ほむら「ハロウィンの夜の過ち」

1: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:37:43.88 ID:hGb895QP0

まどかを裂いて一年余り...

なんやかんやで、特に波乱も争いもなく、私以外は平凡に過ごせていた。

こんな日々が、もう少し続くのだろうと思っていた。

そう、思っていた...のに。
 

魔法少女まどか☆マギカ[魔獣編] 2巻 (まんがタイムKRコミックス)

2: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:38:35.00 ID:hGb895QP0



「ね、ねえ、あれって...」ヒソヒソ

「先生...結婚できないからって、ついに禁断の恋に...?」ヒソヒソ


和子「はぁい、暁美さんのお弁当♡」

ほむら「......」

ほむら(どうしてこうなった)


3: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:39:05.95 ID:hGb895QP0


屋上


和子「はい、暁美さん。あ~ん」

ほむら「あの、自分で食べれますから」

和子「そ、そう...」シュン

ほむら「......」モグモグ

和子「......」チラッ

ほむら「......」モグモグ

和子「......」ソワソワ

ほむら「...そ、その、おいしいですよ。中身も健康的ですし」

和子「!そ、そう!?」パァッ

ほむら(なんでこんなことに)


4: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:39:44.29 ID:hGb895QP0



ほむら(思い返せばそう...あれはハロウィンの日のホームルームの時...)


*******************************

ハロウィンの日

ガララ

和子「はぁ~い、それでは出席を取りま~す」ドヨ~ン

さやか「おやおやこれは...」ヒソヒソ

杏子「おおかた、付き合ってた男に全裸で猛アピールでもして逃げられたんだろ」ケラケラ

まどか「いやあ、それはちょっと...」



5: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:40:15.12 ID:hGb895QP0



和子「もし付き合ってる彼女が、ハロウィンの日にコスプレをしてきてトリックオアトリートをしてきたらどうしますか?はい、中沢くん!」

中沢「え、えっと...イタズラしてもらおうかなぁ~なんて...」

和子「欲望に忠実でよろしい!男子の皆さんは、サキュバスの恰好をして誘惑してきた10歳年上の彼女にドン引くような男には絶対にならないように!」

中沢「!?」

杏子「うげっ、当たっちまったよ」

さやか「むしろもっとヒドイ気がするわ。...ああ、想像したくない」

まどか「サキュバス姿の先生か...ちょっと可愛いかも」

さやか「冷静に考えてみなよまどか。35歳の年増のサキュバスなんて、誰がよろこ」

和子「」ギロッ

さやか「!?」ゾクッ

さやか(い...いまの感覚はなに?まるで、一瞬にして全身の爪を剥がされるような悪寒が...)

まどか「違うよさやかちゃん。熟れた果実だからこそだよ。そこに価値があるんだよ」

和子「」ニコリ

*******************************


ほむら(まどかのあの台詞、どこかで聞いたような...って、そうじゃなくて。その夜のことだったわね)



6: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:41:11.02 ID:hGb895QP0


*******************************



デビほむ「~♪」クルクル

QB「毎度毎度ご苦労なことだね。独りで踊っていて空しくないのかい?」

デビほむ「うるさいわね、黙りなさいよ淫獣」フミッ

QB「キュゥッ...しかしきみ。学生服ならいざ知らずその恰好で踊り狂ってるのは感情の無い僕でもどうかと思うよ」

デビほむ「あら、いいじゃない。今日はハロウィンよ?これ以上にコスプレ染みた格好なんていくらでもあるじゃない」

QB「いや、こんな崖っぷちでその恰好でしかも一人で踊るなんて通報ものだと思うよ。痴女だよ痴女。まあ、きみの未発達で凹凸のない少年のような肢体ならその恰好でも厳重注意くらいですむかもしれないけど」

デビほむ「」ゲシッ

QB「やめてよ」

「―――――――――――――」

デビほむ(なにか聞こえる?)

和子「うぅ...ひっく...」グスッ

デビほむ「」


7: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:42:11.26 ID:hGb895QP0



和子「男なんて...男なんて...!」

デビほむ(あー...これ、フラれてヤケ酒飲んだ感じね。かなり顔赤いし、足もフラフラしてるし)

和子「んん~?暁美さんじゃなぁい」

デビほむ(見つかっちゃった...)

デビほむ「...どうも」

和子「んまっ、なんて恰好してるの!そうやって男でも誘ってるの!?」

デビほむ「いえ...ハロウィンですし。こんなところ、人なんてほとんど通りませんし」

和子「いけませんよ、いけませんっ!年頃の女の子が、そんな肌を露出するなんて!先生、許しませんっ!」

デビほむ(年増サキュバスに言われたくないんだけど)

和子「ほらほらぁ、教育的指導してあげるから早く来なさいな」

デビほむ(愚痴に付き合えってことね...仕方ないわね)ハァ

*******************************


8: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:43:19.92 ID:hGb895QP0


ほむら(で、屋台で泣きながらの愚痴を延々と聞かされて...それで)

*******************************

チュンチュン

ほむら「ん...」モゾ

ほむら(あれ...ここ、私の家?いつの間にベッドに?)

和子「お、おはよう暁美さん」

ほむら「...?」

ほむら(なんで先生が私の家に?)

和子「その、ご飯作ってあるから、食べてちょうだいね」モジモジ

ほむら「はぁ...」

ほむら(なんかよそよそしいわね...あれ、なんかスースーするような)

ほむら「......」ペタペタ

ほむら(...私、なんで全裸なの?)

和子「......///」

ほむら(なんで顔赤らめてるのおおおぉぉぉ!?)


9: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:44:14.04 ID:hGb895QP0


*******************************

ほむら(その後はもの凄く気まずかったわ...なんか心臓が締め付けられるような苦しみのまま、お互い無言で朝食をとって...)

ほむら(先生が帰る時に『昨日のことは...私の中で留めておくから』なんて言い残すし...)

ほむら(しかも3日後くらいに...)

*******************************

まどか「先生、その指輪綺麗ですね」

和子「ありがとう」フフッ

さやか「でも、どこかで見たような...」

杏子「あー、アレだ。ほむらのソウル...じゃなくて、指輪」

ほむら「!?」バッ

まどか「ほむらちゃんとお揃いなんですか?」

和子「ええ」

まどか「仲良しなんですね!」

和子「ええ。まぁ...まあ///」

ほむら「」


10: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:44:47.82 ID:hGb895QP0


*******************************

ほむら(あれには教室では放課中居眠りするフリで誤魔化してきた私でも全力で逃げ出したわ)

ほむら(しかも、その日を皮ぎりに、毎回お弁当まで持ってきて一緒に食べようとするわ、お手製の編み物を作ってくるわ...)

ほむら(しまいには、私たちが付き合ってるとかいう噂も流れ始めるわ...)


ほむら「どうにかならないものかしら...」

さやか「......」


11: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:45:35.75 ID:hGb895QP0


さやか「なんであたしに愚痴ってるの?」

ほむら「ほら、あなた私のことを知ってる円環組だし。百江なぎさに聞いても...ねぇ?」

さやか「そりゃ、まあ...そうだけども」

ほむら「それに失恋マスターのあなたならどうにかできるんじゃないかと思って」

さやか「ぶち殺されたいのかクソレズデビル」


12: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:46:45.89 ID:hGb895QP0



ほむら「違うのよ!レズじゃないのよ!」ガタッ

さやか「おわっ!?」ビクッ

ほむら「そりゃあまどかを裂いた時はテンション上がって愛だのなんだの言っちゃったけども!あれはあくまでも友愛の意味なのよ!LOVEじゃないの、LIKEなの!」

さやか「わ、わかった、わかったから」

ほむら「なのにみんなして私のことをガチ百合だのクソレズだのサイコレズだの、しまいには年増サキュバスにまで穢されて...うあああああ!」

さやか「だ、大丈夫だから。いまのさやかちゃんは味方だから!ちゃんと話聞いてあげるから!」



13: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:47:13.39 ID:hGb895QP0



さやか「で、あたしにどうしろと」

ほむら「こう、先生とうまいこと別れつつ、いまのイメージを払しょくできないかなって」

さやか「先生と別れればいいだけじゃない?」

ほむら「考えが浅いわね。そんなことをした日には」


『え~、あの子、先生を抱いた癖に一方的に捨てたの?さいってい』
『あんな子に弄ばれて先生カワイソー』
『不動高校だったら殺されるよね』
『っていうかあの子、転校してきたばっかりの鹿目さんにも抱き着いてたよね?』
『女なら誰でもいいんじゃない?』
『うわっ、コワッ!あたしらも犯されるんじゃないの!?』
『エンガチョ!エンガチョ!』

ほむら「...なんて噂がとびかうに決まってるわ。そしたら色んな意味で耐えられなくなりそうよ」

さやか「そんなドロドロしてないから。あんたクラスの人たちなんだと思ってんのさ」

ほむら「万年ぼっちの私には信頼できる人なんていないのよ」


14: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:48:44.66 ID:hGb895QP0


さやか「っていうか、あんたアレがあるじゃん。手を叩いてあたしの記憶消すあれ」

ほむら「...無理よ。あれ、魔法少女にしか効果がないもの」

さやか「そうなの?」

ほむら「ええ。試してみたけど、全く効果がなくて。むしろ『あら、猫だましの練習かしら。そろそろ火ノ○相撲にも出てくるころだと思うのよね。蛍くんもあれだけのことをやったし』って食いついてきて」

さやか「その謎のチョイスは一体...」


15: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:49:37.57 ID:hGb895QP0


さやか「...仕方ない。今回ばかりはさやかちゃんが力を貸してあげる」

ほむら「お願い、さやかあちゃん」

さやか「...どーしよっかな~。そんな態度とるなら」

ほむら「冗談です!謝りますから力を貸してください美樹さやか様ぁ!」ブワッ

さやか「わ、わかった!わかったからいちいちそんなに全力で反応しないで!」


16: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:50:59.61 ID:hGb895QP0



翌日

さやか『要は、あんたがフるんじゃなくて、あっちから愛想つかせばいいんだよ。先生だって立場があるからあんたの悪評とかばら撒こうとはしないだろうし』

ほむら(なんて言われたけど)

さやか『例えば、部屋が汚いとかどうよ?女子で汚いのは結構引かれる要素だよ』

ほむら(そもそも散らかるほど物がないのよね)

さやか『じゃあ、あれだ。デリカシーのない女は幻滅されるよ。例え?えーと、腕を怪我して二度とバイオリンを弾けないって気が滅入ってる人のお見舞いにバイオリンの曲のCDを買っていくようなことをしてれば、退院したことを教えられない程度には...違うからね?泣いてないからね?』グスッ

ほむら(たぶん、これが一番実現性があるわ)

ほむら(とはいえ、私に器用な台詞まわしが出来るとは思えない...なら)




17: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:51:41.45 ID:hGb895QP0



翌日 昼食

和子「はい、どうぞ」

ほむら「いただきます」

和子「......」ニコニコ

ほむら「......」モグモグ

ほむら(さて、そろそろ切り出し時ね。...大丈夫、一晩脳内トレーニングしてきたもの。きっと上手くいくわ)


18: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:52:16.16 ID:hGb895QP0


ほむら「...はぁ」

和子「どうしたの?」

ほむら(本当はとてもおいしいけれど、ここは心を悪魔にして...)

ほむら「...相変わらず美味しくないですね、これ」

和子「えっ」

ほむら「そろそろ言おうと思ってたんですけど、ハッキリ言って不味いんですよ先生の料理」

ほむら「例えば、この卵焼き...その、言葉が出ないけれどそんな感じで、他のも似たような感じです」

和子「そ、そう...ごめんなさい」

ほむら(ごめんなさい、ホントごめんなさい!)

ほむら「だからこんなものは」スッ

和子「!」

――――――――

教室

杏子「食いものを粗末にするんじゃねえ!」

まどか「ウェヒッ!?」ビクッ

さやか「いきなりどーしたのさあんた」

杏子「あ、いや。なんか言わなくちゃいけない衝動に駆られて」


19: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:53:05.49 ID:hGb895QP0

――――――――


屋上

ギギギ

ほむら(な、投げ捨てようとしたところを抑えられた...)

和子「...暁美さん」キッ

ほむら「な、なんですか」ビクッ

和子「私に気を遣ってマズイご飯を今まで我慢してくれたのは、正直なところ嬉しいわ。でも」

和子「食べ物を粗末にしてはいけない...わかるでしょう?」

ほむら「あ、あの...その...」オドオド

和子「食べたくないなら、そう言ってくれれば私が持ち帰ります。強要するつもりもないですから」

和子「けれど、捨てるという行為は相手が捧げた時間をも捨て去るということで(略)」

~数時間後~

ほむら「すごく叱られた...」グスッ

さやか「えぇ...」


20: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:53:42.32 ID:hGb895QP0



さやか「てか、あんたなんで泣いてんのさ」

ほむら「仕方ないじゃない!あんなに正面から怒られたのは初めてで...」エグッ エグッ

さやか「なにか言い返すことはできなかったの?ほら、これ以上言うなら別れるぞみたいな感じで」

ほむら「言えるわけないじゃない...お説教の間、ずっと心臓がバクバクしてて...頭の中も真っ白で...」

さやか「ヘタレか。やっぱあんたヘタレなのか」

ほむら「悪魔になっても心臓の強さは変わらなかったのよ...」


21: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:54:26.42 ID:hGb895QP0


さやか「まあ、とにもかくにも。そのままじゃあんたのメンタルが持ちそうにないから、謝りに行ってきなよ」

ほむら「え、えっと...」

さやか「どうした?」

ほむら「喧嘩したときって、どうやって謝れば...?」

さやか「は?」

ほむら「その、魔法少女絡み以外で喧嘩なんてしたことがなくて...謝るだけならできるんだけど、正しい謝り方とかは...どうすれば...」

ほむら「機嫌損ねたら、また怒られちゃいそうだし...」ブルッ

さやか(なにこの子。スゴイ面倒くさいんだけど)


22: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:55:44.42 ID:hGb895QP0


翌日

スーパー

ほむら(結局、美樹さやかは呆れて私に丸投げしてしまったわ。まあ、元々は私の問題なんだけど)

ほむら「今日は休日...先生に謝るのは明日まで持越しね」ハァ

ほむら(いつもは休日でもお構いなしに朝食を持ってくるのに...やっぱりすごく怒ってるのかしら)

ほむら「...って、なんで別れるのが惜しい雰囲気になってるのよ。違うでしょ」


詢子「あたしが出すからいいって」

和子「嫌よ。こういう時は割り勘って決めてるの」



ほむら(ん?あそこにいるのは...先生と、まどかのお母さん?)

ほむら(買ってるのは...ワインね。それも結構な量の。お会計も割り勘してるということは、一緒に呑むつもりかしら)

ほむら(え?なにこのデジャヴ?『昏睡レ○プ!野獣と化した先生 二章』の始まりなの?)

ほむら「ま、まあ、別にいいんじゃないかしら?私よりも先生の方が悪魔だったってだけの話よね」

ほむら「別に気にしてなんかないわ。ふーっ、やっと肩の荷が降りたわ。いやー、スッキリしたわー」



23: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:56:45.25 ID:hGb895QP0



鹿目家

和子「ごめんなさいね。付き合ってもらうことになっちゃって」

詢子「今さらなに言ってんのさ。あたしらはそういうのを遠慮する間柄じゃないだろー?」

詢子「今日は休日だからね。あんたがスッキリするまで付き合ってやるさ」

和子「ありがとう」



鹿目家 庭

ほむら(...別に、気になってきたわけじゃないわ)

ほむら(先生がまどか以外の誰を抱こうが知ったこっちゃないわ。もしも二人がベッドインしても私は止めないわ)

ほむら(先回りして家の中に盗聴器を仕掛けたのだって未練があるわけじゃないわ。ただ、私は証拠が欲しいだけよ。そう、先生が私を捨てたっていう証拠が)

ほむら(だからこれは断じて浮気調査なんかじゃないわ。そもそも私たち別に付き合ってる訳じゃないし!教師と生徒とかありえないし!)

ほむら「そう...嫉妬心なんかないのよ...私は安心したいだけで...」ブツブツ



24: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:57:45.94 ID:hGb895QP0


※ほむらは二人の会話を盗聴器で聞いています。

鹿目家

詢子「で?悩みってなんだい?」

和子「暁美さん...ウチの生徒のことなんだけどね」

詢子「ああ、まどかにリボンをくれた」

詢子「その子の話ならよく聞くよ。会ったときはちょっと不気味だったって」



鹿目家 庭

ほむら「うぐっ...あ、改めて言われるとキツイわね」


鹿目家

詢子「いきなり抱き着いたり秩序がどうとか語り始めるのは勘弁してほしいなぁ~とか」

詢子「なんか動きがイチイチくねくねしてて正直気持ち悪いとか」

詢子「それと、たまに独りで踊ってるところを見るとこっちまで寂しくなるとか」



鹿目家 庭

ほむら(もう止めて!私のメンタルをこれ以上抉らないで!)グスッ



鹿目家

詢子「でも、悪い子じゃないから放っておけないらしいんだ」

詢子「それに、優しいところがあるからそうやって悪い子を演じてるようにしか見えない」

詢子「だから、私とちゃんと向き合って欲しい。それで、友達になれたらいいなぁってね」



鹿目家 庭

ほむら「まどか...」ウルウル


25: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:58:52.30 ID:hGb895QP0


鹿目家

和子「...そう。よかった、ちゃんとあの子を見ている子もいたんだ」

詢子「そういや、あんたとほむらちゃんが付き合ってるとかいう噂も聞いたんだけどさ、そこのところどうなのよ」

和子「え?なに言ってるの?」

詢子「毎日弁当作ったりお揃いのアクセサリー付けたりしてたんだろ?」

和子「あー...でも私たち付き合ってないわよ」

詢子「そこまでやってか?」

和子「そういうつもりでやってないもの。そもそも教師と生徒の恋愛はご法度でしょ」



鹿目家 庭

ほむら「なん...だと...?」

ほむら(え?なに?今までのアレは全部あの人のお遊びだったってこと?)

ほむら(それともアレ?まどかのお母さんに迫るために嘘憑いてるの?そこまでクソヤロウだったの?)

ほむら(って、なんで私はショック受けてるのよ。わけがわからないわ!?)


26: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 02:59:37.60 ID:hGb895QP0


鹿目家

詢子「じゃあ、なんでそんなことしてたのさ」

和子「...ハロウィンの日の夜にね、ヤケ酒飲んでブラブラしてたら、露出の凄い衣装で独りで踊ってたあの子を見つけたのよ」

和子「その姿があんまりにも寂しそうだったから、つい屋台に連れ込んでしまったの」

詢子「未成年に酒飲ませたのかい」

和子「まさか!屋台には入ったけど、お酒なんて飲ませてないし、私も飲んでないわよ。ちゃんとノンアルコールかジュースで済ませたわ」



鹿目家 庭

ほむら「えっ」




27: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 03:00:24.64 ID:hGb895QP0


ほむら(呑んでない...いやいや、それはない。うん、ナイ。じゃなきゃこんなことには)

『けど、雰囲気酔いっていうのかな...あの子、ベロンベロンに酔っちゃってね』

『急に泣き出すわ、マドカァーって叫びだすわ』

ほむら(なにやってるの私!?)

『終いには、ちょっとだけよぉ~んとか少し古いネタを言いながら靴下から脱ぎ始めて、気が付けば全裸になってたし...』

ほむら(ホントになにやってるの私!?)

『それで興奮して襲っちゃったの?』

『まさか!私どころか屋台のおじさんも一切興奮してなかったわ。壁を見て欲情する人なんてそういないでしょ?』

ほむら(だ ま り な さ い !)




28: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 03:01:09.92 ID:hGb895QP0



『家に運ぶなり、ちょっと目を離した隙にすぐ服を脱いじゃうから、仕方なく布団を被せて寝かせたのよ』

ほむら(...たぶんアレね。酔ってたからデビルモードを上手く制御できてなかったのね)

ほむら(え?なに?じゃあ、全部私の早とちりだったってこと?)

ほむら(恥ずかしいどころの騒ぎじゃないわよ!穴があったら永眠したいくらいの勢いよ!)

ほむら(でも、なんであんなこと...)




鹿目家

詢子「じゃあ、なんで紛らわしい真似してたのさ」

和子「そういうつもりじゃなかったんだけどなぁ...あの子が酔い潰れた時、ちょっとだけ零してくれたの」

和子「『いつも私だけ』...って」

和子「それで、あの子は寂しかったんだと思ったの。誰にも頼れなくて、頼り方を知らなくて...だから、いつも1人でも平気だって振る舞ってる。そんな気がしたの」



鹿目家 庭

ほむら「......」


29: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 03:01:39.29 ID:hGb895QP0


鹿目家

詢子「それが通い妻みたいなのと何の関係があるのさ」

和子「...時々ね、凄く怖い夢を見るの」

詢子「夢ェ?」

和子「その夢ではね。私が先生をやってて、生徒達と過ごしているいつも通りの光景なの。でも、ある日、1人の子が消えてしまうの。学校からも、自宅からもサッパリと」

和子「訳が分からないわよね。でも、おろおろと迷ってたら、また1人いなくなって。その子がいなくなったのは私のせいだとずっと泣いてる子もいて。それからも、何度も、何人もいなくなって、色んな子が悲しんで...」

和子「気が付けば、生徒は誰もいなくなってた。いつも、何にも知らないまま、私だけが取り残されるの」

和子「それで、いつも思うの。『もしも私があの子たちのことをちゃんと見ていたら』『もしも私があの子たちの声を受け取っていたら』...って」



30: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 03:02:07.78 ID:hGb895QP0


詢子「それで、ペアルックとか弁当作ったりしたのは...」

和子「気付いてほしかったから...かな。『私はちゃんとあなたを見てる』『頼りたい時には頼って欲しい』って」

和子「ああいう年頃の子に上辺から言ったところで通じにくいのよ。やっぱり互いに遠慮しちゃうところもあると思うし」

和子「もしかしたら、あの子の抱えてるものは、私なんかじゃ解決できないことなのかもしれない」

和子「でも、相談に乗ることくらいはできるかもしれないから、遠回りだしお節介だとは思ったけど、行動で示せたらいいなって」

和子「...まあ、昨日はあの子に気を遣わせてたことがわかっちゃったし、私もついカッとなってお説教しちゃったし...やっぱり、ダメな先生ね、私」

詢子「...ま、確かにやりすぎだとは思ったけどさ、でもあんたのやったことは無意味じゃないと思うよ」

詢子「最近、まどかからよく聞くんだ。あんたと絡み始めてから、ほむらちゃんの目の隈が薄くなったとか、表情が柔らかくなったとか、肌ツヤも健康的になったとか」

詢子「もしもその子が本当にあんたを疎ましく思ってたら、そうはならないと思うよ」

和子「...そっか。無意味じゃ、なかったんだ」ジワッ

詢子「あ~もう泣け、泣いちまえ!今日はあたしが受け止めてやるから」

和子「うん...ありがとう」


鹿目家 庭

ほむら「......」




31: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 03:03:06.51 ID:hGb895QP0



翌日

ほむら「先生」

和子「なぁに?」

ほむら「少し、時間をいただいてもいいでしょうか」

和子「ええ、勿論よ」




32: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 03:04:59.96 ID:hGb895QP0



屋上

ほむら「これ...」スッ

和子「あら、お弁当?」

ほむら「私、先生のを見て自分で作れるようになりましたから」

ほむら「だから、そんなに気を遣ってくれなくても大丈夫です」

和子「...そう。よかったわ。でも、困ったことがあったら、ちゃんと頼るのよ?」ニコッ

ほむら「はい。ありがとうございました」


33: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 03:05:44.91 ID:hGb895QP0


―――――――――――――――


ほむら「おはようございます」

和子「はい、おはよう」



まどか「最近、ほむらちゃんと先生の距離が近くなった気がするよね」

杏子「でも、弁当は作ってもらってないんだろ?ほむらは自分の分だけ作って相変わらず1人で食ってるしさ」

まどか「ほむらちゃん、他の人への人当たりも柔らかくなったし、入りたくなったら教えてくれるよ」

杏子「ま、それはそれとして。やっぱり先生とは別れちまったのかな。ペアルックも止めたみたいだけど」

まどか「どうだろう...聞いても教えてくれないだろうしね。でも、喧嘩別れじゃないと思うよ」

杏子「それだったらあんなに爽やかにできないもんな」



ほむら(もう過ちなんて絶対に侵したくないと思ってたけど...こういう過ちなら、案外悪くないかもしれないわね)



終わり


34: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 03:07:01.19 ID:hGb895QP0


おまけ

さやか「そういや、ハロウィンっていえばさ、あれ思い出すよね」

ほむら「あれ?」

さやか「ちが、いますぅ。わたしはかぼちゃ」

ほむら「黙れラズベリー」



35: ◆do4ng07cO. 2016/10/31(月) 03:08:04.31 ID:hGb895QP0

終わりです。
申し訳程度のハロウィン要素でした。


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