1: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:07:25.60 ID:zH/fq/+P
千歌「知ってた」
曜「まあ知ってたよね」
3: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:08:27.62 ID:zH/fq/+P
千歌「意外性の欠片もないよね」
曜「あ。ようりこ本もあった」
千歌「それはちょっと意外かも」
千歌「それ、どんな内容?」
曜「食いつくなあ」
曜「えっと。私が梨子ちゃんに壁ドンしてる」
千歌「意外でも何でもなかった」
4: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:10:07.47 ID:zH/fq/+P
曜「そっちのちかりこ本は?」
千歌「わたしの誘い受け」
曜「あー」
曜「梨子ちゃん好きそう」
曜「今度その本みたいに誘ってあげたら? 喜ぶよきっと」
千歌「うーん。わたし、よしりこ派だからなあ」
曜「そっかあ」
5: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:11:31.32 ID:zH/fq/+P
千歌「曜ちゃんはどのカップリングが好きなの?」
曜「カップリングって言うかさあ」
曜「この前に衝動買いしたのは、梨子獣姦本」
千歌「鬼か貴様」
曜「梨子ちゃんのカバンにこっそり忍ばせてみようかなあ」
千歌「悪魔か貴様」
曜「いや実は買ったのちょっと後悔しててさ」
曜「どうやって処分しようか悩んでるんだよね」
千歌「だからって犬が苦手な本人に送り付けるのはどうかと」
曜「だよねえ……」
千歌「うん……」
7: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:13:07.92 ID:zH/fq/+P
曜「……実はここに、よしりこ本もあるんだけど」
千歌「そういうのはもっと早く言おうよ!!」
曜「食いつきすごい」
曜「あ。でもこれ非エロだ」
千歌「節操なしに見えた梨子ちゃんも、善子ちゃんが相手だとプラトニック?」
曜「でも女の子なら誰でもいいみたいだよ」
曜「ほら。まりりこ本もある」
千歌「え。まりりこ本なんて実在するの?」
曜「ギルキスなのに絡みないからね。かなりレアだよこれ」
千歌「ねえ曜ちゃん。奥に他にもまだまだあるよ?」
曜「隠し場所が匠の技だね。気付かなかったよ」
8: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:14:59.07 ID:zH/fq/+P
曜「ダイりこ、かなりこ、りこまる、りこルビ……しっかり全員分かあ」
千歌「ここにも、りこハー本があったよ」
曜「うーん隙のないラインナップ」
千歌「梨子推しには垂涎ものだね」
曜「所有者は本人だけどね」
千歌「あれ。ちょっと待って」
曜「ん?」
千歌「ここにある本、みんな絵のタッチが同じじゃない?」
曜「あ、本当だ。同じ作者かな」
千歌「まさか。わたし達が活動始めたのなんて、ついこの間だよ」
千歌「そんな短期間にこれだけの本が出せる同人作家なんていないよ」
曜「確かに。この短期間に9冊も出せる人は稀有だね」
9: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:16:40.77 ID:zH/fq/+P
千歌「作者のペンネームとか書いてない?」
曜「ああ。これペンネームかな」
千歌「だれ?」
曜「コーリチウ・ラクサ」
千歌「ああ」
千歌「なるほどね。うん。わかるよ。わかる」
曜「そうだね。納得だね」
千歌「そう言えば梨子ちゃんは絵を描くの好きだっけ」
曜「作曲のかたわら、ピアノのコンクールに出つつ同人活動までするとは恐れ入るなあ」
千歌「実は曜ちゃん並みにハイスペックなんじゃない?」
曜「芸術面なら私じゃあ敵わないと思うよ」
曜「ピアノやってて手先器用だし手芸やってるし美的センスあるし、衣装づくり覚えたら私より上手いかも」
11: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:18:39.66 ID:zH/fq/+P
千歌「わたしの周りはすごい人ばっかりだなあ」
曜「千歌ちゃんだってすごいんだよ?」
千歌「どの辺が?」
曜「教えない」
曜「千歌ちゃんのすごい所は、私だけの秘密なんだヨーソロー」
千歌「何それ。誤魔化してるだけじゃないの」
曜「絶対に、違う」
曜「千歌ちゃんがすごいって言ってくれる私が、千歌ちゃんをすごいって言うんだよ?」
曜「すごい私を信じてよ。すごい千歌ちゃん?」
千歌「……なんだか煙に巻かれた気分」
曜「細かいことはいいんだヨーソロー」
13: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:20:46.76 ID:zH/fq/+P
曜「それよりこのコーリチウ・ラクサ先生の同人誌だよ」
曜「正直、ハイクオリティ過ぎてコメントに困る」
千歌「天才が変態だったらどうなるか、って見本だね」
曜「9冊だからねえ。リビドーが溢れてるよね」
千歌「あ。よりしこ本がもう1冊ある」
曜「10冊目かあ」
曜「さっきの続編?」
千歌「みたい。あ、でもエロ入った」
曜「前作が非エロだったから満足できなかったんだね」
千歌「アガペーはエロスに勝てなかったんだね」
曜「まあ梨子ちゃんだしね」
千歌「そうだね。梨子ちゃんだからね」
14: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:22:49.78 ID:zH/fq/+P
曜「微妙に話が変わるけど、そう言えばさあ」
千歌「なに?」
曜「浦女の夏服って1年生はノースリーブじゃん」
千歌「ああ。意味わからないけど、そうだね」
曜「梨子ちゃん、何で1年前に転校しなかったんだって滅茶苦茶ピアノ叩いてたよ」
曜「ボンボン鳴っててさ。音楽室が恐怖の館だったよ」
千歌「見たかったんだね、わたし達のノースリーブ」
曜「この本の1年生たちの脇が無駄に書き込まれてるのも、そういう事なのかなって」
千歌「うっわ。そう見るとよしりこ本(1巻)非エロなのにえっろ」
16: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:24:37.79 ID:zH/fq/+P
曜「善子ちゃんの脇はエロいよね」
千歌「いやお尻もエロいよ。あと太もも」
曜「言わずもがな胸もエロいけどね」
千歌「つまり?」
曜「存在がエロい」
千歌「わかる」
曜「こうやってコーリチウ・ラクサ先生の同人誌見てると、メンバーの魅力が剥き出しだよね」
千歌「メンバー全員が胸もあそこも剥き出しだけどね」
曜「ははは」
千歌「あはは」
曜「そろそろ片付けようか」
千歌「そうだね。梨子ちゃんが戻ってきちゃうね」
曜「よし。完璧」
千歌「さすがの隠ぺい工作。バレる要素ないね」
17: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:26:47.80 ID:zH/fq/+P
梨子「――お待たせー。アイスティーしかなかったけど、いいかな?」
曜「うん。そこに置いておいて」
千歌「遅かったね?」
梨子「ごめんね。のど渇いたよね。アイスティー飲んでいいからね」
千歌「うん。後でもらうから置いておいてよ」
梨子「遠慮しないでいいからね。飲んでね。アイスティー」
曜「梨子ちゃんの方こそそんなに気を使わなくて大丈夫だよ」
千歌「さっき梨子ちゃんの話してたの。梨子ちゃんの趣味の話」
梨子「そうなの? まあその話はアイスティーでも飲みながらゆっくりと」
18: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:27:53.60 ID:zH/fq/+P
千歌「よく絵を描くんだよね。普段はどんな絵を描くの?」
梨子「最近は人物画かなあ。あ、アイスティーはぬるくなる前に飲んだ方がいいよ?」
曜「じゃあメンバーの絵とか描いてたりするの?」
梨子「うん、みんな魅力的だから。それは置いといて、とりあえずアイスティー飲もうよ」
千歌「今度わたし達にも見せてよ」
梨子「人様にお見せできるようなものじゃないから……。まあまずはアイスティー飲んで一息つこう?」
千歌「本当に人様にお見せできるようなものじゃないよね」
梨子「え?」
千歌「ん?」
21: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:29:09.91 ID:zH/fq/+P
梨子「……ま、まあそれはいいとして。アイスティー飲もうよ。ね」
梨子「あ。それとも私が先に飲まないと落ち着かない? そうだよね。2人はお客様だもんね」
梨子「じゃあまずは私が飲むよ。飲む。もうすっごい飲む」
梨子「ごくごくごく。うん。おいしい。おいし過ぎて一気飲みしちゃった」
梨子「2人も飲んだ方がいいよ。自分が淹れた紅茶ながら、これはおいしいから。ね?」
曜「……」
千歌「……」
梨子「……」
23: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:31:01.00 ID:zH/fq/+P
曜「……じゃあ頂こうかな」
梨子「本当ッ!?」
千歌「食いつくねえ」
曜「もしかしてこのアイスティーに何かあるの?」
梨子「いやいやいや滅相もない」
梨子「あ。そう。最近紅茶にハマってて。淹れ方も勉強して、茶葉にもこだわってみたの」
梨子「友達に飲んでもらうのは初めてだから。ね。うん。感想とか気になっちゃって」
梨子「わかるよね」
梨子「ね」
曜「へえ。どこの茶葉なの?」
梨子「リプトン」
曜「は?」
梨子「違う。間違い。あれ、何だったかしら。ちょっとド忘れしちゃった。ふふ」
25: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:32:44.41 ID:zH/fq/+P
千歌「もう。梨子ちゃんはうっかりさんだなあ」
曜「あはは」
梨子「ふふふ」
曜「まあいいや。じゃあ頂くね」
梨子「!? うん、うんっ!」
梨子「遠慮なくどうぞ! もうぐいっと!」
梨子「曜ちゃんの! 恰好いいトコ見てみたい!」
梨子「そーれイッキ! イッキ! イッキ!」
千歌「こだわりのお茶なら味わってほしいんじゃないの?」
梨子「大丈夫だから! もう全然大丈夫だから!」
曜「よくわからないけど……ごくごくごく」
梨子「っしゃあ!!」
26: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:34:25.34 ID:zH/fq/+P
千歌「曜ちゃんおいしい?」
曜「おいしいよ。身近な味。飲み慣れた懐かしい感じがする」
千歌「リプトンだからね」
曜「ティーパックだね、これ」
梨子「ところで、ぜんぜん関係ない話するけど眠くなったら言ってね?」
梨子「私のベッド使っていいから。ね」
梨子「いや本当に何の関係もないんだけどね。でももし眠くなったらいけないから」
梨子「ね。遠慮しないでね」
曜「うん。ありがとう」
28: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:36:27.17 ID:zH/fq/+P
梨子「千歌ちゃんもアイスティー飲んで? 曜ちゃんも飲んだから。大丈夫だから」
梨子「ね」
千歌「うーん。今はのど渇いてないし後でもらうね」
梨子「そう……」
梨子「……そう」
梨子「……早めに飲んでね?」
梨子「ホント。できるだけ早い方がいいから……」
千歌「ありがとう。梨子ちゃんは優しいね」
曜「ね。そんなに気を使ってくれなくていいのに」
梨子「うっ。お、お客様だからね。他意はないんだけどね。本当に」
30: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:38:07.01 ID:zH/fq/+P
曜「……」
曜「ところで、ぜんぜん関係ない話するんだけどさあ」
曜「――梨子ちゃん。眠くなったら、いつでも言ってね」
梨子「え? いや。私は眠くなんてならないけど」
梨子「眠く……あれ? おかしいな。何だか、眠い……」
梨子「何で。私、間違え、……zzz」
曜「……」
千歌「いつすり替えたの? 気づかなかったよ」
曜「人様に見せるものじゃない、ってタイミング」
千歌「ああ。もしかして、わたしナイスアシスト?」
曜「そうだね。あそこで隙を作ってくれたのは助かったよ」
31: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:39:51.72 ID:zH/fq/+P
曜「それにしても今回は睡眠薬だったかあ」
千歌「賭けはわたしの勝ちだね」
曜「媚薬で来ると思ったんだけどなあ」
千歌「ふっふっふ。梨子ちゃんを自由にできる権利はわたしのものなのだ」
曜「いいなあ」
千歌「さあ曜ちゃん。梨子ちゃんをベッドへ運んで」
曜「はいはい。ヨーソローですよお姫様」
曜「よっこいしょ。やっぱり梨子ちゃんは軽いや」
千歌「うむご苦労である。そしてわたしもベッドへダイブ!」
千歌「んー、いいにおい。梨子ちゃんの寝顔も可愛い」
曜「いいなあ」
千歌「えへへー」
34: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:41:59.69 ID:zH/fq/+P
千歌「……」
千歌「曜ちゃん。もういっこ命令」
曜「なんですかお姫様」
千歌「曜ちゃんもおいで。一緒にお昼寝しよう」
曜「いいの?」
千歌「うん。曜ちゃんも一緒がいい」
千歌「2人で梨子ちゃんを抱き枕にしちゃおう」
曜「……うんっ。ありがとう千歌ちゃん」
曜「それじゃあ失礼します。はー、やわらかくて気持ちいい」
36: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:44:02.17 ID:zH/fq/+P
千歌「梨子ちゃん、起きたらどんな反応するかな」
曜「尋常じゃなく取り乱すだろうね」
千歌「わたし達が寝てたらいろいろ触ってくるかな」
曜「あー。あるね」
千歌「先に起きて寝たふりしてようね」
曜「楽しみだね」
千歌「あは。これからもわたし達を楽しませてね。梨子ちゃん」
ようちか「「ね」」
梨子「zzz……えへへ」
おしまい
37: 名無しで叶える物語(しうまい) 2017/01/25(水) 20:44:37.35 ID:zH/fq/+P
これにておしまいです
ご覧いただいた方、レス頂いた方、ありがとうございました
お目汚し失礼いたしました
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