1: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 21:32:15.74 ID:yQs4LnR6
花丸「え?」
善子「あ、間違えた」
善子「コホン。……えっ!?」
花丸「だから、その……おらは、同性にしか……興味を持てない、みたいなの……///」
善子「へ、へえ……そ、そうなんだ……」
花丸「このこと……今まで誰にも相談できなくて……」
善子「わ……私に言っちゃってるけど……いいの?」
花丸「善子ちゃんになら……いや、善子ちゃんには……言っておきたくて……」
善子「そ、そう……」
3: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 21:35:03.98 ID:yQs4LnR6
善子「あ、安心しなさいよ! 花丸」
善子「このことは誰にも言わないし……」
花丸「善子ちゃん……」
善子「それから……このことで、アンタのことを気持ち悪がったり、引いたりなんかしないから」
花丸「……ありがとう、善子ちゃん」
花丸「善子ちゃんなら、そう言ってくれるって……おら、信じてたずら」
善子「こちらこそ……私のことを信じて、そんな大事なことを相談してくれて……ありがとね」
花丸「そんな……お礼を言うのはこっちの方だよ……」
善子「……ねえ」
5: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 21:38:52.35 ID:yQs4LnR6
善子「同性が……好きなのよね……あなた」
花丸「……うん」
善子「実際、どうなの……? 今まで、誰か……女の子に……」
善子「恋したことって……ある?」
花丸「…………」
花丸「恋……初恋なのか、分からないけど……」
善子「!!」
花丸「好きだった子は……いるかも」
善子「……っ」
6: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 21:42:57.66 ID:yQs4LnR6
花丸「あ……やっぱり過去形じゃないね……」
善子「え……?」
花丸「ほんとはね……今も好き……その子が」
花丸「多分、この『好き』は……友情だけじゃ、ない……恋愛感情が籠ってる」
善子「…………そう」
善子「……その子は……アンタのことが好きかどうか以前に……異性が好きかもしれないから……」
花丸「……うん……」
善子「思い切って告白しなさいよ! ……というアドバイスもできないわね……」
花丸「そうだね……」
8: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 21:47:15.81 ID:yQs4LnR6
善子「その子って……この学校に通ってたり、する?」
花丸「……うん」
善子「そっか……。やっぱ、1年生?」
花丸「……うん」
善子「あー……やっぱりそっかぁ……」
善子「そうよね……あの子かぁ……」
花丸「ルビィちゃんはおらの大切な大切な親友だけど、ルビィちゃんじゃないよ」
善子「…………え?」
11: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 21:52:05.27 ID:yQs4LnR6
花丸「ルビィちゃんのことも大好きだけどね……これは、間違いなく友情」
花丸「恋愛感情とは違うかな」
善子「へえ……意外ね」
花丸「ルビィちゃんと中学で知り合えたことはマルにとって、とても幸せな出来事ずら」
善子「…………」
花丸「ルビィちゃんは友達のいなかったマルの心に光を灯してくれた……」
花丸「でも……もっと昔に知り合った子と長らく会ってなくて……」
花丸「ちょっとだけ、心に穴が開いてたかも」
善子「なるほど……その子がアンタの好きな子ね! どっかに転校しちゃった小学校の同級生とか!」
14: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 21:56:12.11 ID:yQs4LnR6
花丸「もっと前」
善子「…………」
善子「そ、そう。そっかぁ……あの頃か~……」
善子「い、一体誰なんだろうなぁ……」
花丸「これ以上は話せないずら」
善子「……大丈夫よ。もう聞かないから」
善子「今度は私の悩み、アンタに相談させてよ」
花丸「え、善子ちゃんの悩み? うん、もちろん聞くよ!」
16: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 22:00:23.51 ID:yQs4LnR6
善子「私……私、は……」
善子「……そうね。私ももしかしたら、同性愛者なのかもね」
花丸「え?」
善子「そういうの、あんまり気にしてなかったけど。私にも実は、好きな子がいるのよ」
花丸「…………っ」
花丸「そっか……」
善子「その子、女の子なの。きっと、私の好きな子がたまたま女の子だったんだわ。多分」
花丸「……そう」
善子「初恋は幼稚園の時ね。……アンタと同じね」
花丸「…………」
19: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 22:03:23.77 ID:yQs4LnR6
善子「それから長いことその子と会うことはなくて……」
善子「この高校で再会したんだけど……」
善子「また、その子のことを好きになったのよ」
善子「これって、初恋が継続している状態、とも言えるのかしらね?」
花丸「…………さぁ」
花丸「マルには、分からないずら……」
善子「でもその子、すでに好きな子がいるらしいのよ……」
善子「私、一体どうすればいいんだろう……」
22: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 22:07:19.45 ID:yQs4LnR6
花丸「…………」
花丸「マルも……」
花丸「マルもね……マルの好きな子は……ね……」
花丸「とっくの昔に……誰かのことを好きになってたみたい……」
花丸「どうしよう……場合によっては泣いちゃうかも……」
善子「…………」
善子「私も、場合によっては泣くわ」
善子「ねえ、花丸」
花丸「……何? 善子ちゃん」
24: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 22:11:11.09 ID:yQs4LnR6
善子「あなたの好きな子が、さ……」
花丸「うん……」
善子「すでに誰かのことを好きになってたって知ったのって……」
善子「いつ……?」
花丸「…………!!」
花丸「そ、それは……」
花丸「それは……」
善子「お願い。答えて」
花丸「…………」
25: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 22:14:57.13 ID:yQs4LnR6
花丸「さ……さっき……」
善子「!!!」
花丸「……っ」
花丸「善子ちゃん!!」
善子「花丸!!」
花丸・善子「「好きですっっ!!!!」」
花丸・善子「「…………え……?」」
善子「ほ……」
花丸「……ほんとに……?」
27: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 22:19:08.16 ID:yQs4LnR6
善子「花……丸……」フラ…フラ…
花丸「善子……ちゃん……」ヨロ…ヨロ…
善子「花丸っ!!」ダッ ギュッ
花丸「善子ちゃん!!」ギュウッ
善子「よ……よかった……」
善子「あなたが……同性が好きって知って、内心嬉しかった……」
花丸「ま、マルも……」
花丸「善子ちゃんが、おらの秘密を打ち明けても引かないでいてくれたことが、嬉しかった……」
善子「それから……」
花丸「それから……」
善子「あなたが、私のことを……」ウルッ
花丸「善子ちゃんが、おらのことを……」ウルッ
善子・花丸「「好きでいてくれてよかった……!!」」ウルウル ギュウ
28: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 22:22:39.00 ID:yQs4LnR6
~数週間後・津島家~
善子「…………」ペラ…ペラ…
花丸「…………」ペラ…ペラ…
善子「…………」ペラ…ペラ…
花丸「……ふう」パタン
善子「…………」ペラ…ペラ…
花丸「善子ちゃん……その本、ずいぶん分厚いね」
善子「……そうかもね」
花丸(タイトルは……『魔界と地獄の関係性とその深淵』……か。相変わらずだね、善子ちゃん)
善子「アンタだってこのぐらいの厚さの本、ホイホイ読んでるじゃない」
29: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 22:26:11.05 ID:yQs4LnR6
花丸「まあ、そうだけどさ」
花丸「…………」
花丸「善子ちゃ~ん♡」ギュウッ
善子「ずら丸……読書の邪魔よ」
花丸「持参してきた本、読み終わっちゃったずら」
善子「じゃあ本棚にある私の本、好きなの読んでいいから」
花丸「……なんかおかしくない?」
善子「何が?」
花丸「なんでせっかく遊びに来たのに、2人して読書してるの?」
30: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 22:29:48.62 ID:yQs4LnR6
善子「アンタが本読むの好きだからでしょ」
花丸「そんな、気を使ってもらわなくても」
善子「別に気なんて使ってないわよ。……それとも不満?」
花丸「えーと……不満と言うか……」
善子「お互い同じこと、好きなことをしながら一緒の時間を過ごす……」
善子「いいでしょ? こういうの。たまには」
花丸「う、うん。分かるよ。分かる……けど……///」
花丸「あの……こういうのって普通……図書館とか、学校の図書室とかでいいんじゃないかと……」
善子「う、うるさい! /// それじゃ2人っきりの空間にならないじゃない! ///」
32: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 22:33:54.59 ID:yQs4LnR6
花丸「ふ、2人っきり……///」
善子「そこ! 今更その程度で照れない! ///」
花丸「善子ちゃんには言われたくないずら! ///」
善子「な、何ですって~~~!! ///」
善子「ずら丸のくせに~~! この、このっ!」コチョコチョ
花丸「はひゃあ!? うひゃっ、あはっ、あははっ!」クネクネ
花丸「よっ、善子ちゃん!!」ドンッ
善子「きゃあっ!?」ドサッ
花丸「うわっ!?」ドサッ
34: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 22:36:38.81 ID:yQs4LnR6
善子「…………」
花丸「…………」
花丸(まずい……善子ちゃんを押し倒しちゃう形になっちゃった……///)
花丸「ご、ごめんね、すぐ退くから……///」アセアセ
善子「待ちなさいよ」ガシッ
花丸「え?」
善子「せっかくだからキスしなさい……アンタから」
花丸「ええっ!? ///」
35: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 22:39:24.78 ID:yQs4LnR6
善子「今更照れない、といいたいところだけど。照れてる顔も可愛いわね、花丸」
花丸「うぅ……///」
善子「…………」ジーー
花丸「…………///」ドキドキ
善子「…………」ジーー
花丸(よ……よし! じゃあ……///)
善子「そういえば今朝、ちょうどこんな夢を見たのよね」
花丸「え?」
36: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 22:43:18.39 ID:yQs4LnR6
――
――――
――――――――――――
花丸「善子ちゃん、大好きずら……♡」
善子「私も大好きよ、花丸……♡」
花丸「チューしてもいい? ///」
善子「いいわよ♡/// しましょう♡」
花丸「善子ちゃん♡」チュッ
善子「花丸♡」チュッチュ
花丸「善子ちゃん♡ 善子ちゃん♡」チュッチュッ
善子「花丸♡ 花丸♡」チュッチュッ
37: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 22:45:26.16 ID:yQs4LnR6
――――――――――――
――――
――
善子「……こんな感じの」
花丸「よ……」
花丸「善子ちゃんのバカーーー!! /////」ベシベシベシ
善子「ちょ、ちょっと!! 何度もチョップするなぁ!!」ガシッ
花丸「せっかくしようと思ったのに、なんてこと言うずらぁぁ!!! ///」ググッ
善子「見ちゃったんだからしょうがないじゃない!!」グググ
花丸「見ても話さないで心の中に留めておいてよ! ///」ググググ
善子「これでもずっと我慢してたのよ!! 今日一日ずっと意識しないようにしてたんだからね!!」ググググ
39: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 22:59:38.17 ID:yQs4LnR6
花丸「はぁ……もうマルは本の世界に籠ることにするずら。善子ちゃん、手を放して」
善子「はい」パッ
花丸「……ありがと」
善子「でも、キスしてくれなきゃ私の本は貸さない」
花丸「…………」
善子「さーて、ヨハネは本の世界に戻ろっと」パラッ
花丸(……はぁ)
花丸(今日は休日だけど、一応勉強道具をちょっとだけ持ってきてるんだよね)
花丸(とはいえ、宿題はもう終わらせてあるし……)
花丸「じゃあおらは、数学の苦手なところの復習でもやろうっと」
40: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 23:02:56.81 ID:yQs4LnR6
~10分後~
善子(ああもう、何意地張ってるの! 花丸!)
善子(いや……悪いのは私ね。強要するのは悪かったわ)
善子「ずら丸……ごめんね。もう私の本、自由に読んで……」
花丸「大発見ずらぁぁぁーーーー!!!」キラキラ
善子「!?」ビクッ
善子「な、何? ど、どうしたの?」
花丸「善子ちゃん善子ちゃん! 大発見だよ!!」
善子「大発見って……一体何を発見したの?」
41: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 23:06:08.76 ID:yQs4LnR6
花丸「【善子ちゃん+善子ちゃんのシニヨン+1=花丸】だよ!!
善子「はぁ!? 何よその公式!?」
花丸「善子ちゃんは445ずら」
善子「え? ま、まあ……私もそういうことは考えたことあるし……って! 私は善子じゃなくてヨハネ!」
花丸「それで、善子ちゃんの頭のお団子……シニヨンは424」
善子「ふーん……まあそうね」
花丸「マルは0! だから花丸は870!!」
善子「ああはいはい、そうね」
花丸「そこで! 興味本位で計算してみたらこうなったずら!!」
善子「いや、数学の復習はどうしたのよずら丸!? 何してんの!?」
43: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 23:08:38.97 ID:yQs4LnR6
花丸「善子(445)ちゃんの頭にはシニヨン(424)が1つ……」
花丸「これを全部足すと!」
花丸「【445+424+1=870】!! なんと! 花丸になります!!」
善子「お、おお~~」パチパチパチ
善子「へ、へえ。まあ、くだらないとも思うけど……でも、よく見つけたわね。すごいわ」
花丸「え、えへへ……///」
善子「でも……1つ言わせてもらうなら……」
善子「+1ってのがね……ちょっと無理やりすぎじゃない?」
善子「まあ、それで870になるのはすごいとは思うけどね」
44: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 23:11:16.40 ID:yQs4LnR6
花丸「さっきも言ったけど、シニヨンが1個という意味の+1ずら」
花丸「頭にお団子を2つ付けてる人だっているずら。善子ちゃんは1個だから+1」
善子「まあ分からなくもないけど、そこは424×1=424でしょ」
花丸「じゃあ、この世にたった1人の善子ちゃん!」
善子「だから変わらないわよ! 445×1=445よ! いや、だから私は善子じゃなくてヨハネよ!」
花丸「むぅ……じゃあ……。じゃあね、えっとね……」
善子(必死に考えてる……可愛い)
花丸「! そうだ!! 絆! 絆だよ!!」
善子「絆……」
花丸「おらと、善子ちゃんとの間にある、絆の分だよ」
45: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 23:14:18.29 ID:yQs4LnR6
善子「絆、か……」
善子「私と花丸の、2人の間に生まれる絆の数はただ1つ……まあそうね。それならいいかもね」クスッ
花丸「やったずら! よかったぁ♪ ふふっ」ニコッ
花丸「というわけで!」
花丸「【善子ちゃん+善子ちゃんのシニヨン+2人の絆=花丸】だよ!!」
善子「うん……まあ、なかなかいい公式じゃない」
花丸「世紀の大発見ずら!!」キラキラ
善子「大げさなんだから……でも、そういうことにしといてあげる♪」
46: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 23:17:46.03 ID:yQs4LnR6
~~~~~~
善子「……すぅ……すぅ……」
花丸「…………」ペラ…ペラ…
花丸(善子ちゃん……本、読み疲れちゃったのかな? 眠っちゃってる……)
花丸「…………」パタン
善子「……すぅ……すぅ……」
花丸(善子ちゃん……可愛くて……とっても綺麗……)
花丸(幼稚園の頃も可愛かったけど……今や、綺麗さも加わって、見違えるよう……)
善子「……すぅ……すぅ……」
花丸(……さっきから善子ちゃんの唇ばかり目に入って来る……引き込まれそう……)
47: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 23:22:08.06 ID:yQs4LnR6
善子「……すぅ……すぅ……」
花丸(いいよね? さっきはできなかったけど、今なら……)スッ
花丸「…………///」チュッ
善子「………………」
花丸「しちゃった///」ガシッ
花丸「……えっ? んむっ!?」チュッ
善子「お返しよ♡」
花丸「善子ちゃん! 寝たふりなんてずるいずら~! ///」ポカ ポカ ポカ
善子「ちょっ、何叩いてんのよずら丸っ!」パシッ パシッ パシッ
48: 名無しで叶える物語(笑) 2017/02/08(水) 23:25:14.72 ID:yQs4LnR6
善子「寝てる隙にキスしようとする方が絶対にずるい~!」ガバッ ギュウウッ
花丸「うう~! 放ぁ……///」ジタバタ
善子「はい」パッ
花丸「……さなくていいです……///」
善子「……我儘」ギュウッ
花丸「おらが我儘なのは、善子ちゃんに対してだけずら……///」ギュウ
善子「はいはい」クスッ
善子(知ってるわよ、それくらい……ふふっ)
おわり
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