【食戟のソーマ】緋沙子「幸平創真にお礼をしよう」

1: ◆nJz5DtsrykBW 2015/06/25(木) 18:25:21.50 ID:6P/w1o1f0


注意

二次創作

キャラの口調がおかしいかも

誤字脱字

細かいことは気にしないでください

遅い更新

以上がOKな人で


食戟のソーマ 弐ノ皿 1 <初回仕様版>Blu-ray

2: ◆nJz5DtsrykBW 2015/06/25(木) 18:27:54.90 ID:6P/w1o1f0

厨房

緋沙子(えりな様との仲が戻ったのも奴のおかげだ……)

緋沙子(それにスタジエールだって奴がいなければどうなっていたか)

緋沙子(大変、大変不本意だが、お礼の一つでもしないと私の気が済まない)

緋沙子「とは言ったものの……」

緋沙子(男子にお礼なんてしたこともない)

緋沙子(一体どんなお礼をすればよいのだ)

緋沙子「ここは料理人らしく料理を振る舞うべきか?」

緋沙子「いやいや、それでは意外性が……」

緋沙子「は! なぜ私は意外性なんて気にしているのだ!?」

緋沙子「相手は幸平創真だぞ! お礼にしても簡単のものでいいのよ簡単なもので」


4: ◆nJz5DtsrykBW 2015/06/25(木) 18:36:36.66 ID:6P/w1o1f0

緋沙子「……うん。ここはやはり料理でお礼をしよう!」

緋沙子「男は胃袋を美味しいもので満たせれば満足するだろう」

緋沙子「そうだな。薬膳料理……はダメだな。奴だって一応は私のライバルだ。手の内を晒すわけにはいかない」

緋沙子「それに奴の目の前で作って召し上がれというのもなんだか気恥ずかしい」

緋沙子「……お菓子、なんていうのはどうだろうか」

緋沙子「これなら目の前で作らずとも手で渡せるぞ!」


5: ◆nJz5DtsrykBW 2015/06/25(木) 18:38:24.37 ID:6P/w1o1f0

……

緋沙子「ふー、出来たな。我ながらシンプルだが完璧だ」

緋沙子「しかし……」

ハート型のチョコレート

緋沙子「なぜ私はこんな形に仕上げてしまったのだ」プルプル

緋沙子「ええい! こんなものハンマーで!」

緋沙子「ハンマー……で……」

緋沙子(くっ……どうして手が動かないのよ!)

えりな「あら緋沙子? なにを作っているの?」

グシャ

緋沙子「あ、あはは……えりな様。どうかなさいました?」

えりな「それは私の台詞よ」

緋沙子「そ、そうですよね! 只今チョコレートを作っておりました」

えりな「チョコレート? この粉々な物体が?」


8: ◆nJz5DtsrykBW 2015/06/25(木) 18:44:04.11 ID:6P/w1o1f0

緋沙子「はい。出来があまりよくなかったので粉々にしてしまいました」アハハ

えりな「ふーん」パク

緋沙子「え、えりな様!?」

えりな「味は悪くないわ。なにが駄目だったのかしら?」

緋沙子「え、えっとーですね。形がよろしくなかったので……」

えりな「そう。じゃあ、ちゃんとした物が出来たら私が試食してあげるわ」

緋沙子「よろしいのですか!?」

えりな「当たり前じゃない。それじゃ、励みなさいよ」スタスタ

緋沙子「はい! 頑張らせていただきます!」

緋沙子「……」

緋沙子(こんなやり取りが出来るのも奴のおかげだ)

緋沙子(簡単なものでいいと考えてはいたがやはりもっとちゃんとしたものにしなければ)

緋沙子「だがそれよりも……」

緋沙子(チョコレート壊してしまったな)ズーン


9: ◆nJz5DtsrykBW 2015/06/25(木) 18:51:32.63 ID:6P/w1o1f0

――

遠月学園敷地内

緋沙子(大体バレンタインでもないのにチョコレートを作るなんてどうかしていた)

緋沙子(ここは気恥ずかしさを我慢してしっかりあいつの目の前で料理を作ってやろう)スタスタ

創真「お? 秘書子じゃん」

緋沙子「ゆ、幸平創真!?」

創真「珍しいなー。新戸と学園内で会うなんて」

緋沙子「む? そうだったか?」

創真「だってお前いつも薙切の側にいるし会っても会話なんて……」

創真「あれ? その薙切が見当たんねーな」

緋沙子「えりな様はここにはいない」


12: ◆nJz5DtsrykBW 2015/06/25(木) 18:57:46.68 ID:6P/w1o1f0

創真「それこそ珍しいな。お前が薙切の側から離れるなんて」

創真「喧嘩でもしたのか?」

緋沙子「ち、違う!」

創真「そ、そんなに怒るなよ。じゃあなんでお前一人なんだよ」

緋沙子「その……貴様に用があったのだ」

創真「用?」

緋沙子「……お礼がしたい」ボソ

創真「あ? 聞こえねーぞ」

緋沙子「貴様にえりな様との仲を戻すきっかけを作ってくれたことのお礼がしたいと言っているのだ!」

創真「お、おう。そうか」

緋沙子「だから、貴様にお礼として料理を振舞ってやる。感謝しろ」

創真「まじか!? いやー、お前の料理食べてみたいと思ってたんだよー」ヘラヘラ

創真「俺の料理の参考になってくれるかもしれないしな!」

緋沙子「ふ、ふん。だったらよいのだが……」

緋沙子(結構喜んでる!)


13: ◆nJz5DtsrykBW 2015/06/25(木) 19:07:59.14 ID:6P/w1o1f0

創真「おっし、じゃあ今から厨房に行こうぜ!」

緋沙子「あ、いや、すぐには無理だ」

創真「え?」

緋沙子「が、学園でお前と一緒にいるところを見られたくない」

創真「はぁ? どうしてだよ」

緋沙子「……恥ずかしいから」

創真「料理人同士が一緒に厨房に入ってなにが恥ずかしいんだよ」

緋沙子「いいから恥ずかしいのよ! こっちの気持ちも考えたらどうだ!」

創真「なんだよそれ……。じゃあ他に作れる場所の宛でもあるのか?」

緋沙子「それは……ないが」

創真「薙切の側近だったら厨房の一つや二つくらい持ってるんじゃねーのか?」

緋沙子「駄目だ! それは一番駄目なやつだ」

緋沙子(私の厨房で料理をすればえりな様に見られる可能性がある)

緋沙子(そうなると後々面倒だ)

創真「……んーじゃあそうだな。新戸今度の休み空いてるか?」

緋沙子「いや、特に予定はないはずだが」

創真「場所がないんだったら俺の家くるか? そこなら誰にも見られずに済むだろ」


18: ◆nJz5DtsrykBW 2015/06/25(木) 19:44:56.12 ID:6P/w1o1f0

――

創真宅前

創真「おーし着いたぞ! ここが俺が親父と切り盛りしていた食事処ゆきひらだ!」

緋沙子「本当に貴様の家は定食屋だったのだな」

創真「どうだ? 結構味があるお店だろ?」

緋沙子「いや、全然普通だが?」

創真「まぁ、お前にはわかんないのかもしれないな。この店の良さが」ヘラヘラ

緋沙子(今から帰ってやろうか)プルプル

創真「それにしても新戸、そんなに可愛い服で来てよかったのかよ? 料理するんだろ?」

緋沙子「か……! 貴様、口説いているのか!?」

創真「今のでどこに口説く要素があったんだ?」

緋沙子「私にはそのように聞こえたぞ! それにしっかりエプロンを着るから大丈夫だ!」

創真「ならいいけどよ」

緋沙子(全くこの男は……)

緋沙子(まぁでも昨日一晩着るものに悩んだ甲斐があったな)フフ

緋沙子「……」

創真「どうかしたのか?」

緋沙子「今物凄く自分をビンタしてやりたい気分だ」

創真「え? お前ってマゾだったの?」

緋沙子「帰るぞ」


22: ◆nJz5DtsrykBW 2015/06/25(木) 20:12:43.90 ID:6P/w1o1f0

創真「じょ、冗談に決まってるだろ! さぁさぁ、お前の料理を食わしてくれよ」

緋沙子「貴様がそこまで言うなら仕方がないな。留まってやろう」

創真「ふー。そんじゃ、店の中に入るとするか」ガラガラ

緋沙子「お、お邪魔するぞ」

緋沙子(そう言えば男の家に上がるなんて初めての経験だな)ドキドキ

緋沙子(まずい……そう考えたら緊張が……)

創真「どうした? 顔色悪いぞ?」

緋沙子「な、なんでもない。早く厨房に案内しろ」

創真「へいへい。こっちだ」スタスタ


26: ◆nJz5DtsrykBW 2015/06/25(木) 20:44:45.14 ID:6P/w1o1f0

創真「足りない道具とかありそうか?」

緋沙子「こちらで用意しているものもあるから概ね大丈夫そうだ」キョロキョロ

緋沙子「それにしてもしっかりと手入れが行き届いているな。感心したぞ」

創真「当たり前すぎてわざわざ言う事でもないだろ」

緋沙子「ああ、確かにそうだな」

創真「そんじゃ、頑張って作ってくれよ。俺は掃除でもしてっから」ポン

緋沙子「……!」ドキ

緋沙子「き、気安く触るな無礼者!」ヒラ

緋沙子「きゃ――!」

創真「あっぶね! なに足滑らしてるんだよ新戸」ダキ

緋沙子「あ……」キュン

創真「厨房なんだからあんまり暴れないでくよ?」

緋沙子「……」ジー ドキドキ

創真「ん? 俺の顔で気になるところでもあったか?」

緋沙子「い、いや! すまない!」バ


33: ◆nJz5DtsrykBW 2015/06/25(木) 20:59:42.00 ID:6P/w1o1f0

創真「お前もしかして体調悪いんじゃ……」

緋沙子「少し表に出てくる!」タッタッタ

創真「あ、おい!」

創真「……ったく。なんなんだよあいつ」

――

緋沙子「ハァ……ハァ……」

緋沙子「くっ……」ギュ

緋沙子「ま、まさかな。私に限ってあんな軽薄な男に……」

創真『厨房なんだからあんまり暴れないでくれよ』キラキラ

緋沙子「……」

緋沙子「はっ!」ブンブン

緋沙子(有り得ない有り得ない! あんな男が格好良く見えたなんて!)

緋沙子「……ふふ。そんなわけないだろう」

緋沙子「どうせなにかの気の迷いだ」

緋沙子「さっと戻って料理を作ってしまおう」


36: ◆nJz5DtsrykBW 2015/06/25(木) 21:42:40.21 ID:6P/w1o1f0

――

創真「もう平気なのか?」

緋沙子「すまない。迷惑をかけたな」

緋沙子「急いで作るからな。ゆっくり待っていろ」

創真「おう。楽しみにしてるぞー」

緋沙子(ほら。どうってことないじゃないか)

緋沙子(普通に顔も見れるし会話もできる)

緋沙子(やはりさっきのは気の迷いだったんだ)

緋沙子(さて、早速料理に取り掛かるか)

緋沙子(最高の料理でお礼をしてやるからな! 覚悟しておけ幸平創真!)


61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 19:36:41.36 ID:IkQyS17m0

……

緋沙子「……」トントン

創真「……」

緋沙子「なにをじろじろと見ているんだ?」

創真「あのスッポンのハンバーガーじゃねーんだなって」

緋沙子「なんだ貴様あれが食べたかったのか?」

創真「おう。葉山に負けた料理がどんなものなのか知りたかったからな!」

緋沙子「……頼むからあの悪夢を思い出させないでくれ」ズーン


62: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/20(日) 19:41:16.87 ID:IkQyS17m0

創真「そ、そんなに落ち込むなって。俺だってあいつに負けてんだしよ」

創真「んで、今日はどんな料理を作ってくれるんだ?」

緋沙子「悪いが今日の料理は羊肉四物湯カレーだ」

創真「ああ、あの秋の選抜で作ったやつだろ! 話には聴いてるぜ」

緋沙子「貴様に私が得意な薬膳料理を振舞うのは大変癪なんだが」

緋沙子「今日はお礼ということで仕方なく。仕方なく作ってやるんだからな!」

創真「へいへい、わかってやすよ」

創真「それにしても新戸……」

緋沙子「? どうかしたのか?」

創真「やっぱりエプロン似合うよな」

緋沙子「ふ……その手はもう食わないぞ」

創真「いや、どの手だよ……」


63: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/20(日) 20:15:23.42 ID:IkQyS17m0

……

緋沙子「完成だ」ドン

創真「これが噂に聞く羊肉四物湯カレーですか……」

緋沙子「ゆっくり食べてくれ。私はその間に洗い物をしている」

創真「ああ、悪いな」

創真「ではでは、頂きます」パク

創真「……!」ブワァ

創真「こ……これが薬膳料理……」

創真「新戸! これすげーうめえよ!」

緋沙子「き、貴様にもその料理の味がわかるのか」フン

緋沙子(成功ってことでいいんだな……!)


64: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/20(日) 20:27:35.47 ID:IkQyS17m0

――

店の外

真由美「あれ……また幸平くんの家が開いている……」

真由美「もしかして帰ってきてるのかな」チラ

創真『なーなーこれってどうやって作ってるんだ?』

緋沙子『貴様に教えてやる道理はない』

真由美(ま、また新しい女の子が……!)ガーン

男「お! 食事処ゆきひらがまた開いてるぞ!」

女「本当よ!」


66: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/20(日) 20:33:56.91 ID:IkQyS17m0

――

店内

ガヤガヤ

緋沙子「ん? なんだか外が騒がしい……」

創真「確かにそうだな。ちょっくら見てくるわ」

ガラガラ

男「おお! 幸平君だ!」

創真「あれ? 久しぶりっす」

男「た、頼む! ゆきひらの料理を食わしてくれ!」

創真「またこの流れっすか……しょうがないっすね」

創真「少々お待ちを! 食事処ゆきひら、またまたちょこっと再オープンだ!」

緋沙子「幸平創真どうかしたのか……ってなんだこの人の数!?」

創真「新戸ーわりぃんだがちょっくら手伝ってくんない?」

緋沙子「て、手伝うってなにをだ?」

創真「接客」

緋沙子「はぁ!? なぜ私がそんなことをしなくてはいけない!」

創真「元々は今日は俺のお礼のために来てくれたんだろー? 頼むからちょっとだけ付き合ってくれよ」

緋沙子「む……そこを突かれると弱いな……」

緋沙子「はぁ……仕方がない。ほんの少しだけだぞ」

創真「サンキュー!」


67: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/20(日) 20:50:42.90 ID:IkQyS17m0

……

創真「おあがりよ!」

客A「いただきます!」パク

客A「うんうん! この味、この味だ!」

客B「今日はラッキーな一日だな」

客B「この前開いてたときは見逃しちゃったから」

客A「ああ、本当だ。それに今日は……」

緋沙子「オーダー! ○○と○○だ!」

創真「あいよ!」ジュージュ

創真「新戸! この料理あそこのテーブルのお客さんにッ!」

緋沙子「わかっている!」

創真「後ご飯が残り少ないから新し――」

緋沙子「もう炊いているぞ!」

創真「……へへ。あんがとさん」


69: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/20(日) 20:56:56.74 ID:IkQyS17m0

客A「いやー花があるっていい」

客B「そうだな。親父さんと二人でやってるときもよかったんだがこれもまた……」

客A「お嬢ちゃんお嬢ちゃん」

緋沙子「あ、はい。ただいま」スタスタ

緋沙子「どうかなさいましたか?」

客A「お嬢ちゃんってさ。幸平君の彼女?」

緋沙子「え!? ち、違います!」

客B「じゃあ、なんでここにいるの?」ニヤニヤ

緋沙子「今日はその……臨時でお手伝いを頼まれただけですので……」

客B「えー、ほんとぉ? 君、顔真っ赤だよ?」

緋沙子「だから、違うんですって!」

創真「新戸ー! 口動かしてないで手ぇ動かしてもらっていいか?」

緋沙子「うるさい貴様は黙っていろ!」

客A「はっはっは。お嬢ちゃんと幸平君が結婚したら毎日こんな風景が見れるのか」

緋沙子「け……け……!」

緋沙子「誰があんな男と夫婦の契を交わすもんですか! 奴とは絶対そんな関係にはなりません!」カァァ

ワッハッハッハ


71: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/20(日) 21:16:01.11 ID:IkQyS17m0

……

創真「御粗末!」

ガラガラ

緋沙子「……」ゲッソリ

創真「今日はあんがとな」

緋沙子「全く精神的に疲れたぞ……」

創真「はは、しっかし、スタジエールから期間空いちまったけど連携はばっちしだったな」

緋沙子「貴様と息が合ったところで一銭の得にもならない」

創真「んー、このままゆきひらで雇いてーな……」

緋沙子「……!」

客A『はっはっは。お嬢ちゃんと幸平君が結婚したら毎日こんな風景が見れるのか』

緋沙子「貴様、それはどういうつもりで言ってるのだ!?」

緋沙子「わ、私にはえりな様というものが……」

創真「そうだよなぁ。お前には薙切がいるもんな」

緋沙子「あ……そ、そうだ。だから無理だぞ」

創真「じゃあ、田所辺りでいっかな」ヘラヘラ

緋沙子「……」


72: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/20(日) 21:25:05.96 ID:IkQyS17m0

創真「あ? どうしたんだよそんな顔して」

緋沙子「なんでもない」

創真「なに怒ってんだよ」

緋沙子「怒ってない! 私はもう帰る!」スタスタ

創真「お、おい!」

創真「お前、終電とか大丈夫なのかよ」

緋沙子「終電? なんだそれは」

創真「……もしかして新戸、電車乗ったの今日が初めてだったり?」

緋沙子「ば、馬鹿にするな! 3回ほど乗ったぞ!」

創真「三回だけかよ……いいか終電の時間が過ぎたらもう電車は動かねーんだよ」

緋沙子「む? そうなのか? だったらタクシーで……」

緋沙子「……しまった。持ち合わせが足りない!」


74: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/20(日) 21:26:19.00 ID:IkQyS17m0

緋沙子「く……! なんで先に言ってくれなかったんだ!」

創真「普通終電知らないなんてわかんねーだろ」

創真「それに俺はお前がなにも言わないから、薙切頼んで車でも寄越させるもんだと思ってたんだよ」

緋沙子「えりな様にそんなことが言えるわけないだろ!」

緋沙子「いい! 私は歩いて帰る!」

創真「おいおい何十キロあると思ってるんだよ」

ガラガラ

ビューーーーーン!

ガラガラ

緋沙子「……」

創真「……」

創真「そういえば台風が来てたんだったな……」

緋沙子「……」

創真「……」

創真「うち、泊まるか?」


75: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/20(日) 21:50:08.44 ID:IkQyS17m0

緋沙子「……」プルプル

緋沙子「よろしくお願いします」ググググ

創真「はっはーそんなに嫌か」

緋沙子「当たり前だ! ……ん? いけないえりな様からこんなに着信が!」ピ

創真「お、俺も田所から来てるな」ピ

プルルル

緋沙子「えりな様?」

えりな『緋沙子? 今どこでなにをしているのかしら?』

緋沙子「も、申し訳ございません。その……なんて申したらいいのか……」

緋沙子「そう! 食材集めに外に出ていたんです!」

えりな『食材集め?』

緋沙子「はい! それでたまたま遠月に戻れなくなってしまい……」

えりな『それは災難だったわね……あなたは今どうしているの?』

緋沙子「えっと……ビジネスホテルに泊まっています!」

創真「おっす田所ー」

えりな『!? い、今幸平君の声が聞こえたのだけれど!?」

緋沙子「き、気のせいです! 幻聴、幻聴ですよ!」

えりな『そう……ならいいんだけれど……」

えりな『明日には帰れるのね?」

緋沙子「はい」

えりな『それを聞いて安心したわ。次からはどこに行くのかを私にちゃんと伝えてね』

緋沙子「申し訳ございません……」

えりな『いいわ。それじゃ、明日ね』ピ


76: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/20(日) 21:58:45.61 ID:IkQyS17m0

創真「悪いなー台風が来ててそっちに帰れそうにないわ」

恵『そうなんだ。じゃあ、今日は家に泊まるんだね」

創真「おう。わざわざ連絡してくれてありがとうな」

恵『ううん。大丈夫だよ。じゃあ、ちゃんと伝えておくね』

創真「ああ、サンキューな」

創真「いやー、それにしても参っちまったよ。まさか新戸もついでに俺の家に泊まるなんてな」

恵『え!? 今、創真君新戸さんと一緒にいるの?』

創真「おう。そうだぞー」

恵『へ、へー。そうなんだ……』

創真「どうかしたか?」

恵『なんでもねーべさ! そ、それじゃあ楽しんできてね……」ピ

創真「楽しむ……? なにをだ?」


77: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/20(日) 22:01:19.48 ID:IkQyS17m0

――

えりな 自室

えりな「全く緋沙子ったら連絡の一つくらいよこしなさいよ」

えりな「……」

えりな「べ、別に寂しくなんてありません!」

えりな「って、誰にいいわけしてるのかしら私……」

えりな(はぁ……早く帰ってこないかしら……)

極星寮

恵「……」

ツーツー

恵「創真君新戸さんと……そういう関係だったのかな……」

恵「スタジエールも一緒だったって言ってたし……」

恵「はぁ……」バタン

恵「……」

恵「グスン……」ポロポロ


78: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/20(日) 22:02:03.44 ID:IkQyS17m0

……

浴室

ザァー

緋沙子「どうしてこうなったどうしてこうなった……」

創真『タオルここに置いとくぞ』

緋沙子「な、なに勝手に入ってきているのだ貴様は!」

創真『別に脱衣場に来たくらいで怒るなよ。見えてるわけでもねーんだし』

緋沙子「非常識だ! さっさと出て行け!」

創真『さいですかー』


86: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/21(月) 22:45:23.14 ID:H0YVAw/f0

……

ガチャ

緋沙子「はぁ……」

緋沙子「落ち込んでいても仕方がないか。私にも落ち度はある」

緋沙子「人間何事も切り替えが大切だ」ゴシゴシ

緋沙子「……そういえば着替えがないな」

緋沙子「む?」


87: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/21(月) 22:55:30.88 ID:H0YVAw/f0

……

創真「お、上がったか」

緋沙子「……」カァァ

創真「いやー、お前ゆきひらのシャツ似合うな。エプロンの次くらいに似合うわ」

緋沙子「黙れ! なぜ私がこんな服を着なければならない!」

創真「だってそれしかなかったから仕方がないだろ」

創真「それじゃなんだ? お前はあの服で寝るつもりなの?」

緋沙子「それは……」


88: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/21(月) 23:01:55.09 ID:H0YVAw/f0

創真「今日一日の我慢じゃねーか。耐えろよ」

緋沙子「く……確かにそうだな」

緋沙子(このTシャツを着ること自体にそこまで不快感はない。いや少しはあるのだが……)

緋沙子(ただなにが嫌って……この服はあいつの匂いがする!)

創真「俺が着てたやつだからサイズが合わないのはしゃーね」

創真「あ、もしよかったらお前用のやつ作ってやろうか?」ヘラヘラ

緋沙子「いるかこんなもの!」


89: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/21(月) 23:06:32.35 ID:H0YVAw/f0

創真「即答かよ。ま、とりあえず座って飯でも食って行けって」

緋沙子「これは……入学試験の時に貴様が作った」

創真「化けるふりかけご飯だ」

創真「お前確か食べたことないだろ?」

緋沙子「あ、ああ。試験後すぐにえりな様は部屋を出られてしまったのでな」

創真「今日はなんだかんだお前に助かっちまったから。そのお礼だ」

緋沙子「……変だな。私がお礼に来たはずなのに」

創真「ま、別にいいんじゃねーの?」ニコ

緋沙子「……頂こう」パク

緋沙子「……!」


90: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/21(月) 23:11:06.95 ID:H0YVAw/f0

創真「どうだ旨いか? ん?ん?」

緋沙子「しょ、食事中の人の顔を覗き込むな!」

創真「そいつは悪かった。んで、感想のほどは?」

緋沙子「ふん! 秋の選抜で決勝まで残った男だ。このくらい軽く作れるだろう」

創真「なんだよもっと素直に感想言えって……」

緋沙子「わ、悪かったな……」

創真「別にいいけど。それ食ったら寝ろよ。俺はもう疲れたから寝るわ」

緋沙子「ま、待て! 私はどこで寝ればいいのだ?」

創真「俺の部屋。俺はオヤジの部屋使うからベッド好きに使っていいぞ」

緋沙子「貴様の部屋!?」

創真「? なんか不都合でもある?」

緋沙子「い、いや……ない……が……」

創真「ま、そういうことだからそんじゃーな」

緋沙子「……」


91: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/21(月) 23:18:19.21 ID:H0YVAw/f0

……

創真 部屋

緋沙子(ここが幸平創真の自室……)

緋沙子(男子の部屋というのはここまで殺風景なものなのか?)

緋沙子(男子の……部屋……)

緋沙子「……!」ブンブン

緋沙子「お、落ち着くのよ新戸緋沙子。幸平創真は男じゃない。そう犬だ」

緋沙子「そう思えば幾分か気が楽に……気が楽に……」

緋沙子(ならない……!)


92: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/21(月) 23:27:14.07 ID:H0YVAw/f0

緋沙子「ええい! こんなの寝ればすぐに忘れる!」ダイブ

緋沙子「……」スンスン

緋沙子「……」クンカクンカ

緋沙子「ね、寝れるかー!」

緋沙子(ダメだ! この布団はシャツよりもやつの匂いが染み付いている!)

緋沙子(どうしてやつはここまで私の心を揺さぶるのだ!)

緋沙子「ああ、もうどうすれば……」

緋沙子「そうだ! 羊を数えよう!」

緋沙子「そうすれば知らず知らずの間に寝れよう」


93: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/21(月) 23:30:33.00 ID:H0YVAw/f0

緋沙子(羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹――)

緋沙子(羊が756匹……ん? あれ? いくつだった?)

緋沙子(し、仕方がない。もう一度数え直そう)

緋沙子(幸平創真が一人。幸平創真が二人。幸平創真が三人)モアモアモア

ヘラヘラヘラヘラヘラヘラ

緋沙子「貴様は消えろーー!」

ガチャ

創真「……」

緋沙子「あ! す、すまない。夜更けにうるさくしすぎてしまったか?」


94: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/21(月) 23:34:46.70 ID:H0YVAw/f0

創真「……」フラフラ

バタン

緋沙子「お、おい幸平創真!? どうしたんだ?」

創真「……」スースー

緋沙子「もしかして貴様寝ぼけて――!」

緋沙子「重いどけ……!」

創真「……おふくろ」

緋沙子「……」

創真「……」ムニャムニャ

緋沙子「……はぁ。少しだけこのままにさせてやるか」


95: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/21(月) 23:39:58.22 ID:H0YVAw/f0

……

創真「……」スースー

緋沙子(私はこんなにも心揺さぶられているのに貴様はなんて呑気な顔をしているのだ)

緋沙子「……えい」プニ

創真「んー」

緋沙子「ふふふ」ニコ

緋沙子「あ……」

緋沙子(そうか。そういうことだったのだな)

緋沙子(どうして幸平創真に心揺さぶられるのかわかったぞ……)

緋沙子(私は貴様のことを――)

創真「次はスッポンバーガー……」ムニャムニャ

緋沙子「……全く、しょうがない奴だ」ニッコリ


96: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/21(月) 23:42:42.18 ID:H0YVAw/f0

――

翌朝

チュンチュン

創真「……ん?」

創真「あっれー? いつの間に俺自分の部屋で寝てたんだ?」

ガチャ

緋沙子「起きたか?」

創真「お、おう」

緋沙子「悪いが勝手に厨房を使わせてもらった。朝ごはんは出来ているぞ!」

創真「……」

緋沙子「どうかしたのか?」

創真「お前、雰囲気変わったな」

緋沙子「……自覚はないが」

創真「ま、いいや。それより飯食おうぜ」


97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 23:48:15.58 ID:H0YVAw/f0

……

創真「ん。上手いな」

緋沙子「当然だろう。私を誰だと思っている」

緋沙子(……悔しいが、認めてしまえばこんなにも違うものなのか)

緋沙子(昨日より幾分か調子がいい)

緋沙子「そうだ幸平創真」

創真「どったー?」

緋沙子「お礼についてなんだが……その……よかったか?」

創真「聞くまでもねーっつの」

緋沙子「ふふ、だったらよかった」ニコ

創真「……」

緋沙子「私の顔になんかついているか?」

創真「いや……お前可愛くなった?」

緋沙子「なにをいきなり言うか無礼者!」カァァ

創真「やっぱり気のせいだったわ……」


98: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/21(月) 23:53:55.57 ID:H0YVAw/f0

――

極星寮

創真「おっす帰ったぞー」

恵「お帰り創真君」ズーン

創真「ど、どうしたんだ田所!? 目元真っ赤じゃねーか!」

恵「ちょっと昨日寝れなくって……」ゲッソリ

恵「どうせ私は負け犬だべさ……」

創真「な、なんだ?」

恵「ごめんね。今体調が悪いだけだから……」

創真「大丈夫かよ。しっかり寝ろって」

恵「うん……」


99: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/21(月) 23:55:45.72 ID:H0YVAw/f0

創真「あ、そういえば田所さー。聞いてくれよ」

恵「うんうん。なんでも聞いちゃうよー」

創真「昨日新戸にカレー食わせてもらったんだよ!」

恵「……へー」

創真「いやー、俺にお礼がしたいらしくてさ。遠月で作るのは恥ずかしいって言われてよ」

創真「俺の家で作ったんだけど……昨日台風だっただろ?」

創真「それで新戸が帰れなくなっちまって向こうが嫌々俺の家に泊まったんだ」

創真「昨日は災難だったのかラッキーだったのかわかんない一日だったぜ!」

恵「……え? じゃあ、昨日はなにもなかったの?」

創真「逆になにがあるっていうんだ?」

恵「…・…」

創真「お? 田所、急に顔色良くなってねーか?」

恵「ううん。気のせいだよきっとー」ニパァ

創真「? ならいいんだけどよ」


100: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/22(火) 00:01:33.96 ID:CF8wX8jK0

――

遠月学園

えりな「……」イライラ

緋沙子「えりなさまー!」トテトテ

えりな「緋沙子……!」パァ

えりな「ご、ごほん」

緋沙子「申し訳ございません。昨日は……」

えりな「いえ、いいのよ。あなたのあれこれ私に縛る権利はないのだし」

緋沙子「そ、そんな! 私はえりな様に仕えている身! そんなことはございません!」

えりな「……それより緋沙子」

緋沙子「どうかなさいましたか?」

えりな「あなた少しだけ女性らしくなったかしら?」

緋沙子「あはは、そう見えますか?」

緋沙子「だとすれば……ふふ」

えりな「?? ???」

緋沙子(幸平創真……)

緋沙子(私はこの思いをいつか、貴様に言える日が来るといいな)

緋沙子「なんでもございません!」

緋沙子「それよりえりな様。ご無礼を承知で新作料理の味見をしてもらいたいのですがよろしいですか?」

えりな「え、ええ! 勿論いいわよ!」ワクワク

緋沙子「ありがとうございます」ニコ

end


101: ◆nJz5DtsrykBW 2015/09/22(火) 00:04:08.48 ID:CF8wX8jK0

切りがいいのでこのへんで。

秘書子の可愛さを引き出せた感じはしませんが、楽しんでくれた方がいれば幸いです。

もっと秘書子SS増えろ。


102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 00:13:49.85 ID:jhDJhszWo

秘書子アリス竜胆先輩
この三人がぐうかわ


103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 00:21:56.22 ID:dCMkArBho

秘書子はかわいいなあ



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