって!! いやぁー、わかってるねー!!」バンバンッ

福田「よ、よかったでありますぅ」

ペパロニ「んで、誰がカレーに決めたんだ? シェフを呼んでくれ」

あや「はーい。シェフー、ペパロニさんが読んでますよー」

まほ「なんだろうか」

ペパロニ「ぶふっ!?」

エリカ「た、隊長!?」

みほ「あ、お姉ちゃんが作ったんだ」


71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 13:01:55.01 ID:GYd2x1mCo

>>70
あや「はーい。シェフー、ペパロニさんが読んでますよー」

あや「はーい。シェフー、ペパロニさんが呼んでますよー」


72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 13:08:03.93 ID:GYd2x1mCo

まほ「私は具材などを集めてレシピを渡しただけだ。大部分は知波単高校と大洗の選手が作った」

杏「うん、うまいっ。星、みっつぅ」

柚子「もう食べてる!?」

桃「しっかりと味わうようにな。午後の練習は13時30分からだ」

「「はーい」」

優季「あやはなにしたのぉ?」

あや「ニンジンを切ったよ」

優季「そうなんだぁ。ありがと」

桂利奈「おかわりー!」

あゆみ「はやくない!?」

華「わたくしもおかわりを。もう少し多めでお願いします」

典子「えぇぇ!?」

ミカ「健啖は健康の証。いいと思う」ギュッ

アキ「これでよし。私もおかわりもらおっと」

桃「おい!! タッパーに詰めるな!! お前たち、カレーをどうするつもりだ!!」


73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 13:13:50.81 ID:GYd2x1mCo

アンチョビ「普段はピザやパスタが中心だが、たまには悪くないな」

カルパッチョ「ですね」

みほ「ふふ。やっぱりお姉ちゃんの味がする」

優花里「これが西住家の味なのですね。まさか西住殿の故郷の味をこうして知ることができるなんて思いませんでした」

沙織「あとで作り方とか聞いてもいいかなぁ?」

みほ「いいと思うよ」

カチューシャ「カレーなんて辛いだけじゃないの。何がいいのかしら」

まほ「カチューシャ」

カチューシャ「な、なによ。た、たべるわよ」ビクッ

まほ「これを」

カチューシャ「なに、これ?」

ノンナ「甘口カレーですね」

クラーラ(あ、コーンが入ってる)

カチューシャ「甘口ですって!? カチューシャを子ども扱いしないで!!」

まほ「好きにしてくれ。カチューシャの前には両方置いておく」


74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 13:22:17.06 ID:GYd2x1mCo

エリカ「隊長、わざわざこんなことをしなくても」

まほ「させてくれ」

エリカ「ですが……」

ケイ「マホー、サンキュー! デリシャスカレー、サイコーね!」

ダージリン「カレーに合う紅茶を用意しないと」

オレンジペコ「でしたら、アールグレイなんていかがでしょう」

ダージリン「それがいいわね。アッサム」

アッサム「はい。こちらに」サッ

ダージリン「ありがとう。あとでみなさんに出しましょうか」

アッサム「はい」

絹代「……」

福田「西隊長、味はいかがでしょうか?」

絹代「あ、ああ。最高だ。私には勿体ないぐらいだ」

福田「そ、そんなことは! 光栄の極みであります!!」

みほ「……?」


75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 13:32:29.63 ID:GYd2x1mCo

エリカ「はぁ……」

アンチョビ「エリカ! おかわりはいるか!?」

エリカ「な、なによ、いきなり」

アンチョビ「ん。どうした、箸が止まっているじゃないか。いや、カレーの場合はスプーンか」

エリカ「考え事をしていただけよ。全部食べるわ」

アンチョビ「では、水を入れてやろう」

エリカ「……なにか用?」

アンチョビ「エリカとか喋る機会が殆どなかったからな。こうして時間を使うのも悪くはないはずだろう」

エリカ「そうね」

アンチョビ「午前の練習はどうだった? 私たちは充実していたぞ。P40が横転したときは焦ったがな。また大破したらまた修理費で予算が……」

エリカ「試合になれば、嫌でも壊れると思うけど」

アンチョビ「はっはっはっは。確かにそうだな。一本取られた」

エリカ「ごちそうさま。では、お先に失礼します。午後の練習内容を決めなければならないので」

アンチョビ「わかった。またあとでな」

エリカ「ふんっ」


76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 14:33:19.16 ID:GYd2x1mCo

愛里寿「はむっ……」

ミカ「君も隅が好きなのかな」

愛里寿「え……。別に、ここしか空いて無かっただけだ」

ミカ「私もここから見る景色が好きなんだ」

愛里寿「どうして?」

ミカ「近づきすぎると見えないものもあるからね」

愛里寿「よくわからない」

ミカ「君はいつも近くでみていたんじゃないかな。誰にも邪魔されない最前列の特等席で」

愛里寿「……」

ミカ「だから、きっと後ろの席にどんな観客がいるのは知らないんだと思うよ」

愛里寿「どういう意味――」

みほ「愛里寿ちゃん、こっちで食べない?」

愛里寿「あ……みほさん……。うんっ」

沙織「ミカさんもどう?」

ミカ「嬉しい誘いだけど、今回は遠慮しておくよ」


77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 14:33:44.57 ID:GYd2x1mCo

>>75
アンチョビ「午前の練習はどうだった? 私たちは充実していたぞ。P40が横転したときは焦ったがな。また大破したらまた修理費で予算が……」

アンチョビ「午前の練習はどうだった? 私たちは充実していたぞ。P40が横転したときは焦ったがな。大破したらまた修理費で予算が……」


78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 14:51:42.96 ID:GYd2x1mCo

愛里寿「邪魔する」

優花里「どーぞ、どーぞ」

沙織「私たちもね、愛里寿とお話ししたかったんだー」

華「以前、大洗に来ていただいたときはゆっくりとお話しできなかったので」

愛里寿「そ、そうか。急に帰ってしまい、申し訳ない」

みほ「気にしないで。愛里寿ちゃんの私と試合がしたいって気持ち、とっても嬉しいから」

愛里寿「嬉しい、のか。みほさんも」

みほ「もちろんだよ。チームメイトとして一緒に戦車道をするのも良いけど、やっぱり私も愛里寿ちゃんと試合がしたいなって思ったの」

愛里寿「では、みほさん」

みほ「なにかな?」

愛里寿「私以外の人に落とされないようにしてほしい」

沙織「おぉー!! これってプロポーズ!?」

麻子「全然違うだろ」

みほ「が、頑張ってみる」

愛里寿「うんっ」


79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 15:02:15.21 ID:GYd2x1mCo

あけび「キャプテン、調子はどうですか?」

典子「まずまずってところかな」

あけび「今日と明日である程度はチームワークをよくしないと試合に響きそうですよね」

典子「なぁ、佐々木」

あけび「はい?」

典子「ううん。しっかりと応援しててほしい!!」

あけび「はいっ。勿論です! 気合と根性です!! キャプテン!!」

典子「おーし!! いつものやるぞー!! バレー部ぅ……」

妙子・忍・あけび「「ファイトー!!!」」

ローズヒップ「ファイトですわー!!」

典子「なんでローズヒップさんが入ってくるんですか!?」

ローズヒップ「わたくしもこういうの好きなのですわ!」

ダージリン「……」ズズッ

杏「いつも元気だね。いやぁ、ローズヒップちゃんが同じ隊でよかったよ」

ダージリン「そうね。時々、あの子の強さが羨ましくもあるわ」


80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 15:10:26.58 ID:GYd2x1mCo

まほ「みほ、午後からの打ち合わせをする。来てくれ」

みほ「あ、うん。それじゃあ」

愛里寿「うん」

優花里「西住殿、忙しそうですね」

沙織「立案者となると、色んな雑用もあるもんね」

麻子「面倒だな」

柚子「そうでもないんじゃないかな?」

華「小山先輩、それはどうしてでしょうか」

柚子「今回、桃ちゃんが雑用の殆どをやってくれてるみたいで」

沙織「へぇ、そうなんですか」

柚子「私も西住さんも手伝うって言ったんだけど、桃ちゃんは……」


桃『試合に出る者は練習と試合にだけ集中していればいいんだ!!』


柚子「って、誰にも雑用をさせてくれないの。料理だけはまほさんからの要望もあって、みんなで用意したみたいだけど」

麻子「……」


81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 15:17:20.90 ID:GYd2x1mCo

杏「んじゃ、昼からはどんな練習する?」

桃「西住は既に実戦的な練習をしていたようだが」

みほ「みんなもそれを望んでいたので」

まほ「こちらはそれぞれが戦車性能の確認と、簡単な戦術の打ち合わせに終始していた」

杏「チーム・ボコだけはずっと違うところを走ってたけどね」

まほ「そうだな」

みほ「あの、お姉ちゃん。もしかしてエリカさんと愛里寿ちゃん……」

まほ「みほが気にすることはない」

みほ「けど……」

まほ「相手側の選手を心配する前に、自軍の心配をしろ」

みほ「うん……」

桃「双方ともに問題があるのか」

みほ「問題ってほどではないと思うんですけど……」

まほ「こちらも支障はない。イベントは必ず成功させる」

杏「成功してもらわなきゃ困るんだよねぇ。このイベントにサンダースや聖グロ、黒森峰だって出資してくれたんだから」


82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 15:34:52.31 ID:GYd2x1mCo

桃「何かあるのならすぐに言ってくれ。できる限るのことならなんでもする」

みほ「ありがとうございます」

杏「河嶋もこう言ってるし、あとの事務はぜぇーんぶやってもらおっかなぁ」

桃「お任せください!!」

まほ「河嶋さん。私も手が空いてる時間のほうが長いので、手伝えるが」

桃「監督は選手のことを常に見ておくべきだ。これぐらいの書類ならば、いつもこなしている」

まほ「そうか……」

杏「お姉さんもやりたいっていってるんだし、いいんじゃない?」

桃「本当に困ったときには手伝ってもらいます」

杏「そう? 好きにしてくれていいけど」

まほ「午後からはチーム・ボコにも入ってもらい、実戦形式の練習をするか。A10地点からC3地点で行う」

みほ「分かりました。こちらはB74エリアで引き続き同じ練習をしようと思います」

桃「この地点と……ここで……練習っと……」カキカキ

杏「へえ、そうやって朝もきちんと書いてたのか」

桃「当然です。P40のように車輌が横転したとき、あるいは怪我人が出てしまったとき、迅速に動くためには選手たちの位置をある程度は把握しておかなければなりません」


83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 15:53:12.64 ID:GYd2x1mCo

練習会場

みほ「準備はいいですか?」

絹代『はい、いつでも構いません!』

優花里『こちらもです!』

梓『ウサ、じゃなくて、ワニさんもオッケーです』

みほ「では、開始してください」

優花里『パンツァー・フォー!!』

クルセイダー『……』ゴゴゴゴッ

アンチョビ『出てきたな、ねずみさん。ここはワニの出るポー川と思え!!』

P40『ファルファーレ作戦で行くぜぇ!!』ゴゴゴゴッ

アリサ「そんな作戦あるの?」

カルパッチョ「初耳です」

絹代『こちらも動きます!! 前進開始!!』

ツチヤ『腕の見せどころ!』

ファイアフライ『……』ゴゴゴゴッ


84: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 16:09:34.07 ID:GYd2x1mCo

クルセイダー 車内

優花里「後ろからぴったりとP40がきています」

麻子「応戦するか」

優花里「いえ、ファイアフライの位置を確認してからでも遅くないかと」

アッサム「後ろの一輌と応戦を始めた瞬間に後ろから撃たれる可能性もありますわね」

優花里「はい。なので、もうしばらくはこの状態を維持します」

麻子「了解」


P40 車内

アンチョビ「なんて速さだ。これでは追いつけないぞ」

ペパロニ「舐められっぱなしでいいんすか、姉さん!!」

アンチョビ「それがいいんだ」

ペパロニ「マジっすか!?」

アンチョビ「追いかけているように見せかけて、実は誘導する。こうしてたまに撃ってみたいしてな!!」ドォォォン!!!!

梓「ねずみさん、方向を変えます!!」

アンチョビ「狙い通りの道を進んでいる。ほたるさん!! もうすぐ見えてくるぞ!!」


85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 16:22:46.24 ID:GYd2x1mCo

ファイアフライ 車内

絹代「は、はっ! 了解であります!!」

アンチョビ『このファルファーレ作戦は息があっていなければ成功しない!!』

絹代「尽力いたします!!」

ナオミ「ガム、いる?」

絹代「い、いえ。大丈夫であります!」

梓『ほたるさん、敵車輌がポイント01に到達するまで残り500』

絹代「ナオミ殿、お願いします!」

ナオミ「オーケー」クッチャクッチャ

カエサル「装填は完了している」

梓『400……300……200……』

絹代「見えた! 撃てー!!」

ナオミ「……」

絹代「……ナオミ殿?」

ナオミ「ここだ」カチッ


86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 16:40:26.33 ID:GYd2x1mCo

練習会場

ドォォォォォン!!!!

優花里『ぐっ……!!』

アッサム『どうなりました?』

麻子『当たってはいない』

優花里『アッサム殿、どうですか?』

アッサム『2時の方角、あの高台にいますわね』

優花里『では、そこへ行きましょう』

クルセイダー『了解』ゴゴゴゴッ

忍「もうファイアフライを見つけた?」

アリサ「あれだけ派手な音が聞こえればね」

ノンナ「ナオミさんの狙いは完璧でしたね。戦車の機動力と操縦手の技能が僅かでも低ければ当たっていたと思います」

カルパッチョ「冷泉さんとクルセイダーの組み合わせだからこそ、回避できたのですね」

カチューシャ『冬眠からゾウが覚めちゃったわよ。ぜん、しんっ!!』

ルクリリ『了解!』


87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 16:46:43.67 ID:GYd2x1mCo

ファイアフライ 車内

ナオミ「チッ。ソーリー、ボス。ミスファイアになった」

絹代「い、いえ。私のほうこそナオミ殿のタイミングを考えずに……」

カエサル「徹三。それよりどうする。敵に居場所が知られてしまったぞ」

ツチヤ「動いたほうがよくない?」

絹代「そ、そうですね。では、ここから――」

ドォォォン!!!

絹代「なっ……!?」

カエサル「この激しい砲撃は……」

KV-2『……』ゴゴゴッ

ツチヤ「来ちゃったか。逃げるが勝ちだ!」

カエサル「ナオミさん! 次弾いけるぞ!!」ガコンッ

ナオミ「サンクス、カエサル」

絹代「……っ」

ナオミ「ファイア!」カチッ


89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 17:05:25.69 ID:GYd2x1mCo

別地点

エリカ『撃て!!』

杏『はいよぉ!』

VI号戦車『……』ドォォォン!!!!

T-34『おっとっと。良い狙いね、アンジー!!』

ケイ『んじゃ、こっちからもアタックかけるよ!』

桂利奈『あいぃ!!』

ケイ『ファイアー!!』

T-34『……』ドォォォン!!!

ローズヒップ『こちらからもいきますわよー!!!』

ポルシェティーガー『……』ギュルルルル!!!!

ローズヒップ『あ、あら?』

ナカジマ『また地面にめり込んじゃったみたいだね』

ローズヒップ『困りましたですわ』

愛里寿『……』


90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 17:11:32.82 ID:GYd2x1mCo

ミカ『……』ポロロロン

ホシノ『回り込む!』

ミカ『……』ポロロン

華『発射します』カチッ

マチルダⅡ『……』ドォォォン!!!!

ヤークト『やりますわね』

ダージリン『けれど、当たらなければ意味はないわ。小山さん、その調子よ』

柚子『あわわ……』

アキ『一発どうぞ!!』ガコンッ

あゆみ『ぶっとべー!!』カチッ

ミカ『……』ポロロロロン

ホシノ『急停止か!!』

マチルダⅡ『……』ギギッ!!!

ヤークト『……』ドォォォォン!!!!

ダージリン『洗練された動き……。ミカさんは車内でどのような指示をされているのか……』


91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 17:19:02.91 ID:GYd2x1mCo

練習会場

ナカジマ「あー、また修理しないとー。おーい、手伝ってー」

スズキ「はーい」

ローズヒップ「中々、難しいですわ」

エリカ「ちょっと」

ローズヒップ「はい。なんでございましょう」

エリカ「午前中にこの戦車の性能は確かめたんじゃなかったの」

ローズヒップ「確かめましたわ」

エリカ「だったら、どうして何度も何度も自滅してるのよ」

ローズヒップ「まだ加減ができないだけですわ」

エリカ「このままじゃ困るのよ!! 練習ができないじゃない!!」

ローズヒップ「うぅ……」

エリカ「島田さん。貴方もどうして彼女を抑えつけないの? 車長としての自覚はあるの?」

愛里寿「……」

エリカ「何か言ったらどうなの?」


92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 17:28:02.43 ID:GYd2x1mCo

愛里寿「ローズヒップさんも考え無しに操縦しているわけじゃない。だから、私から言うことは何もない」

エリカ「それで何度も走行不能になっているのに?」

愛里寿「そうだ」

エリカ「……このまま改めないのなら、貴方を戦力としては考えない」

愛里寿「試合には出さないということか」

エリカ「そう思ってくれてもいいわね」

愛里寿「逸見さんは、隊長に向いていないかもしれない」

エリカ「……っ」

ローズヒップ「お、お待ちになってください!! ほ、ほら、ローズマリーティーをどうぞ!! 落ち着きますですわ!!」

ナカジマ「仲良くしましょうよ」

小梅「逸見さん、抑えてください。島田さんも今の発言は取り消してください」

まほ「どうした?」

エリカ「なんでも、ありません。修理が完了次第、次の練習に移るわよ」

ナカジマ「りょ、りょうかいでーす」

まほ「エリカ……」


93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 17:41:00.28 ID:GYd2x1mCo

休憩所

エリカ「はぁ……」

エリカ(隊長に向いていないですって……。はっきりと言ってくれるわね……)

カチューシャ「ふっふーん。今のカーベーは無敵ね! 貴方、プラウダに来なさいよ。今なら専属装填手に任命してあげてもいいわよ」

ねこにゃー「え、ええ……? いや、でも、ボクは大洗が好きだから……」

カチューシャ「そう? なら、仕方ないわね」

ねこにゃー「あっさり引き下がられて、少し複雑だにゃー」

カチューシャ「あら? 誰かと思えば、エリカじゃない」

エリカ「貴方達も休憩?」

カチューシャ「ええ。それにしても今度の試合、カチューシャたちの勝ちは確定よ。今の内に謝っておいたほうがいいんじゃないかしら」

エリカ「……そうね」

カチューシャ「へ?」

エリカ「負けるかも、しれないわね」

カチューシャ「ちょ、ちょっと」

エリカ「戻るわ」


94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 17:48:15.72 ID:GYd2x1mCo

カチューシャ「待ちなさいってば!!」

エリカ「何よ」

カチューシャ「そんな気分で試合をするなら、もう学園艦に帰りなさい」

ねこにゃー「えぇぇ! カっちゃん、それはちょっと言い過ぎなような……」

カチューシャ「言い過ぎですって? 優しいぐらいよ。戦車道を止めてって言わないだけ、カチューシャは天使のようよ」

ねこにゃー「確かにカっちゃんは可愛いけど」

カチューシャ「どうなの、エリカ? ここで学園艦に逃げるなら、今の発言は聞かなかったことにしてあげるわ」

エリカ「放っておいてよ」

ねこにゃー「あの、何が……?」

エリカ「それじゃ」

カチューシャ「島田愛里寿の扱いに困ってる、なんて一粒の雪にすら劣るぐらい小さなことで悩んでる」

エリカ「……!」

カチューシャ「なーんて、言わないでね。笑っちゃうから」

ねこにゃー「カっちゃん、やめて、やめて……」

エリカ「そんな……! そんな簡単なことじゃないのよ!!」


95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 17:55:35.65 ID:GYd2x1mCo

ねこにゃー「あぁ……逸見さん……」

カチューシャ「放っておけばいいわよ。本人もそれを望んでたみたいだし」

ねこにゃー「いくらなんでも、言っていいことと悪いことがあるような」

カチューシャ「隊長ってのは下に見られたら終わりなのよ」

ねこにゃー「……」ジーッ

カチューシャ「今、見下ろしたわね?」

ねこにゃー「め、滅相もない」

カチューシャ「ま、いいわ。ねこにゃーはもう頼れる同志だから、多少の無礼は見逃してあげる」

ねこにゃー「うれしいにゃー。あぁ、でも、逸見さんには謝ったほうが……」

カチューシャ「私だって……どれだけ言われてきたか……」

ねこにゃー「あの、今、何か……」

カチューシャ「戻るわよ!!!」

ねこにゃー「は、はい!」

カチューシャ「絶対に負けるもんですか。あんな隊長に負けるなんて、ありえないんだから」

ねこにゃー「こ、こわいにゃー……」


96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 18:04:41.53 ID:GYd2x1mCo

夕方 練習会場

桃「全員、整列!!」

沙織「もうヘトヘトぉ」

優花里「違う戦車もやっぱりいいですね!!」

華「はい。とても充実した一日でした」

麻子「ねむい」

エリカ「……」

愛里寿「やってやーる、やってやーる」

優季「それ一番お気に入りなのぉ?」

愛里寿「ああ」

絹代「はぁ……」

杏「色々、あった一日だったね」

みほ「はい」

桃「あとは夕食を取り、明日の練習に備えろ。以上、解散!!」

「「ありがとうございました!!」」


97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 18:15:42.19 ID:GYd2x1mCo

食事会場

柚子「夕食はアンツィオ高校とサンダース大付属高校のご厚意で、様々な料理を用意していただきましたー」

「「おぉぉぉ!!!」」

ケイ「みんなー! 遠慮なんてしないでガンガン食べてねー!!」

ペパロニ「いいんすか、姉さん!! ここまでの食材を使っても!!」

アンチョビ「ああ。何せ、今回はサンダースが食費を奢ってくれた、じゃない、譲ってくれたのだ」

ケイ「私もチョビの仲だもん。これぐらいはしてあげるわ」

アンチョビ「グラーツィエ!! ケイよ、どんなイタリア料理もその場で作ってやる! なんでも言ってくれ!!」

ケイ「いいのー? 私だけの特製パスタでも作ってもらおうかしら!」

ペパロニ「お!! いいっすねぇ! どんな感じにします?」

ケイ「カルボナーラにハンバークとチーズをトッピングして! あとはエビフライとポテトもつけちゃって!! 勿論、パスタは大盛ね!!」

ペパロニ「了解っす!! 腕がなるぜ!!」

アンチョビ「軽く一日の摂取カロリーぐらいはいきそうだな」

華「あの、わたくしもケイさんと同じものを!」

沙織「ちょ!? 華、その両手にあるピザも食べるんでしょ!?」


98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 18:16:22.18 ID:GYd2x1mCo

>>97
ケイ「私もチョビの仲だもん。これぐらいはしてあげるわ」

ケイ「私とチョビの仲だもん。これぐらいはしてあげるわ」


99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 18:21:35.60 ID:GYd2x1mCo

オレンジペコ「あら……?」

クラーラ「誰かを捜しているのですか」

オレンジペコ「はい。ローズヒップ様が好きそうな料理がありましたので」

クラーラ「ローズヒップさんなら、まだこちらには見えていませんが」

オレンジペコ「え?」

クラーラ「どこにいるのでしょうね」

オレンジペコ「ありがとうございます」

アッサム「どうされますか」

ダージリン「別に。好きにさせておきなさい」

アッサム「けれど、ご迷惑に……」

ダージリン「迷惑だと感じる人がここにいれば、なんとしても止めなければいけないわね」

アッサム「わかりましたわ」

ダージリン「ふふっ」ズズッ

アキ「わーい、いっぱいあるー」

ミッコ「詰めろ、詰めろー」ギュッギュッ


100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 18:30:17.97 ID:GYd2x1mCo

福田「西隊長!! お寿司があったであります!!」

絹代「……」

福田「西、隊長……。ご気分でも優れないでありますか?」

絹代「あ、いや、すまない。お、おぉ。実に美味そうだな。ありがとう、福田」

福田「い、いえ」

みほ「西さん」

絹代「あ!! これは、西住隊長!! 教練では不甲斐ないところばかりを晒してしまい申し訳ありませんでした!!!」

みほ「自分で何かを決めて、この練習に参加したんですか?」

絹代「……」

みほ「あ、私の勘違いだったら、いいんだけど。なんだか西さんらしくないというか」

絹代「本日の練習に参加させていただき、痛感しております」

みほ「何をですか」

絹代「私は果たして、車長に相応しいのかどうか……」

みほ「西さん……」

絹代「西住隊長に選ばれたことは本当に、本当に嬉しく思います。ですが、車長である私よりもナオミ殿、ツチヤ殿、カエサル殿はとても素晴らしく優秀であります」


101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 18:38:25.70 ID:GYd2x1mCo

絹代「他のチームを見ても、私よりも優れた車長ばかりです。このような大役、私では……」

福田「西隊長!! そんなことはないであります!!!」

絹代「分かっている。こんな風に思ってはいけないと。知波単で培ったものは、無駄ではない。だが、こうして目の当たりにされると……」

みほ「西さん」

絹代「は、はい」

みほ「第二回目のドラフト会議のとき、私はミカさんを選択することもできました」

絹代「は、はぁ」

みほ「はっきりいいます。西さんとミカさんを比べた場合、ミカさんのほうが優秀です」

絹代「わ、わかっております」

みほ「でも、私は西さんを選びました」

絹代「それは、何故でありますか」

みほ「練度はミカさん、カチューシャさん、ダージリンさん、ケイさん、そして私なんかよりも西さんはずっと上なんです」

絹代「そんなことはありません!!」

みほ「あります」

絹代「に、西住隊長……どうしてそこまでを仰るのですか……」


102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 18:47:49.84 ID:GYd2x1mCo

みほ「あとは足りない部分を埋めるだけで、もっと優れた選手になれるはずなんです」

絹代「それは努力で、埋まるものでしょうか」

みほ「分かりません」

絹代「な……」

みほ「でも、西さんなら埋められるって信じています」

絹代「こんな私でも……突撃以外、何もできない私が……」

みほ「私も至らない部分は多いです。だから、そんな西さんと一緒に試合ができれば、私も西さんももっと自分を磨けるんじゃないかって」

みほ「一緒に悩んでくれるかもしれないって思いました。だから、西さんを選びました」

絹代「……」

みほ「私から言えるのは以上です」

絹代「はい……」

みほ「それでは」

絹代「……」

福田「西隊長ぉ……」

絹代「すまない、福田。今は一人にしてくれないか」


103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 18:58:06.66 ID:GYd2x1mCo

ナオミ「すまない。ミホ。つまらない役を押し付けて」

みほ「いえ。西さんのことは、気になっていましたから。それに私の気持ちも伝えたかったので」

カエサル「元気になってくれたらいいが」

ツチヤ「悪いことしちゃってたのかな」

ナオミ「深刻になることはないんじゃない? 私たちができることは一つだ」

カエサル「そうだな。車長を信じることだ」

ツチヤ「そうだなぁ」

みほ「みなさんは西さんのこと、好きですか?」

ナオミ「愚問ね。ボスを愛せないチームに強さなんてない」

カエサル「いいことを言う」

ツチヤ「弄りたいだけなんじゃなくて?」

ナオミ「それもあるがな」

みほ「私も西さんのこと、大好きです。だから、試合では思い切り戦って欲しいな」

ナオミ「そのためにも明日をどう過ごすかにかかってるな」

みほ「明日一日か……。上手くいくかな……」


104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 19:05:26.22 ID:GYd2x1mCo

愛里寿「……」

愛里寿(みほさんのところに行きたいけど……なんだか行きにくい……)

まほ「島田」

愛里寿「は、はい」ビクッ

まほ「ついてきてくれ」

愛里寿「どこへだ」

まほ「お前にどうしても見せておきたいものがある」

愛里寿「ボコか?」

まほ「いや。だが、ボコよりも大事なものだ」

愛里寿「……わかった」

ミカ「導かれたようだね」

ケイ「ミッカ! とってきたわよ!」

ミカ「揚げたモノばかりは口が受け付けなくてね」

ケイ「はい、アーン」ググッ

ミカ「もご……」


105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 19:11:12.92 ID:GYd2x1mCo

練習会場

まほ「あれだ」

愛里寿「……」


ポルシェティーガー『……』スゴゴゴゴゴゴ!!!!!!

ナカジマ「ローズヒップさーん、その調子、その調子ー」

ローズヒップ『いきますわよ!!!』

ボンッ!!!

スズキ「消火器、消火器!!」

ナカジマ「おーい、ホシノー!!」

ホシノ「今、もってく!」

ローズヒップ「申し訳ありませんわ……。これで10度目になりますわね……」

ナカジマ「いやぁ、でも、いい感じになってきてるけどなぁ」

スズキ「ここまで来たらとことん付き合うよ」

ローズヒップ「感謝しますわ」

ホシノ「けど、どうしてローズヒップさんはここまでするんだ? 努力家って話はちらっと聞いたけど、実力でいえば抜擢されるぐらいのものはあるんだし、練習の必要ってあるの?」


106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 19:17:09.10 ID:GYd2x1mCo

ローズヒップ「とんでもありませんわ!!!」

ホシノ「おぉ、ごめん」ビクッ

ローズヒップ「見ての通り、わたくしはまだこの子を満足に扱えてはいませんもの」

ナカジマ「言われちゃったもんねぇ。西住さんをこのチームで撃破したいって」

ローズヒップ「そうですわ。島田様がそこまで期待してくれているのであれば、わたくしはなんとしてもそれにお応えしなければなりませんもの」

スズキ「うん。まぁね」

ホシノ「意地になってるところもあるっぽいけどね」

ナカジマ「逸見さんと張り合ってるのはねー」

ローズヒップ「だからですわ!!」

ホシノ「おぉ、な、なにが?」

ローズヒップ「きっと島田様は悔しいはずですわ!! 撃破するだけの実力があるにも関わらず、その役目をもらえないですから!!」

ローズヒップ「島田様に無念の試合をさせないよう、今は練習あるのみですわ!!」

ナカジマ「いいよー、ローズヒップー、かっこいー」

ローズヒップ「おーっほっほっほ!! 当たり前のことをしているだけですわー!!!」

スズキ「調子に乗りやすいけどね」


107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 19:26:26.96 ID:GYd2x1mCo

愛里寿「あれを見せたかったのか」

まほ「もう一つある。こっちだ」

愛里寿「まほさん。なんのつもりで……」

まほ「お前は見てこなかっただろうと思ってな」

愛里寿「何を……?」

まほ「お前を支える者たちの努力を」

愛里寿「……」

まほ「私も同じだった。西住流を徹底的に叩き込まれ、常に勝ち続けなければならなかった」

まほ「勝つことが当然だった。私の乗る車輌は最後まで残っていなければならなかった」

まほ「私と同じ車輌に乗る者たちも同様に、最後まで立っていなければならない」

まほ「これぐらいの道を走れて当たりまえ、これぐらいの的に当てて当たりまえ、最適のルートを即座に判断して当たりまえ」

まほ「私と同じ車輌に乗る者はそれらを当然のようにこなさくてはいけない。だが、それらは普通に練習しただけではできない」

まほ「選ばれた以上は、誰よりも苦しまなくてはならない。私は、そんなことにしばらくの間、気が付けなかった」

愛里寿「どうやって、気が付いたんだ?」

まほ「みほが教えてくれた」


108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 19:30:38.99 ID:GYd2x1mCo

戦車倉庫

桃「はぁ……はぁ……」ゴシゴシ

柚子「桃ちゃん、手伝うよ?」

桃「いい!! 休んでいろ!!」

柚子「けど、一人で戦車の洗車なんてできなよぉ」

桃「朝までやればできる!!!」

柚子「桃ちゃん……」

桃「やらせてくれ。頼む」

柚子「……」

杏「河嶋」

桃「会長……。会長が止めろといっても、私はこの手をどけません」

杏「ありがとな」

桃「……」

杏「でも、やけっぱちになるのはどうかと思うけどなぁ」

桃「べ、別に自棄になっているわけでは……!!」


109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 19:36:30.25 ID:GYd2x1mCo

杏「一人で全部やれば、誰かに褒められる。そう思ってるなら大間違いだぞ」

桃「ぐっ……」

杏「河嶋一人が悔しいわけじゃないんだからな」

桃「あ……ぅ……」

杏「言いたいことがあるなら言え」

桃「……」

杏「どうしたのさ」

桃「でたい……です……」

杏「何に?」

桃「しあい……に……でたい……です……」

杏「そっか」

桃「わたしだって……戦車にのって……かいちょうと同じ戦車で……しあいに……で、たいです……」

杏「……」

桃「かいちょぉぉ!! くやしいです!! くやしいよぉぉ……!!」

杏「学園を守るためだけに始めた戦車道だけど、すっかりはまっちゃったもんなぁ。出たいよな。試合、したいよな」


110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 19:41:31.95 ID:GYd2x1mCo

桃「うぅぅぅ……」

杏「だからさ、その悔しさ、分け合ったらどうだ?」

桃「うっ……うん……?」

杏「な! みんなー!!」

あけび「河嶋先輩!! 私たちも手伝いたいんです!! 何かしたいんです!!」

モヨ子「仕事、ください」

希美「みなさんの役に立ちたいです」

桃「お前ら……」

杏「知波単のみんなも、アンツィオのみんなもどんな形でもいいから参加したいんだ」

桃「す、すみません……」

杏「分かればいい。んじゃ、みんな、あとのことは任せるぞー」

あけび「明日の朝には全部ピカピカにしておきますね!!」

あや「やってやるぅー!!」

桃「いいか!! これはお前たちが自分の意志でやると決めたことだからな!!! 途中で投げ出すなよ!!!」

杏「にひぃ。がんばってねぇ」


111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 19:48:44.72 ID:GYd2x1mCo

愛里寿「……」

まほ「自分が戦車に乗れるのは、陰で支えている人がいるから。みほはいつもそういっては、どんな者にも気をかけていた」

まほ「去年の試合で負けたとき、みほならば仕方ないと思った。それはみほの良さであり、弱さでもあったが」

愛里寿「……」

まほ「そして、私たちを支えるのは陰の人間だけではない」

愛里寿「え……」

まほ「隊長しか知らないお前や私では中々分からないことだが」

愛里寿「誰のことを言っている」

まほ「それは島田自身が考えてくれ」

愛里寿「わからない……」

まほ「信頼出来る者がいなくなり、全ての責任を背負わされる重圧。期待を下からも押し付けられる」

まほ「なんとかしてまとめなくてはいけない。なんとしてもチームとしての形を整えないといけない」

まほ「島田。あいつにとっては普通のことではない」

愛里寿「……」

まほ「以上だ。では食事に戻ってくれ」


112: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 19:56:42.52 ID:GYd2x1mCo

練習会場

エリカ「……」

アンチョビ「何をしている。折角、ペパロニが大量のカルボナーラを作ったというのに」

エリカ「食べたくないわね」

アンチョビ「同じ釜の飯を食うのは最も理解を深めることだと思うがな」

エリカ「はっきり言ってください。私に言いたいことがあるのなら」

アンチョビ「チームをまとめる、というのはとても難しいだろう」

エリカ「……」

アンチョビ「特に自分よりも才能がある者がいると、どうしていいのかわからなくなる」

アンチョビ「舐められるわけにもいかないから、厳しく接するときもある。そして陰ではこう言われる。嫉妬しているから八つ当たりしているんだってな」

エリカ「私は……」

アンチョビ「冗談じゃない!!!」

エリカ「な……!?」

アンチョビ「嫉妬だと!? そんな理由で厳しくする奴に隊長が務まるものか!!! エリカもそう思うだろ?」

エリカ「そ、その通りよ」


113: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 20:10:38.20 ID:GYd2x1mCo

アンチョビ「隊長というのは、嫌われる。それが常識だ」

エリカ「……」

アンチョビ「私だっていつも怖いさ。全員の前に立ち、何かを発することがな」

アンチョビ「みんなに好かれたいと、誰からも信頼されたいという欲がある以上はどうしても怖さはある」

アンチョビ「言葉にしたって伝わらないこともあるからな」

エリカ「……」

アンチョビ「別に嫉妬しているわけでも、憎いとも思ってはいないのだろう?」

エリカ「島田さんのことをそういう風に思ったことはないわ。ただ、チームを勝利に導くためには呑んでもらわないといけないこともあるだけで」

アンチョビ「ああ。だからって、感情で抑えつけるな。島田愛里寿はペパロニのようにアホではない。説明すれば分かってくれる」

エリカ「……」

アンチョビ「ああ! 勘違いするな! ペパロニはアホだが、バカではないんだ。あいつは誰からも愛される素質もある。隊長になるだけの器もある。もう少しだけ落ち着いてくれたら完璧なんだがな」

エリカ「あんなのに未来のアンツィオを負かせる気なの」

アンチョビ「恐ろしいだろう。黒森峰の背中が見えたな」

エリカ「本当ね。こんなことで悩んでいる隊長がいるんじゃ、背中も見えてくるわね」

アンチョビ「仲間を率いるのは怖いし、できればやりたくもない。隊長の悪口を陰で言うほうが何倍も楽だ。だが、それでも私は隊長でいたいと思う」


115: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 20:19:24.56 ID:GYd2x1mCo

エリカ「何故?」

アンチョビ「面白いからだな」

エリカ「辛いことも怖いこともあるのに」

アンチョビ「自分の考えた通りにみんなが動き、そして結果が出たときは私はとてもうれしいんだ」

アンチョビ「ペパロニもカルパッチョも、アンツィオのみんなも本当に嬉しそうに笑う」

アンチョビ「それを見たい。私が考えた作戦でな」

エリカ「そう……」

アンチョビ「常勝の黒森峰では縁のない話だったか」

エリカ「いいえ。勉強になったわ」

アンチョビ「そうか。ならばいい。モールトベネ!!」

エリカ「――安斎先輩。ありがとうございます」

アンチョビ「気にするな。私は世話を焼きたくなる性格なだけだ」

エリカ「人によっては嫌われるかもしれませんね」

アンチョビ「かもな。だから、エリカに声をかけるのも怖かった。無駄に嫌われたくもないからな」

エリカ「私は心から感謝しています」


116: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 20:28:32.16 ID:GYd2x1mCo

食事会場

優花里「なんだか、全員いない気がしますね」

みほ「そうだね」

優花里「西住殿は気になりませんか?」

みほ「見られたくないことをしているのかもしれないし」

優花里「見られたくないこと……」

沙織「なんか、あの、ちょっと……」

みほ「い、いや、変な意味じゃないから!!」

梓「そういえばアンチョビさんがいないような」

ペパロニ「あっれー、トイレかなぁ」

みどり子「そのうち、戻ってくるんじゃない?」

ペパロニ「そーっすね。はーい、今ならどんなリクエストにもこたえるよー!!」

ケイ「ハンバーガー!!!」

ダージリン「わたくしのオムライスはいかがかしら?」

オレンジペコ「結構です」


117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 20:34:02.70 ID:GYd2x1mCo

杏「やぁやぁ、それじゃあ宴もたけなわだけど、そろそろ宿舎に戻ってやすもっかぁ」

柚子「部屋は各チーム同部屋でおねがいしまーす」

アリサ「この五人で同じ部屋ってこと……」

カルパッチョ「嫌ですか?」

ノンナ「私は構いませんが」

アリサ「い、嫌とはいってないでしょ」

忍「けど、嫌がってるようにも……」

ノンナ「アリサさんは自分のイビキや歯ぎしりを聞かれることを恐れているのでしょう」

アリサ「はぁ!?」

みほ「あ……あぁ……」

忍「なるほど……」

カルパッチョ「心配しないでください。私たち、そんなことでアリサさんを嫌いになりませんから」

アリサ「いびきも歯ぎしりもしないわよ!!! 勝手なことをいわないでください!!」

ノンナ「すみません。勘繰ってしまいました」

みほ(ノンナさん、楽しそう……)


118: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 20:39:45.14 ID:GYd2x1mCo

宿舎

優花里「寝る前にちょっとしたミーティングとかどうですか?」

アッサム「いいですね」

みほ「私たちもしようかなぁ」

みどり子「もう……」

麻子「どうした、そど子ぉ」

みどり子「園、みどり子! 人数が全然足りないのよね。もう消灯時間だっていうのに」

みほ「そうなんですか?」

みどり子「チーム・ボコは全員いないし、チーム・虎も逸見さんがいないし」

みどり子「風紀の崩壊よ。全く!」

みほ「……ちょっと様子をみてきます」

みどり子「いいです」

みほ「でも、園さんが困るんじゃあ……」

みどり子「今日は特別。どうせ、明日までだし」

麻子「明日は雨が降るな」


119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 20:43:49.10 ID:GYd2x1mCo

部屋

沙織「エリりん、どこにいるんだろう」

杏「さぁねぇ」

沙織「心配じゃないんですか?」

杏「うん」

オレンジペコ「断言するんですね」

ミッコ「朝には練習場にいそうだけど」

沙織「そうだけどさぁ」

杏「そっとしておいてあげたら?」

沙織「私たちはチームなんだし、一人で抱え込んでほしくないんだけどなぁ」

オレンジペコ「武部様は優しいんですね」

沙織「友達だからねっ」

ミッコ「アキが聞いたら飛び跳ねて喜ぶなぁ」

杏「そういうわけで今日は寝よう。おやすみー」

沙織「えぇぇ……うーん……お、おやすみなさーい……」


120: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/16(木) 20:50:35.37 ID:GYd2x1mCo

練習会場

ポルシェティーガー『……』ゴゴゴゴゴゴッ!!!!!

愛里寿「おぉ……」

小梅「この走りを維持できれば、なんとかなりそうですね!!」

ナカジマ「ローズヒップー、オッケーだよー」

ローズヒップ「どうでした、今の走り!!」

スズキ「完璧に近いんじゃないかな」

ホシノ「ツチヤもびっくりしそうなぐらいだ」

ローズヒップ「島田様!! これなら戦えますわ!! みほ様をギャッフンと言わせることができますわよー!!」

愛里寿「そうだな」

ローズヒップ「共に戦いましょう!!」

愛里寿「うん」

ナカジマ「んー。そろそろねよっかぁ。もう限界だってー」

愛里寿「私も……もう……ねむい……」


エリカ(深夜まで練習なんて……。こっちのことも考えてほしいわね……)


132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 20:36:07.29 ID:xO3BTrmCo

ミカ「練習は終わったようだね。星も祝福してくれているようだ」

ダージリン「この時期は冷えますわね」

ケイ「なんだかんだ言って、ローズヒップのこと心配してたのね?」

ダージリン「わたくしが心配していたのは、ローズヒップに付き合わされている方々のほうですわ」

ケイ「そーいうふうには見えなかったけど?」

ダージリン「良い眼科を紹介してあげましょうか?」

カチューシャ「すぅ……すぅ……」

ノンナ「最後まで見れませんでしたね、カチューシャ」

みほ「お姉ちゃん、ありがとう」

まほ「私は、まとめ役だ。気にするな」

アンチョビ「エリカの奴が素直になってくれていれば解決なんだけどなぁ」

ケイ「で、ミホ。キヌヨは大丈夫なの?」

みほ「え……」

ダージリン「西さんのこと、手に負えないというのなら知識の一つぐらいは分けることもできるけれど、どうされます?」

みほ「ケイさんもダージリンさんも気が付いていたんですか……」


133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 20:48:19.91 ID:xO3BTrmCo

ケイ「普段から見る人数が多いから、どうしてもそういう子が目に飛び込んできちゃうのよ」

ダージリン「かと言って、すぐに手を差し伸べてもその方のためにはならない」

ケイ「そこが難しいわよねぇ。私は声をかけるようにしてるけど」

ダージリン「わたくしもよ」

ミカ「けれど、今回は見て見ぬふりをした」

ケイ「ノンノン。キヌヨの隊長はミホでしょ。それならまずはミホから声をかけないと」

アンチョビ「そういうものなのか。うむむ、私はエリカに声をかけてしまったが……。やはり、直属の上官から励まされたほうがよかったのか……」

まほ「いや。安斎さんの行動はむしろ感謝したい。エリカはもう私から離れて欲しかったからな」

アンチョビ「だから、アンチョビと呼べ」

みほ「それは、次期隊長として……?」

まほ「それもあるが、いつまでも私のことを隊長と呼ぶのはやめてほしくて」

みほ「ふふ……」

ケイ「それはインポッシブルじゃない?」

まほ「何故だ」

ダージリン「それはまほさんがご自分の胸に手を当てて考えてみればいいのではありませんこと?」


134: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 20:56:35.03 ID:xO3BTrmCo

まほ「……」

みほ(本当に手を当ててる……)

ノンナ「そろそろ戻りましょうか」

ミカ「世界が今、閉じようとしている」

ダージリン「瞼が重たくなっていますのね」

アンチョビ「もう2時じゃないか。明日の起床時間は?」

みほ「ええと、7時起床ですね」

ケイ「なーんだ、5時間も眠れるじゃない。ラッキー」

アンチョビ「いや!! 6時間はいるだろう!!」

ダージリン「わたくし、3時間で十分ですわ」

ミカ「寝不足を自慢するなんて、無価値だね」

ノンナ「私は1時間でも熟睡できます」

まほ「……すまない、いくら手を当ててみても分からない」

ダージリン「あら、残念ですわね。では、また明日。おやすみなさい」

まほ「待ってほしい。ダージリン、何故私は隊長と呼ばれ続けることになるの? どうしても知りたい」


135: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 21:03:11.66 ID:xO3BTrmCo

翌日 練習会場

桃「全員、集合しているか!?」

柚子「点呼をとってくださーい」

おりょう「ねむいぜよ……」

エルヴィン「だ、だが、我々は洗車しただけだ……一晩で五輌もレストアした自動車部のことを思えば……」

左衛門佐「わたしたちは……専門家ではないんだが……」

カエサル「……」

カルパッチョ「たーかちゃん」

カエサル「ひなちゃん。おはよう」

カルパッチョ「おはよう。どうしたの?」

カエサル「いや、エルヴィンたちの顔色が悪いように見えて」

カルパッチョ「ホントだぁ」

カエサル「何かしてたのかな?」

カルパッチョ「佐々木さんもなんだか辛そうにしてるけど……」

あけび「うぅ……頭の中で何度もスパイクをうたれてるみたい……」フラフラ


136: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 21:09:32.51 ID:xO3BTrmCo

桃「お前たち、まだ寝ていてもいいと言っただろう」

あや「でも、練習みたいですし……」

エルヴィン「昼食の用意も、ある……からな……」

あけび「はいぃ……なにより……河嶋先輩だって……おなじだしぃ……」

桃「倒れるなよ」

おりょう「善処するぜよ」

左衛門佐「拙者の屍をこえてゆけぇ」

優花里「おぉー!! みてください!! 戦車が綺麗になっていますよ!!」

ペパロニ「昨日、雨でも降ったのか?」

みどり子「戦車は倉庫に仕舞ったでしょ」

ナカジマ「レオポンまで綺麗になってる」

愛里寿「……」

エリカ「誰かが勝手に洗車したんでしょ」

カエサル「そういうことか」

典子「戦車の妖精でもいるんですか?」


137: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 21:33:35.68 ID:xO3BTrmCo

忍「これって、やっぱり……」

アリサ「いい心がけじゃない。練習も気持ちよくできるわね」

忍「あけびにお礼しなきゃ」

妙子「あけびちゃ――」

アリサ「フリーズ!!」

妙子「凍っちゃう!?」

忍「ど、どうして止めるんですか」

アリサ「あの子、褒められたくて、お礼を言われたくて朝まで洗車してたわけじゃないでしょ」

忍「だからってお礼を言わなくてもいいっていうのは違うと思います」

アリサ「言うなとは言ってないでしょ。そういうのは最後でいいのよ。気づいていないように振る舞って、試合が終わった直後に「実は知っていたの。貴方のおかげで勝てたわ」と言うほうがクールに――」

ケイ「サンキュー!! みんなー!! がんばってくれたみたいね!! 戦車もキレイになってプレジャーしてるわ!!」

あけび「いえ、そんなぁ」

優季「ありがと、あやぁ」

あや「いいって、いいって。これぐらいはしたかったし」

アリサ「隊長ぉ……」


138: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 21:46:37.19 ID:xO3BTrmCo

桃「本日15時にはここから出なければいけない。撤収の時間を考えると、練習は午前中のみとなる。悔いのないように練習に励んでくれ」

みほ「それでは戦車に乗り込んでください」

カルパッチョ「はぁい」

エリカ「総員、搭乗」

沙織「エリりん、昨日はちゃんと寝れたの?」

エリカ「沙織、私は搭乗と言ったのよ?」

沙織「ぶぅー。心配してるのにぃ」

杏「まぁまぁ、早くのっちゃおう」

エリカ「全く。余計なお世話なのよ」

愛里寿「逸見さん」

エリカ「……」

愛里寿「今日はポルシェティーガーの走りをよく見ていてほしい」

ローズヒップ「度肝ぬいちゃいますわよ。おーっほっほっほ」

エリカ「……早く乗る」

ローズヒップ「はい」


139: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 21:55:38.26 ID:xO3BTrmCo

Ⅳ号戦車内

みほ「みなさん、準備はいいですか」

アッサム『よろしくてよ』

ニーナ『今日はどんな訓練さするべな』

みほ「昨日と変わりません。反復練習になります」

梓『基本は大事ですよね!』

みほ「退屈と感じてしまうかもしれませんが……」

絹代『いえ。今の自分には必要なことだと感じでおります』

みほ「西さん……」

アンチョビ『昨日と同じということは、訓練弾で模擬戦か』

みほ「はい。今日はあんこう、ほたるさんチーム。ねずみさん、ぞうさん、ワニさんチームで行います」

優花里『了解でぇす!!』

みほ「移動を開始します。アリサさん、指定ポイントまでの案内をお願いできますか」

アリサ「イエス、マム。忍、そのまま直進して川が見えたら左折よ」

忍「分かりました!」


140: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 22:10:27.72 ID:xO3BTrmCo

VI号戦車ティーガーI 車内

エリカ「……」

ローズヒップ『この走り!! どうです!? 昨日までとはもはや別戦車のようですわよー!!!』

ミッコ「おぉ。とんでもないなぁ。あのポルシェティーガーで暴走できるなんて」

ローズヒップ『さぁ!! この島田様が操るポルシェティーガーを仕留められるものなら仕留めて――』

エリカ「発射」

杏「はいよぉ」カチッ

ドォォォォォン!!!

ローズヒップ『ごらんなっは!?』

エリカ「次よ」

優季『手加減とかないんですかぁ?』

妙子『容赦がなさすぎますよぉ』

スズキ『あっさりやられたね』

ダージリン『ローズヒップが隙だらけであったことは認めますわ』ズズッ

ミカ『テンポが速すぎたのか、それとも遅かったのか。どちらかな』ポロロロン


141: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 22:11:44.35 ID:xO3BTrmCo

>>139
絹代『いえ。今の自分には必要なことだと感じでおります』

絹代『いえ。今の自分には必要なことだと感じております』


142: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 22:25:38.44 ID:xO3BTrmCo

練習会場

エリカ「あれでは被弾率を上げるだけじゃなく、足回りへの負担も尋常ではないわ。すぐに改めるように」

ローズヒップ「しかし!! あれぐらいのスピードでなければみほ様のⅣ号戦車は捉えられませんわ!!」

エリカ「誰がⅣ号を狙えといったのよ」

ローズヒップ「そ、それは……」

愛里寿「どうしてだ」

エリカ「……」

愛里寿「どうして、認めてくれない」

エリカ「何を認めろっていうのよ」

愛里寿「ここまで、ローズヒップさんは頑張ったのに……」

ローズヒップ「島田様……」

エリカ「頑張った? それで負けてちゃ、意味がないでしょ」

愛里寿「……!」

小梅「逸見さん!!」

エリカ「事実よ。島田さんだけでは、Ⅳ号戦車を倒すことはできない」


143: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 22:38:36.38 ID:xO3BTrmCo

ダージリン「ふふっ」

オレンジペコ「ダージリン様、流石に割って入ったほうが……」

ダージリン「紅茶でも飲みながら観戦よ」

オレンジペコ「な、何故ですか!?」

ダージリン「こんな格言を知ってる? 何かを手放す必要がある時に、それを手放せるだけの明晰さと強さを持つこと。それを勇気という」

ミカ「ドイツの詩人、だったかな」

優季「ケイさん、とめてくださぁい」

桂利奈「ケンカとか、見たくないですぅ」

ケイ「ケンカ、ね。トラブルはバッドだけど、ケンカならいいんじゃない? ぶつかり合わないといけない不器用な子もいるしね」

優季「いいんですかぁ……」

桂利奈「あいぃ……」

クラーラ「心配することはないかと」

典子「ここはバレーボールで結束をかためてみては!?」

華「結束は既に固く結ばれていると思いますよ」

杏「島田ちゃんだけじゃ、そりゃ西住ちゃんには勝てないだろうからねぇ」


144: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 22:51:13.85 ID:xO3BTrmCo

カチューシャ「また揉めてるわね。ホント、エリカって隊長の器じゃないんじゃない? カチューシャみたいに大きくないとね」

ノンナ「そうですね」

ねこにゃー「ま、またカっちゃんが逸見さんの悪口を……」

ももがー「何かあったなり?」

ぴよたん「いつも以上に辛辣だっちゃ」

みほ「エリカさんは隊長としの技量は十分にあると思います」

カチューシャ「ふぅん。そんな風にはぜーんぜん、見えないけど」

みほ「自分に足りないものを探している最中なんです」

絹代「足りないもの、か……。あの逸見殿でも欠けているところがあるのか……」


沙織「エリりん、もういいから」

柚子「つ、次の練習を始めませんか?」

エリカ「そうね」

愛里寿「待て、まだ話は終わっていない」

エリカ「隊長命令よ。Ⅳ号だけを狙う練習は無意味だから、止めるように」

愛里寿「……」


148: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 20:30:25.81 ID:p4rHryico

ナカジマ「愛里寿、気にしちゃだめだって」

スズキ「そうそう」

愛里寿「……大丈夫だ。逸見さんが苦言を呈する理由はわかる」

ローズヒップ「わたくしは分かりませんわ。ただの意地悪のようにしか思えませんもの」

愛里寿「逸見さんの中でチームを勝たせるための戦術が出来上がっているはず。私たちの行為はそれを狂わしてしまうのだろう」

小梅(島田さん、大人……)

愛里寿「だが、あんな言い方をしなくてもいいと思う」

小梅(あ、怒ってる)

桂利奈「どうして戦術ができあがってるって思うの!?」

あゆみ「私も聞きたい!!」

愛里寿「私だけでは倒せないと言ったから」

ローズヒップ「つまり、わたくしやナカジマ様の力も必要ということですわね!!」

愛里寿「そうだ。全員の力が必要になる」

華「それは、みなさんが分かっていることですわ。愛里寿さん」

愛里寿「私だけが、分からなかったことだ。いや、分かろうともしていなかった」


149: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 20:37:46.38 ID:p4rHryico

Ⅳ号戦車内

みほ「ほたるさん、フェイントを入れながら走りますが、なんとかついてきてください」

絹代『了解!! ツチヤ殿!! お願いいたします!!』

ツチヤ『オッケー!』

アリサ「C07地点。敵車輌が身を隠すには絶好のポイントになります」

みほ「わかりました。十分に警戒しましょう。特にねずみさんは振り切るのに苦労するはずです」

ノンナ「どうやら、遅かったようですね」

忍「前方から来ます!!」

みほ「あれは……」

クルセイダー『……』ゴゴゴゴッ

P40『……』ゴゴゴゴッ

カルパッチョ「アリサさんが選んだルートは見破られていたのですね」

アリサ「なんか文句でもあるわけ!?」

みほ「交戦します。西さん、P40をお願いします」

絹代『は、はい!!』


150: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 20:51:11.79 ID:p4rHryico

練習会場

Ⅳ号戦車『……』ゴゴゴゴッ

クルセイダー『……』ゴゴゴゴッ


優花里『Ⅳ号がこちらに向かってきます!!』

アッサム『優花里さんの狙い通りではありますね』

優花里『西住殿に小細工は通用しません。冷泉殿、絶対に振り切られないようにしてください。正面から戦います』

麻子『任せろ』


アリサ『フェイントいれて移動してたのに真っ直ぐにこっちへ来るなんて……』

みほ『アリサさんが選択したルートは最善で、私は撹乱させるためにフェイントまで入れた。でも、優花里さんはそれを看破した。それだけのことです』

アリサ『それだけで済ますのね』

カルパッチョ『みほさんの技術を最も間近で見ていた人ですからね』

みほ『そうかもしれないけど、優花里さんは私とは違うから』

忍『なるほど!! 秋山先輩も西住先輩もすごいってことですね!!』

ノンナ『初撃はいただきます』カチッ


151: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 20:59:52.63 ID:p4rHryico

P40『……』ゴゴゴゴッ

ファイアフライ『……』ゴゴゴッ


アンチョビ『前方、ほたるさん発見!!』

ペパロニ『いくっすよぉ!! 姉さん!!』

アンチョビ『構わず走れ!! 相手の懐に飛び込んでやれ!!!』

ペパロニ『ノリと勢いで押し切ってやるぜぇぇ!!!』

アンチョビ『いや、少しは考えろ!!』

みどり子『装填する身にもなって走りなさいよね!!』

梓『ぞうさん!! こちらでほたるさんを足止めします!!』


絹代『敵車輌と距離をとります!!』

ツチヤ『突撃は?』

絹代『封印しております!!』

カエサル『封印したのか。ならば仕方ない』

ナオミ『距離をとったところで狙撃すればいいのね。了解した』


152: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 21:22:12.77 ID:p4rHryico

ペパロニ『あれ? ほたるさん逃げてくぞ、なんでだ?』

アンチョビ『昨日も遠くから狙撃するだけだったな。結果、ぞうさんに粉砕されていたが』

みどり子『西さんも突撃一辺倒ではダメだって思ったんじゃない?』

ペパロニ『だったら、私らの勝ちっすよねぇ!! 姉さん!!』

アンチョビ『残念ながらな』

梓『どうしてですか?』


絹代『よし、このまま距離を取れれば……』

ツチヤ『おっと。まずいなぁ』グッ

絹代『どうしたでありますか!?』

ツチヤ『前から、ぞうさんが来ちゃったよ』

絹代『な……』


KV-2『……』ゴゴゴゴッ


カチューシャ『さぁ、お尻に火をつけて飛んでいきなさい!! 蛍らしくね!! ねこにゃー!! ももがー!! ぴよたん!! 全力でやっちゃって!!』

ねこにゃー・ももがー・ぴよたん『『ウラー!!』』


153: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 21:30:58.20 ID:p4rHryico

Ⅳ号戦車内

ノンナ「……」カチッ

ドォォォン!!!

クルセイダー『……』ゴゴゴッ

ノンナ「申し訳ありません。中々、当てることができません」

みほ「いえ、問題ありません。引き続き、丁寧に隙を狙っていきましょう」

絹代『こちら、ほたるさん!! 西住隊長!! 敵に包囲されてしまいました!!』

みほ「もうぞうさんチームが……」

アリサ「なんでほたるさんがあんな位置まで移動してるのよ」

カルパッチョ「ファイアフライなら危険を冒してまで接戦する必要はありませんから、距離をとったのでは?」

アリサ「ったく、それじゃ勝てないじゃない」

忍「西住隊長、どうしますか!?」

みほ「右転回。ほたるさんの支援に向かいます。ねずみさんをどうにか振り切ってください」

忍「了解です!!」

みほ「西さん、できる限り逃げ回って、砲撃をやり過ごしてください」


154: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 21:48:01.38 ID:p4rHryico

ファイアフライ 車内

絹代「ツチヤ殿!! このまま逃げ回ります!!」

ツチヤ「オッケー」

P40『……』ゴゴゴゴッ

ペパロニ『おらおらおらー!!! 逃げられるもんなら逃げてみやがれってんだ!!』

ナオミ「勢いだけはある操縦だ」

カエサル「感心している場合じゃないぞ」ガコンッ

ナオミ「分かっている。――ここだ」カチッ

ドォォォォン!!!

ペパロニ『うわぁぁぁぁ!?』

アンチョビ『アホかぁ!! 真正面から突っ込む奴があるかぁ!!!』

絹代「さ、流石であります!! ナオミ殿!!』

ナオミ「この程度、なんでもない」

絹代(本当にすごいであります。それに比べ私は……)


ドォォォン!!!


155: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 21:57:52.17 ID:p4rHryico

練習会場

絹代「申し訳ございません!! 西住隊長!!」

みほ「謝らないで。私もすぐに援護できなかったから」

絹代「いえ!! 私がもっと周囲を警戒していれば……」

カチューシャ「警戒していたところで、撃破はされていたでしょうけどね」

絹代「カチューシャ殿……」

カチューシャ「敵に背中を見せたら、その時点で負けよ」

絹代「面目ありません……」

カチューシャ「あんな無様な動きをするぐらいなら、最初から物陰に隠れて狙撃だけしてればいいじゃない。どうしてミホーシャと一緒に走ってるのよ」

みほ「あの、それは私が指示したからで……」

カチューシャ「ミホーシャは黙ってて」

優花里「カチューシャ殿、何もそんなことを言わなくても」

カチューシャ「オールスターチームに足手まといはいらないわよ」

絹代「す、みません……」

アンチョビ「カチューシャ。それは指導の域を越えている。口を慎め」


156: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 22:05:14.33 ID:p4rHryico

カチューシャ「ミホーシャが言わないから、カチューシャが代弁してあげてるんじゃない」

アンチョビ「その強い言葉で潰れていく者もいるんだぞ」

カチューシャ「そんな雪山のウサギにも劣る戦車乗りはオールスターチームに相応しくないわね」

アンチョビ「おい!!」

みほ「やめてください!」

優花里「カチューシャ殿!! どうしてそこまでいうのですか!!」

カチューシャ「どうしてですって? 今の絹代が全く使えないからでしょ」

絹代「も……も……も……!!」

麻子「西さん?」

絹代「もうしわけありませぇぇぇん!!!」ダダダダッ

みほ「西さん!? 待って!!」

ノンナ「素晴らしいスピードですね」

カチューシャ「逃げ足だけは一流ね。認めてあげるわ」

アンチョビ「おい。そこまでにしてもらおうか」

カチューシャ「なによ?」


157: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 22:29:57.36 ID:p4rHryico

アンチョビ「全員がお前のように強くはないんだぞ」

カチューシャ「強いですって……?」

アンチョビ「プラウダ高校の噂ぐらいは知っている。戦術の考案力は飛び抜けているが、性格に難があり体格に恵まれない選手がいた」

カチューシャ「……」

アンチョビ「持ち前の戦術だけでのし上がるも、その陰ではちびっ子隊長などと言われる始末」

カチューシャ「……」

アンチョビ「それでもお前は隊長の座につき、去年はプラウダを優勝へと導いた。陰口も暴言も全てその耳に届いていたはずなのに」

カチューシャ「……」

アンチョビ「お前は強い。それは誰もが認める。だが、それを他人に押し付けるな」

アンチョビ「皆が逆風に立ち向かえるわけではないんだ」

カチューシャ「話は終わり?」

アンチョビ「なんだと?」

カチューシャ「お説教なんて聞きたくないわ。あーあ、しらけちゃったわ。カチューシャは休憩するから。ノンナ!」

ノンナ「はい。お供します」

みほ「えぇぇ!! ノンナさんまで!?」


158: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 22:49:56.59 ID:p4rHryico

アンチョビ「ま、まて!!」

優花里「ど、どうしましょうか……?」

みほ「……」

麻子「練習、続けるのか」

みほ「休憩にしましょう。とりあえず西さんとカチューシャさんが戻ってくるまで」

ペパロニ「なんすか、あのやろー。姉さんのことバカにしてんすかねぇ」

アンチョビ「小さな暴君と呼ばれるだけのことはあるな」

ねこにゃー(逸見さんとの一件からカッちゃんの様子がおかしいような……)

カエサル「車長を捜すか?」

ナオミ「かける言葉が見つかっているなら、構わないけど?」

ツチヤ「いや、ないね」

ナオミ「だったら、捜さないほうがマシだ」

アリサ「ミホ。隊長のあなたから注意したほうがいいんじゃない?」

みほ「……お姉ちゃんから聞いたことがあるんだ。プラウダ高校に体格には恵まれていないけど、優秀な選手がいるって」

アリサ「それって……」


159: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 23:13:20.03 ID:p4rHryico

絹代(逃げてしまった……か……)

絹代「やはり、私には荷が勝ちすぎていた……」

絹代「私は……辞退したほうが……」

カチューシャ「絹代」

絹代「カ、カチューシャ殿……」

カチューシャ「逃げるなら止めないわ。逃げかえってカチューシャの活躍を遠くから見ていればいいのよ」

絹代「……」

カチューシャ「悔しいって思わないわけ?」

絹代「悔しさよりも、自分自身の無能さに腹が立つばかりで……」

カチューシャ「良い話をしてあげるわ。プラウダ高校に態度ばっかり大きくて、我儘で、でも弱虫で、戦車道が好きなくせに小さな砲弾も一人じゃ持てなくて、戦車にも土台がなきゃ乗れない選手がいたわ」

絹代「……」

カチューシャ「誰もがそんな選手に期待はしなかったし、試合にだって出る機会は全くなかったわ」

カチューシャ「戦車にどうしても乗りたかった。けど、装填手にも砲手にも操縦手にもなれはしない。その選手に残されたのは通信手か車長ぐらいしかなかったの」

カチューシャ「だから、どんな相手にでも勝てる戦術を何度も何度も考案した。ま、見向きはされなかったけどね」

カチューシャ「当然よね。エラソーにしている生意気な一年生が戦術だけで評価してもらえるほど、プラウダ高校の層は薄くないんだから」


160: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 23:28:30.07 ID:p4rHryico

絹代「それは誰のことをいって……」

カチューシャ「もう戦車道はやめようって思ったこともあったみたいよ。でもね、たった一人だけその選手のことを高く評価してくれたお人よしがいたのよ」

カチューシャ「そのお人よしはこう言ったわ」


――貴方は誰よりも大きいですよ。


カチューシャ「それからはそのお人よしと一緒に練習するようになって、一年後には隊長にまでなっていた」

絹代「その隊長はとても強い心を持っていたのですね」

カチューシャ「違うわ。その子は強くなんてない。いつだって怖がっていて、傍に誰かがいなきゃ歩くことだって、立つことだってできない」

絹代「しかし、現にこうして……」

カチューシャ「持っていたのは強い心なんかじゃない。頼れる同志がいてくれたからなの」

絹代「……」

カチューシャ「だからでしょうね。絹代やエリカみたいにウジウジと悩む奴を見ると、本当に腹が立つわ」

カチューシャ「カチューシャより頼れる同志がたくさんいるのに、どうして悩むのよ。どうして泣き言をいうのよ。どうして逃げるのよ」

絹代「う……」

カチューシャ「そんな奴、大っ嫌い!」


161: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 23:38:00.13 ID:p4rHryico

絹代「カチューシャ殿……」

カチューシャ「いい? 今日で練習は終わりだし、試合まで時間はあまりないけど、ちゃんと考えておくのよ」

絹代「な、なにをでしょうか」

カチューシャ「自分は何ができるのか。自分はどうしたいのか」

絹代「私が……?」

カチューシャ「背伸びしたって届かないものは届かない。だったら、肩車でもなんでもしてもらって取ればいいじゃない」

絹代「肩車でありますか……」

カチューシャ「恥ずかしいことじゃないわ。二人がかりで相手を見下ろしちゃいけないなんてルールはないんだしね」

絹代「……」

カチューシャ「それだけ」

絹代「ありがとうございます……カチューシャ殿……」

カチューシャ「それじゃあね、ピロシキ~」

絹代「自分は何ができる……? 自分はどうしたいのだ……?」


ノンナ「休憩は終わりですか?」

カチューシャ「ええ。戻るわよ」


163: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 23:56:25.15 ID:p4rHryico

カチューシャ「さぁ、練習を再開するわよ」

みほ「おかえりなさい、カチューシャさん」

カエサル「徹三を見なかったか?」

カチューシャ「誰のことよ?」

ナオミ「キヌヨのソウルネームよ」

カチューシャ「あんな弱虫、カチューシャは知らないわ」

アンチョビ「……」

カチューシャ「言いたいことでもあるの?」

アンチョビ「特にない。カチューシャは痛みの分かる人間だと、私は思っているからな」

カチューシャ「よくわかんないけど?」

ルクリリ「カチューシャさん。早く乗ってください」

ねこにゃー「カッちゃん、ボク、カッちゃんのためにがんばるにゃー」

カチューシャ「そんなこといちいち言わなくてもいいわよ」

カルパッチョ「みなさんのカチューシャさんを見る目が少しだけ変わりましたね」

みほ「私はお姉ちゃんからカチューシャさんの話を聞いただけだから、どこまで本当かは分からない。けど、カチューシャさんは無闇に人を傷つけることはないと思うな」


167: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 07:56:12.40 ID:CHXI0E+4o

桃「練習はこれで終了となる。初めて者とチームを組くことで技量を高めることになったことだろう。それでも短い練習時間だったために、悔いの残る結果に――」

柚子「桃ちゃん、長くなる?」

桃「おほん。では、黒森峰女学園オールスターチーム監督、西住まほさん。一言、どうぞ」

まほ「試合までは二週間ほど期間が空いてしまうが、昨日今日で学んだことを反復しておくように。そして、戦車道に恥じない試合にしようと思う」

ローズヒップ「レオポン様をお借りしてもよろしいの?」

ナカジマ「整備するために聖グロリアーナまで行かないといけなくなるから、持っていくのはやめてね」

アキ「私たちも戦車借りちゃう?」

ミカ「いいかもしれないね」

カチューシャ「自分のものにしちゃうつもりでしょ」

クラーラ「借りパク?」

優花里「そんな日本語をどこで……」

桃「静かに! 続いて、会長からなにか」

杏「うん。みんなー、楽しかったかー!?」

「「おぉぉー!!!」」

杏「おっしゃー!! んじゃ、かいさーん!! 次は試合だー!!」


168: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 08:04:41.85 ID:CHXI0E+4o

カルパッチョ「たかちゃん、またしばらく会えなくなるね」

カエサル「すぐに会えるよ」

カルパッチョ「待ち遠しいなぁ……」

カエサル「うん。私もひなちゃんとまた一緒に戦えるのが楽しみだ」

おりょう「エルヴィン、テーブルを運ぶぜよ」

エルヴィン「了解した」

左衛門佐「おもいぃ……」

カエサル「……」

カルパッチョ「ふふ。いってきてあげたら?」

カエサル「え?」

カルパッチョ「手伝いたいんでしょ、カエサルは」

カエサル「それじゃ、また試合でな、カルパッチョ」

カルパッチョ「ええ」

カエサル「おーい!! 私も加勢するぞー!!」

カルパッチョ「さてと……。ドゥーチェ、私たちは何をしましょうかー?」


169: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 08:15:54.25 ID:CHXI0E+4o

柚子「その資材は向こうのトラックに積み込んでくださーい」

「「はーい」」

福田「突撃であります!!!」

みほ「ああ、福田さん。危ないから二人で運びましょう」

杏「はやくしないと撤収時間に間に合わないぞー」

カチューシャ「キリキリ働きないさいよね」

柚子「会長もカチューシャさんも手伝ってくださいよぉ」

ダージリン「全く。お二人は協調性の欠片もありませんわね」ズズッ

ミカ「乱れたリズムは矯正するのに時間がかかる。矯正できたころには一曲が終わるだろうね」ポロロロン

オレンジペコ「お二人とも手伝ってください」

ミッコ「この二人に何言っても無駄じゃない?」

ケイ「これをキャリーすればいいのね!! よっと。それじゃいくわよー!! ゴーアヘーッド!!!」

アンチョビ「全員でやればすぐに終わる量だ!! 片付け後はランチが待っているぞー!! もちろん、食材はサンダースが用意してくれた!!!」

沙織「こういうところでも隊長の個性って出るんだね」

華「みなさん、素敵ですわ」


170: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 08:30:25.48 ID:CHXI0E+4o

ペパロニ「おめーら!! しっかり動け! 戦車道で負けても気合で他のところで負けるわけにはいかねえからな!!」

「「了解っす、ペパロニ姉さん!!」」

エリカ「バカね。試合で負けたら何も残らないじゃない」

アンチョビ「心にもないことを言うな」

エリカ「ふんっ……。本心よ」

アンチョビ「わかった、わかった。では、エリカにも無駄なことをしてもらうぞ。このダンボールを運んでくれ。結構、重いんだ」

エリカ「了解です」

まほ「……」

みほ「あ、お姉ちゃん。会長が試合のことで話したいことがあるみたいなんだけど」

まほ「そうか。すぐに行こう」

みほ「何見てたの?」

まほ「私は隊長としてどうだったのかと思っていた」

みほ「みんなが憧れるぐらい、理想的な隊長だと思うよ?」

まほ「エリカにとっては、分からないわ」

みほ「エリカさんに……?」


171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 08:42:08.23 ID:CHXI0E+4o

絹代(結局、最後まで歯車が合わなかった……)

絹代(カチューシャ殿に言われたことも、西住殿に言われたことも、私は……)

ナオミ「キヌヨ、どうした?」

アリサ「サボってないで、アンタも運びなさいよ。これが終わらないと食事もできないんだから」

絹代「す、すみません!! これを運べばよろしいのでしょうか!!」

ナオミ「そうだ。頼んだぞ」

絹代「はっ!!」

アリサ「立ち直ると思いますか」

ナオミ「本人次第。そして隊長次第だな」

アリサ「隊長ね……。ま、ミホならなんとかしてくれるかもしれませんね」

みほ「きゃぁ!?」

まほ「みほ、大丈夫?」

みほ「う、うん。ちょっと躓いただけだから」

優花里「西住殿ー! お怪我はありませんかー!?」

みほ「優花里さん、ありがとー! 平気だよー!」


172: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 09:21:12.00 ID:CHXI0E+4o

杏「そういうわけで、オールスター戦の試合会場は予定通り、ここでやるから」

まほ「それについて知っている者は?」

桃「ここにいる我々以外は知らないはずだ」

まほ「そうか。では、各車長と通信手がこの二日間で何をしてきたのかが問われることになるか」

桃「どういう意味だ?」

みほ「きちんと地形や地図を見ていたかどうか……」

杏「手を抜くような子はいなかったと思うけどなぁ」

まほ「私も角谷さんと同意見だ。そこを怠る者を選出しない」

杏「だよねぇ」

みほ「二週間後……」

杏「大変だよね、西住ちゃん。色々とさ」

みほ「別に、そんなこと」

まほ「みんなはみほに応えてくれるはず。自分の信じる道をいけばいい」

みほ「ありがとう、お姉ちゃん」

まほ「だが、勝つのは我々だ」


173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 09:29:35.29 ID:CHXI0E+4o

アリサ「隊長。ヘリの準備が整いました」

ケイ「オーケー。それじゃ、みんな。バーイ」

桂利奈「バーイ!!」

優季「ケイ隊長、また色々とおしえてくださぁい。夜のあれ、すごくよかったですぅ」

ケイ「いいわよー! いくらでもテクニックをおしえちゃうわー!!」

沙織「なにそれ!! 夜になんかあったの!?」

クラーラ「過激な夜でした」

沙織「なになに!? なによー!! 私にも教えてー!!」

麻子「落ち着け、沙織。私たちも帰るぞ」

沙織「でもでも!! 宇津木ちゃんはともかく、阪口ちゃんや丸山ちゃんまで何かに染まっちゃってる気がー!!」

紗希「……」ポッ

あや「紗希ちゃん、なんで赤くなってるの?」

あゆみ「梓!! 私たちもケイさんに教えてもらったほうがよかったかも!!」

梓「うん。西住先輩もケイ先輩のことをとても尊敬してるって言ってたし、学ぶことが多いのかも」

沙織「あぁー!! 私と考えてることが違うっぽい!! 穢れてるのって私なのかなぁ!? やだもー!!」


174: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 09:36:20.16 ID:CHXI0E+4o

華「沙織さん、行きましょう」

優花里「西住殿ー」

みほ「今行くー」

カチューシャ「ミホーシャ!!」

みほ「あ、はい」

カチューシャ「絹代のことちゃんと考えておかないと、恥をかくわよ」

みほ「……」

カチューシャ「それじゃ、ピロシキー」

ノンナ「До свидания」

優花里「西住殿……」

みほ「……」

福田「帰船するであります!!」

絹代「戻ろう。私もなすべきことが多いからな」

優花里「声をかけなくてもいいのですか? 西殿、帰っていきますが」

みほ「うん。今は何を言っても西さんには響かない気がするから」


175: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 09:51:22.00 ID:CHXI0E+4o

妙子「試合ではよろしくお願いします!!」

ダージリン「ええ。こちらこそ、近藤さん。あと、この紅茶をどうぞ」

妙子「いいんですか!?」

ダージリン「アヒルさんチームの方々と楽しんでもらえれば幸いですわ」

妙子「みんな喜ぶと思います!! では、失礼します!!」

アッサム「私たちも行きましょうか」

ダージリン「……」

ミカ「憂いを残していきたくない、か」

ダージリン「そうね」

ミカ「貴方は誰よりも後ろから舞台を見ている気がする」

ダージリン「こんな格言を知ってる? 経験とは、人々が自分の愚行と悲哀に与える名前である」

オレンジペコ「ミュッセですね」

ダージリン「わたくしも最前列しか知らなかった。だからこそ、その列にはいつも一人しかいないことを知った。後ろに様々な人がいて、みんなが前にこようとしていることも知った」

ダージリン「ですから、今は後ろにいるのですわ。舞台も客席も見えるように」

ミカ「貴方ほどになると観客が多くて、見るだけでも疲れそうだね。疲れを表情に出すことは一切しないのだろうけど」


176: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 09:58:20.30 ID:CHXI0E+4o

アンチョビ「エリカ!!」

エリカ「はい?」

アンチョビ「正々堂々、試合をするぞ」

エリカ「そんなことを言うためにわざわざ引き留めたの?」

アンチョビ「ああ!」

エリカ「どうしようもないわね。ええ、こちらこそ。負けないわよ」

アンチョビ「当然だ。お前は負けてはいけない。我々にも、島田にも、そして隊長にもだ」

エリカ「……」

アンチョビ「ではな」

エリカ「は、はい」

まほ「言われてしまったな」

エリカ「安斎先輩は、勝つ気がないのでしょうか」

まほ「誰しも負けたいとは思わない。だが、誰かを応援することはまた別だ。相手を称えてこその戦車道なのだから」

エリカ「そうですね……」

まほ「帰ろう。私たちもヘリを待たせている」


177: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 10:04:16.24 ID:CHXI0E+4o

まほ「島田。こちらにこい」

愛里寿「は、はい」

ローズヒップ「ごきげんようですわー!!」

ナカジマ「整備は任せておいてよー、ありすー」

愛里寿「うんっ。任せる」

まほ「距離が近づいたようだな」

愛里寿「みんないい人だ。逸見さんとは違って」

エリカ「何か言った?」

愛里寿「別に」

エリカ「隊長、学園艦に戻ったらオールスター戦に向けての練習を行いますか」

まほ「そのような予定は組んでいない。オフシーズンのメニューをこなす」

愛里寿「いいのか?」

まほ「学園艦に戻れば私たちは黒森峰女学園の選手だ。間違えるな」

愛里寿「わ、わかった……」

エリカ(この切り替え、私も見習わないと……)


178: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 10:12:02.22 ID:CHXI0E+4o

学園艦 大洗女子学園

沙織「ついたー!! やっぱりこの船のうえだよねー!!」

華「この学園艦にこうして立てることに感謝しないといけませんね」

優花里「確かに。あの試合がなければ、今回のオールスター戦も実現しなかったかもしれませんし」

麻子「どうでもいいが、早く寝たい」

沙織「もー、どうでもいいとかいわないでよー」

麻子「西住さんもゆっくりと考えたいことがあるようだしな」

沙織「え……?」

みほ「……」

沙織「ゆかりん!」

優花里「はい、なんでしょう?」

沙織「ほら、ゆかりんは車長なんだし、みぽりんと戦術とか色々話し合わなきゃ」

優花里「ですが、私では邪魔してしまうだけのような……」

沙織「そんなことないってばー。ほら、行って。私たちはここで帰るから」

優花里「ああ、はい。わかりました。では、お気をつけて」


179: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 10:22:15.46 ID:CHXI0E+4o

みほ「はぁ……」

優花里「西住殿。お茶を買ってきました」

みほ「え? あれ? みんなは?」

優花里「もう帰ってしまいましたよ」

みほ「一言声をかけてくれたらよかったのに」

優花里「西住殿が真剣に考えごとをしていたので、武部殿が気を遣ってくれたようです」

みほ「そうなんだ……。そんな気を遣われるほどのことでもなかったんだけど」

優花里「けど、戦術を考えていたのでは?」

みほ「うん……」

優花里「やっぱり。武部殿もそれが分かっていたので、声をかけなかったんだと思います。一応、別のチームなので」

みほ「優花里さん」

優花里「はい」

みほ「次の試合でどうしても試してみたいことがあるんだ」

優花里「それは西住殿がご自由に決めていただければよろしいかと。私たちは西住殿の指示通りに動きます!!」

みほ「ううん。優花里さんの協力が必要になってくるから、意見を聞きたいの」


180: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 10:33:08.59 ID:CHXI0E+4o

優花里「――なるほど」

みほ「どうかな?」

優花里「私は賛成です。けど、試合には負けてしまう可能性がありますね」

みほ「お姉ちゃんやケイさんには怒られるかな、やっぱり」

優花里「勝てば問題はありません」

みほ「勝つ……」

優花里「その戦術で勝ちましょう。西住殿」

みほ「優花里さん……」

優花里「廃校はもう関係ありませんし、正直なことを言えば私はこのオールスター戦に参加できるだけで満足して、勝敗は気にしていませんでした」

優花里「でも、今の話を聞いて勝たなくてはいけないと思い直しました」

優花里「だって、勝たないと間違っていなかったということを証明できません」

みほ「……そうだね。勝とう」

優花里「西住殿……!!」

みほ「優花里さん、力を貸してください。勝つために」

優花里「はい!!」


181: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 10:39:00.44 ID:CHXI0E+4o

学園艦 黒森峰女学園

まほ「これがエリカの考えた戦術か」

エリカ「はい」

まほ「分かった。頑張ってくれ」

エリカ「え?」

まほ「ん? どうした」

エリカ「いつものように隊長と綿密に話し合いをして……」

まほ「この戦術は黒森峰を勝たせるためのものだったのか」

エリカ「いえ、オールスター戦のためですが」

まほ「ならば、私は隊長ではない」

エリカ「監督ではありますが」

まほ「言ったはずだ。私はまとめ役だと」

エリカ「……」

まほ「不安か?」

エリカ「はい……。私だけでは……その……まだ……」


182: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 10:46:27.89 ID:CHXI0E+4o

まほ「困るな」

エリカ「は、はい?」

まほ「やはり来年度の隊長は島田に任命したほうがいいかもしれない」

エリカ「な……!? あ、あの!! それだけは!!!」

まほ「では、この戦術で勝て」

エリカ「あ……ぅ……」

まほ「できないか」

エリカ「……」

まほ「みほは一度逃げ出し、エリカに重い物を背負わせた」

エリカ「いえ、私はこの肩書を重たいなどと思ったことは……」

まほ「辛かっただろう」

エリカ「……!」

まほ「今まで、エリカには厳しくしてきた。求めることも多く、高かった。だが、お前はその全てに応えてくれた」

まほ「私が知る中で、お前は最も強い選手だ。自分を誇れ」

エリカ「そ、そんな……もったい……ない……お、こと、ば……で、す……」


183: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 10:57:10.03 ID:CHXI0E+4o

まほ「これで顔を拭け」

エリカ「すみません……ありがとうございます……」

まほ「本当ならばみほとエリカを同じチームにしたかったが、こうなってしまった以上はお前の力がみほよりも上であることを証明する機会だと思い、戦って欲しい」

エリカ「何故、私とみほを……?」

まほ「見てみたかっただけだ。かつての副隊長候補が肩を並べて意見を交換しあうところを」

エリカ「……」

まほ「私の小さな夢だった。入学当初、どちらも自分に自信が持てずにいた所為か、私に意見することもなかったからな」

エリカ「それはだって、隊長という大きな存在がいたからで……!」

まほ「そうか」

エリカ「そもそも隊長の言うことに間違いはありませんし……。隊長は、最高の隊長です」

まほ「そこまで評価してくれていたか」

エリカ「当然です」

まほ「だが、もう隊長はエリカだ。もう私のことを隊長と呼ばなくていい。できればそうだな……先輩と……」

エリカ「いえ!! 隊長は、いつまでも隊長です!!」

まほ「……そうか」


185: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 15:01:03.59 ID:CHXI0E+4o

試合当日 学園艦 大洗女子学園

華「いい天気になってよかったですわ」

沙織「絶好の試合日和だよねー」

麻子「何故、こんなに朝が早いんだ……」

沙織「できるだけ早めに試合を始めないと帰れなくなっちゃうでしょ」

麻子「ナイトゲームでいいのに……」

みほ「やっぱりにこれが最善かな」

優花里「これ以上はどうにもならないかと」

みほ「そうだよね……」

優花里「しかし、勝利できる可能性は確実に上がっていますよ」

みほ「うん。きっとこれなら……。優花里さん、ずっと私についていてくれてありがとう」

優花里「そんなぁ、いいですよぉ」

みほ「思えば、この企画だって優花里さんがいなかったら上手くいっていなかったと思うし。優花里さんがいてくれてよかった」

優花里「西住殿にここまで感謝されるなんて、感激ですぅ」

沙織「あれ? ねえねえ、ここって練習したとこに似てない?」


186: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 15:11:34.98 ID:CHXI0E+4o

みほ「あ、それはね、練習会場が試合会場だからなの」

沙織「そうなの!?」

華「では、地形などもそのままということになるのでしょうか?」

麻子「天変地異でも起こらない限りはそうなる」

沙織「はぁ……よかったぁ……」

優花里「なにがよかったのですか?」

沙織「この前の練習で色々と書き込んでたんだ。意味ないかなーって思いながら」

優花里「おぉー。流石ですね、武部殿」

沙織「ま、試合前に貰えるんだろうけど」

優花里「そんなことありません。これだけ細かくエリアの情報が書かれているのですから役に立つはずです」

麻子「沙織は敵だから厄介だな」

優花里「あぁー!! そうでしたー!!」

沙織「ふっふーん。ゆかりん、これのコピーは不可だからね」

みほ(そういえばアリサさんも似た様なの作ってたなぁ)

桃「もうすぐ港に到着するぞ!! 下船の準備を始めろ!!」


187: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 15:20:56.54 ID:CHXI0E+4o

試合会場

ザワザワ……

大河「見てください!! この盛り上がりを!! やはり高校戦車道ドラフト会議で決められたオールスターチームによる特別試合の注目度はとても高いようです!!」


みほ「わぁ……カメラがいっぱいある……」

沙織「おっほぉ!! なになに!! これって全国で中継されてるの!?」

優花里「あれ、武部殿知らなかったのですか? 今日の試合、ネット上では大盛り上がりなんですよ」

麻子「まぁ、この間も大規模な試合があったばかりだしな」

華「見てください。屋台もならんでいますよ」

あゆみ「なんか決勝戦のときより、人がいる気がする……」

典子「会場の熱気がすごいな。肌がチリチリする」

妙子「日焼け止めありますよ!」

典子「いいの? たっぷり塗ってほしい!!」

あけび「私が塗りますよー」

忍「今日は晴れてますもんね。紫外線対策はしておかないと」

梓「紫外線の話だったの?」


188: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 15:28:41.72 ID:CHXI0E+4o

亜美「おはよう、みんな」

優花里「蝶野教官! おはようございます!!」

みほ「すみません。練習会場だけでなく、試合会場まで」

亜美「気にしないで。こっちとしても戦車道を盛り上げるように言われているから」

杏「いくらサンダースや聖グロが資金提供してくれたからって、結構な額が動いてるんじゃないっすか」

亜美「そうね。けど、今回のスポンサーは別よ」

柚子「その話は聞いていませんが……」

桃「スポンサーとは?」

亜美「それは……」

みほ「え?」

亜美「気になるならあとで確認しておいて」

みほ(もしかして……)

亜美「本日の試合審判長は私、蝶野亜美が務めます。よろしくね」

優花里「はい!! こちらこそよろしくお願いします!!」

亜美「良い試合を期待しているわ」


189: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 15:36:53.23 ID:CHXI0E+4o

カエサル「様々な人間がこれに関わっているようだな」

みどり子「これだけの規模だしね。大学との試合よりは流石に小さいだろうけど」

おりょう「そんな試合に我らのカエサルが出る。鼻が高いぜよ」

カエサル「やめろ」

淳五郎「おーい!! ゆかりぃ!!」

優花里「えぇ!?」

淳五郎「がんばれよ!! 応援してるからな!!」

優花里「う、うん。ありがとう」

好子「お父さん。先にご挨拶でしょ」

淳五郎「そうだった!! いつも娘がお世話になっております!!」

みほ「い、いえいえ。私のほうこそ優花里さんに頼りっきりで」

好子「これは辛い試合ではないんですよね?」

みほ「はい。でも、勝ちます。勝たなくてはいけない理由があります」

好子「そうですか。優花里をよろしくお願いしますね」

みほ「はいっ」


190: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 15:42:48.35 ID:CHXI0E+4o

久子「ここにいたのかい」

麻子「お、おばぁ……!」

沙織「来てたんですか!?」

久子「また、この子が足を引っ張るとも限らないからねぇ。そうでなくてもどうせ朝が早いだのなんだの文句を垂れていたんだろうけど」

麻子「うっ……」

沙織(見破られてるよ……)

麻子「家でゆっくり見てたらいいのに」

久子「ふんっ。テレビなんかより直接この目で見なきゃ、あんたが怠けてるかどうかわかんないだろ!」

麻子「うぅ……」

久子「しっかりね。手を抜いたら、承知しないよ」

麻子「わかった」

久子「よろしくね」

沙織「分かりました」

麻子「来るなら来るって言って欲しいな……」

沙織「ふふっ。嬉しいくせに」


191: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 15:54:59.23 ID:CHXI0E+4o

優季「桂利奈ちゃんのところもきてたのぉ?」

桂利奈「うん! あっちにいるって!!」

ナカジマ「これだけ騒いでたら親も来ちゃうよな」

ホシノ「さっきちゃんと服をきなさいって怒られたよ。はしたないってさ」

スズキ「タンクトップだもんね」

ツチヤ「言われても仕方ないんじゃない?」

ホシノ「これが動きやすいんだけどな」

新三郎「お嬢!!」

華「新三郎。どうしたの?」

新三郎「どうしたも何も!! このような大事な試合、見ないわけにはいきません!!」

華「そんな、別によかったのに」

百合「華さん」

華「お母様」

百合「楽しそうね。花を生けるときよりもずっと」

華「そうでしょうか……。いえ、そうかもしれません。今日の試合、心から楽しもうと思っています」


192: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 16:05:17.63 ID:CHXI0E+4o

みほ「おはようございます」

百合「西住さん……。感謝したい気持ちはあるけれど、複雑です」

みほ「はい?」

百合「なんでもありません。華さんを頼みます」

みほ「はい。こちらこそ、華さんの力がなければここにはいられなかったと思います」

新三郎「お嬢、客席でお嬢のご活躍を拝見させていただきます!!」

華「ええ。しっかり見ておいて」

新三郎「はい!!」

みほ「どうしたんだろう。私、何か失礼なこと言っちゃったかな」

華「いいえ。ただ、お母様はわたくしに華道一筋であってほしいと思っていただけですわ」

華「けれど、今はこうして新たな道を進んでいる。勿論、華道を捨てるつもりはありませんが、戦車道も続けていきたいです」

みほ「そっか……」

華「みほさんに逢えなければ、わたくしはきっと華道だけに生き、そして散っていたことでしょう」

華「感謝しています、みほさん」

みほ「そ、そんな。華さんの道は華さんが見つけたものだし、私ができたことと言えば戦車の乗り方を教えるぐらいで……」


193: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 16:15:56.04 ID:CHXI0E+4o

ミカ「最大の失策だね」ポロロン

みほ「え!?」

アキ「おはよー」

妙子「アキ先輩だー。おはようございます」

華「失策とはどういうことでしょう?」

ミカ「五十鈴さんに砲手の種を植え付けたばかりに、こうして大樹になろうとしている」

ミッコ「味方なら頼もしいけど、敵なら厄介だ。って言いたいんだと思う」

みほ「いいえ。それは失策ではありません」

ミカ「どうしてかな」

みほ「より優れた選手がいることで、戦車に乗ることが楽しくなるからです」

ダージリン「貪欲に対戦を求める。みほさんらしからぬ、発言ですわね」

みほ「ダージリンさん……」

ダージリン「けれど、それでいいと思いますわ。大学に行っても貴方と戦車道ができるということですもの」

ミカ「強者は強者に好かれる。例外はなさそうだ」

華「なにより、みほさんから優れた選手と言われると嬉しくなりますわ。その期待に応えるためにも、チーム・狼の砲手を精一杯務めさせていただきます」



194: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 19:02:44.20 ID:CHXI0E+4o

ペパロニ「どうだい!! アンツィオ名物、鉄板ナポリタンだよー!! おいしーよー!!」

ニーナ「一つ欲しいべな」

ペパロニ「お、一つ300万リラねー」

ニーナ「そんなお金もってねぇ……あきらめるしかねぇ……」

ペパロニ「おーい!! 300円でいいよー!!」

アンチョビ「しかし、朝食にナポリタンを選択する者がいるとはな」

カルパッチョ「ペパロニさんの料理はおいしいですからね」

アンチョビ「そういう問題か……」

まほ「朝から繁盛しているようだな、安斎さん」

アンチョビ「まほか。私のことは、アンチョビと呼べ!!」

まほ「すまない」

エリカ「隊長が謝ることはありません。ですよね、安斎先輩?」

アンチョビ「だからアンチョビだ!!! どうしてダージリンやカチューシャは誰も本名で呼ばないのに、私だけは本名で呼ばれてしまうんだ……」

まほ「……先輩……」

カルパッチョ「まほさん?」


196: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 19:14:09.25 ID:CHXI0E+4o

絹代「この日が、来てしまったか……」

福田「西隊長!! あそこにいたりあんお好み焼き屋を確認したであります!!」

絹代(結局、答えは見つけられなかった……。西住隊長にどのような顔で会えばいいのか……)

ドンッ

絹代「む。福田か? すまない、少しばかり呆けて……」

愛里寿「いたい……」

絹代「こ、こここ、これは!! 島田殿!!! も、申し訳ありません!! お怪我はありませんか!?」

愛里寿「別に、ない」

絹代「面目次第もございません!!!」

愛里寿「……どうしてだ?」

絹代「は、はい?」

福田「西隊長、無事でありますかー!?」

愛里寿「この人に対してだったら、すまないだけで済まそうとしていたのに」

絹代「福田は私と母校を同じくするものであり、共に技術を磨いた戦車乗りであります。島田殿は「日本戦車道ここにあり」と世界に知らしめた島田流師範のご息女でありますゆえ……」

愛里寿「……わかった。こちらこそ、よそ見をしていた。すまない」


197: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 19:22:12.64 ID:CHXI0E+4o

絹代「島田殿……あの……」

福田「何かあったでありますか?」

絹代「さぁ……」

ナオミ「グッモーニン、キヌヨ」

絹代「お、おはようございます!!」

ナオミ「調子はどう?」

絹代「精一杯、自分ができることを遂行するのみであります」

ナオミ「そうか……」

カエサル「徹三。今日一日ではあるが、よろしく頼む」

絹代「は、はい!! 不束者ではありますが、よろしくお願いいたします!!」

ツチヤ「結婚するんじゃないんだから」

ナオミ「ファイアフライは既に到着している。点検、整備をしておこうか」

絹代「はっ!!」

カエサル「砲弾も忘れず用意しておかないとな」

ツチヤ「忘れないけどねぇ」


198: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 19:33:51.55 ID:CHXI0E+4o

ねこにゃー「36発、確認できたにゃー」

カチューシャ「分かったわ。ももがー、ぴよたん。どうなの」

ももがー「大丈夫なり!」

ぴよたん「いつでもいけるずら!」

カチューシャ「ルクリリ!! 操縦の仕方を忘れたなんて言わせないわよ!!」

ルクリリ「問題ありません。全てはカチューシャ様のために」

カチューシャ「あとは……」

ニーナ「あれぇ。もう始まっでだべな」

カチューシャ「なにやってるのよ?」

ニーナ「いやぁ、ナポリタンがきになじまっで……」

カチューシャ「ナポリタンだかナポレオンだか知らないけど!! 大事な試合前になにしてるのよ!! 粛清されたいの!?」

ニーナ「ひぃ……」

ねこにゃー「まぁまぁ、カッちゃん、落ち着いて。まだ自由時間だったんだし」

ももがー「そうそう。そんなに怒ってたらもたないなり」

カチューシャ「いい!? ぞうさんチームが敵車輌をぜーんぶ殲滅するぐらいの気持ちでいなさいよ!!」


199: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 19:35:41.57 ID:CHXI0E+4o

>>198
カチューシャ「いい!? ぞうさんチームが敵車輌をぜーんぶ殲滅するぐらいの気持ちでいなさいよ!!」

カチューシャ「いい!? ぞうさんチームが敵車輌を殲滅するぐらいの気持ちでいなさいよ!!」


200: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 19:41:16.37 ID:CHXI0E+4o

ケイ「アーユーレディー?」

桂利奈「あいむ、ガール!!」

ケイ「あはははは!! ナイスジョーク!! いいわね、カリナ。貴方みたいな子、大好きよ」

桂利奈「ありがとうございます!!」

優季「ケイ隊長ってホントにモテそうですよねぇ」

ケイ「んー。そうねぇ。私のことを好きって言ってくれる子は多いわね」

クラーラ「恋人、いるのですか?」

ケイ「まだいないわねぇ。アリサみたいに好きな子がいればもっと自分を磨けそうなんだけど」

優季「アリサさんは戦車が恋人でいいと思うんですけど、ケイ隊長は良い人が見つかりそう」

アリサ「ちょっと!!! 聞こえてるわよ!!! ユウキ!!!」

ケイ「はいはい。遠くから怒鳴らないの。盗聴器でも仕掛けてるのー?」

アリサ「仕掛けてません!!」

みほ「あはは……」

ケイ「ミホー、アリサをもっていってー」

アリサ「隊長までぇ……」


201: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 19:47:47.92 ID:CHXI0E+4o

桃「全員、集合!!!」

柚子「それでは試合開始前に諸注意があります」

桃「会長、どうぞ」

杏「ん。まず、ひとーつ。みんな、たのしめー。ふたーつ、けがするなー。みーっつ、負けたら罰ゲームねー」

「「えぇぇぇぇぇ!!!!!」」

沙織「なに!? 罰ゲームなんて聞いてないわよ!?」

アキ「いきなりそんなこと言われても困るんだけど!!」

ミッコ「アンツィオがいるし、大量の料理を食べきるとか?」

ミカ「それだと罰にならない人がいるね」

華「大歓迎ですわ」

典子「いい加減、五十鈴さんの限界が知りたいです」

杏「やっぱり勝負をする以上は何かないと楽しくないからな」

ノンナ「罰ゲームの内容は?」

杏「もっちろん、衣装着て、あんこう踊りしてもらうよ。全国生放送でね」

「「えぇぇぇぇぇ!!!!!」」


204: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 20:04:11.09 ID:CHXI0E+4o

優花里「生中継されるのですか!?」

沙織「ぜったいにお嫁にいけなくなっちゃう!!」

華「あの!! それだけは!!」

麻子「やめろ、やめろ」

アリサ「あんこう踊りはプラウダ戦で踊っていたあれですね。踊るぐらいでどうしてあそこまで怯えているのかしら……」

ケイ「あとで動画サイトを漁ってみれば? 確かあったと思うわ。大洗の伝統ダンスには伝統のコスチュームがあるのよ」

アリサ「分かりました」

カチューシャ「……」

ノンナ「思い出しましたか、同志カチューシャ?」

カチューシャ「え? なにが? なにか、あったっけ?」

ノンナ「ふふ……。忘れているのなら、構いませんよ」

クラーラ「Страшные」

オレンジペコ「あ、あの踊りを……衣装まできて……」

ローズヒップ「ガッデムですわ!!」

アッサム「こら。そのような言葉は使わないようにと何度も言っているでしょう」


205: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 20:24:44.31 ID:CHXI0E+4o

ダージリン「受けて立ちますわ」

エリカ「何を勝手に言っているのよ!! 無効よ!! そのような話はきいていないわ!!」

桃「それは通らない。西住まほ監督から了承は得ている」

エリカ「た、隊長……!?」

まほ「安心しろ。万が一、黒森峰オールスターが敗北した場合、私も踊る」

みほ「お姉ちゃんまで!?」

みどり子「それはある意味、外交問題に発展するんじゃないんですか」

希美「学園艦の間で軋轢が生まれるかも」

モヨ子「危ないわ。本当に危ないわ」

カエサル「高校戦車道の代表選手を晒しものにするというのか……」

おりょう「赤報隊……」

カエサル「シチリアのアガタ……」

エルヴィン「大洗の淘汰プログラムなのか……」

左衛門佐「豊臣秀次……」

おりょう・カエサル・エルヴィン「「それだ……」」


207: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 20:35:45.32 ID:CHXI0E+4o

アンチョビ「なんだなんだ。踊るぐらいで意気消沈してどうする」

典子「アンチョビ先輩は知らないんですね……」

梓「あの踊りの恐ろしさを……」

アンチョビ「ああ。存在は知っているが」

ペパロニ「んだよ。嫌なら勝てばいいんだろ。簡単じゃねえか」

ねこにゃー「そ、そうだ。勝てばいいだけの話」

ツチヤ「こりゃ、俄然燃えてきたね」

ホシノ「あんこう踊りだけは嫌だ」

ナカジマ「あのホシノが恥じらうぐらいの踊りだもんなぁ」

小梅「ど、どんな衣装なんだろう……」

絹代「我々は既にあんこう踊りは習得済みでありますが」

忍「どうしてですか!?」

絹代「親善試合で混成チームとして選ばれたときに失礼があってはいけないので、大洗のことは予習いたしました」

忍「そこを予習したんですか……」

絹代「余興で踊ることになってもいいようにと思いまして。独特な衣装ではありますが、ふんどし祭りよりは尊厳を傷つけるものでもないかと」


208: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 20:43:54.71 ID:CHXI0E+4o

福田「あれは恥ずかしいであります……」

絹代「あれこそ、乙女の恥だ……」

あけび(どんなにすごいんだろう……ふんどし祭り……)

愛里寿(ちょっと興味ある……)

杏「まぁ、もう決まっちゃったことだし、踊りたくないなら勝つしかない」

エリカ「くっ……! そうよね……勝てば、良いのよね……」

みほ「エリカさん……?」

エリカ「無様に踊るのはあんたたちよ!!」

みほ「……」

エリカ「絶対に勝つわ。そして証明する。次代の高校戦車道を牽引するのは誰かということをね」

エリカ「弱小校の隊長には荷が重いでしょ?」

みほ「私も、負けられません」

エリカ「なんですって?」

みほ「エリカさんに、愛里寿ちゃんに、ケイさんに、ダージリンさんに、ミカさんに……。勝たなくちゃいけないんです」

エリカ「今度は何を背負ったのよ。廃校以上のことなんてないはず……」


209: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 20:52:40.42 ID:CHXI0E+4o

みほ「私にとっては、廃校以上のことかもしれない」

エリカ「ちょっと、それなら……誰かに相談したほうが……」

みほ「あ、ううん!! 別に負けたからって学園がなくなるとか、そういうことはないけど……でも……」

みほ「守りたいものが、取り戻したいものがあるんです。とても、大事なものだから」

エリカ「そう……。いいわ。本気になってくれているなら、それで」

みほ「手は抜きません」

エリカ「お互いにね」

杏「んじゃ、そろそろ開会式を終わりでいっかぁ」

沙織「開会式だったの!?」

杏「教官、最後になんかあるっすか?」

亜美「いいえ。正々堂々、スポーツマンシップに則って試合をするように。以上」

桃「では、試合準備に取り掛かれ!!」

亜美「試合開始は今から60分後。その間に作戦等を練るようにね」

桃「両軍の健闘を祈る!!」

杏「それじゃいこっかなぁ。河嶋の分までがんばるかぁ」


210: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 20:58:44.07 ID:CHXI0E+4o

大洗女子学園オールスターチーム 簡易作戦会議所

みほ「アリサさん。練習時に作成していた地図は今、ありますか?」

アリサ「これのこと? みんなにも配られてるものだけど」

みほ「いえ。重要なのはアリサさんが書き込んでいる内容です」

アリサ「ああ。別に大したことは書き込んでないけど?」

忍「いやいや!! かなり緻密に書かれているじゃないですか!!」

ノンナ「これだけ詳細なのは助かりますが、肝心のアリサさんは記憶しているのですか」

アリサ「通信手の仕事はこなします」

ノンナ「なるほど」

カチューシャ「それ、信頼できるわけ?」

みほ「はい」

アンチョビ「迷いがないな」

みほ「アリサさんを選んだのは私です。そこを信じていないのなら、選抜はしていません」

アリサ「そ、そう……ふぅん……」

ナオミ「サンキューぐらい言えばいいのに」


211: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 21:06:30.11 ID:CHXI0E+4o

みほ「C07地点にねずみさんチームを配置します」

優花里「ここですね」

みほ「それからほたるさんチーム」

絹代「は、はい!」

みほ「何か作戦を考えているのなら、是非教えてください」

絹代「い、色々と考えてはみましたが、やはりここは西住隊長に一任することが最良だと思い至りました」

みほ「そうですか……。わかりました、ではほたるさんチームはB33地点にて待機をお願いします」

絹代「この地点でありますか。了解しました」

みほ「……」

優花里(西住殿……)

アンチョビ「では、本隊はワニさん、ぞうさん、あんこうということになるのか」

みほ「はい。ただ相手チームにはエリカさんと愛里寿ちゃんがいます。こちらの作戦は必ず看破されるはずです」

カルパッチョ「そのときは?」

みほ「戦況に応じてこちらも手を変えていかなければなりません」

アンチョビ「まるで島田流だな。まぁ、元々みほはそんな感じだったが」


212: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 21:14:37.32 ID:CHXI0E+4o

黒森峰女学園オールスターチーム 簡易作戦会議所

エリカ「……」

ダージリン「チーム・豹はこの地点にいますわね」カキカキ

ケイ「それだと合流ルートが限られちゃうわ。だったら、チーム・ベアーとチーム・ウルフをここに配置しておきたいわね」カキカキ

エリカ「あの……」

ミカ「そのスコアはあまり望ましくはないね。こうはどうかな」カキカキ

愛里寿「みほさんは絶対にここに来る。だから、チーム・ボコはここで待ち伏せる」カキカキ

エリカ「だから……」

杏「だったら、私はここで干し芋でも食べとこっ」

柚子「会長まで混ざらないでくださいよぉ」

エリカ「いい加減に……」

沙織「ちょ、ちょっと!! みんなー!! エリりんの話もきいてあげよー!!!」

オレンジペコ「私たちの隊長は逸見様なのですから!!」

ダージリン「あら、失礼。いつもの感じで作戦を決めようとしてしまいましたわ」

まほ「……」


213: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 21:29:05.36 ID:CHXI0E+4o

エリカ「――以上が今回の戦術です。何か意見はありますか」

ケイ「作戦名はどうする?」

エリカ「作戦名……? 必要ですか?」

ダージリン「掛け声一つでチームが動くのですから、必要だと思うけれど」

エリカ「では、マリタ・メルクール作戦でどうでしょう」

ダージリン「……」ズズッ

オレンジペコ「すみません。お気に召さないようです」

エリカ「なっ……!?」

杏「んじゃ、お姉さん、なんかある?」

まほ「私か?」

小梅(ここで隊長に振っちゃうなんて……。やっぱり角谷さんってすごい……)

まほ「そうだな……。フリューリングスヴィント、というはどうだろうか。反撃時には適した作戦名だ」

エリカ「それで行きましょう」

ケイ「長くない?」

エリカ「この作戦はフリューリングスヴィント作戦に決定します。異論は聞きません」


214: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 21:45:43.03 ID:CHXI0E+4o

試合会場 Ⅳ号戦車内

亜美『――大洗女子学園オールスターチーム対黒森峰女学園オールスターチームの試合を始めます。お互いに、礼』

みほ「よろしくお願いします」

亜美『ルールは事前に説明している通り、殲滅戦を採用しています。先に全ての車輌が走行不能になったチームが負けとなります』

亜美『では……。――試合開始!!』

みほ「パンツァー・フォー!!」

優花里『ヒャッホー!! いくぜぇ!!』

絹代『戦車前進!!』

カチューシャ『タンキ フピェリョート!!』

アンチョビ『カッリ アルマーティ アヴァンツァーノ!!!』

アリサ「ぞうさんチーム、前へ。ワニさんチームとあんこうがその後ろにつきます」

ニーナ『了解』

優花里『こちらねずみチーム。指定されたポイントへ移動します』

絹代『ほたるさんチーム、移動を開始します』

みほ「お願いします。合図をするまでできるだけ交戦は避けてください」


215: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 21:56:03.44 ID:CHXI0E+4o

VI号戦車ティーガーI 車内

杏「さぁて、西住ちゃんたちはどんな作戦でくるかねぇ」

エリカ「……」

杏「真剣だね」

ミッコ「そりゃ、相手が相手だけに真剣にもなるって」

オレンジペコ「油断は絶対にできませんね」

沙織「……」

エリカ「沙織」

沙織「なぁに?」

エリカ「何を考えていたの」

沙織「みぽりんならどこにいくかなぁって」

エリカ「貴方の考えを聞かせてもらえる?」

沙織「みぽりんならこのA8地点を通ると思う。そこからB33地点までは見通しがいい上に丘もあるし、ファイアフライぐらいは待機させてるかもね」

エリカ「狼、熊は虎についてきて。豹とボコは作戦通りに。戦車、前進」

ミッコ「前進っ」グイッ


216: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 22:07:59.92 ID:CHXI0E+4o

C07地点

優花里「こちらねずみさんチーム。配置につきました」

みほ『こちらで指示しますので、待機でお願いします』

優花里「了解でぇす」

アッサム「雲一つない空ですわね」ズズッ

優花里「本当ですねぇ」

麻子「相手にバレているだろうな。この作戦」

優花里「ですね。逸見殿や島田殿はもちろんですが、ケイ殿、ダージリン殿、ミカ殿までいるんですし」

麻子「あと、沙織だ」

優花里「む……。失念していました」

アッサム「武部さんは各校の隊長と名を並べるほどなのですの?」

麻子「練習のとき、秋山さんが西住さんの行動を読み切ったのと同じだ」

優花里「西住殿ならどうするのか。武部殿ならわかるはずです」

アッサム「信頼があるからこそ、ですわね」

優花里「はい。だからこそ、西住殿は……」


218: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 18:04:20.85 ID:Gt1bqBQSo

B33地点

絹代「ほたるさんチーム、所定の位置に到着しました」

みほ『了解です。そのまま待機でお願いします』

絹代「はっ!!」

カエサル「あとはねずみさんが連れてくる相手を狙撃するだけ、か」

ツチヤ「ファイアフライの役割としてはこれしかないって感じだ」

ナオミ「不服そうだな。やはり走りたかった?」

ツチヤ「走り屋としてはね。けど、勝つためには我慢しなきゃいけないしなぁ」

絹代(その通りだ。勝利するためには何かを捨てる勇気も必要になる)

優花里『こちら、ねずみさんチーム。敵車輌を確認しました』

ナオミ「来たか」

みほ『何輌ですか?』

優花里『VI号戦車、T-34、マチルダⅡです』

ツチヤ「ありゃ、レオポンはなしか」

ナオミ「例のほいほいオペレーションをスタートさせる?」


219: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 18:12:53.35 ID:Gt1bqBQSo

Ⅳ号戦車内

みほ「……」

アリサ「何か気になるの」

みほ「こんなにも簡単に行くとは思えなくて……」

ノンナ「上手く行き過ぎている、と」

みほ「カチューシャさんのときのようにあえてこちらの作戦に乗っているだけかもしれません」

カチューシャ『エリカにそこまでの頭脳があるかしらね』

アンチョビ『ある!! 奴は黒森峰の副隊長だぞ!!』

カチューシャ『勝手に割って入ってこないで!!』

優花里『西住殿、私たちはいつでも行けますが』

みほ「ねずみさん、ほたるさん。念のためにそこから移動してください」

絹代『移動でありますか?』

みほ「はい。お願いします。アリサさん」

アリサ「ねずみさんはA10地点、ほたるさんはC3地点がいいかと」

優花里『了解です!!』


220: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 18:30:19.07 ID:Gt1bqBQSo

VI号戦車ティーガーI 車内

妙子『こちらチーム・豹。A8地点に到着しました。敵車輌は見当たりません』

エリカ「ハズレね」

沙織「いるとおもったんだけどなぁ」

ダージリン『いいえ。武部さんの予想は当たっているようね』

杏「轍でもあったぁ?」

ダージリン『ええ。履帯のあとがくっきりと。まるで追って来いと言われているみたいにね』

ミッコ「それを追えば相手にぶち当たるってこと?」

オレンジペコ「正面から砲撃を受けそうですけど……」

スズキ『チーム・ボコ。こちらも相手車輌は確認できませんでした』

エリカ「読まれていることに気が付いたってこと……?」

沙織「さっすが、みぽりんっ」

エリカ「感心するんじゃないわよ。熊、狼。次の作戦に移るわよ」

優季『はぁい』

ミカ『風の鳴るほうへ進もう』


221: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 18:44:18.35 ID:Gt1bqBQSo

観客席

千代「序盤から読み合いの応酬ですね」

しほ「……まほ」

まほ「はい。なんでしょうか、お母様」

しほ「逸見エリカは貴方の技能を間近で見ていた者のはず」

まほ「その通りです」

しほ「それにしては随分と消極的ね」

まほ「それは……」

千代「分かりませんか?」

しほ「どういう意味?」

千代「黒森峰も近く島田流に染まる。ということです」

しほ「そんな日は来ない」

まほ「お、お母様、落ち着いてください……」

千代「愛里寿が影響を受けないか心配だったけれど、杞憂だったようですね」

しほ「……」


222: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 19:08:25.09 ID:Gt1bqBQSo

ヤークトパンター 車内

あゆみ「どこにいるんだろう……」

妙子「三突みたいに隠れるのが得意な戦車はいないはずなんだけどね」

ダージリン「リードブロックってご存知かしら?」

アキ「へ?」

妙子「バレーボールのリードブロックですか?」

ダージリン「その通り」

妙子「それなら分かります! トスアップを見てからあがるところにブロックをしかけることがリードブロックです!」

アキ「そうなんだ」メモメモ

ダージリン「対してコミットブロックがあるわね」

柚子「それはどういうブロックなの?」

妙子「相手アタッカーの動きを先に読んで、跳んで待っているのがコミットブロックです」

柚子「へぇ。そうなんだ」

あゆみ「そのブロックがどうしたんですか?」

ダージリン「みほさんはリードブロック、逸見さんはコミットブロック。相反する二人の均衡が破れるとき、全てが動き出す、ということよ」ズズッ


224: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 19:44:43.40 ID:Gt1bqBQSo

ポルシェティーガー 車内

ナカジマ「向かった地点についさっきまで誰かが居たってことは、こっちの動きは常に見られているってことか」

スズキ「だったら、西住さんの先の先を読まなきゃ捉えられない」

小梅「こちらのレンジ外から砲撃してくるかもしれませんね」

ローズヒップ「ススイっと避けますわよ。ご安心を」

愛里寿「――停止!!」

ローズヒップ「は、はい!!」グイッ

ナカジマ「どうした――」

ドォォォォン!!!

ローズヒップ「なんですの!? なにがおこりましたのー!?」

小梅「17ポンド砲……」

愛里寿「仕掛けてきた」

エリカ『チーム・ボコ、被害は?』

スズキ「大丈夫だよー」

愛里寿(ナオミさんが乗っているファイアフライからの砲弾……。着弾しなかったのはわざと外したからか)


225: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 19:52:14.76 ID:Gt1bqBQSo

ファイアフライ 車内

絹代「申し訳ありません!! 命中しませんでした!!」

みほ『大丈夫。撃破が目的ではありませんから』

ナオミ(ポルシェティーガー……。砲撃前に動きを止めたけど、あの距離でこちらに感づいたというの……)

カエサル「随分と良い耳をしているようだ」

ツチヤ「よすぎない?」

ナオミ「耳が良いというより、勘が鋭すぎる」

みほ『ほたるさんはすぐにそこから次のポイントへ移動してください』

絹代「了解であります!!」

ツチヤ「戦略的撤退ってね」

ナオミ「来る」

絹代「え……」

ドォォォン!!!

カエサル「レオポンめ。撃ってきたか」

絹代「退避ー!! 次の目的地までこの魂を持っていきます!!」


226: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 19:59:27.99 ID:Gt1bqBQSo

試合会場

ポルシェティーガー『……』ゴゴゴゴゴッ!!!!

ローズヒップ『絶対に逃がしませんわよー!!!』

愛里寿『逸見さん。ファイアフライはこちらで請け負う』

エリカ『待ちなさい!! 相手の見え透いた誘いにのってどうするのよ!!』

愛里寿『この先にみほさんがいる』

エリカ『まだ拘ってるのね』

愛里寿『当然だ』

エリカ『……いいわ。チーム・狼』

ミカ『感度は良好だ』

エリカ『チーム・ボコと合流。ファイアフライを撃破してきなさい』

ミカ『了解』ポロロロン

愛里寿『私たちだけでも十分だ』

エリカ『図に乗らないで。みほは貴方が思ってるほど、甘くはないのよ』

愛里寿『理解しているつもりだ』


227: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 20:09:10.02 ID:Gt1bqBQSo

試合会場

ファイアフライ『……』ゴゴゴゴッ

絹代『追ってきております!!』

ナオミ『一発食らって欲しいところだ』ドォォォォン!!!!

ポルシェティーガー『……』ギュルルル!!!

ローズヒップ『無駄ですわー!! 無駄無駄-!! このローズヒップ!! 猛獣だろうが乗りこなしてみせますわよー!! おーほっほっほっほ!!』

ナカジマ『ある意味、ツチヤといい勝負してるよな』

スズキ『うん。負けてない』

小梅『こちらも攻撃します』ドォォォン!!!

ツチヤ『それをもらうわけにはいかないって!!』

愛里寿『ファイアフライがあんなにも機敏に動くの、初めてみた』

ゴゴゴ……

絹代(この音……)

絹代『ツチヤ殿!! 停止!! 急速後退!!』

ミカ『――トゥータ!』


228: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 20:18:08.00 ID:Gt1bqBQSo

ドォォォォン!!!

絹代『ぐっ……!?』

ナオミ『前には狼、後ろにはボコか』

ツチヤ『前門の狼、あれ、虎だっけ?』

カエサル『それは一難去ってまた一難あるときに使うことわざだ』

ポルシェティーガー『……』

絹代『挟撃でありますか……』

マチルダⅡ『……』

ミカ『今の砲撃が避けられてしまうとはね』

華『申し訳ありません』

ミカ『五十鈴さんの所為じゃない。意地悪な風が邪魔をしたのさ』

ツチヤ『しゃちょー、どうするー?』

絹代『ここは……!!』

P40『助けにきてやったぜー!!!』ゴゴゴゴゴッ

ペパロニ『アンツィオ副隊長、ペパロニ様にまかせろー!!!』


229: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 20:25:10.24 ID:Gt1bqBQSo

絹代『援軍であります!!』

アンチョビ『絹代!! 恐れるな!! 我々についてこい!!』

絹代『は、はい!!』

愛里寿『ミカさん』

ミカ『構わないよ』

愛里寿『撃て』

小梅『当たって……!!』カチッ

ドォォォン!!!

ペパロニ『へったくそ!! そんなちょろい攻撃があたるかってんだー!!!』

ミカ『――矢は一本とは限らない』

華『今度こそ……』カチッ

アンチョビ『おい!! まずいぞ!! ペパロニ!! 止まれ!! じゃなかった、速度をあげろ!!! このまま走り抜けろ!!』

ペパロニ『もーどっちすかぁ!? とりあえず爆走っすねー!!』ゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!

ドォォォォン!!!

梓『きゃぁ!? ほ、ほたるさん、このままウサ、じゃなくてワニさんを追ってきてください!!』


230: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 20:38:09.37 ID:Gt1bqBQSo

Ⅳ号戦車内

梓『現在、マチルダ、ポルシェティーガーと交戦中で……きゃぁ!?』

アリサ「援軍は到着したのね?」

絹代『は、はい!! しかし、ワニ殿は二輌に狙われています!!』

みほ「エリカさんが真っ直ぐ誘いに乗ってくるなんて……」

ノンナ「わざと外すことで相手にこちらの思惑を読ませようとしたのが裏目にでましたね」

アリサ「ここで待っていても助けにはいけないと思うけど」

忍「気合と根性で走ります!! 行きましょう!!」

みほ「相手はミカさんと愛里寿ちゃん……。西さんと安斎さんでは振り切れないかも……」

優花里『西住殿!! ねずみさん、応援に向かいます!!』

カチューシャ『カチューシャも動けるわよ』

みほ「分かりました。全車で援護に向かいます。ねずみさんはそのまま向かってください。ぞうさんはあんこうと一緒に行動しましょう」

優花里『では、お先に失礼します!!! 西住殿!! 待っていますね!!』

アリサ「どうやら私たちが向かうのは無理っぽいわね」

みほ「え……?」


231: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 20:47:25.65 ID:Gt1bqBQSo

試合会場

T-34『……』ゴゴゴゴッ

ケイ「ヤッホー!! ミッホー!!」

みほ『ケイさん……!?」

カルパッチョ『その後ろに、もう一輌いるようです』

VI号戦車『……』ゴゴゴゴッ

エリカ「チーム・熊!! 前に出すぎよ!!」

ケイ「ソーリー、ボース」

エリカ(あえて誘いに乗ってあげたわよ、みほ。さぁ、どう振り切るつもり?)

みほ(応戦しないと……。いくらカチューシャさんたちでも、ケイさんとエリカさんには……)

カチューシャ『仕方ないわね。ミホーシャ、さっさと援護に向かいなさい。ここは頼れる同志たちが引き受けるわ』

みほ『え……!? け、けど……!!』

ねこにゃー『西住さん、ボクたちも役に立てるってところ見せるにゃー』

ももがー『先にいってくれなり!!』

カチューシャ『すぐに追いつくわよ。こーんな小さいやつら、踏みつぶしてやるんだから!!』


232: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 20:55:50.75 ID:Gt1bqBQSo

ケイ『お、カチューシャがやる気マンマンみたいね』

クラーラ『カチューシャ……』

エリカ『KV-2ね。鈍足になんの脅威も感じないわ』

杏『あの主砲、装填速度が尋常じゃないから気を付けてねぇ』

エリカ『は?』

カチューシャ『ねこにゃー!! ももがー!!! ぴよたん!!! 152mm榴弾砲マシンガン発射よ!!!』

ねこにゃー・ももがー『『ウラー!!!!』』ガコンッ

ぴよたん『くらえー!!!』ドォォォォン!!!!

桂利奈『ひぃぃ!? なにこれー!?』

ミッコ『あっぶねぇ!?』

ねこにゃー・ももがー『『ウラウラウラー!!!!』』ガコンッガコンッガコンッ

ぴよたん『ウララー!!!』ドォォォン!!!ドォォォォン!!!!ドォォォォン!!!!!

沙織『きゃー!! やだもー!!!』

オレンジペコ『ありえない……どんな人が装填手を……』

杏『猫ちゃんとももちゃんだねー』


233: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 21:05:19.42 ID:Gt1bqBQSo

Ⅳ号戦車内

みほ「カチューシャさん!!」

カチューシャ『まだいたの!? 早く行かないと絹代たちがやられちゃうわよ!! こっちは見ての通り、負ける要素が見当たらないでしょ!?』

ノンナ「ええ。確かに。どこにも見当たりませんね、カチューシャ」

カチューシャ『今のカチューシャは無敵よ!! だから、早く行って!! 行って、絹代の目を覚ましてあげなさい!!』

みほ「……!」

カチューシャ『それはミホーシャにしかできないんだから』

みほ「……ここはお願いします!!」

カチューシャ『ねこにゃー!! ももがー!! 装填速度をコンマ一秒でも落としたら、粛清よ!!』

ねこにゃー『やるずら!!』

ももがー『いくしかないっちゃ!!』

ぴよたん『砲身が焼け付くまで撃ち続けてやるぅ!!』

ルクリリ『どうでもいいが、バランスをとるのが難しいので……!! もう少し、砲撃に間隔を……!!』

ニーナ『すっげぇ!! こんなカーベーみだことねえ!!』

ノンナ「カチューシャ。良い同志に巡り合えましたね。ふふっ」


234: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 21:13:59.36 ID:Gt1bqBQSo

試合会場

沙織『Ⅳ号が行っちゃうよ!』

エリカ『今は構ってられないわ』

ケイ『先にこのエレファントをやっつける?』

エリカ『それしかないでしょ。エレファントというより、もはやマンモスだけどね』

カチューシャ『ここから先は一歩も通さないわよ!! 撃てー!!!』

ドォォォォン!!!!

桂利奈『どうしよー!?』

ケイ『カリナ、落ち着いて。脅威的だけど、別に怯えることはないわ』

桂利奈『で、でも……』

ケイ『しっかり操縦して。貴方ならノープロブレムよ』

桂利奈『な、なんだかやれそうな気がしてきたー!!』

優季『桂利奈ちゃん、かっこいぃ』

ケイ『クラーラ!! 相手はカチューシャでも手加減なしよ!! オッケー!?』

クラーラ『勿論です。手を抜けば、カチューシャに嫌われてしまいます』


235: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 21:24:26.31 ID:Gt1bqBQSo

別地点

ミカ『右!』

ホシノ『はいっ!』

ドォォォン!!!

ナオミ『また外れた……』

ツチヤ『ホシノやるなぁ』

カエサル『車長の能力もあるのだろうが』

絹代『ツチヤ殿!! 左側面からレオポン殿が!!』

ツチヤ『見えてるよっと!』

ドォォォン!!!

ローズヒップ『あの回避能力、侮れませんわ』

ナカジマ『次、どうぞー』ガコンッ

小梅『はいっ』ドォォォン!!!

ペパロニ『うわぁ!? 次はこっちかよー!!』

みどり子『このままじゃいつか当たっちゃうわよ!!』


236: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 21:32:55.22 ID:Gt1bqBQSo

P40車内

アンチョビ「みほ! 合流はできそうか!?」

みほ『もう少しかかりそうです!!』

アンチョビ「もう少しか……。そんなに余裕はないぞ」

ペパロニ「大丈夫っすよ、姉さん!! 私にまかせ――」

ドォォォォン!!!

梓「きゃぁ!? い、今、掠りましたよ!?」

アンチョビ「停止!!」

ペパロニ「はぁ!? 姉さん、正気っすか!?」

みどり子「的になっちゃうわよ!! 断固、反対よ!!」

アンチョビ「車長命令だ」

ペパロニ「どうなってもしらないっすからね!!」グイッ

絹代『ワニ殿、どうしたでありますか!! 機関に重大な異常が発生したのですか!?』

アンチョビ「どうせこのまま二輌で逃げても隊長と合流する前にやられてしまう。それではみほが、いや、我々がこの戦いに参加しているいる意味がなくなってしまう」

ペパロニ「姉さん? なにいってんすか?」


237: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 21:33:48.80 ID:Gt1bqBQSo

>>236
アンチョビ「どうせこのまま二輌で逃げても隊長と合流する前にやられてしまう。それではみほが、いや、我々がこの戦いに参加しているいる意味がなくなってしまう」

アンチョビ「どうせこのまま二輌で逃げても隊長と合流する前にやられてしまう。それではみほが、いや、我々がこの戦いに参加している意味がなくなってしまう」


238: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 21:39:48.54 ID:Gt1bqBQSo

梓「意味って……」

アンチョビ「西絹代!!」

絹代『は、はい!!』

アンチョビ「お前は必ず生き残れ!! 最後までやられるな!!」

絹代『なぜそのようなことを……』

アンチョビ「今は私たち、アンツィオの戦い方を背中で受け取ればいい」

絹代『安斎殿、何をするつもりでありますか』

アンチョビ「ペパロニ!! 我がアンツィオはどう言われていた!!」

ペパロニ「どうって?」

アンチョビ「ええい、もういい!! そど子!!」

みどり子「園みどり子です!」

アンチョビ「大洗はアンツィオをどう評価していた。正直に言ってみろ」

みどり子「ノリと勢いだけはある。調子に乗らすと手ごわい」

ペパロニ「あーん!? どういう意味っすかぁ!! そど子姉さん!!」

アンチョビ「ふっふっふっふ。そうだ。その通りだ!! ノリと勢いだけはある!! 調子に乗れば手ごわい!! それがアンツィオだ!!!」


239: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 21:47:55.70 ID:Gt1bqBQSo

アンチョビ「ペパロニ!! 敵は二輌!! それも島田流と継続の隊長だ!!」

ペパロニ「すっげぇ強いじゃないっすか」

アンチョビ「そんな奴ら相手に突撃してみるというのは、どうだ?」

ペパロニ「姉さん……」

梓「と、突撃ですか!?」

みどり子「なにを西さんみたいなこと……あ……」

ペパロニ「さいっこーじゃないっすかぁ!!! そんな面白い作戦を考えてたなら、いってくださいよぉ!!」

アンチョビ「デザートは最後までとっておくものだ」

梓「切り札じゃないんですか」

みどり子「はぁ……とんでもない車長ね……」

アンチョビ「腹をくくれ。これから我々はアホになる!!」

ペパロニ「アホはいやっすねぇ」

アンチョビ「バカではないんだ。別にいいだろう?」

絹代『安斎殿!! おやめください!! そのような命令は受けておりません!!』

アンチョビ「私は統帥アンチョビだ!! 誰も見殺しにはさせない!!!」


240: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 21:53:37.25 ID:Gt1bqBQSo

試合会場

P40『……』ゴゴゴゴッ

愛里寿『P40だけがこっちに来る』

ミカ『身代わりになるのかな』

アンチョビ『今頃、身代わりだと思われているだろうな』

梓『違うんですか?』

アンチョビ『私は玉砕するつもりも、負けるつもりもない!!』

ペパロニ『いっくぜー!!! 島田流!!!』

愛里寿『回避』

ローズヒップ『ただ突っ込むだけなんて全然、エレガントじゃありませんわね!!』

アンチョビ『と、見せかけてマチルダを狙っていたわけだ!!』ドォォォン!!!!

ホシノ『つっ……。狙いはこっち!?』

典子『すごいフットワークだ!!』

ミカ(リズムが合わない。まずいね)

アンチョビ『ノリと勢いのアンツィオを舐めるなぁー!!!』


241: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 22:04:50.73 ID:Gt1bqBQSo

別地点

クルセイダー『……』ゴゴゴゴッ

優花里『この丘を越えればほたるさんチームがいるはずです!』

麻子『急ぐぞ』

アッサム『お待ちになって』

優花里『アッサム殿?』

アッサム『稜線を越えてきますわ。あの方が』

ゴゴゴゴッ

ヤークトパンター『……』

優花里『ヤークト!! ダージリン殿ですか!?』

ダージリン『見つけたわ。砲撃、用意』

あゆみ『秋山先輩、ごめんなさい!!』ドォォォン!!!

麻子『簡単にはやられない』

優花里『わ、私が……ダージリン殿と……』

ダージリン『恐怖は愛より強き感情なり。秋山さんはこの格言を知っているかしら?』ズズッ


242: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 22:15:57.65 ID:Gt1bqBQSo

麻子『応戦する以外に道はなさそうだが』

優花里『しかし、ここはなんとか突破しないと……西殿を守れなくなってしまいます……』

アッサム『どうしてそこまで西さんのことを?』

優花里『西住殿がこの試合に臨む理由なんです。たった一つの勝ちたいと願う理由なんです』

麻子『西さんが……』

ダージリン『斥候同士、心行くまで踊るわよ。小山さん、相手になんとしても食らいつきなさい』

柚子『はい!!』

優花里『来ました!! 冷泉殿!! このまま突っ込みます!!』

麻子『分かった』

クルセイダー『……』ゴゴゴゴッ

妙子『逃げられちゃう!?』

ダージリン『逃げられてしまうのは、クルセイダーがこちらへ来るせいだー。ふふっ。あとでアッサムに聞かせてあげないと』

アキ『撃って!!』ガコンッ

あゆみ『う、撃ちたいけど照準が合わない!! クルセイダー速いすぎるって!!』

ダージリン『追いなさい』


243: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 22:23:06.37 ID:Gt1bqBQSo

別地点

Ⅳ号戦車『……』ゴゴゴゴッ

絹代『あれは……!!』

みほ『西さん!』

絹代「よ、よかった……。西住殿と合流ができた……」

みほ「今、みんなが応戦しています。全ての車輌に勝つことは難しいはずです」

絹代「私は、どうすれば……」

アリサ「まだそんなこと言ってるわけ?」

カルパッチョ「アリサさん」

アリサ「ふんっ……」

カエサル「徹三、アンツィオの戦いをみただろう。何も思わないのか」

絹代「そう言われましても……」

ツチヤ「封印しているんだから、無理なんじゃない?」

ナオミ「魂まで閉じ込めたの? 愚かだ」

絹代「突撃のことを言っているでありますか? 私は、学んだのであります。我々、知波単は『突撃』から脱するべきだと」


244: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 22:34:04.56 ID:Gt1bqBQSo

ノンナ「そうですね。その『突撃』の所為で勝てた試合も敗北してきたのですから、良い判断です」

絹代「やはりそう思いますか」

ノンナ「けれど、最良ではありません」

絹代「最良では、ない……?」

ノンナ「はい。ただ捨てるのは、培ってきたものを廃棄するのと同義です」

絹代「では、突撃をしろとおっしゃるのですか……。それではまたみなさんの足を引っ張るだけではありませんか!」

忍「私たちのキャプテンがいつも言ってます。少しだけ頭を使って、あとは根性だって。『突撃』も使いようだと思います」

絹代「突撃を活かせるだけの能力があれば別ですが……」

アリサ「ファイアフライは高台で待機でいいわね」

みほ「アリサさん?」

アリサ「時間はないわよ、隊長。決断してください」

みほ「けど……」

アリサ「貴方まで迷うつもり? 冗談はやめてくれない?」

みほ「――ほたるさん、C07地点で待機してください」

絹代「そこは……。隠れていろというのですか」


245: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/23(木) 22:38:40.14 ID:Gt1bqBQSo

みほ「私たちが囮になります。ほたるさんは確実に各車輌を撃破してください」

絹代「はっ」

ナオミ「本来の仕事に戻るってわけだ」

みほ「行きましょう」

アリサ「交戦地点はここと、ここ。南から攻めれば敵の側面をつつくこともできそうだけど?」

みほ「そうですね。では、そのルートで行きましょう」

忍「ちゃんとよけれるか心配……」

カルパッチョ「河西さんならきっといけます」

ノンナ「戦う前から弱気では話になりませんが」

忍「す、すみません!!」

忍(私っていつもキャプテンに自信と勇気をもらってたのかな……)

ナオミ「私たちも行こう」

ツチヤ「そうだね」

カエサル「戦いはまだ終わっていないからな」

絹代「……」


246: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 21:58:36.42 ID:4QI7rdRdo

別地点

ドォォォン!!

アンチョビ『マルゲリータ作戦発動!!』

ペパロニ『了解!! マルゲリータ!! いくぜぇ!!』

みどり子『マルゲリータ作戦ってなに?』

梓『分かりません』

P40『……』ゴゴゴゴッ

ミカ『ノリと勢い、か。程よくアドリブが利いていて、先の読めない演奏に仕上がっている。君が太陽なら、こちらは月かな』

華『無造作でありながら芯は通り、定まった型はなく、それゆえに力強い』

典子『つまり根性の塊ということですね!!』

ホシノ『走りの強さならこっちに分があるはず』

ローズヒップ『ミカ様には負けていられませんわ!! いきますわよ!!』

愛里寿『これ以上、ここで時間を潰すわけにはいかない。ミカさん』

ミカ『堕ちた虎でついてこれるかい?』

愛里寿『堕ちてなどいない。私たちの乗るティーガーこそ最強だ』


247: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 22:06:11.03 ID:4QI7rdRdo

アンチョビ『麻子にできてお前にできない道理はない!!』

ペパロニ『ドリフトアタックだぜぇ!!!』

ミカ『流れは左』

ホシノ『了解!』

愛里寿『回り込め』

ローズヒップ『よろしくてよ!!!』

ポルシェティーガー『……』ゴゴゴッ

ナカジマ『履帯大丈夫かな』

スズキ『大丈夫じゃないだろうな』

マチルダⅡ『……』ゴゴゴッ

梓『後ろを取られました!!』

みどり子『どうにかしなさいよ!!』ガコンッ

ペパロニ『あちゃぁ。やっぱ、初めてやるもんじゃないっすねぇ』

アンチョビ『まだまだ勢いはこちらにあるぞ!!』

梓『後ろをとられてるんですってばぁ!! よけてぇ!!』


248: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 22:17:49.61 ID:4QI7rdRdo

小梅・華『『発射』』カチッ

ドォォォォン!!!

典子『やった!?』

ミカ『正面!!』

ホシノ『え――』

P40『……』ゴォッ

ペパロニ『捉えたぜ!! 島田流!!』

みどり子『ミカさんは関係ないでしょ』

アンチョビ『我々を調子に乗らせたのが敗因だ!!』カチッ

ドォォォォン!!!

華『くっ……!?』

ホシノ『避けられなかった……』

ミカ『これが運命だったのかな』ポロロン

典子『そ、そんな……八九式なら……八九式なら避けられたのに……!!』

亜美『マチルダⅡ歩兵戦車、走行不能!!』


250: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 22:24:57.91 ID:4QI7rdRdo

アンチョビ『やった!! やったぞー!! 継続高校隊長を打ち取ったぞー!!』

ペパロニ『ドゥーチェ!! ドゥーチェ!!!』

アンチョビ『はーっはっはっはっは!! 次の標的は島田流だ!!! 今の私たちに死角はない!!!』

梓『なんだかそんな気がしてきた!! ドゥーチェ! ドゥーチェ!!』

みどり子『そんな余裕でいたら……』

ミカ『――トゥータ』

ガキィィィン!

アンチョビ『ん?』

ポルシェティーガー『……』

ペパロニ『あれ? なんで目の前に88mm砲っぽいのが――』

ドォォォン!!!

亜美『P40、走行不能!!!』

愛里寿『急ごう。西住さんの態勢が整ってしまう前に仕掛けたい』

ローズヒップ『ごめんあそばせ』

ナカジマ『その前に、レオポンの足だけ看てもいい?』


251: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 22:31:00.52 ID:4QI7rdRdo

>>250
愛里寿『急ごう。西住さんの態勢が整ってしまう前に仕掛けたい』

愛里寿『急ごう。みほさんの態勢が整ってしまう前に仕掛けたい』


252: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 22:36:00.33 ID:4QI7rdRdo

P40車内

アンチョビ「やられたか……」

ペパロニ「あと十秒ほど私の反応が早かったら勝負は分からなかったぜ」

梓「どれだけ大敗なんですか」

みどり子「だから言ったのに!!」

アリサ『ワニさん、怪我はないの?』

梓「は、はい! なんとか!!」

アンチョビ「すまない。なんとかワニらしく食らいついたが、最後の最後で振り落された」

アリサ『かっこよかったですよ』

アンチョビ「だろう?」

梓「西住先輩、あとのことよろしくお願いします!!」

みほ「分かりました」

みどり子「安斎さんのエール、西さんに伝わったかしら」

アンチョビ「どうだろうな。私の戦果としては十分すぎるし、これ以上は望まない」

ペパロニ「くっそー!! また修理のために貯金しなきゃいけないっすね、姉さん」


253: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 22:42:10.83 ID:4QI7rdRdo

マチルダⅡ 車内

沙織『怪我はありませんかー!?』

ミカ「みんな五体満足だよ」

沙織『よかったぁ……』

エリカ『もう少し粘ってくれると思っていたけど、期待外れね』

ミカ「期待はいつも裏切るものさ」

華「申し訳ありませんでした」

典子「根性が足りませんでした!!」

ホシノ「もっと動けると思ったんだけど」

ミカ「逸見さん」

エリカ『なによ』

ミカ「敗者を気遣うのはいいけれど、そちらの旗色はどうなのかな」

エリカ『最悪よ』

ドォォォォン!!!

ミカ「良い音色だね。健気な隊長の健闘を祈ろう」


254: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 22:50:23.27 ID:4QI7rdRdo

別地点

KV-2『……』ドォォォン!!!ドォォォン!!!!ドォォォォン!!!!

桂利奈『ひゃぁ!?』

ミッコ『いい加減にしろって!!』

カチューシャ『撃って撃って撃ちまくるのよ!!!』

ももがー『いくなりっ!』ポイッ

ねこにゃー『ウラー!!』ガコンッ

ぴよたん『発射の巻ぃ!』ドォォォン!!!

ケイ『量より質なんじゃなかったのかしら』

優季『もうあたっちゃうかもぉ』

桂利奈『当たってたまるかぁ!!』

クラーラ『семнадцать……восемнадцать……девятнадцать……』

カチューシャ『ほらほら!! シベリアよりも凍える圧倒的恐怖を味わうがいいわ!!』ドォォォン!!!!

クラーラ『двадцать』

エリカ『近づけもしないじゃない!』


255: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 23:01:09.73 ID:4QI7rdRdo

ミッコ『車長!! 強引に突っ込むか!?』

エリカ『勝手なことしないで!! ここで墜ちるわけにはいかないのよ!!』

ケイ『エリカ。貴方はミホのところへゴーしちゃって』

エリカ『盾になるっていうの?』

ケイ『ノー。分厚いシールドを貫くスピアーになるのよ』

エリカ『一輌で倒せるの?』

ケイ『あったりまえじゃない。正面からの勝負に負けたことはないんだから』

エリカ『……ここは任せるわよ』

ケイ『オッケーイ!! カリナ!! テンションあげていくよー!!!』

桂利奈『あいぃ!!』

杏『おケイ、よろしくね』

ケイ『すぐに追いつくわ、アンジー。それまでにやられないでよね』

杏『おっけーい』

エリカ『KV-2の脇を走り抜けるわよ!!』

ミッコ『クリスティ式、その目に焼き付けろぉ!!!』


258: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 23:14:11.24 ID:4QI7rdRdo

VI号戦車『……』ゴゴゴゴッ

カチューシャ『バッカじゃないの!! 正面から突っ込んでくるなんて!!』

ルクリリ『これはもらったぞ!!』

ももがー『はいっ』ポイッ

ねこにゃー『チャージ!!』ガコンッ

ぴよたん『シュート!』カチッ

ドォォォン!!!

VI号戦車『……』ゴゴゴゴッ!!!

ルクリリ『まだ生きているだと!?』

ミッコ『どうだ!! どんな戦車だろうと私の走りは変わらないぜ!!』

ニーナ『いっぢまう!』

ねこにゃー『それなら!! 秘技、高速砲塔回しぃ!!』グイッ

カチューシャ『ニェット!! 逃げたやつは無視しなさい! ケイに後ろを見せたらやられるわよ!!』

ケイ『良い判断じゃない。さぁ、始めるわよ、リトルタイラント』

カチューシャ『ふんっ。金にモノを言わせた戦術で勝ってきただけの相手なんて、カチューシャの敵じゃないのよ』


260: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 23:21:32.89 ID:4QI7rdRdo

エリカ『クリスティ式って、これはティーガーだけど』

ミッコ『だからぁ、変わらないってことをいいたかったんだ』

杏『んじゃ、どれに乗ってもクリスティ式なんだ』

沙織『それって、いいの?』

ミッコ『いいんだよ!!』

オレンジペコ『クリスティ流ってことですか?』

VI号戦車『……』ゴゴゴッ

カチューシャ『ミホーシャ、エリカがそっちにいったかもしれないから、気を付けてね』

みほ『カチューシャさんのほうは?』

カチューシャ『カチューシャのことはいいのよ』

みほ『……わかりました。お願いします』

カチューシャ『ふん。出来の良い後輩はホント面倒くさいんだから』

ケイ『カリナ!! まずは相手の砲撃にコンセントレーションよ!!』

桂利奈『こんせんとってどこにあるんですかー!?』

クラーラ『集中です』


261: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 23:36:10.49 ID:4QI7rdRdo

カチューシャ『撃てー!!』

ぴよたん『ウラー!』ドォォォン!!!!

桂利奈『こんせんとー!!!』

T-34『……』ガガガガッ

ルクリリ『何故、当たらない!!』

ぴよたん『ごめんなり』

クラーラ『десять』

ねこにゃー『もっと装填を早く!!』ガコンッ

ももがー『最速の爆撃戦車をめざせー!!』ガコンッ

ドォォン!! ドォォン!!! ドォォォン!!!

桂利奈『こ、ここ、こんせんとー!!』

優季『桂利奈ちゃん、がんばってぇ。やればできるよ!』

ケイ『カリナ!! あなたのことはミホもマホも、私だって認めてるんだから!! こんな爆撃、簡単にクリアできるわ!! ムーブ!! ムーブ!!』

桂利奈『あいぃぃ!!!』

クラーラ『девять……восемь……семь……』


262: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 23:43:50.60 ID:4QI7rdRdo

カチューシャ『しぶといわね!!』

ぴよたん『マジあたってぇ!!』カチッ

ドォォン!!!

クラーラ『три』

ケイ『次来るよ!! ムーブ!!』

桂利奈『おっしゃぁぁぁ!!!』

カチューシャ『装填遅いわよ!!』

ももがー『マッスルパワーなりぃ!!』ポイッ

ねこにゃー『マシンガン殺法をくらうにゃぁ』ガコンッ

ドォォォン!!! ドォォォン!!!

クラーラ『два……один……』

紗希『あと一発だけ』

ケイ『このときを待ってたわ!! 反撃スタート!! ゴー!!!』

カチューシャ『ぴよたん!! 次外したら粛清よ!!!』

ぴよたん『超プレッシャーだけど、カッちゃんのためにがんばるっ!』


263: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 23:53:29.39 ID:4QI7rdRdo

T-34『……』ゴゴゴッ

ケイ『まだよ、カリナ!! まだそのまま走って!!』

桂利奈『おりゃぁぁぁ!!!!』


KV-2『……』

カチューシャ『もっと引きつけて……もっと……!』

ぴよたん『うぅ……指に力がはいっちゃう……』


ゴゴゴゴッ……


ケイ『ファイアー!!』

カチューシャ『撃てぇ!!!』


ドォォォン!!!


ニーナ『あう!?』

優季『ど、どうなったのぉ……?』

紗希『……』


264: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 00:03:20.41 ID:RgiFO7DUo

T-34 車内

亜美『――T-34走行不能!!』

ケイ「あーあ、ルーザーになっちゃった」

桂利奈「ごめんなさい……」

優季「桂利奈ちゃんのせいじゃないよぉ」

ケイ「そうよ。全部、私の判断ミス。カリナはよくやってくれたわ。尊敬しちゃう」

桂利奈「ケイせんぱぁい……」

クラーラ「流石はカチューシャ。作戦通りですね」

沙織『大丈夫ですか!?』

ケイ「心配はナッシング。一応、役目は果たしたわよ、エリカ」

エリカ『別に頼んではないけどね』

ケイ「そーよね。ソーリー」

エリカ『無駄にはしないわ』

ケイ「あのカチューシャが考えもなしに砲弾尽きるまで無闇に撃ってたとは思えないわ。ミホの作戦か、それともカチューシャの独断かはわからないわね」

エリカ『どちらにせよ、主砲が撃てないのは大きな痛手のはずよ。あとはこちらが引き受けたわ』


266: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 20:52:26.86 ID:RgiFO7DUo

Ⅳ号戦車内

みほ「――どうしてもやるんですか?」

アリサ「……」

カチューシャ『作戦の邪魔にはならないでしょ』

みほ「けど……」

カルパッチョ「みほさん……」

ノンナ「カチューシャの覚悟を尊重してはいただけませんか?」

みほ「……」

ノンナ「どうか、お願いします」

みほ「……わかりました」

カチューシャ『ありがとう。先にいくわね。ピロシキー』

みほ「……」

忍「西住先輩。進みましょう。止まってはいけないと思います」

アリサ「貴方が伝えるんでしょ? だったら、迷うほうがおかしいわ」

みほ「はい。このまま、敵隊長車との交戦に入ります」


267: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 21:01:17.79 ID:RgiFO7DUo

ヤークトパンター 車内

妙子「現在、クルセイダーと交戦中です!!」

沙織『了解! 戦いながら合流できそうですか?』

妙子「クルセイダーを追いかけている形なので、難しいと思います!」

エリカ『そちらは任せるわ』

妙子「了解です!!」

ダージリン「逸見さん?」

エリカ『はい?』

ダージリン「練習のときは何を見ていらしたの?」

エリカ『急に何?』

ダージリン「先の不安かしら?」

エリカ『無駄口ならあとにしてもらえる?』

ダージリン「自分ではこの人間たちを上手く扱うことなどできないのではないか。そう思っていたのではなくて?」

アキ「なんでいきなりそんなことを聞くんだろう……?」

あゆみ「わからないけど、どうしてもここで聞いておきたかった、とか?」


268: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 21:13:25.08 ID:RgiFO7DUo

ダージリン「既にT-34とマチルダⅡを失ってしまっている。サンダースの隊長と継続高校の隊長が乗っていた戦車がやられてしまった」

エリカ『……私のミスです。弁解するつもりはありません』

ダージリン「そう。負ければ隊長の責任。プラウダでは隊長を降ろされてしまうこともある。わたくしのところでも努力だけで隊長になれるわけではない」

ダージリン「全ては結果ですわ」

エリカ『申し訳ありません……』

ダージリン「謝ることはなくてよ。なにせ、まだ負けてはいませんもの。謝罪は負けてから聞くことにします」

ダージリン「けれど、勝つのはわたくしたち。そうでしょう?」

あゆみ「そうですよ!! まだ私たちが残っているじゃないですか!!」

柚子「逸見さん。弱気にはならないで」

アキ「そっか……隊長を励ますために……」

あゆみ「逸見先輩!! すぐにそっちにいきます!! 待っていてください!!」

ダージリン「求められるのは結果よ。逸見さん、自分一人で取り戻そうとはせず、わたくしたちを頼りなさい」

エリカ『はい』

ダージリン「それで、隊長には何か考えでもありまして?」

エリカ『――ケイのおかげでKV-2の無力化には成功しているわ。あとはクルセイダーの処理と身を隠しているファイアフライを探し出すつもりだけど、貴方にお願いできるかしら?』


269: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 21:20:27.17 ID:RgiFO7DUo

妙子「まっかせてください!!」

アキ「ヨユーです!!」

ダージリン「Ⅳ号は逸見さんが叩く、と」

エリカ『いいえ。私たち、よ』

ダージリン「了解。ご武運を」

エリカ『助かったわ』

ダージリン「……」ズズッ

柚子「クルセイダーはどこに向かっているんでしょう?」

妙子「このまま進むならきっと逸見先輩か愛里寿さんとぶつかっちゃうかも」

ダージリン「その場にはみほさんもいるでしょうね」

あゆみ「先にファイアフライを捜しますか?」

ダージリン「彼女はまだ戦えない。先に潰すのはクルセイダーよ」

柚子「戦えない……?」

ダージリン「では、目の前の敵車輌から確実に」

アキ「狙い撃つ!」ガコンッ


270: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 21:29:19.60 ID:RgiFO7DUo

クルセイダー 車内

ヤークトパンター『……』ゴゴゴッ

優花里「ヤークトはまだ諦めてはくれないようです」

麻子「このまま西住さんと合流してしまうぞ」

アッサム「そうなれば三輌を同時に相手しなければならなくなる」

優花里「……」

麻子「どうする、秋山さん。私は秋山さんが思い描く道をその通りに走る」

アッサム「わたくしも優花里さんの願う場所へ砲弾を当ててみせますわ」

優花里「西住殿」

みほ『はい』

優花里「我々でヤークトを倒してもいいでしょうか」

みほ『危険です。合流してからにしましょう』

優花里「しかし、ポルシェティーガーとVI号は間違いなく西住殿を狙っているはずです。そこにヤークトまで連れて行くの推奨できません」

みほ『……負けない、自信はありますか?』

優花里「なければこのような提案はしません」


271: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 21:36:12.77 ID:RgiFO7DUo

みほ『優花里さん……』

優花里「これでも西住殿の戦い方を傍で見てきました!! 不肖、秋山優花里、ヤークト撃破という大役を請け負います!!」

みほ『これだけは約束して。絶対に無理だけはしないで』

優花里「はい!」

みほ『今、優花里さんを失うわけにはいかないから。だから……』

優花里「西住殿……。安心してください。必ず、合流します」

みほ『よろしくお願いします。優花里さん、麻子さん、アッサムさん』

優花里「了解でぇす!!」

麻子「おー」

アッサム「信頼には応えます」

優花里「冷泉殿!! 180度、転回!!」

麻子「ああ」グイッ

優花里「アッサム殿!! 躍進射撃が基本となりますが!!」

アッサム「ご心配なく。優花里さんが装填する想い、わたくしが引き受けます」

優花里「――パンツァー・フォー!!!」ガコンッ


272: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 21:45:48.95 ID:RgiFO7DUo

試合会場

クルセイダー『……』ゴゴゴッ

ヤークトパンター『……』ゴゴゴッ

ダージリン『こちらに向かってくる……? 逃げながら戦うのではなく、撃破する道を選びましたのね。秋山さん、それは茨の道よ』

優花里『私などではダージリン殿に敵うわけがありません。ですが……!!』

ダージリン『撃ちなさい』

あゆみ『これでもくらえっ!!』ドォォォン!!!!

麻子『残念だが、当たるつもりは一切ない』

柚子『冷泉さん、やっぱりすごい……。でも、私だって……!!』

アッサム『発射』ドォォォン!!!!

柚子『会長や桃ちゃんと一緒に戦ってきたんだから!!』

優花里『小山殿の動きに惑わされないでください!!』

ダージリン『総合力ではわたくしたちが勝っているわ。何度避けられても構わない。先に押し負けるのは向こうよ』

アキ『ミッコの操縦中に装填してたんだから、これぐらいは簡単っ!』ガコンッ

優花里『冷泉殿が操るⅣ号の中で装填していたのは私です!! どのように暴れていても装填速度は緩めません!!!』ガコンッ


273: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 21:55:51.72 ID:RgiFO7DUo

あゆみ『発射ぁぁ!!』

アッサム『発射』

ドォォォン!!!

ダージリン『流石はクルセイダー。あの機動力、誇らしくなるわ』

優花里『正面からでは装甲を抜けませんね……。だったら……!!』

クルセイダー『……』ゴゴゴゴッ

あゆみ『こっちきたぁ!?』

ダージリン『あれはみほさんが、いえ、冷泉さんが得意とするドリフト零距離射撃かしら?』

柚子『のんびり分析してる場合じゃない気が……!!』

ダージリン『小山さんなら回避もできるでしょう?』

柚子『な……』

ダージリン『できないとは言わせませんわ』ズズッ

柚子『紅茶、零さないでくださいね!!』グイッ

ダージリン『わたくし、紅茶だけは絶対に零しませんの』

妙子『ホントですか!?』


274: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 22:07:44.21 ID:RgiFO7DUo

麻子『回り込むぞ』

クルセイダー『……』ゴゴゴゴッ

柚子『こっちだって!!』

ヤークトパンター『……』ゴゴゴゴッ

アッサム『同じ手……!』

優花里『ここまで来たら止まれません!!』ガコンッ

ダージリン『わたくしにできるのはここまで。あとは託しますわ』

アキ『はいっ!!』ガコンッ

柚子『やぁぁ!!』

麻子『今だ』

アッサム『貫きますわ』カチッ

あゆみ『当ててやるぅ!!』カチッ

ドォォォォン!!!!

優花里『うわぁ!?』

ダージリン『つっ……』


275: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 22:15:02.55 ID:RgiFO7DUo

亜美『――クルセイダーMk.III、走行不能!!』

優花里「……」

麻子「やられたか」

みほ『優花里さん!』

アリサ『無事?』

優花里「すみません……西住殿……勝手なことを言ったのに、結果を残すことができませんでした……」

みほ『怪我はない?』

優花里「はい……」

みほ『よかった』

優花里「西住殿……」

みほ『絶対に勝ちます。優花里さんの判断は間違っていなかったって、胸を張って言えるように』

優花里「お、おねがいします!!!」

麻子「沙織なんかに負けるな」

アッサム「お役に立てず、申し訳ありませんわ」

アサリ『ゆっくり見ていなさい。Ⅳ号が相手を殲滅するところをね』


276: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 22:21:23.41 ID:RgiFO7DUo

ダージリン「秋山さん」

優花里「ダージリン殿。やはり、私では敵いませんでしたね。ダージリン殿では役不足でしたか」

ダージリン「こんな言葉を知ってる? 相手が100、練習をしているなら、それを越えるために自分たちは150練習すればよい』

妙子「大松博文ですね!!」

アキ「誰ですか?」

柚子「確か女子バレーの監督だった気が」

ダージリン「わたくしでは役不足なのではなく、貴方の練習不足よ」

優花里「あはは……そうですよね……」

ダージリン「待っているわ、秋山さん」

優花里「はい?」

ダージリン「貴方がみほさんやカチューシャのような手ごわい選手に化けるのをね」

優花里「ダージリン殿……」

ダージリン「戦車、前進」

柚子『はい!!』

柚子(もしかしてダージリンさん、近藤さんに聞かれて答えられなかったのが悔しくてバレーボールのこと勉強したの……?)


277: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 22:32:36.29 ID:RgiFO7DUo

観客席

淳五郎「あぁぁ!! ゆかりがぁ!! かあさん!! ゆかりがぁぁ!!」

好子「優花里ったら、負けたのに笑ってる。ダージリンさんに褒められたのね。よかったわね、優花里」

久子「全く、麻子はなにやってんだい」

華「麻子さんは全力で戦いましたわ」

久子「みりゃわかるよ」

華「そうですか」

典子「近藤、がんばれ!! 根性だー!!」

ホシノ「ツチヤはなにやってるんだろう」

アンチョビ「ペパロニ、祝賀会と残念会の準備を始めるぞ!!」

ペパロニ「了解っす!!」

華「わたくしもお手伝いしますわ」

新三郎「お嬢、本当に楽しそうですね」

百合「そうね……。やはり西住さんには感謝することにします。あとで粗品でも送ってあげなさい」

新三郎「はい!! 米一俵でいいでしょうか!?」


279: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 22:49:36.08 ID:RgiFO7DUo

千代「双方共に三輌が残っているものの、大洗側は不利ですね。何せ、KV-2は弾切れ。戦えはしないのですから」

しほ「……」

千代「いえ、ファイアフライも姿を隠したきり出てこようとしない。つまり大洗側は現状、みほさんだけということになりますわね」

まほ(仲間を信じるだけでは勝てはしない。それでもみほは信じてしまう……。そこがみほの弱さであり、強さ……)

千代「島田流が戦車道で最も優れた流派ということが証明できますね、しほさん?」

しほ「……」ガタッ

まほ「お母様!! 落ち着いてください!!」

しほ「西住流は無敵。何度戦おうが結果は変わらない」

千代「対大学選抜チームのときのようなプレッシャーがないこの試合では、みほさんの力は十分発揮できないのではなくて?」

しほ「そんなこと――」

まほ「そんなことはありません」

しほ「……」

千代「本当に?」

まほ「この試合、みほには負けられない理由があります。仲間のために勝利を掴もうともがいている。みほは十分すぎるほど、プレッシャーを感じています」

千代「本領は発揮している、と。でしたら問題なく、全力の西住流を島田流が潰したと公言できるわね」


281: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 23:00:46.20 ID:RgiFO7DUo

VI号戦車内

エリカ「チーム・ボコ。これよりフリューリングスヴィント作戦を決行するわよ」

スズキ『お、ついに発動かぁ』

ローズヒップ『待ちわびましたわぁ!!』

エリカ「VI号とポルシェティーガーの二輌で、Ⅳ号を抑え込むわよ」

愛里寿『ファイアフライはどうする?』

ダージリン『そちらはわたくしたちが目下捜索中ですわ』

杏「そっちは豹チームに任せるとして、カチューシャは?」

エリカ「弾切れになった戦車をどう警戒したらいいのよ」

沙織「けど、ケイさんが言ってたよ。考えもなしに全部を使ったんじゃないって」

オレンジペコ「わざと砲弾を使い尽くすことでのメリットはなんでしょうか?」

ミッコ「得することってあるか?」

杏「大洗チームにとっては大損かもね」

エリカ「その言い方だと、誰かにはメリットがあるのかしら?」

杏「もちろん、西住ちゃんたちにはあるんだよ。じゃなきゃ、カチューシャも西住ちゃんもそんなことしないだろうし」


282: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/25(土) 23:11:39.20 ID:RgiFO7DUo

エリカ「チームではなく、みほたちに……」

愛里寿『わからない』

杏「ま、うちらが有利なのに変わりはないし、いいんじゃない?」

エリカ(あの子がチームよりも優先させること……それって……)

エリカ「ふっ……そうよね……。それしかないわ……」

沙織「どうしたの?」

エリカ「別に。自分が嫌になっただけよ」

沙織「なんで? エリりんはもうちょっとだけ素直になれば、モテにモテると思うけど?」

エリカ「そういうことじゃないわよ。それにモテ道ってなに?」

沙織「女子力を高めること!」

エリカ「あっそ」

オレンジペコ「心底呆れていらっしゃいますね」

ミッコ「私も沙織のことは理解できない」

沙織「もー! みんなひどーい!!!」

エリカ(みほ、悪いけれど勝たせてもらうわよ。守りたかったら、誰の手も借りずに自分の実力で守ってみせなさい)


288: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/26(日) 22:12:33.60 ID:svqoxbFho

ポルシェティーガー 車内

ローズヒップ「さぁ!! どこからでもかかっていらしたらいいですわー!!」

愛里寿「ローズヒップさん。VI号と足並みを揃えて。少しだけ速い」

ローズヒップ「申し訳ありません」

スズキ「ティーガーコンビとヤークトまで残ってるはいるけど、こっちは優位なの?」

ナカジマ「素人の目からみれば、大分有利だとは思うんだけどなぁ」

小梅(それでも相手はあのみほさん。そしてカチューシャさんもいるし、まだ分からない)

愛里寿「KV-2の動きも気になるが、今はⅥ号と連携をとって、Ⅳ号を討つ」

ナカジマ「あっれぇ。愛里寿って、私たちで西住さんを倒したいって言ってなかったっけ?」

愛里寿「勿論、倒したい。だから逸見さんに協力している」

スズキ「だよね。いくらなんでも私たちだけじゃ、無理だし」

愛里寿「私たちだけでも撃破はできる」

ナカジマ「それじゃあ、どうして協力するの?」

愛里寿「逸見さんが隊長だから」

ナカジマ「納得の理由だね」


289: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/26(日) 22:21:31.90 ID:svqoxbFho

試合会場

エリカ『――見えたわ』

愛里寿『いた』

Ⅳ号戦車『……』ゴゴゴッ

みほ『Ⅵ号とポルシェティーガー……』

アリサ『ティーガーのコンビを目の前にすると、流石に自信がなくなっちゃうわね』

カルパッチョ『それでもやるしかありません』

ノンナ『指示を』

みほ『転回!! この場から離脱します!!』

忍『了解!!』

エリカ『逃げる気!?』

ローズヒップ『絶対に逃がしませんわ!!』

ナカジマ『チーム・豹の到着は待たなくてもいいの?』

エリカ『待つほうが危険よ』

愛里寿『KV-2で二輌を足止めして、P40は特攻して、クルセイダーが急に攻勢に転じた。みほさんは明らかに時間稼ぎをしている』


290: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/26(日) 22:39:16.68 ID:svqoxbFho

Ⅳ号戦車内

アリサ「向こうは時間稼ぎをしているって思ってるんじゃない?」

みほ「今の状況を見れば、誰でもそう思うはずです」

忍「よかったんですか。カチューシャ先輩も秋山先輩も西住先輩の作戦通りに動いたわけじゃないのに」

みほ「いいの。みんながちゃんと考えて行動してくれているから」

アリサ「その時々の戦況に応じて色を変えていくのね」

ノンナ「西住流、というよりも島田流に近い気がします」

みほ「そうなんですか? 安斎さんにも言われたけど……自覚がないというか……」

アリサ「西住流はケイ隊長やカチューシャ先輩みたいに、物量で相手をねじ伏せるんでしょ?」

みほ「そういうわけじゃ……」

ノンナ「圧倒的火力と完璧な統制で勝利する流派だったかと」

カルパッチョ「大洗ではそうした戦術では勝つことができなかったから、変化していったのでしょうか?」

アリサ「あぁ、そういうことね。西住流は使えなかったってこと」

ノンナ「火力と統制。そこにあるのは仲間への信頼などではなく、所有する戦車と絶対的な将の存在。みほさんの戦い方はまるで正反対でしたね。仲間を信じ、共に戦おうとしていました」

みほ「勝てさえすればそれでいいと教わってきました。捨てる駒は容赦なく捨てなさいと言われてきました。けど、私はそうじゃないって思っています。それは今も変わりません」


291: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/26(日) 22:52:54.64 ID:svqoxbFho

試合会場

エリカ『ここでⅣ号は確実に潰すわよ!!』

杏『りょうかぁい』

ミッコ『簡単に振り切れると思うなよぉ!!!』

ローズヒップ『さぁ!! ここからがわたくしの活躍するところですわよー!!! 地獄の果てまで追いかけますわー!!』

愛里寿『ローズヒップさん。Ⅵ号の動きに合わせて』

ローズヒップ『はい』

みほ『カルパッチョさん。辛い装填になると思いますが、お願いします』

カツパッチョ『はい』

みほ『アリサさん、連絡は密にお願いします』

アリサ『イエス、マム』

みほ『河西さん。なるべくジグザクに走ることを意識してください』

忍『やってみます!!』

みほ『ノンナさん』

ノンナ『私の仕事は敵車輌を撃破すること、ですね? 了解です、同志ミホーシャ』


292: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/26(日) 23:08:57.98 ID:svqoxbFho

観客席

桃「会長!! 撃って撃ってうちまくってくださーい!!!」

典子「ええい!! どっちを応援したらいいんだ!!」

あけび「キャプテンは普通に自分のチームを応援したらいいんじゃないですか?」

あや「梓、残念だったね」

梓「ううん。とっても楽しかったよ」

ミカ「そう思えるのは幸せなことだね」

梓「ミカ先輩?」

ミカ「盤上の駒にはそれぞれ役割がある。けれど、自分がポーンだと知ったときに、必ずその役割に対して不満が出る」

あや「ポーンってなに?」

梓「チェスの駒で、将棋で言う歩だったような」

ミカ「ルークやナイトやピショップになりたい。そう思いながら一つのマスを進んでいく。時には相手にやられてしまうこともある。盤の端まで到達することもできずにただ朽ちていくことだったある」

ミカ「前に誰かがいれば進めなくなるし、後方へ下がることも許されない」

ミカ「けれど、それを乗り越えたポーンはルークにもナイトにもなれる。クイーンにだってなることができる。けれど、多くの人はそのルールがあることにすら、気が付かず、ポーンであることを恨むばかりさ」

あや「えーと、難しいんでマンガにしてください」


293: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/26(日) 23:39:55.48 ID:svqoxbFho

ファイアフライ 車内

アリサ『現在、B30地点にてⅥ号、ポルシェティーガーと交戦中』

絹代「了解であります」

ナオミ「どちらを先に狙う?」

絹代「やはり、隊長車を狙撃したほうがいいと思うのですが……」

ナオミ「どうした? 早く決断してくれないと、私が困る」

絹代「いえ、やはりナオミ殿にお任せします」

ナオミ「……」

カエサル「西さん」

ツチヤ「やめときなって」

カエサル「けど……」

ナオミ「何故、私に判断を委ねた?」

絹代「それが最良であると思ったからであります」

ナオミ「最良? 仲間をアテにするのと、信頼するのは違う。お前は、自分を慕う知波単メンバーのことをいつもアテにしていたの? あいつらならどうにかするはず。なんとかするはずって」

絹代「私も含め、我が知波単にナオミ殿のように特別優れた人間はおりません。一丸となり戦わなくては試合にすらならなかった」


294: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/26(日) 23:56:00.41 ID:svqoxbFho

カエサル「私たちも一丸とならなくては、あの巨大な相手は倒せないぞ」

絹代「……」

ツチヤ「だからさ、今はみんなで知恵を出し合って戦うべきじゃない?」

絹代「私の力では、何も成せないでありますゆえ……」

ナオミ「カチューシャやアンチョビやユカリの決意を見ても、そう考えるのか」

絹代「みなさんにはそれぞれに巨大な相手と戦えるだけの武力が、能力が、才能があるではないですか」

カエサル「西さん、その言い方はおかしい。私に能力や才能などない。皆に支えられ、ここに立っているだけだ」

絹代「そのような言葉……力のあるものだからこそ……」

ツチヤ(西さんは上を見すぎてるのか)

絹代「私は……隊長はおろか車長にすら相応しくない……。今回、それがよくわかりました……」

ナオミ「終わりね。このチームは」

カエサル「ナオミさん」

ナオミ「降りよう。無条件降伏でもしたほうがいい」

絹代「そう……でありますね……」

ツチヤ「今降りたら、ちょっとマズイかも」


299: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 18:52:37.82 ID:Gl0aY6R6o

試合会場

ヤークトパンター『……』ゴゴゴッ

ダージリン『見つけましたわよ。高台から狙撃とは。誰もが書ける脚本通りで、実に考えが浅はかね。――撃ちなさい』

あゆみ『はいっ!!』カチッ

ドォォォォン!!!

ナオミ『シット!』

絹代『うっ……!』

カエサル『投降するか否か。車長が決めてくれ』

ツチヤ『無駄に疲れることもしたくないしねー』

絹代『私は……』

妙子『撃ってきませんね』

アキ『それどころか逃げようともしないけど……』

ダージリン『戦う気のない者がここにいる理由はないでしょう。叩き潰しなさい』

あゆみ『わ、わかりました!』

柚子(ダージリンさん、怒ってる?)


300: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 19:01:48.74 ID:Gl0aY6R6o

『ちょっと遅れちゃったわね』

ダージリン『ようやく会えたわ』

絹代『え……!?』

KV-2『……』ゴゴゴゴゴッ

ナオミ『KV-2……何故……』

ニーナ『ほだるさんチーム。今すぐあんごうの援護にむかってぐださい』

絹代『わ、私がでありますか!?』

カチューシャ『KV-2じゃ間に合わないでしょ。早く行って』

絹代『しかし、あの……』

カチューシャ『聞こえなかったかしら? カチューシャが行けと言ったのよ?』

絹代『……!?』ビクッ

ナオミ(伊達にプラウダの隊長ではないな。この威圧感、あの小さな体のどこから生まれるのか気になるね)

絹代『で、ですが、こ、ここは共闘したほうが……』

カチューシャ『共闘? 笑わせないで。絹代と共闘するぐらいなら、弾切れの戦車でシベリアからイランまで敵に追われながら逃げるほうがよっぽど楽しいわ』

ねこにゃー『なんて辛辣……』


301: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 19:10:05.97 ID:Gl0aY6R6o

絹代『わ、私が力不足であることは承知しています。ですが、その……』

ナオミ『一度は降りると言ったのに、まだ戦おうとしているの?』

絹代『ぐっ……』

カチューシャ『早く行きなさい!! 行かないなら粛清してやる!!』

絹代『は、はい!! ツチヤ殿!! 西住隊長のところまで向かってください!!』

ツチヤ『オッケー』

ダージリン「秋山さんがわたくしと交戦した理由はこういうことだったのね」

カチューシャ「なんのことかしら」

ダージリン「ファイアフライをどうしても撃破されたくはない。だから全員で守っているのでしょう?」

カチューシャ「仲間を守るのは戦略上、必要なことでしょ」

ダージリン「カチューシャとはハンデなく戦いたかったわ」

カチューシャ「砲弾がなくても戦えるわ」

ダージリン「やってごらんなさい」

カチューシャ「今のKV-2は無敵よ、ダージリン? 簡単に抜けると思わないで」

ダージリン「いいわ。砲撃、用意」


302: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 19:17:54.71 ID:Gl0aY6R6o

Ⅳ号戦車内

亜美『KV-2、走行不能!!』

みほ「……!」

アリサ「ぞうさんチーム、負傷者は?」

ニーナ『なんどかぜーいん、無事です』

みほ「カチューシャさん……」

カチューシャ『役目は果たしたわ。これで負けたら、一生口をきいてあげないんだから』

みほ「ごめんなさい……」

カチューシャ『いい? 絶対に勝つのよ。私がここまでしたんだから』

ノンナ「カチューシャ、素敵でしたよ」

カチューシャ『私だけじゃなくて、ねこにゃーもぴよたんもももがーもニーナも、ルクリリだっていい仕事をしてくれたわ。特別に褒めてあげる』

ねこにゃー『西住さん、役に立てたかはわからないけど、精一杯のことはしたよ』

ルクリリ『あとは隊長たち次第だ』

ももがー『勝ってほしいなり!!』

みほ「勝ちます。勝ってみせます」


303: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 19:24:49.97 ID:Gl0aY6R6o

VI号戦車内

エリカ「残るはⅣ号と使えないファイアフライのみね」

沙織「このまま終わっちゃうのかな」

エリカ「あんこう踊り、したいの?」

沙織「したくないぃ!! でも、このままじゃみぽりん……」

杏「悔いが残るかもね」

オレンジペコ「せめて100%の力を出し切れるのなら、いいのですが」

ミッコ「そんなこと言っても出せないんじゃ仕方ない」

エリカ「ミッコの言う通りよ。弱い奴に居場所はないわ。このオールスター戦においてはね」

杏「逸見ちゃんって嘘つけないタイプだよね。浮気とかできなさそう」

エリカ「な、なにいってるのよ!?」

沙織「浮気なんてダメ!! 女の子は一途でなきゃ!」

ミッコ「沙織は浮気されそうだな」

沙織「どーゆー意味よ!?」

エリカ「チーム・ボコ。相手に援軍は現れない。このまま畳みかけるわよ」


304: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 20:16:53.54 ID:Gl0aY6R6o

ポルシェティーガー 車内

愛里寿「了解」

ローズヒップ「いつまで逃げるおつもりですのかしら」

愛里寿「残念だ」

小梅(西住さん……信じたいのかな……どうしても……)

愛里寿「逸見さん、左側面から攻撃を仕掛ける」

エリカ『いいわ。貴方のタイミングに合わせて、こちらも攻撃を仕掛ける』

愛里寿「いいのか?」

エリカ『何が?』

愛里寿「初撃で私がみほさんを倒してしまっても」

エリカ『チームが勝つならそれでいいわよ』

愛里寿「……」

ナカジマ「流石、隊長。いうことがちがうなぁ」

スズキ「かっこいいよー」

エリカ『黙りなさい。仕掛けるなら、いつでもどうぞ』


305: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 20:41:16.61 ID:Gl0aY6R6o

ファイアフライ 車内

絹代「……」

ナオミ「キヌヨ。どこで降りるつもりだ」

絹代「今は、西住殿を――」

ナオミ「シャラップ!! そんなことは訊いていない」

絹代「……」

カエサル「よせ。ナオミさんの気持ちもわかるが」

ナオミ「私たちの長がこのザマじゃ、何をしても上手くいくわけがない。隊長を助けることもできはしない」

ツチヤ「……」

絹代「で、でしたら、投降を……」

カエサル「……目を覚ませ、西さん!! 私にもう一度、岩本徹三と呼ばせてくれ」

絹代「え……」

カエサル「今の貴女にソウルネームは相応しくない」

ツチヤ(だから途中から本名で呼んでたんだ)

絹代「確かに岩本徹三の名には相応しくありませんでした……面目次第もございません……」


307: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 20:54:41.37 ID:Gl0aY6R6o

『まだ私の声は届いているかしら』

絹代「カチューシャ……殿……?」

『見たでしょ? 砲弾がなくても戦車があれば戦えるし、戦術がなくても戦えるのよ。まぁ、たまたまやられちゃったけど』

『貴方は今までどうやって戦ってきたのか、思い出しなさい」

絹代「私は……」

『西さん』

絹代「西住隊長……」

『貴方は私ではありません。カチューシャさん、ダージリンさん、ケイさん、エリカさん、ミカさん、安斎さん、そして愛里寿ちゃんでもありません』

『貴方は西絹代さんです。知波単学園の隊長です』

『ドォォォン!!』

絹代「西住殿!?」

『くっ……。私は勝ちます。逃げません。もう逃げることは嫌なんです。だから、西さんも逃げないでください』

絹代「ですが……ここまでの失態……もはや取り戻せるものでは……」

『いつまでウジウジいってんのよ!!! あなたはまだ何かを失くすほど手に入れてもいないでしょ!! そういうことを言いたいならカチューシャやダージリンみたいに強くなりなさい!!』

『西さんの精神、私は本当に感心しました。あの前向きな姿勢。私にはないものだったから。西さんのようになれたら、色んなことができるのにって思いました。私だって西さんから学ぶことは多くあります』


312: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 21:09:10.00 ID:Gl0aY6R6o

絹代「そんな……私など……みなさんの足元にも……」

ツチヤ「ヤークト、追ってきたみたいだ」

ヤークトパンター『……』ゴゴゴッ

『……絹代が自信を無くすのは勝手だけど、私の大切な同志まで失くさないで。お願いだから』

絹代「……」

ナオミ「ここまで言われてなんとも思わないか? 砲弾もなくただやられるためだけに盾となった仲間がいても、お前は背を向けるのか」

カエサル「西さん、頼む。最良の決断をしてほしい」

絹代「私は……知波単学園の悪しき風習を排斥しようと思いました……」

絹代「みなさんの戦術がとても素晴らしかったからです……」

絹代「なんども練りました……何度も何度も西住隊長のような戦術を編み出そうと……必死になったのです……」

絹代「ですが……私には上手く練ることができなかった……」

絹代「いつもいつも、同じ戦術で戦っていれば、思いつくわけもありません」

絹代「私は……こんな場所にいていい選手では……ない……けど……だけど……」

ナオミ「こんどこそ終わりだな……。投降の準備を――」

絹代「――砲撃、用意だ!!」


314: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 21:16:21.87 ID:Gl0aY6R6o

試合会場

ファイアフライ『……』ガコンッ

ダージリン『砲身が動いた……』

あゆみ『やっぱ、この至近距離だと怖い!!』

柚子『どうします?』

ダージリン『ふふ……。私を倒すつもりかしら。面白いわ』

ナオミ『西住隊長のことはいいの?』

絹代『構わない!! 今は目の前の敵を倒す!! 私のやり方で!!』

ツチヤ『それは勿論?』

絹代『――突撃だぁぁぁ!!!』

ツチヤ『ファイアフライ、とっかーん!!!』グイッ

ファイアフライ『……』ゴゴゴゴゴッ

柚子『突っ込んでくる!?』

ダージリン『あえての近接戦。西さんらしいですわ』

ナオミ『肉食の蛍は、獰猛だ』


315: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 21:24:21.40 ID:Gl0aY6R6o

ドォォォン!!!

柚子『危ない!?』

ダージリン『相手は直線的。されど、その勢いは恐ろしい』ズズッ

絹代『ツチヤ殿!! 距離をできるだけ詰めてほしい!! ファイアフライならば、ヤークトの装甲など簡単に貫ける!!』

ツチヤ『おっけー、ジェロニモ!』

ナオミ『この距離なら問題ない。紙も同然だ』

カエサル『ツチヤ!! どのように動いてくれても構わない!! 装填手に気を遣う必要はない!!』

あゆみ『こんのぉ! とりあえずちょっと離れて!!』ドォォォン!!!

ナオミ『返す』ドォォォン

ダージリン(砲手の腕前は、やはり向こうに分がある。この動きでそれもこの至近距離……)

絹代『戦車、全速前進!! 砲撃用意!!』

ファイアフライ『……』ゴゴゴゴッ

ダージリン『迎え撃つわ』

ヤークトパンター『……』ゴゴゴゴッ

絹代・ダージリン『『――発射!!』』


316: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 21:32:47.07 ID:Gl0aY6R6o

ドォォォン!!!

みほ『くっ……! 河西さん!! 右斜め前の道へ!!』

忍『は、はい!!』

Ⅳ号戦車『……』ゴゴゴッ

エリカ『Ⅳ号を見失わないように!!』

愛里寿『分かっている。ローズヒップさん、もう少し速度を上げて』

ローズヒップ『りょうかいですわー!!!』

ポルシェティーガー『……』ゴゴゴゴッ

カルパッチョ『ポルシェティーガー、左側面から来ています』

ノンナ『撃ちますか?』

みほ『いいえ。今は回避に徹します。一輌に気を向けた瞬間、きっと終わります』

アリサ『隙が無いじゃない……。どうするのよ、いつかはやられるわよ』

みほ『大丈夫。きっと、来てくれる』

カルパッチョ『私もそう思います』

みほ『だから、今は待ちます!!』


317: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 21:38:21.02 ID:Gl0aY6R6o

Ⅳ号戦車『……』ゴゴゴゴッ

小梅『迷いがない……。どうしてみほさんはそこまで信じられるんだろう……すごいな……ホントに……』

愛里寿『みほさんに負けた理由が分かってきた』

ナカジマ『愛里寿っ。弱気にならない』

スズキ『今の内に西住さんを倒しちゃえばいいんだし』

ローズヒップ『そうですわ。このチームで倒しますわよ』

愛里寿『うんっ』

エリカ『いつまでも追っかけあいはできないわ。――砲手』

杏『あいよぉ』

エリカ『一発でいいわよね』

杏『じゅーぶん』

エリカ『用意』

杏『ごめんよぉ、西住ちゃん。うらまないでね』グッ

亜美『――ヤークトパンター、走行不能!!』

エリカ・愛里寿『『……!』』


318: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 21:46:40.30 ID:Gl0aY6R6o

ダージリン『申し訳ありません。相手は強いわよ』

妙子『気を付けてください!! きっとすぐに到着しちゃうと思います!!』

エリカ『もう遅いわよ。全部このための時間稼ぎだったのよね、みほ』

ファイアフライ『……』ゴゴゴゴッ

みほ『西さん!!』

絹代『大変お待たせしました!!! 知波単学園隊長!! 西絹代!! ただいま推参いたしましたぁ!!!』

みほ『河西さん!! 転回!!』

忍『こんじょー!!!』グイッ

Ⅳ号戦車『……』ゴゴゴッ

エリカ『正面からやりあうつもり!?』

愛里寿『ふふ……』

ナカジマ『楽しい、愛里寿?』

愛里寿『すっごく楽しい。これがみほさんの、西さんの全力なんだ……!』

みほ『西さん、突撃です!!』

絹代『とつ、げき……? お、おまかせください!!!』


319: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 21:55:23.19 ID:Gl0aY6R6o

ファイアフライ『……』ゴゴゴゴッ

ナオミ『アハハハハハ!! いい!! いいな!! ファイアフライをこんな風に使ったことはなかった!!!』カチッ

ドォォォン!!!

杏『うっひょー! あんなの近距離でもらったら絶対に一発ケーオーだね』

オレンジペコ『どうしてそんなに冷静なのですか!?』

杏『ペコちゃん、装填急いで!! 余裕なくなったからな!!』

オレンジペコ『はい!!』ガコンッ

カエサル『装填の速さならば誰にも負けないぞ!!』ガコンッ

ツチヤ『私のドリフトについてこれるやつはホシノぐらいだー!!』

絹代『西住隊長!! ポルシェティーガーはお任せください!!』

みほ『お願いします!!』

エリカ『随分と生き生きしてるじゃない、みほ! ファイアフライが使えるようになったからって結果は変わらないわよ!!』

エリカ『私のチームには最強の選手がいるんだから!!』

愛里寿『ローズヒップさん、履帯が千切れてもいい。全速で頼む』

ローズヒップ『おーほっほっほっほ!! 得意分野ですわよ!! 島田様ぁ!!』


321: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 22:03:41.11 ID:Gl0aY6R6o

観客席

ペパロニ「最高だぜ!! 絹代!! やっぱ知波単もノリと勢いがないとダメだよなぁ!!」

福田「西隊長!! とても輝いているであります!!』

優花里「よかったです……」

麻子「西さん、元気そうだな」

アッサム「ここまでお膳立てがあって、立ち上がれないほうがおかしいです」

アンチョビ「絹代もついにアホになったか」

ケイ「いいわねー。私もあそこにいたかったなー。絶対、車内はエキサイトしてるわ」

カチューシャ「ふん。何よ、出来るなら最初からやりなさいよね。一人のために何人が犠牲になったのかしら?」

クラーラ「ふふ……」

カチューシャ「なに笑ってるのよ?」

ミカ「勝利の鐘はどちらに鳴るかな」

桃「黒森峰の新旧副隊長対決に、天才戦車乗りと弱小校の隊長が戦うのか」

桂利奈「どっちもがんばれー!!」

典子「河西!! その動き最高だ!! 理想の逆リベロだー!!」


323: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 22:10:34.42 ID:Gl0aY6R6o

試合会場

ファイアフライ『……』ドォォォン!!!!

ローズヒップ『当たりませんですわよー!!!』

ナオミ『無軌道な動きだ』

絹代『何度でも攻撃です!! ナオミ殿!! 外れても突撃あるのみであります!!!』

カエサル『敵機は目で見るものではない。感じるものだ』

ツチヤ『こんなチャンバラになったら感じる暇もないよなぁ』

愛里寿『速度、上げて』

ローズヒップ『いっきますわー!!!』

愛里寿『砲撃、用意』

小梅『はい!』

ナオミ『くる……!』

絹代『うてぇー!!!』

ナオミ『イエス、マム!!』カチッ

ドォォォォン!!!


324: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 22:16:53.68 ID:Gl0aY6R6o

愛里寿『ぐっ……!!』

亜美『ポルシェティーガー、走行不能!!』

ツチヤ『大金星!!』

絹代『浮かれている暇はありません!! 西住隊長の援護に入る!!』

カエサル『行くぞ、徹三!!』

ナカジマ『やられちゃった。ごめーん』

スズキ『そっちに鉄獅子がいくよー』

エリカ『なにやってるのよ!?』

杏『逸見ちゃん、早いとこ西住ちゃんを倒さないと』

エリカ『島田、いえ、愛里寿?』

愛里寿『なんだ?』

エリカ『私がみほを倒すけど、いいわね?』

愛里寿『でないと、本当に負けてしまう。勝ってくれ、隊長』

エリカ『砲撃用意!! Ⅳ号、こっちに来るわよ!!』

オレンジペコ『いつでも撃てます!!』ガコンッ


326: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 22:23:54.64 ID:Gl0aY6R6o

みほ『至近距離で撃ちます! 装填、お願いします!!』

カルパッチョ『たかちゃんががんばったんだから、私もやらないと!』ガコンッ

アリサ『敵車輌、接近!!』

みほ『ノンナさん!!』

ノンナ『問題ありません。河西さん、この速度を維持してください。できるなら速めてくれても構いませんが』

忍『なら、速めます!!』

Ⅳ号戦車『……』ゴゴゴゴッ

沙織『みぽりんまで突撃してくるなんてー!?』

エリカ『落ち着きなさい。ミッコ!! 避ける自信は!?』

ミッコ『舐めんな! 正面からなら当たるわけないだろ!!』

エリカ『杏!!』

杏『一発で決めるよ』

エリカ『みほ……。勝負よ』

みほ『今です!! 撃てー!!』

ミッコ『おっせぇんだよ!!!』グイッ


327: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 22:31:58.62 ID:Gl0aY6R6o

Ⅳ号戦車『……』ドォォォォン!!!!

Ⅵ号戦車『……』ゴゴゴゴッ

みほ『避けられた!?』

ノンナ『блин!!』

カルパッチョ『次弾、装填!!』ガコンッ

杏『――はっしゃぁ!』カチッ

ドォォン!!!!

みほ『くっ……!?』

亜美『Ⅳ号戦車、走行不能!!』

忍『す、すみません!! 避けきれませんでした!!』

みほ『あはは……。会長……やっぱり、すごいなぁ……』

ノンナ『けれど、我々はまだ負けてはいません』

ゴゴゴゴッ!!!

アリサ『キター!! 百倍返しで反撃よー!!!』

絹代『ほたるさんチーム!! 突撃!!! 突撃だ!!! 隊長の仇をとるぞぉ!!!』


328: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 22:39:24.64 ID:Gl0aY6R6o

Ⅵ号戦車『……』ゴゴゴッ

杏『もう一輌、厄介なのがきちゃったねぇ』

エリカ『受けて立つわよ。西絹代』

オレンジペコ『ダージリン様を倒した手腕。見せていただきます』ガコンッ

沙織『みぽりんがやられてもっとやる気になってる。西さん、すっごいかっこいいよ』

ミッコ『クリスティ式が最強ってこと、分からせてやる!!』

杏『ティーガーだけどねぇ』

ファイアフライ『……』ゴゴゴッ

ツチヤ『ホント、同じことしかしないんだ』

カエサル『だが、それ故に強い』

絹代『申し訳ありません!! もっといい戦術があるのかもしれませんが!! やはり、ここは突撃しかないと判断しました!!』

ナオミ『ベストアンサーだ』

カエサル『異議はない』

ツチヤ『突撃、サイコー!!』

絹代『総員!! 私に命を預けろ!!!』


331: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 22:49:33.20 ID:Gl0aY6R6o

ファイアフライ 車内

ドォォォン!!

ツチヤ「ドリフト、ドリフト!!』

ナオミ「チッ。なんて動きだ。ローズヒップといい、まるで基本がなっていない」

カエサル「セオリー通りに動かない的は当てにくいな」

ナオミ「まぁ、攻略し難いほど、燃える性質だよ。私はな」

絹代(ここに居られるのは西住隊長のおかげ……)

絹代(ダージリン殿を、島田殿を撃破できたのはここにいる素晴らしい才能をもった戦車乗りのおかげ……)

絹代(こうして逸見殿と対等に戦えるのも……。やはり私にはなんの力もない。隊長としても車長としても能力は低い)

絹代(それを認めなければならなかった。背伸びをしたって、西住殿には届かない! カチューシャ殿のように大きくなれるわけでもない!!)

絹代(私は肩車をされなければ戦えなかったんだ!!! それは恥ずべきことではないと教えてもらった!! ならば、その言葉に甘えるのみ!!!)

絹代「動きを追ってもミッコ殿は避けてしまう!! 一か八か、動きを予想するであります!!」

ツチヤ「どっちに動く?」

ナオミ「どこを狙う?」

カエサル「装填はできているぞ!!」


332: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 22:55:20.47 ID:Gl0aY6R6o

試合会場

エリカ『突撃しか能がないのね』

ミッコ『動きが単調すぎるな』

杏『でも、まだ倒せてはないんだよねぇ』

オレンジペコ『それはどうしてでしょう』

沙織『それだけ西さんたちが強いってだけでしょ』

ファイアフライ『……』ゴゴゴゴッ

ミッコ『バレバレなんだよ!! こっちに動けば――』

ファイアフライ『……』ガコンッ

ミッコ(即座にこっちを向いた……!? 読まれたっていうのか……!?)

エリカ『まずい! 杏!!』

杏『照準合、間に合え!!』

絹代『――うてぇぇぇぇ!!!!』

ナオミ『ファイア!!』カチッ


ドォォォォォン!!!!


339: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 23:05:43.60 ID:Gl0aY6R6o

観客席

アンチョビ「どっちだ!?」

ペパロニ「絹代の勝ちだー!!」

華「まだ分かりませんわ」

ペパロニ「絹代の勝ちにきまってるだろぉ!?」

柚子「会長……!」

ミカ「風が止んだね」

亜美『――ファイアフライ、走行不能!! 大洗女子学園オールスター全車走行不能により、黒森峰女学園オールスターの勝利!!!』

あや「決まっちゃったぁ!?」

あけび「西住先輩が負けちゃった……」

アンチョビ「はーっはっはっは。エリカはやはり強いな。敵ながらあっぱれだ」

ケイ「やっほー!! イエーイ!! エリカー!! ナイスファイトよー!!」

優花里「負けてしまいましたね」

麻子「突撃だけでは最後の壁を越えられなかったな」

カチューシャ「ハラショー。よくがんばったわね、ミホーシャも絹代も」


342: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 23:11:20.81 ID:Gl0aY6R6o

試合会場

絹代「……」

みほ「西さん……」

絹代「西住隊長、申し訳ありませんでしたぁぁ!!!」

みほ「……」

絹代「私が……私がもっとはやく……自分の過ちに気が付いていれば……こんな結果には……」

みほ「ごめんなさい」

絹代「え……?」

みほ「西さんの作戦は間違っていないって、証明したかったのに……負けてしまいました……」

絹代「西住隊長……まさか……」

みほ「とつげき作戦、なんとか形にできたと思っていたのに……。ごめんなさい」

絹代「ぜんぶ……私のために……わたし、の……?」

みほ「本当にごめんなさい」

絹代「すみ、ません、にしずみ……た、いちょう……わたし……なんかの……た、めに……すみ、ません……」

みほ「で、でも、愛里寿ちゃんを撃破しましたし、エリカさんを追い詰めましたし、西さんは素晴らしい隊長です。だから、もっと自信を持ってください」


345: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 23:17:52.09 ID:Gl0aY6R6o

絹代「うぅ……もったいない……おことば……であります……」

みほ「泣かないでください」

エリカ「貴方らしくない作戦だと思ったら、そういうことだったのね」

愛里寿「みほさんと戦っているつもりだったのに、いつの間にか西さんと戦ってたのか」

みほ「ご、ごめんね。えっと、怒られるのは覚悟してるつもりだから……」

アリサ「文句あるわけ?」

カルパッチョ「西住さんは最良の作戦を練っただけです」

ノンナ「同志の批判は許しません」

忍「えっと、あまり悪くいわないでください」

杏「誰も責めてないとおもうけど?」

沙織「それどころか見惚れちゃったわよ。西さんの突撃! やっぱり乙女は突撃あるのみよね! 恋だって突撃しなきゃ実らないし!」

ミッコ「よくわかんないな」

沙織「どーしてよぉ!?」

オレンジペコ「西様、とても素晴らしい戦術でした。また試合できる日を楽しみにしております」

絹代「は、はい!! こちらこそ!! よろしくお願いいたします!!!」


346: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 23:24:33.46 ID:Gl0aY6R6o

観客席

しほ「終わった、か」

千代「ふふ。やはり、愛里寿のいるチームが勝ちましたね」

まほ「チームを勝利に導いたのは逸見エリカです。島田流は関係ありません」

千代「分かっているわ。また、島田流が負けたのね」

しほ「何を見ていた?」

千代「はい?」

しほ「西住流と島田流が、西住みほと西絹代を倒した。それがこの試合の結果よ」

千代「……逸見エリカさんね。覚えておくわ」

まほ「帰られるのですか?」

千代「愛里寿とお話ししたいけど、今行けば怒られそうだから」

まほ「この度のご支援、誠に感謝しています」

千代「愛里寿のためですわ」

まほ「お母様も、本当にありがとうございます」

しほ「別にみほのためではないわ。全ては戦車道のため」


350: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 23:30:04.53 ID:Gl0aY6R6o

試合会場

亜美「みんな!! パーフェクト!! グッジョブ!! 戦車道の歴史の中でも名試合と言えるものになったと思うわ!!」

亜美「それでは、お互いに礼!!」

「「ありがとうございました!!」」

桃「えー、この度に試合は――」

杏「河嶋は長くなるからしょーりゃくぅ」

桃「会長!? 私の見せ場を奪わないでください!!」

「「わー!!」」パチパチパチ

桃「何故、拍手をする!!」

杏「河嶋の話よりも、みんなはあれを気にしてるはずだよねぇ」

沙織「なんだろう?」

華「何かありましたか?」

麻子「覚えてないな」

優花里「表彰式ですね!」

みほ「みんな、わざとだよね……?」


351: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 23:36:05.71 ID:Gl0aY6R6o

杏「負けたチームには罰ゲームがあったはず」

クラーラ「あっ」

ミカ「そういえば、あったね。すっかり忘却の彼方だったよ」

アキ「覚えてたでしょ……」

アリサ「たかがダンスでしょ?」

ケイ「アーリサ。はい、これ。動画サイトをルック、ルック」

アリサ「もう、なんですか? 今から振付を覚えろと言われても――」

『アアアン アン♪ アアアン アン♪ アアアン アアアン アン アン アン♪』

ケイ「このコスチュームで踊るのよ?」

アリサ「り、りありぃ?」

ケイ「イエース!」

アリサ「ノォォォォ!!! こんなの!! タカシにみられたら!!!」

ナオミ「興奮するかもしれない」

アリサ「あぁ……それなら……」

ケイ「いいんだ」


352: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 23:41:20.77 ID:Gl0aY6R6o

カチューシャ「ニーナ!! 撤退よ!!」

ニーナ「え? え? でも、まけじまっだしぃ」

カチューシャ「関係ないわよ!!」

ノンナ「……」

カチューシャ「ひっ……!?」

ノンナ「どちらへいかれるのですか、カチューシャ?」

カチューシャ「ちょ、ちょっと……トイレに……」

ノンナ「ほら、オーダーメイドで作ってもらったんですよ、カチューシャのドレス」

カチューシャ「ゆ、ゆるして……」

ノンナ「ふふ。さぁ、一緒に踊りましょう」

ペパロニ「おーい!! まだ踊らないのかー!? さっさとはじめようぜー!!」

アンチョビ「もう着替えてるぞ……」

カルパッチョ「ペパロニさん、もう少し恥じらいを……」

アンチョビ「負けた者は潔く着るしかないがな。――装着完了!! カルパッチョ!! 早く戦闘服に着替えろ!!」

カルパッチョ「えぇぇ……」


353: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 23:49:25.66 ID:Gl0aY6R6o

桃「――それでは、大洗女子学園オールスターチームによるあんこう踊りです」

杏「ミュージック、スタート」

柚子「はい」カチッ

――アアアン アン♪ アアアン アン♪ アアアン アアアン アン アン アン♪

みほ「あうぅぅ……」フラフラ

優花里「西住殿!! 考えてはいけません!! 無心で踊りましょう!!!」

――あたまの灯はあーいのあかっし♪ 燃やして、焦がして、ゆーらゆら♪ 燃やして、焦がして、ゆーらゆら♪

アンチョビ「全国にアンツィオの風を送れー!!」

ペパロニ「よ、ほっ」フリフリ

カルパッチョ「はずかしぃ……」モジモジ

カエサル「ひなちゃん!! くじけるな!! まだ先は長いんだ!!」

こっち来て、アンアン♪ 逃げないで、アンアン♪

アリサ「やっぱりはずかしいわよこれー!!!」フリフリ

カチューシャ「お嫁にいけなくなったら全員粛清してやるんだからー!!!」フリフリ

絹代「波にゆられて、アンアンアン!」


355: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 23:53:25.69 ID:Gl0aY6R6o

みほ「はぁ……」

優花里「最後が……一番の修羅場だった気がします……」

麻子「あんこう踊り、そろそろ条例で禁止にならないか」

華「素敵でしたわ」

沙織「そうそう!! もう逆にモテ道を突き進んでるよ!!」

まほ「みほ」

みほ「あ、お姉ちゃん……」

まほ「お疲れさま。あの踊りを私がしていたら、どうなっていたか想像もつかない」

みほ「お姉ちゃんは、やらなくてよかったかも」

優花里「大問題に発展していたかもしれませんね」

まほ「楽しかったか?」

みほ「うんっ。協力してくれてありがとう。私の最初で最後のわがままだったのに……」

まほ「残念だ」

みほ「え?」

まほ「みほと双子だったら、もっと強い大洗や知波単と試合ができたのに。本当に残念だ」


356: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/27(月) 23:58:04.10 ID:Gl0aY6R6o

みほ「お姉ちゃん……」

まほ「黒森峰も、もっと強くなる。もっと面白くなるのに、私は卒業しなければならない」

みほ「……待っていて」

まほ「……」

みほ「大学でもやるよ、戦車道。ううん、プロでもやる」

優花里「西住殿……!!」

沙織「でました!! プロ宣言!!」

麻子「西住さんならなれるだろう」

華「その日はきっとすぐに来ますね」

まほ「何を言っている?」

みほ「何をって……」

まほ「後ろの友達も引き連れて来い。でなければ、私には勝てない」

沙織「お、お姉さん、そんなぁ……」

優花里「私たちまで高く評価してくれるのですか!?」

まほ「大学で待つ。必ず上がってきてほしい」


357: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 00:04:36.07 ID:OYI36N87o

カチューシャ「あーっはっはっはっは!! 聞いたぁ、ノンナ! プロですって!! 戦車道のプロリーグを舐めないでよね!!」

ノンナ「あ、すみません。今、動画を見ているので」

クラーラ「はい」

カチューシャ「なんの動画よ?」

みほ「確かに厳しい道です。誰もが努力すればなれるものでもないですから」

カチューシャ「どれだけ高い山なのか、分かってる? 生半可な気持ちでは絶対にこないでよね」

ダージリン「そうやって分かっていながら釘を刺す行為。そろそろ改めたら?」

カチューシャ「一応よ、一応

ダージリン「わたくしもみほさんとずっとライバルでいたいですわ。今後ともよろしくお願いします」

みほ「こ、こちらこそ!」

ミカ「プロか……」

ケイ「ミカも興味あるんでしょ?」

ミカ「さぁ。まだ渡り鳥でいたいけどね」

ケイ「傭兵じゃないんだから」

ミカ「夢は自由がいいってことだよ」ポロロン


358: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 00:09:59.86 ID:OYI36N87o

絹代「プロ、か……」

福田「西隊長も目指すべきであります!!」

絹代「……そうだな。知波単の突撃魂、プロでも通用するかもしれないからな」

福田「おぉぉぉ!! 西隊長が日本の隊長になることを願っているであります!!!」

絹代「そのためにも訓練あるのみだ!! 早速学園艦に戻って特訓だー!!!」

「「おぉぉぉぉ!!!!」」

カエサル「徹三!!」

絹代「カエサル殿。本当にお礼をいいたい。私についてきてくれて感謝している」

カエサル「次は敵同士だ」

絹代「ええ」

ツチヤ「まけないよぉ」

絹代「私もです」

みほ「西さん……」

絹代「西住隊長。また会いましょう。今日のお礼は、私の成長でお返しいたします」

みほ「はい! 楽しみにしています!」


359: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 00:15:11.92 ID:OYI36N87o

愛里寿「西さん」

絹代「島田殿……?」

愛里寿「みほさんと西さんを倒すのは私だ」

絹代「な……」

愛里寿「それまで誰にも負けるな。逸見さんには負けてもいいが」

絹代「分かりました。善処します」

みほ「がんばってみる」

愛里寿「頼む」

アンチョビ「みんな、果てしない夢ばかりを見ているな」

ペパロニ「姉さんだって、プロ入りしたいんじゃないっすか?」

アンチョビ「そうだな。目指してみるか。プロリーグ」

ペパロニ「姉さんならヨユーっすよぉ!! だって!! 継続高校の隊長を倒したんっすよぉ!!」

アンチョビ「そうだった!! ならばプロ入りも確定したようなものだー!!!」

「「ドゥーチェ!! ドゥーチェ!! ドゥーチェ!! ドゥーチェ!!」」

ミカ「……」


360: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 00:20:18.64 ID:OYI36N87o

みどり子「口は災いの元よね」

ミッコ「ミカが怒ってるの久しぶりに見た」

梓「アンチョビせんぱーい!! それぐらいにしてくださーい!!!」

優季「あゆみもプロいけるんじゃなぁい?」

あゆみ「わ、私は無理だって!! それなら桂利奈のほうが可能性あるって」

桂利奈「あるかなぁ!? あるのかなぁ!? ドラフト会議で名前呼ばれたらどーしよー!?」

あや「どうするどうする!! やっぱ、コメントは考えたほうがいいよね」

桂利奈「プロでもがんばります! 目指すのは1億円プレイヤーです!!」

優季「わぁ、かっこいぃ」

紗希「……」

ナオミ(意外な人物がプロに入ったりすることもあるけどね)

ケイ「みんなのドリームはビッグね。よーし、私も負けてられないわ!! プロにいくわよー!!」

アリサ「そんな簡単にはいかないと思います」

ケイ「いいの! 口にしないとドリームはやってこないのよ!」

アリサ「そういうものですか……?」


361: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 00:24:22.43 ID:OYI36N87o

エリカ「隊長。ヘリが到着しました」

まほ「分かった」

愛里寿「みほさん、さよなら」

みほ「バイバイ、愛里寿ちゃん」

エリカ「みほ!」

みほ「は、はい」

エリカ「もっと強くなるのよ。じゃなきゃ、楽しめないわ」

みほ「エリカさんも、強くなってください。今よりもずっと」

エリカ「勿論よ」

愛里寿「私も強くなる。そして、来年には黒森峰の隊長になる」

エリカ「はぁ!?」

愛里寿「やはり逸見さんに隊長は任せられない」

エリカ「なんですって!?」

まほ「やめろ、見苦しい」

みほ(愛里寿ちゃんとエリカさん……。手強いな……。私ももっとがんばらなきゃ……)


362: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 00:29:02.95 ID:OYI36N87o

柚子「撤収にはいりまーす!!」

桃「手の空いている者は手伝ってくれ!!」

杏「いやぁー、無事におわったね。おつかれ」

みほ「はい。会長もお疲れ様です」

杏「私ももう一年遅く生まれたかったなぁ」

みほ「またみんなでやりましょう」

杏「付き合ってくれるの?」

みほ「私で良ければ」

杏「にひぃ。んじゃ、たのんじゃおっかなぁ」

みほ「はいっ」

杏「待ってるよ、西住ちゃん」

みほ「待っていてください、会長」

杏「かわしまー! こやまー! 私、見てるだけでいいー?」

柚子「手伝ってくださいよぉ」

みほ「沙織さーん、手伝えることあるかなー?」


363: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 00:41:26.29 ID:OYI36N87o

桃「――作業終了です」

杏「んじゃ、学園艦にかえろっか」

みほ「……」

沙織「みぽりん、どうしたの?」

みほ「ちょっとだけ、寂しくて……」

優花里「そうですね。でも、全員でいつか必ず試合をする。そう約束しました」

華「はい。それはきっとこの先もみなさんが守り続ける約束になるはずです」

麻子「次は夜で頼む」

沙織「何言ってるのよ! 朝からやるの!!」

麻子「夜戦もいいだろうに」

沙織「夜更かしはよくないの! お肌に!」

みほ「あはは。みんなで、またやろうね、戦車道」

優花里「はい!!」

みほ(戦車道、本当に楽しいな……。これからもずっと続けたい、みんなで……ずっと……!)


END


364: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 00:41:53.50 ID:jLDAg+Gco





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