1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:00:21.088 ID:UBjhiz1z0
岡部「ダル、この日記に心当たりはあるか?」
ダル「お初にお目にかかる……と思ったら、それ、よく見たら牧瀬氏のじゃね?」
岡部「それは本当か!?」
ダル「たぶん。だって、表紙の下の方に記名してあるしおすし」
岡部「ふむ。『栗御飯とカメハメ波』……か。間違いなく奴の固定ハンドルネーム、だな」
ダル「でしょ?」
岡部「つまり、このふざけた観察日記をクリスティーナが書いた、ということか。ぐぬぬ……許せんっ!!」
2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:02:22.971 ID:UBjhiz1z0
ダル「で、どうするん?」
岡部「当然、クリスティーナにはそれ相応の報いを受けて貰う。が、しかぁーし!」
ダル「オカリン……まさか……」
岡部「その前に、この観察日記とやらの中身を覗くこととしよう」
ダル「いや、でも、さすがに不味いんじゃね?人の日記を勝手に読むのは……」
岡部「何を言う!この日誌のタイトルから推察するに、観察対象はこの俺!よって、その内容を読む権利が俺にあるのは自明の理の筈だ!!」
ダル「そりゃそうかもだけど……」
岡部「かも、ではない!これは既に決定事項だ!!」
7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:04:19.495 ID:UBjhiz1z0
ダル「なら、好きにすれば?牧瀬氏の日誌とか、僕も気になるし……」
岡部「では開くぞ!!運命石の扉を!!」
ペラッ
『○月X日。曇天。
本日より、鳳凰院凶真こと、岡部倫太郎の観察日記をつけることにする。
本日記の目的は、これまで出会った人物の中で最も不可解且つ、不愉快な存在である、鳳凰院凶真、本名岡部倫太郎の生態の調査並びに、その日観察対象より受けた被害を克明に書き記し、後々の研究や訴訟に役立てることである。
尚、本日記において鳳凰院凶真こと岡部倫太郎の名は以後、『岡部』に統一することにする。
以下、本日の被害。
今日も岡部は私のことを名前で呼ばない。
岡部は高確率で私のことを『助手』、もしくは『クリスティーナ』と呼び、また悪意をもって『ザ・ゾンビ』や、『セレブ・セブンティーン』(略して、『セレセブ』)のような侮辱的な呼称を用いる。
他のラボメンにも同様にあだ名を付けたがる傾向はあるが、その数と種類、内容の悲惨さにおいて私よりも酷い者は居ない。
どうして、私ばっかり……。』
9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:06:15.171 ID:UBjhiz1z0
ダル「おぅふ……」
岡部「随分……気にしていたんだな」
ダル「これはオカリンが全面的に悪いと思われ」
岡部「わ、わかっている!これからは、『牧瀬プリン』と呼ぶ回数を増やすことにする!」
ダル「オカリン……それは逆効果じゃ…?」
岡部「む?ならば、『蒙古斑』とでも呼べばいいのか?」
ダル「ダメだこりゃ……」
岡部「何を呆れている!次のページに進むぞ!!」
ペラッ
『○月X日。晴れ。
今日は5回岡部と会話した。
いつも通り、支離滅裂な妄想与太話ばかりほざいていたので、きっぱり論破してやった。
実に気分がいい。
明日は10回岡部を論破してやろう。』
12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:08:12.156 ID:UBjhiz1z0
岡部「ぐぬぬ……ク、クリスティーナめぇ!」
ダル「オカリンよえー。弱すぐる」
岡部「ふんっ!俺は助手には寛大なのだ!なにせ、奴はプライドばかりは一人前だからな。だから、年長者として、精神年齢でも上なこの俺が、あえて折れてやったにすぎん!」
ダル「とりあえず、涙拭けよ」
岡部「泣いてなどいないっ!ええい!次のページにいくぞ!!」
ペラッ
『○月X日。雨のち晴れ。
今日は岡部が素っ気なかった。
何を言っても生返事で返してくる。
まるで、言い負かした翌日の父のような態度だ。
嫌われてしまったかも知れない。
そう思って俯いていると、岡部はおもむろに口を開いて、また支離滅裂なことを言い始めた。
どうやら、昨日の話題を自分なりに理論武装してきたようだ。
岡部は父とは違うとわかり、嬉しかった。
同時に、嫌われていたわけではなかったので、安心した。
別に、岡部の私に対する好感度を気にしているわけではないけれど、それでもなぜか、ほっと、安堵してしまった。
もちろん、一晩練り上げたその屁理屈を、私はばっさり切り捨てたわけだけど。』
14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:10:26.835 ID:UBjhiz1z0
ダル「オカリンちっちぇ~。その上よえ~」
岡部「ふんっ!たまたま、調子が悪かっただけだ!!」
ダル「しかし、飴と鞭とは、なかなかやりますな~」
岡部「何のことだ?」
ダル「無自覚、かぁ。ま、そんなところもオカリンの良いところってことで」
岡部「何を勝手に納得しているのだ!次いくぞ!!」
ペラッ
『○月X日。土砂降り。
改めて思う。
岡部の周りには女性が多すぎる、と。
ラボ内でも、ラボから外に出ても、岡部の周囲にはいつも女性の姿が見受けられる。
こいつは研究とかなんとか言いつつ、ハーレムを作りたいだけなんじゃないだろうか?
ラボでまゆりさんといちゃこらして、メイド喫茶でフェイリスさんと2人だけの世界を構築し、帰り際に漆原さんを誘惑した挙句、道すがらに桐生さんと阿万音さん、ついでに綯ちゃんまで口説いていた。
綯ちゃんを口説いているところを見つかり、ブラウン管工房の店長さんに怒られていたのを見て、少しは溜飲が下がったのだが、自重して貰いたい。
ま、私には関係ないんだけどねっ!』
15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:12:41.031 ID:UBjhiz1z0
ダル「これには僕も激しく同意」
岡部「なっ!?ダル!裏切るのかっ!?」
ダル「裏切るも何も、ラボメンの男女比の偏りは誰の目から見ても明らかですしおすし……」
岡部「では、準ラボメンにミスターブラウン氏と、レスキネン教授、そしてルカ子の父君である漆原氏も招こうではないか!」
ダル「あーそうすると、オカリンは間違いなく掘られるけど、それでも問題ないの?」
岡部「そ、それは困るっ!……まぁ、いい。現状維持だろうが、俺には頼れる右腕である、お前がついているのだからな!」
ダル「ウホッ!」
岡部「変な意味に取るな!!そんなことよりも、次のページだ!!」
ペラッ
『○月X日。晴れのち曇りのち雨。
今日は私の飲みかけのドクぺを岡部が間違って飲んだ。
きゃっほー!関節キスだぁー!……って、べ、別に嬉しくなんてないんだからなっ!!
むしろ不快だし、もう二度と飲めない。
でも、さすがに捨てるわけにもいかない。
そう、粗末にするのはいけないことだ。うん。
だから、仕方なく岡部が口をつけてしまったドクぺを飲もうとしたのだけど……
岡部『ダル、お前も飲むか?』
ダル『あざーす。ごくごく……ぷはぁ~!』
って、何だそりゃ!?
私のドクぺを回し飲みするなっ!!
確定した。
ダルこと橋田至(以後、『橋田』と記載)は、私の敵であると。
橋田、死すべし。』
16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:14:58.439 ID:UBjhiz1z0
ダル「ひぇぇ……」
岡部「飲み物とは言え、食べ物の恨みは恐ろしいな」
ダル「いや、これはもっと根深いというか何というか……」
岡部「仕方ない、後で謝っておくか。……気をとり直して、次に進むぞ!」
ペラッ
『○月X日。暴風雨。
前々から思っていたけれど、猫耳メイドのフェイリスさん(以後、『猫耳』と記載)が、岡部に対して馴れ馴れしすぎると思う。
明らかに客に対するスキンシップの範疇を超えている。
今日なんて、これ見よがしに岡部の腕にしがみつき、その豊満な胸を嫌味ったらしく押し付けていた。
それに対して岡部は、表面上は困りつつも、鼻の下を伸ばして満更でもないようだ。
胸なんてただの飾りだってことを、岡部には分からんのですかっ!?
思えば、ラボメンの女性はみんな胸が大きい。
まゆりさん、阿万音さん、桐生さん、そして猫耳。
胸が小さいのは私と、漆原さんだけだ。
そして漆原さんは男。だが、男なのだ。
早急に比屋定先輩をラボメンに加える必要がある。あーだけど、そうしたら私のアイデンティティがー……。
むしゃくしゃする。
今日はもう寝よう。』
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:16:43.912 ID:UBjhiz1z0
ダル「オカリンって巨乳好きだったん?」
岡部「そんなわけあるかっ!」
ダル「だったら牧瀬氏に『レモンちゃん可愛いよ』って……」
岡部「逆効果だろう!?」
ダル「えぇ~ルイスたんだったらこれでイチコロなのに……」
岡部「アニメと現実を一緒にするな!とにかく、次のページに進むぞ!!」
ペラッ
『○月X日。快晴。
今日は岡部の洗濯物を手に入れた。
白衣はもちろん、シャツ、ズボン、そして……ふひひっ、し、下着まで。
おっと、鼻血が。
岡部の下着を汚したら大変だ。
自重せねば。
と、思ったら、よくよく見ると私が汚す前に、既に汚れているようだ。
光に翳すと、うっすらと、岡部のうんスジが……フハッ!
素晴らしいサンプルである。
丁重に扱い、今後の研究に活かそう。
私はこの、『岡部のウンパン』によって、世界の支配構造を打ち砕くのだっ!!
フゥーハハハハハハハハッ!!!!』
18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:18:35.391 ID:UBjhiz1z0
ダル「おや?牧瀬氏の様子が……」
岡部「フッ……」
ダル「オ、オカリン……?」
岡部「フゥーハハハハハハハハッ!!!!」
ダル「ど、どうしたん?ウンパン盗まれて、気でもふれたん?」
岡部「違う!俺は正気だ!!」
ダル「それなら良かったお」
岡部「ああ、良かった。おかげで俺は、ついにクリスティーナの弱みを握ることが出来た!」
ダル「その引き換えにウンパンを盗まれてしまったわけだけど、それについては構わないわけ?」
岡部「構わんっ!!さぁ、もっとクリスティーナの弱みを暴くぞ!!」
ダル「この辺でやめておいた方が……」
岡部「俺の辞書に『撤退』などという言葉はない!ここまで来たら、読み進めるのみ!!」
ダル「オカリンあんた……最高に輝いてるよ…」
岡部「一気に読み進めるぞ!!」
ペラッペラッペラッ……
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:20:46.860 ID:UBjhiz1z0
『○月X日。曇りのち雨。
今日は岡部の女性関係についてまとめてみる。
まず、椎名まゆり。
彼女は岡部の幼馴染であり、彼との関係は友達以上恋人未満と言ったところだ。
本人曰く、『岡部の人質』であり、相互依存関係であるとも言える。
しかし、これまでの観察結果を見るに、岡部との関係はそれ以上に進展する兆候は見受けられない。
その為、危険度としては低いが、彼女が本気を出せば余人の立ち入る隙はないと、明記しておく。
次に猫耳。
先日の観察記録の通り、岡部に対する過剰なまでのスキンシップが目に余る。
今の所岡部が彼女に惹かれている様子はないが、この泥棒猫は要注意である。
次に阿万音鈴羽。
性格も行動も体育会系な彼女は、ネクラでインテリのひ弱な私にはない魅力を備えている。
快活且つ、開けっぴろげな性格に、岡部も心を許してる節が随所に見受けられる。
顔もかなり整っていて笑顔がキュートだ。
おまけに声も可愛い。
大事なことなので、もう一度繰り返す。
声も可愛い。
次に桐生萌郁。
ブラウン管工房でアルバイトしている彼女については、本人が寡黙な為、詳細な情報は収集出来なかった。
岡部との関係性も、目立った接点は見受けられないが、たまに岡部が挙動不振に陥ることがあるので、因縁浅からぬ相手なのかも知れない。
特筆すべき点があるとすれば、ラボ随一の巨乳である。
繰り返す、巨乳である。
次に漆原るか。
私よりも女らしく、巫女服がとてもよく似合う、美少年である。だが、男なのだ。
常時岡部に好き好き光線を照射しているが、彼は男である。
それに対して岡部は基本的には友人として、節度ある振る舞いを心がけているようだが、ときどき魅力されているようだ。
だが、漆原さんは男だ。
岡部が間違った道に進まないよう、気を配る必要がある。
だって、彼は男なのだから。
最後に橋田。
岡部の右腕という地位を確固たるものとしている彼は、岡部にとって良きパートナーであり、友人であり、有能な人材である。
彼の存在によって、私がどれだけ努力しても、岡部の右腕にはなれない。悔しい。
しかし、必然的に岡部の左腕はフリーということになり、つまり、その位置に収まる存在こそが、岡部の恋人であると言えるだろう。
その左腕に時折あの猫耳が纏わり付いているのを目撃するたびに、無性にイライラする。
あーもう!橋田死ねっ!!』
ダル「ちょっ!」
岡部「うるさいぞ、ダル」
ダル「だって、こんなのあんまりだお!」
岡部「いいから、黙って読め」
20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:22:40.259 ID:UBjhiz1z0
『○月X日。雪。
今日も猫耳が岡部にちょっかいかけていた。
にゃんにゃんにゃんにゃんうるせぇ!
橋田もヘラヘラヘラヘラしやがって!
橋田、死ねっ!!』
ダル「生きるっ!!」
岡部「そうだな、強く生きろ」
ダル「それにしても、なんだか牧瀬氏の日記の先行きが怪しくなってきますたな」
岡部「フハハッ……そろそろ、爆弾発言が飛び出すやも知れんなぁ。楽しみだ」
21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:24:22.502 ID:UBjhiz1z0
『○月X日。暴風雪。
あの猫耳!岡部の耳たぶに噛みつきやがった!
私だってまだ噛んだことないのに!
事ここに至り、ついに本気で岡部を堕としに来ていると判断した。
速やかに、メス猫の迎撃及び、反撃の準備を進めなければならない。
これは、最優先事項である。』
岡部「ふむ。どうやら動くようだな。ダルよ、ここ最近フェイリスが何か被害を受けた様子はないか?」
ダル「特にそんな様子はないお。でも、女の諍いってのは、水面下で秘密裏に行われるのが世の常なわけで……」
岡部「助手の奴、フェイリスに何かしてなければいいのだが……」
22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:26:50.622 ID:UBjhiz1z0
『○月X日。曇りのち晴れ。
岡部、橋田、並びに猫耳には内密でラボメンガールズを招集し、円卓会議を開催した。
議題はもちろん、近頃目に余る泥棒猫耳メイドの岡部に対する数々のセクシャルハラスメントへの対策についてである。
当初は会議が難航するかに思われたが、他のラボメンガールズ達が思いの外、協力的であり、スムーズに話し合いは行われた。
彼女達にとっても、猫耳の蛮行は許しがたく、また共通の認識として、今の状況を由々しき事態だと思っているようだ。
正直、岡部と猫耳に一番近しいまゆりさんがどんな反応を示すのか予測がつかず、内心ヒヤヒヤしていたのだが、蓋を開けてみれば彼女か最も協力的だった。
まゆりさんがこちらの味方についてくれたのは僥倖以外の何物でもない。
近しい友人として、自らきちんと注意すると確約してくれた。
これで、発情した猫耳への対処は万全だ。
その後、血の盟約を交わし、岡部に対する不可侵条約を結んで、お開きとなった。
もちろん、条約など、気休めに過ぎず、隙あらば岡部を掠め取ろうと画策していることは、盟友達のギラギラとした目つきを見れば明らかだ。
いかに彼女達を敵に回すことなく、岡部に取り入るか、その為の策を迅速に講じなくてはならない。
そしてそれを成し遂げた時、世界の支配構造は打ち砕かれ、岡部は私の手に堕ちるのだ。
フゥーハハハハハハハハッ!!』
ダル「血で血を洗う女同士の骨肉の争い……萎えるお」
岡部「フハハッ!目的はさっぱりわからんが、助手もなかなかどうして、この凶気のマッドサイエンティストたるこの俺に相応しい成長を遂げているようだな!!」
ダル「本日の鈍感主人公スレはここですか?」
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:28:23.259 ID:UBjhiz1z0
『○月X日。曇り。
最近、ラボメンガールズ達の目つきがヤバイ。
警戒心を喚起させたのは迂闊だったか。
こちらの望み通り、互いが牽制し合う状況を構築出来たのは良いが、これでは私も迂闊には動けない。
どうしてこうなった。
それはさておき、比屋定先輩からそろそろアメリカに帰還するよう勧告が来た。
予定滞在日数を大幅にオーバーしているが、この際仕方ない。
何せ、私は未だ、何一つ成し遂げていないのだから。
アメリカに帰る前に、何としてでも、岡部との間に既成事実を作りあげなければならない。
その為なら、私は悪魔に魂を売ってもいい。
決意した。
あらゆる手段を用いて目的を達成する、正真正銘の、マッドサイエンティストになってやる。
あー岡部の赤ちゃんが欲しいよぉ。』
ダル「牧瀬氏が『ヤンデレ』に変貌したお」
岡部「ふむ。助手の奴、なかなかアメリカに帰らないと思ったら、まさかホムンクルスの研究をしていたとはな」
ダル「え?」
岡部「ん?」
25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:30:07.324 ID:UBjhiz1z0
『○月X日。晴れのち土砂降り。
岡部を籠絡するにあたり、様々な方法を吟味した結果、『洗脳』が最適であるとの解に至った。
そもそも、肉体的なアドバンテージは今更語るまでもなく、性格的なアドバンテージさえも他のラボメンガールズ為に大きく水を開けられている私にとって、これ以外の道はない。
そして私は脳科学専攻である為、この手法が得意分野であるとも言える。
これまで他の男の人を籠絡した経験はないけれど。
ともかく、『洗脳』するには岡部の正常の思考を阻害することが必要不可欠だ。
つまり洗脳中に、第三者の介入を入らない状況を作り出す必要がある。
岡部と2人きりで。
私だけが。
私だけの言葉で。
私の思い通りに岡部を『洗脳』する。
ラボメンガールズ達が互いを牽制し合い、身動き一つ取れない今、私の障害となるのは橋田だけである。
橋田……どこまでも邪魔をしてくれる。
どうしてくれようか。
足のつかない毒物でチンするか。
いや、奴はデブだ。
常人では十分致死量であっても、奴をチンするには足らないかも知れない。
下手に生き延びられて、私の悪事が露見するのは避けたい。
さて、どうしたものか。
奴の食事や飲み物に、毎日微量の毒物を混入し、病死と見せかけてチーンする。
これだ。
これなら、奴がどれだけデブでもいずれくたばるだろう。
さながら私は、電子レンジの待ち時間を眺めるが如く、橋田がチーンとなるのを待っていればいい。
ふふっ。
橋田、貴様は我が野望の為、犠牲となるのだ!
フゥーハハハハハハハハッ!!!!』
ダル「僕、ちょっと用事を思い出したから……」
岡部「待てダル!こんな幼稚な脅しに屈するのかっ!?」
ダル「幼稚でも何でもこんなこと書かれてたら怖いに決まってるだろ常考!!チンとか……マジ勘弁。とにかく僕は帰るおっ!!
岡部「お、おいっ!」
バタンッ!
27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:32:25.757 ID:UBjhiz1z0
岡部「まったく……ダルの奴め。こんな見え透いた脅しに引っかかるとは、臆病にも程があるぞ」
岡部「…………脅し、だよな?」
岡部「ま、まぁ、いい!とにかく、続きを…」
ペラッ
『○月X日。快晴。
私の計算が正しければ、前日の日記を読んだ時点で橋田は排除されている筈。
ようやく、邪魔者は居なくなった。
待ってて、岡部。
すぐ、行くよ?』
岡部「な、なんだ、これは……?」
岡部「い、嫌な予感がする」
岡部「逃げるか…?いや、もはや手遅れかも知れん……」
岡部「くそっ。こんな日記にさえ、手を出さなければ………ん?待てよ…?」
岡部「そうだ!日記を読む前にタイムリープすれば!」
バシャンッ!
岡部「なっ!?停電!?いや、ブレーカーが落ちただけか……?」
紅莉栖「おーかべ♪」
岡部「!?」
29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:34:14.007 ID:UBjhiz1z0
紅莉栖「ふふっ。もう、逃さない」
岡部「その声はまさか、クリスティーナ!?」
紅莉栖「ふふふっ。この暗闇の中で、声だけで私だってわかってくれるなんて……嬉しいな」
岡部「に、日記を勝手に読んだことは謝る!!すまなかった!!」
紅莉栖「そんなことは今はどうでもいい」
岡部「えっ……?」
紅莉栖「それよりも、岡部」
岡部「な、何だ?言いたいことがあるなら、聞こうじゃないか。だから、い、命だけは……」
紅莉栖「大丈夫。私はあんたに危害を加えたりしない。だから……じっとして」
岡部「お、おいっ!」
紅莉栖「よいっしょ……と」ストン
岡部「なっ!?」
紅莉栖「ふふふっ。ずっと、岡部の膝の上に座ってみたかったの」
30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:36:06.508 ID:UBjhiz1z0
岡部「ひ、膝くらいなら、いつでも貸してやるが……む、向かい合わせは、その……」ドキドキドキ
紅莉栖「嫌なの?」
岡部「い、嫌とかそういう問題ではなくて…」
紅莉栖「ハッキリしろ!IQ170の灰色の頭脳はそんなこともすぐに答えられないのかっ!?」
岡部「……嫌じゃありません」
紅莉栖「ふふっ。いい子ね。それじゃあ、ご褒美をあげる」
岡部「ご、ご褒美……?」
紅莉栖「そう、ご褒美よ。だから、目を閉じなさい」
岡部「目を閉じろって、この暗闇で何故目を閉じる必要性が……」
紅莉栖「いいから目を閉じろっ!!」
岡部「はい」
32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:38:03.924 ID:UBjhiz1z0
紅莉栖「絶対……開けるなよ?」
岡部「こ、心得た」
紅莉栖「…………はむっ!」
岡部「!?」
紅莉栖「ふむっ……あむっ……ちゅっ」チュッチュッチュッ
岡部「!?!??!?」
紅莉栖「ぷはっ……はぁ……はぁ……」
岡部「じょ、助手よ……お前、何を…?」
紅莉栖「助手じゃない」
岡部「えっ?」
紅莉栖「ちゃんと名前で呼べっ!!」
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:40:09.157 ID:UBjhiz1z0
岡部「わ、わかった。では、改めて聞こう。……紅莉栖、お前は一体何を……?」
紅莉栖「嬉しいっ!」
岡部「なっ!?」
紅莉栖「やっと名前で呼んでくれたっ!嬉しいから、またご褒美あげるね!」
岡部「そ、そんなことより、こっちの質問に……むぐっ!?」
紅莉栖「ちゅっ……ふっ……はむっ」チュッチュッチュッ
岡部「……ぷはっ!さ、さっきから一体何なのだお前は!?」
紅莉栖「あのね、私ね……?」
岡部「ん?」
紅莉栖「岡部のことが好きなの」
岡部「は?」
35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:42:03.450 ID:UBjhiz1z0
紅莉栖「岡部は私のこと、どう思ってる?」
岡部「へ?」
紅莉栖「私のことをどう思っているのかと聞いている!!」
岡部「あっ……う、うむ。お前は俺の助手であり、大切なラボメンでだな……」
紅莉栖「私の聞きたいのはそんなことじゃないっ!!恋愛対象として好きなのかどうか、さっさと答えなさいっ!!」
岡部「れ、恋愛対象として……?」
紅莉栖「ええ、そうよ」
岡部「し、しかしだな、恋愛とはそもそも精神病の一種であり……」
紅莉栖「それ以上くだらないこと言ったら海馬に電極ぶっ刺してお前の脳みそをねるねるねーるねするぞコラ」
岡部「す、好きです!はい!」
36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:44:14.295 ID:UBjhiz1z0
紅莉栖「ほんとに?」
岡部「あ、ああ」
紅莉栖「ほんとにほんと!?」
岡部「ほ、本当だとも!!」
紅莉栖「じゃあ、愛してる?」
岡部「なっ!?あ、愛……?」
紅莉栖「何よ。違うって言うの!?」
岡部「いや、そうではないが……気恥ずかしいというか、何と言うか……」
紅莉栖「ハッキリしないと生きたまま脳みそ輪切りにするぞっ!!」
岡部「あ、愛している!これでいいかっ!?」
37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:46:02.289 ID:UBjhiz1z0
紅莉栖「ふふっ。嬉し♪」
岡部「くっ……この俺が助手の軍門に下るなど……」
紅莉栖「不満なのか?」
岡部「いえ、滅相もありません」
紅莉栖「そ。それじゃあ、荷物纏めて、パスポートを取得して来なさい。一週間以内にね」
岡部「パ、パスポート!?何故そんな物を用意しなければならないのだ!?」
紅莉栖「は?一緒にアメリカに帰るからに決まってるじゃない。馬鹿なの?死ぬの?」
岡部「死にたくありません」
紅莉栖「なら、準備しといてね」
38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:48:02.513 ID:UBjhiz1z0
岡部「しかし、アメリカとは……」
紅莉栖「おや~?もしかして、狂気のマッドサイエンティストともあろう者がびびってるんですか~?」
岡部「び、びびってなどいない!ただ、向こうでの生活費をどう稼ぐか、それを考えあぐねていたのだ」
紅莉栖「ああ、それなら大丈夫。愛玩実験動物として、私がちゃんと養ってあげるから」
岡部「そ、それではまるでヒモじゃないか!」
紅莉栖「そうね。まゆりさんにでも知られたら、『ヒモリン』って呼ばれちゃうかも」
岡部「本気でありえそうだから笑えない……」
紅莉栖「ふふっ。……岡部」
岡部「ん?」
紅莉栖「私のこと、好き?」
岡部「……ああ、愛してる」
紅莉栖「ふふふっ。『洗脳』、成功♪」
FIN
39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:49:04.123 ID:FI8uCl2p0
脳内再生余裕だった
乙
40: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2016/12/15(木) 21:50:15.574 ID:NLdijxfJd
脅迫じゃねーかw
The Sound of STEINS;GATE 魂
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