理事長「六月九日は」希「我が家のカギを見直す!」ことり「ロックの日♪」

1: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:01:34.34 ID:osSNvkWw

【一昨年・三月】

希(中学を卒業して東京へ帰ってきた。四月から通う高校は千代田区にある国立音ノ木坂学院や)

希(でも東京に来たのはウチ一人。家族と離れて一人暮らし…うまくやっていけるかな?)

ガチャ バタン

希(この二重ロックって意味あるん?二つ同じ鍵で開けられるんやけど)

希(まあ、一つ変えて二本持ち歩くのも面倒やし…片方なくしただけで家に入れなくなるのも嫌やな)

希(さて…買い物に行かな。大きな物は実家から運んでもらったけど、生活用品は好みの物を揃えたいし♪)

希「今行こー早く行こー。どこでもーいーいからー♪」

【三時間後】

希「いろいろ買っちゃった…当分食費とか節約しないとアカンかな」

「すごい荷物ね。半分持つわよ」

希「ありがと…ん?」

「これ何が入ってるの?」

希「も、もしかして…」

「うふふ。お久しぶり♪」

希「怪しい宗教の勧誘!?」

「違うわよ!ひどーい!私のこと忘れちゃったの?」

希「いや、だってウチが東京に居たのは小学生の頃やし…見た目とか別人やん?」

「私はちゃんとわかったわよ。希ちゃんでしょ?」

希「う、うん。…えーと」

「あ・ん・じゅ、よ。優木あんじゅ」

希「ユーキちゃん…って呼んでたっけ」

あんじゅ「そうそう♪」

希(言われてみれば…何だったらウチより変わってないかも)

希「でもウチ、ユーキちゃんの名前知らなかった気がするんやけど」
http://hope.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1439615441/6-18

あんじゅ「そうだっけ?…まあいいわ。シフォンケーキ焼いてみたの。紅茶いれて一緒に食べましょ♪」

希「へー。いいね。ありがと♪」


ラブライブ! Solo Live! II from μ’s 東條希

2: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:04:32.74 ID:osSNvkWw

希「ちょ、ちょっと待って。…今、鍵かかってなかった?」

あんじゅ「あ、うん。希ちゃんが帰ってきたかなって少し見に来ただけだし…」

希「あ、そうなん…」バタン

希「いやいやいや!そうじゃなくて、なんでユーキちゃんがウチの部屋にいるん!?」

あんじゅ「だから、シフォンケーキ焼いてたのよ。希ちゃん帰ってくるの遅かったし…」

希「ここで!?てっきり家で作ってきたんやと思った…っていうか、どうやって入ったん!?」

あんじゅ「…えへへ」

希「笑ってごまかしてもダメ!」

あんじゅ「っていうか、鍵かけなくていいの?」

希「あ、そやね…」カチャ

希「…それで、ユーキちゃんはどうやってウチの部屋に入ったん?」

あんじゅ「あんじゅって呼んで。“天使”って意味なの♪」

希「じゃあ、あんじゅはどうやって以下同文!」

あんじゅ「ガリガリ君の棒あるでしょ?玄関のドアの鍵穴に突っ込んで回してみたら、なんか開いちゃって♪」テヘペロ

希「うそやろ!?…っていうか普通に犯罪…」

あんじゅ「ごめんなさい。もうしません」ドゲザ

希「はぁ…まあ女の子やし、友達でよかったけど…鍵は変えないとアカンね」

あんじゅ「合鍵くれたりしない?」

希「しない。入りたいときはウチと一緒に入るか、居るときに来てよ」

あんじゅ「はーい…」

シュシュシュ ピーッ

希「おいしい」モグモグ

あんじゅ「よかった♪希ちゃんのために作ったのよ」ドヤァ

希「それは嬉しいけど、次からは勝手に入らないように…」

あんじゅ「わかったわ。ちゃんと恋人になるまでは我慢ね」

希「こ、恋人!?」

あんじゅ「希ちゃんのカ・ノ・ジョ♪ってこと」

希「い、いや…ウチまだ中学生やし」

あんじゅ「もう卒業したでしょ?私もだけど」

希(カノジョかぁ…恋人がいたら一人暮らしも楽しくなりそうやね///)


3: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:07:02.07 ID:osSNvkWw

【四月】

希(お。カレーの香りや。ご近所さん今夜はカレーやね)クス

ガチャ

希(一年)「ただいまー。って、誰もいるわけ…ん!?」

希(カレーの香り…これウチの部屋やったん!?…入る部屋、間違えてないよね?)

「おかえり。ごはんできてるわよ」

希「ちょっ…にこっち!?」

にこ(一年)「なに?」

希「なに?やないよ。こっちのセリフやん?なんでウチの部屋にいるん…」

にこ「あんた、ろくに料理してないでしょ?コンビニ弁当やスーパーのお惣菜、半額の冷凍食品とかで済ませてない?」

希「そ、それは…だって、先月は予定外の出費もあったし」

にこ「だからごはん作りに来てあげたの。感謝しなさいよ」ドヤァ

希「それは嬉しいけど、どうやって入ったん?ウチ、鍵閉めて出たんやけど…」

にこ「あー。まあ、ちょっとね」

希「ちょっと何をしたのか詳しく聞かせて欲しいなあ?」

にこ「怒らないでよ。…玄関のドアの鍵穴にチュッパチャプスの棒を突っ込んで回したら開いちゃったの」

希「そんなんで!?嘘やろ…何も引っ掛かるとこ無いやん?ただの棒やんな!?」

にこ「まあ、まあ…それより早く食べましょ。手、洗ってきなさいよ」

ジャー バシャバシャ

希「はぁ…また鍵変えなアカンやん」キュ

にこ「最初に気づいたのが私でよかったじゃない。感謝しなさいよ」ドヤァ

希「いや、ピッキングは犯罪…」

にこ「悪かったって。もうしないわよ」

のぞにこ「いただきます」

希(ご家庭で作るカレーか…しかも、自分で作ったんやないってとこがポイントやな)パク

希「…おいしい」モグモグ

にこ「これくらいならいつでも作ってあげるわよ」フフン

希(なんか、いいな…家族みたいで///)


4: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:09:12.93 ID:osSNvkWw

希「…にこっち」ナデナデ

にこ「わ。…ちょ、ちょっと…何?」

希「美味しいよ。ありがと♪」

にこ「なんか食べたいときは呼んでよ」

希「…うん」

希(ウチって実はめっちゃ恵まれてるんかなぁ…)

希(ちなみに、事情を説明したら今回は鍵屋さんがタダで施工してくれた。…まあ、チュッパチャプスの棒で開くんはあまりにもあんまりやし)

【五月一日】

希(…連休、どうしようかな。せっかく一人暮らし始めて、こんなに早く実家に帰るのもなぁ…)

ガチャ

希「ただいまー。って誰もいないけど…」

希「あっ、靴が脱ぎっぱなしやん。揃えておかな…ん?」

希(いやいやいや!今帰ってきて、まだウチは靴脱いでないし。これ誰の靴!?)

希「にこっち!また来たん?」

パタパタ

「おかえりー。…ニコッチ?」

希「穂乃果ちゃん!?…なんで」

穂乃果(中3)「聞いてよー。私が音ノ木坂受けるって言ったら、算数ができないのに入れる高校があるの?って雪穂がバカにするの!ひどくない!?」

希「そ、そうなん?…いや、それよりなんで穂乃果ちゃんがウチの部屋にいるん?」

穂乃果「希ちゃんに話、聞いてほしくて…上がって待ってたの」

希「どうやって入ったん?…鍵、開いてなかったやろ?」

穂乃果「うん。だから玄関のドアの鍵穴のとこに雪見だいふくのピック?を突っ込んで、こう…ガチャガチャって」

希「えぇ…嘘やろ?なんでそんなもんで開いちゃうん…また鍵変えなアカンやん」ガクッ

穂乃果「ご、ごめんね。勝手に入ったら悪いかなって思ったけど、そのまま鍵かけないで帰るわけにもいかないし…」

希「はぁ…まあいいけど。…なんかいい匂いがするような」クンクン

穂乃果「あ、うん。肉じゃが作ってみたの。よかったら食べて♪」

希「へー。…いつの間に作れるようになったん?」

穂乃果「私だって、もう中3だよ。前に希ちゃんが東京にいたときは小学生だったもん」

希「そっか。…そやね」


6: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:15:33.59 ID:osSNvkWw

穂乃果「えへへ。私も絶対、音ノ木坂行くからね♪」

希「算数はできたほうがいいんやない?」

穂乃果「ひどーい!できないわけじゃないよ!?…得意じゃないけど」

希「分量とか、ちゃんと量って作ってる?」

穂乃果「も、もう。味見はちゃんとしたよ。とにかく食べてみて!」

希「はいはい」

のぞほの「いただきます♪」

希「あ、美味しい」モグモグ

穂乃果「でっしょー?量とかは適当でも、何となくこれくらいかなって感じで味付けすると結構うまくいくんだから♪」

希「適当で何となく…きぃちゃん譲りなんかな?」

穂乃果「希ちゃんへの愛情をこめて作ったから美味しいでしょ?」

希(穂乃果ちゃんがウチのために料理か…成長したんやなぁ。女の子らしくなったっていうか///)

希「でも勝手に入るのはアカンよ。来るときは先に連絡して」

穂乃果「はーい。…じゃあ、また来てもいい?」

希「ん、いいよ」ナデナデ

穂乃果「えへへ♪…あ、そうだ。希ちゃん、連休って何か予定あるかなぁ?」

希「いや、今のところ何も…穂乃果ちゃんは?」

穂乃果「う、うん…あのねっ。私でよかったら、希ちゃんと…その」

『そうね…家にいてもおとなしく勉強してるわけないし。希ちゃんに任せちゃってもいい?』

希「うん。じゃあ…ちょっと穂乃果ちゃんを借りるよ」

『ふふふ。何だったらそのままもらってやって♪』

希「えっ。…あ、アハハ。まだそこまでは…」

希(なお後日、鍵の付け替えは無料で以下同文)

【六月】

ザァァァ…

希(もう梅雨入りしたんかな?晴れた日は暑いけど…)

ガチャ

希「ただい…ま」

希(直前まで使ってたっぽい傘がある…もちろん、ウチのとは別に)

希「また誰か来てるん?…穂乃果ちゃん?」


7: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:17:55.18 ID:osSNvkWw

「…お邪魔してます」

希「えぇ…エリち。何してるん?」

絵里(一年)「ごめんなさい…思ったより雨が強くなってきたから、つい…」

希「いや、どうやって入ったん?…鍵かけ忘れた覚えはないんやけど」

絵里「ピノっていうアイスあるでしょ?私、あれ結構好きなんだけど…こういうピックがついてて」

希「…玄関のドアの鍵穴に突っ込んで回したら開いたんやね」

絵里「え。や、やだ…見てたの!?」

希「いや、見てないけど…何となく想像つくやん?」

絵里「ど、どうしよう…これって犯罪よね?…私、逮捕されるの?」プルプル

希「いや、エリちやし別に何か盗むわけやないやろ?そもそもそんなんで開けられる鍵が問題やと思う…また変えなアカンね」

絵里「そ、そうなの?ごめんなさい…」

希「いいよ。気にしないで…でも次からは来る前に連絡してね」

絵里「ええ。そうするわ…ところで」

パパパパン

希「!?」ビクッ

ほのえりあんにこ「はっぴーばーすでー!」

希「み、みんな…来てたん?」

穂乃果「希ちゃん、今日お誕生日だよね?おめでとー!」

あんじゅ「おめでとう。はい、お花♪」

にこ「ケーキ作ったわよ!」

絵里「おめでとう希!これ、私が作ったアクセサリ…よかったら使って♪」

穂乃果「お母さんが、これ持ってけって…うちの梅干し」
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1496760411/

希「みんな…あ、ありがと」

ほのえりあんにこ「はっぴばーすでーとぅーゆー♪」

希(勝手に入ってるのは正直ちょっとあれやけど…誕生日をみんなと一緒に過ごせるって、やっぱり幸せやなあ)

希(なお鍵は無料でry)


8: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:19:51.69 ID:osSNvkWw

【七月】

希(んー。夏休みはどうしよう…あんじゅや穂乃果ちゃんを誘って遊びに行こうかな?)

ガチャ

希「ただいまー(…さすがにもう誰も…いる)」

希(今日はきちんと揃えて脱いである…けど、明らかにウチのやない靴)

希「だ、誰?にこっち?」

「あ、あの…ごめんなさい」フルフル

希「えぇ…キミ、誰なん?」

「通報、しますか…?」ビクビク

希「とりあえず事情聞いてから考えるよ…名前は?」

「は、はい…私、小泉…花陽、です…」

希「小泉?(誰かに似てると思ったら…)もしかして、幼稚園の小泉先生の…」
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1479222238/3-4

花陽(中2)「はい。お久しぶり…です」

希「へー。大きくなったなぁ…って、何年も経ってるからお互い様か」

花陽「そう、ですね…エヘヘ」

希「で、そのはなよちゃん?がどうしてウチの部屋にいるん?」

花陽「あの…音ノ木坂のスクールアイドルって、ご存知ですか…?」

希「にこっちのグループ?」

花陽「は、はい。今は矢澤にこさん…だけ、みたいなんですけど」

希(そうだった。にこっち以外のメンバーはみんな辞めちゃったんだっけ…)

花陽「その矢澤先輩が、もうすぐ誕生日で…何かしてあげたいなって…でも」

希「何をあげたらいいかわからない…ってとこ?」

花陽「は、はい。前に音ノ木坂へ行ってみたら、先輩と一緒にいて…」

希「ウチのこと?」

花陽「そうです。…それで、仲良さそうだなって…」

希「まさか…尾行してきたん!?」

花陽「え、えーと…矢澤先輩を追いかけたら、この部屋に…」

希「ああ、なるほど…(にこっちが来た日だったんやね)」

希(にこっちは人気が出なくて苦労してるみたいやけど、熱心に応援してるファンの子もいるんやなあ…)


9: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:27:28.44 ID:osSNvkWw

希「一応訊くけど…どうやってウチの部屋に入ったん?」

花陽「これを…」

希「…わら?」

花陽「は、はい。稲わら、です…これを玄関のドアの鍵穴に差し込んで回したら、開いちゃって…」

希「うそやろ!?…っていうか、近くに田んぼもないのにどこで手に入れたん…」

花陽「えへへ」

希「ほめてない。稲わらでも麦わらでもピッキングはアカンよ。犯罪やし…」

花陽「ご、ごめんなさい…」フルフル

希(また鍵変えないとアカンなぁ…っていうか、そのへんにある適当な道具で簡単に開きすぎ!試すほうもアレやけど)

希「じゃあ、にこっちの誕生日はウチと一緒にお祝いしない?ほかの友達も呼ぶから、花陽ちゃんも来てよ」

花陽「いいんですか?…じゃ、じゃあ…よろしくお願いします」

希(なお鍵は無料で…いいかげん別の業者に頼んだほうがいいような気もするけど、全然知らない人に任せるんは不安もあるしなあ)

【八月一日】

希(エリちや穂乃果ちゃんたちと海へ行ってきたよ。楽しかったなぁ♪)

ガチャ

希「ただいまー♪って誰も…いるんかい」

パタパタ

雪穂(中1)「おかえりなさい。…これ、持ってきたんだけど…どうですか?」

希「雪穂ちゃんか…昔みたいに気軽に話してよ」ナデナデ

雪穂「うん。ありがと、希ちゃん///」

シャカ(・8・)シャカ←かき氷
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1496311455/9

希「穂乃果ちゃんも帰ってるやろ?どうしてウチのところへ来たん?」

雪穂「実は、ちょっと相談があって…もうすぐお姉ちゃんの誕生日でしょ」

希「そうだけど…なんでウチに?」シャリシャリ

希「…っ」キーン

雪穂「お姉ちゃんって割と飽きっぽいっていうか…十年以上一緒にいてネタ切れじゃないけど、何あげたら喜ぶのかちょっと迷っちゃって」

希「なるほどなあ…機会が多いほど迷うこともあるんかな」

雪穂「それに希ちゃんのほうがお姉ちゃんと歳も近くて大人っぽいし…」

希「んー。でも穂乃果ちゃんも雪穂ちゃんが大好きやと思うし、何でも喜んでくれるんやないかな?」

雪穂「そ、そうかなぁ?」


10: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:30:28.66 ID:osSNvkWw

希「そうだよ。雪穂ちゃんがそんなに穂乃果ちゃんのこと思ってるってだけで、きっと穂乃果ちゃんも嬉しいはずや」

雪穂「そうだといいけど///」

希「何だったら海にも一緒に来たらよかったのに」シャリシャリ

雪穂「うーん…でも高校生が多いみたいだったし、私が行ってもなんか浮いちゃいそうで…」

希「もしかして、穂乃果ちゃんと二人きりのほうがいい?」

雪穂「そ、そんなことは…ちょっとあるかも///」

希「ふふふ。…あ、ところで。どうやってウチの部屋に入ったん?…鍵の閉め忘れは念入りにチェックしたんやけど」

雪穂「うん。閉まってたけど…売ってるかき氷についてくる、こういうストローみたいなのあるでしょ?」

希「それを玄関のドアの鍵穴に突っ込んで回したら開いた、とか?」

雪穂「え。…なんでわかったの?」

希(なんでそんなんで開くのかウチが訊きたいよ…また鍵変えないと)ハァ

希「ストローでもスプーンでも勝手に開けて入るのはアカンよ。犯罪やし…」

雪穂「ごめんなさい…」

希「まあ雪穂ちゃんやから大目に見るけど…今度から来る前に連絡して」

雪穂「はーい」

希「かき氷ごちそうさま。美味しかったよ。ありがと♪」ナデナデ

雪穂「えへへ」

希(なお鍵はry)

【九月】

希(夏休みも終わったし、中学生が突然来ることもないやろ…)

ガチャ

希「ただいまー。(でも誰もいないのも寂し…いるし)」

希「(高そうな靴やな)…誰?あんじゅ?」

「どうも…お邪魔してます」

希「いや、キミ誰なん…」

「…西木野真姫」

希「にしきの?…どこかで聞いたような」

真姫(中2)「あなた…東條希さんでしょ?」

希「そうだけど…」


11: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:34:41.51 ID:osSNvkWw

(・8・)


12: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:35:17.06 ID:osSNvkWw

真姫「実は、もうすぐある先輩の誕生日で」

希「またかい」

真姫「また?」

希「いや、こっちの話…それでその先輩って誰?エリち?」

真姫「いや、南ことりっていうんですけど」

希「ああ、あの子…なんでそれをウチに?」

真姫「あの人いつも和菓子屋の子と一緒にいて…その子がなかなか一人にならないから何となく話す機会がないっていうか」

希「なるほどなあ…でもなんでウチ?」

真姫「穂むらによく来るでしょ。だから南先輩とも親しいんじゃないかって」

希「ウチはそんなでもないけど…ニシキノさんは、あの子と仲良しなん?」

真姫「母が南先輩のお母さんと友達なんです。それで私も小さい頃、南先輩と遊んだりしたから」
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1451791860/130

希「今は?」

真姫「あんまり…でも、せっかくだから先輩が卒業する前に少しくらい話したりしたいかも…って」

希「なるほど。仲良くなるきっかけが欲しいってとこ?」

真姫「そんな感じ」

希「もしかして…初恋の人やったり?」

真姫「えっ。いや…どうなのかしら」

希「はっきり違うとは限らないわけやね」

真姫「ええ。まあ…たぶん好き、だし」

希(小さい頃から知ってて、ちょっと気になる先輩…だけど今更、どう距離を詰めていいかわからないってとこか。応援してあげたいなあ…)

希「よっしゃ。ここはこれの出番や!」バーン

真姫「何ですか?」

希「タロット。こういうときは占いが一番や」パラララ

真姫「占いねえ…」

希「ウチもそこまで親しい相手やないし、いろんなこと断言するのは難しいやろ。だったら断言しない方法で決めればいい」シュタタタ

希「最初のカードは…」スッ

希「大アルカナの3番、女帝の逆位置…“出費”の暗示やな」

真姫「お金のかかる贈り物?」

希「物とは限らないけどね。次いってみようか…二枚目のカードは」スッ

希「大アルカナの7番、戦車の逆位置…“感情を優先”」パタ


13: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:37:55.78 ID:osSNvkWw

真姫「どういうこと?」

希「気持ちの問題っていうか…西木野さんが南さんを思って選ぶことが一番大事ってことやない?」

真姫「ふーん…」

希「まあ、これだけやと具体性に乏しいかな?じゃあ三枚目のカード」スッ

パタ

真姫「これって…金貨のカード?…また出費?」

希「いや、金貨のカードはペンタクルといって…必ずしもお金に関する暗示だけやないんよ」

真姫「へー。これはどういうカードなんですか?」

希「小アルカナ、ペンタクルの3。正位置の意味は…技術、才能、個性、魅力」

真姫「相手の能力や趣味に合わせたプレゼントがいいってこと?」

希「あるいは西木野さん自身の才能や技術で作る個性的な手作りのプレゼント…かな」

真姫「私にできる物…何かしら」

希「それと、このカードにはもうひとつ大事な意味があるん」

真姫「…何ですか?」

希「“神聖な場所”や」

真姫「それって…南先輩をそういう場所に呼び出せってこと?」

希「そやね」

真姫「…じゃ、じゃあ…教会、とか?///」

希「ほかにもあるやろ?…東京にもスピリチュアルな場所が…」

【九月十二日・神田明神】

希「…」サッサッ

ことり(中3)「なあに?」

真姫「えーと…こ、これ」

ことり「え?…くれるの?」

真姫「ほ、ほら…受験生でしょ。あと、誕生日…だから」

ことり「そっか。ありがとう♪…でも、これ何?」

希(うまくいったみたいや♪)


14: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:39:50.60 ID:osSNvkWw

真姫「先輩!」バタン

希「あ、あれ?…南さんは?」

真姫「もう帰ったわよ」

希「あ、ホンマ…」

真姫「それより、なんでそんなところに隠れてるんですか?」

希「二人の様子をあたたかく見守ってたん♪」

真姫「こんなところに勝手に入っていいの?」

希「ウチのお仕事の基本はお掃除やし、特に非公開の場所でもないかぎり大丈夫や」

真姫「ふーん…戸締まりはしてるんですか?」

希「自分で開けたところは帰る前に鍵かけるよ。あとは頼まれたら」

真姫「まあ…人がたくさん来る有名なところだし、さすがにちゃんとしてるわよね」

希「そやね」

希(…でも、賽銭泥棒や文化財荒らしなどは世界中で問題になってるし、そういうところの防犯もしっかりしないとアカンね)

希「しっかりといえば…どない?南さんとは」

真姫「一応、約束はしてるけど…」

希「付き合うことになったん!?」

真姫「あ、遊びに行く約束しただけよ。別に恋人とかそういうんじゃ…」

希「そか。まあ、うまくいってよかったね♪」

真姫「…ありがと///」

希「ところで…この間ききそびれたんやけど。西木野さん、どうやってウチの部屋に入ったん?鍵は開いてなかったはずやけど」

真姫「ああ、あのときはピンセットを使ったんです」

希「ピンセット?」

真姫「そう。学校の保健室にもあるごく一般的な医療器具よ。この先端を玄関のドアの鍵穴に差し込んで、こじ開けたの」

希「ちょっ…ほかの子よりえらく強引やない!?使った道具も頑丈そうやし…犯罪やん?」

真姫「ほかの子?」

希「あ…い、いや。そこは置いといて」

真姫「悪かったわ。もうしないし…」

希(うーん。医療用のピンセットなんて誰でも持ってるわけやないよね…たぶん。今日まで大丈夫やったし、鍵穴を変えるかどうか悩むなあ…)


15: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:46:48.45 ID:osSNvkWw

【十月】

希(結局鍵穴は変えなかったけど…あれ以来何事もないし。このままでも大丈夫かな)

ガチャ

希「ただいまー(といっても誰…かの靴がまたあるし)」

「あ。おかえりなさーい♪」パタパタ

希「えらく自然に返事してるけどキミは誰なん!?」

「凛は星空凛っていいます」

希「ほしぞら?…小学校の星空先生の」

凛(中2)「はい♪」

希(お母さんにそっくりやなあ…確か、お魚が嫌いなんやって先生がぼやいてたっけ)
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1496677626/12

希「その星空さんが、どうしてウチの部屋にいるん?」

凛「あのね、音ノ木坂に絢瀬絵里さんって人がいると思うんだけど」

希「エリちがどうかしたん?」

凛「先輩、絵里さんと仲良しなんですよねー?」

希「うん。友達やけど…」

凛「凛、小学生のとき約束したんです。絵里さんと…でも、それから全然会いに来てくれなくて」
http://karma.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1495897800/18

希「へー。どんな約束?」

凛「それは…ひ・み・つ。にゃ♪」キャ

希「あ、そう…」

凛「でも、もうすぐ絵里さんの誕生日みたいだから…凛もお祝いしてあげなきゃって」

希「なるほどなあ…誕生日のお祝いをきっかけにエリちと仲良くなりたいんやね」

凛「はい!何あげたらいいと思いますか!?」

希「んー。エリちが星空さんのこと好きやったら、何でも喜んでくれるんやない?」

凛「好き…なのかな。凛は、今でも絵里ちゃんのこと大好きだけど…」

希「それを素直に伝えたらいいんよ。約束が何か知らないけど、小さい頃は仲良しやったんやろ?」

凛「絵里ちゃんはすごく優しかったにゃ♪」

希「ウチも多分、にこっちやあんじゅと一緒にお祝いするから星空さんも来ない?」

凛「いいんですか?…じゃあ、そうしようかにゃ?」


16: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:49:00.86 ID:osSNvkWw

希「ところで…星空さんはどうやってウチの部屋に入ったん?」

凛「これです」ガサ

希「それは…乾麺?」

凛「はい。棒ラーメンにゃ♪」

希「いや、星空さんがウチの部屋にどうやって入ったかって話…」

凛「だから、この麺を玄関のドアの鍵穴に」
希「うそやろ!?…だって麺やし、そんなん突っ込んで回したら麺が折れるだけやん!?」

凛「そ、そう言われても…開いちゃったから凛がここにいるにゃ」

希「アハハ…そやね…」ガクッ

凛「やっぱり勝手に入ったらマズかったですよね…ごめんなさいにゃ」

希「いや、もういいよ…気にしないで」ゲンナリ

凛「そ、そうだ。この棒ラーメン、一緒に食べませんかー?」

グツグツ…

のぞりん「いただきます」

凛「…」ハフハフ

希(…おいしい)trtr

【十一月】

希(さすがに棒ラーメンで開くのを放置できないし、また鍵を変えてもらったよ…もちろん無料で)

ガチャ

希「ただい…またいる」

希「なんやこれ…雪駄?」

「すみません…お邪魔しています」スッ

希「あ、これはご丁寧にどうも…」ペコ

希「いやいやいや!なんぼ物腰が丁寧でも不法侵入やん!?…しかもなんで弓道のカッコ…」

「私、園田海未と申しますが」

希「はあ。園田さん…ウチに何かご用?」

海未(中3)「少し音ノ木坂のことを伺いたくて…オープンキャンパスには行きましたが、ことりと穂乃果と一緒だったものですから…」

希「何かわからないことがあるん?ウチにわかる範囲なら何でもきいてよ」

海未「ありがとうございます。弓道の道具を一式揃えたのですが…これで問題ありませんか?」

希「園田さん、初心者なん?」

海未「全くの未経験ではありませんが…ただ、日常的に練習していたわけでもないので」


17: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:54:09.28 ID:osSNvkWw

(・8・)


18: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:55:06.64 ID:osSNvkWw

希「なるほど。成長期やしサイズが変わる物とか、長く放置して経年劣化とかいろいろあるんかな」

海未「ええ。…それで、いかがでしょう?」

希「うん。大丈夫やと思うよ。ウチは部員やないから、部長さんや顧問の先生に訊いたほうがいいけど…もし足りない物があっても、ある程度は借りられるはずや」

海未「そうですか…わかりました。ありがとうございます」

希「ウチからも質問いいかな?」

海未「ええ。構いませんが…何でしょう?」

希「園田さんはどうやってウチの部屋に入ったん?…鍵、閉め忘れた覚えはないんやけど」

海未「ええ。きちんと施錠されていましたよ」

希「それで、どうやって開けたん?」

海未「この矢筒には矢が入っていまして…このように」

希「うそやろ!?物理的に無理やし!そんなん鍵穴に入らないやん!?」

海未「そこは気合いで何とかします!」

希「いやいやいや!気合いで何でもできたら鍵は要らんし!防犯もへったくれも無くなるやん!?」

希(稲わらや棒ラーメンもあれやけど…また鍵変えなアカンのかな)ガクッ

【十二月】

希(まあ、常識的に考えて矢で鍵を開けられる人はほかに居ないやろ…というわけで鍵は結局そのまま)

ガチャ

希(今年はサンタクロースのかっこうでクリスマスケーキを売るベタなバイトをして…もう24日も終わりや。ちょっと寂しい…)

希「って、また誰かいるような気配が…」

「あら。よくわかったわね?靴は隠しておいたのに」

希「今度は誰!?」

「フフフ…私は綺羅ツバサ」

希「その制服はUTXの…ウチに何の用?あんじゅの知り合い?」

ツバサ(一年)「今宵はクリスマス・イヴよ。日付は関係なく、夜が明けるまでが聖夜なの」

希「ああ、そういえばそうだっけ…ってことは」

パパパパパパパパン

希「」ビクッ

ことほのうみゆきえりあんツバにこまきりんぱな「メリークリスマス!」

希「みんな…こんな夜遅くにどうしたん?」


19: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 00:57:51.68 ID:osSNvkWw

花陽「ご、ごめんなさい…迷惑、ですよね…」

希「ううん。そんなことないよ…バイトだけでクリスマスが終わっちゃうのもつまんないし。みんなが来てくれて嬉しい♪」

にこ「料理もみんなでいろいろ作ったわよ」

希「あ、ありがと…一応訊くけど、キラさん?」

ツバサ「なに?」

希「どうやってウチの部屋に入ったん?バイト行く前に戸締まりは確認したんやけど」

ツバサ「これよ」

希「チキンの…骨?」

ツバサ「ええ。これを玄関のドアの鍵穴に」
希「うそやろ!?入らないやん?油まみれになるし!しかも家に入る前にどこでチキン食べたん!?」

ツバサ「ちょっと待って。それはおかしな話よ。私が食べたチキンの骨、とは言ってないわよね?」

希「自分で食べたんやないチキンの骨をどこからかわざわざ持ってきて人ん家の玄関のドアの鍵穴に突っ込む人はおかしくないって言うんやったらその理由をじっくり聞きたいんやけど!?」

ツバサ「ご、ごめんなさい…私が悪かったわ」

あんじゅ「それくらいで許してあげてよ。今宵は楽しいクリスマスイヴなんだから♪」

穂乃果「えへへ。今年は希ちゃんと一緒だ♪」ギュー

絵里「たまには賑やかなのもいいわよね♪」

凛「凛はいつも賑やかなのがいいにゃー♪」

希(まあ…みんなが気軽に集まれるっていうのも一人暮らしの醍醐味かな?)

ツバサ「おわびと言っては何だけど…今日のチキンは私のおごりよ」

希「そうなん?ありがとね」

花陽「おいしいです♪」モグモグ

希(でもホンマに鶏の骨で鍵が開くんかなぁ?細い骨も一応あるし…まあ、試したくはないけど。油まみれになりそうやから)

【昨年一月】

希(ふー。やっと巫女さんのお仕事も一段落や。今年は寝正月からのスタートかなぁ…)

ガチャ

希「あけおめー。…なんてね。誰も…いるし」

希(ゲタやな…初詣の帰りかな?)

「おめでとう。今年もよろしく頼む」

希「こちらこそ…で、あなたは誰なん?」


20: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 01:00:14.19 ID:osSNvkWw

「統堂英玲奈だ。あんじゅやツバサが世話になっていると聞いて…挨拶くらいはしておこうと思ってな」

希「二人の知り合い?」

英玲奈(一年)「ああ。UTXの同級生だ」

希「なるほど…二人に比べて落ち着いてるから年上かと…えらい美人やし///」

英玲奈「フフ…それは和装の力だな。馬子にも衣装と言う」

希(ホンマに着物が似合うなあ…)

英玲奈「お雑煮を作ったから食べるといい。食事はまだだろう?」

希「あ、うん。さっきまで明神さんでお仕事やったし…ありがと」

のぞえれ「いただきます♪」

英玲奈「表面がパリパリに焼けた餅を入れて、ふやけないうちに食べるのが好きなんだ」サクッ

希「ああ、確かに美味しいよね。何だったらおうどんさんに入れてもいいし」パリッ

英玲奈「いや、待て。それでは餅を食べている間に麺がのびないか?」

希「え?…うーん。確かに熱々のお餅は食べるのに少し時間かかるけど…おうどんさんも、のびにくい麺があると思うよ」

英玲奈「そうか…ならいい」モグモグ

希「ところで…どうやってウチの部屋に入ったん?明神さんへ出かける前に施錠は確認したんやけど」

英玲奈「その神田明神で御神籤をひいてきたんだ。大吉だったぞ」

希「へー。新年早々、幸先いいね」

英玲奈「ああ。今年は善いことがありそうだ」

希「いや、不法侵入は悪いことやろ?…おみくじは置いといて、どうやって入ったのか聞きたいんやけど」

英玲奈「だから、その大吉のおみくじを鍵穴」
希「うそやろ!?紙やん!どう折ったら紙で玄関のドアの鍵が開くん!?」

英玲奈「ただの紙きれと侮ってはいけない。信じる気持ちがあればこそ、大吉はその力を正しく発揮する」

希「いや、人ん家の鍵をピッキングして勝手に入るのは少しも正しくないやん?」

英玲奈「悪かった。お雑煮、おかわりしてもいいから許してほしい」

希「お雑煮は美味しいしありがたいけど勝手に入るのはアカンよ。来る前に連絡して」

英玲奈「わかった。おわびと言っては何だが、おせちも作ってきた」

希「はあ。それも食べていいの?」

英玲奈「ああ。今年は、あんじゅと合作してみたんだ」パカ

希「おー!すごい…本格的やん」


21: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 01:08:22.31 ID:osSNvkWw

英玲奈「フフフ…どれを私が作ったか、君にわかるかな?」

希「いや、わからないけど…これとか?」

英玲奈「ぶっぶーっ。かまぼこはツバサが買ってきた物だ」

希(まあ、かまぼこは普通ご家庭で作らないよね…)

【二月】

希(鶏の骨はともかく、おみくじで開くのはさすがに…また鍵を変えたよ。もちろん無料で)

ガチャ

希「ただいまー。って誰も…なんかいい匂いがする?」クンクン

「あ。おかえりなさい」パタパタ

希「…いや、キミは誰なん?」

「フミコです。穂乃果ちゃんの友達なんですけど…」

希「はあ。そのフミコさんがどうしてウチの部屋に?」

フミコ(中3)「えっと…もうすぐバレンタインですよね?…だからお菓子を作ってみたんです」

希「穂乃果ちゃんの同級生やったら受験生やないの?」

フミコ「は、はい。四月から穂乃果ちゃんと一緒に音ノ木坂へ行きます♪」

希「あ、そうなん…穂乃果ちゃんも無事合格したんやね」

フミコ「まあ、入学希望者も少なかったみたいだし…」

希「アハハ…確かに生徒数は年々減ってるっぽいなぁ」

フミコ「とにかく、これで安心してバレンタインに専念できるっていうか…」

希「もしかして…穂乃果ちゃんのために?」

フミコ「や、やだ…わかっちゃいます?」ポ

希(それはまあ…訊いてもいないのに穂乃果ちゃん穂乃果ちゃんって言ってるし)クス

希「いい匂いやね。何を作ったん?」

フミコ「パウンドケーキです。マーブル模様のチョコ味♪」

希「へー。美味しそうやね」

フミコ「まだ味見してないんですけど…いかがですか?」

希「お料理、得意なん?」

フミコ「はい。中学の部活でもやってて…高校でもやりたいなって思ってるんです」

希「そか。じゃあ、ひときれ貰っちゃおうかな?」

フミコ「どうぞ♪」


22: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 01:10:22.24 ID:osSNvkWw

シュシュシュ ピーッ

フミコ「あ、今紅茶いれますね」

希(当たり前のように人ん家でケーキ焼いてお湯わかしてるんはツッコんだら負けなんかな…)

希「おいしい…お店で売っててもおかしくない出来やなぁ」

フミコ「お菓子だけに!?」

希「…ところで、フミコさんはどうやってウチの部屋に入ったん?」

フミコ「は、はい。こういうのあるじゃないですか…パンとかケーキとか入ってる袋の口をとめておく、金色のリボンみたいなの」

希「ああ、これね…って、まさかこれで鍵を開けたん!?」

フミコ「はい。玄関のドアの鍵穴に差し込んで」
希「うそやろ!?こんなんフニャフニャやん!?突っ込んでもカチって回らないやろ!?」

フミコ「でも、これ結構硬いじゃないですか。金属っぽい感じ?っていうか…」

希「みんなどんだけ器用なん…こんなもんでなんぼでもピッキングできたらホンマ防犯もへったくれもないよ」

フミコ「ご、ごめんなさい…困らせるつもりじゃなかったんですけど」シュン

希「いや、もういいよ…次からは来る前に連絡して。勝手に入ったらアカンよ?」

フミコ「はい…」

希「四月からよろしくね。後輩ができて嬉しいよ」ナデナデ

フミコ「えへへ」

希(パンやケーキの袋をとめておくアレで開けられる鍵はさすがに不安やし、また無料で以下同文)

【三月】

希(ちょっとずつ暖かい日も増えてきたけど、まだまだ肌寒いなぁ)

ガチャ

希「ただいまー(家に帰るとホッとするよね)」

希「…また可愛い靴があるし。今度は誰?」

「おかえりなさい!」パタパタ

希「出迎えてくれるんはありがたいけどね…キミはどちら様?」

「ミカです!」

希「そう言われても…(なんか小っちゃくて可愛いなぁ)」

ミカ(中3)「穂乃果とかフミコの友達なんですけど」

希(なんでウチの部屋には中学生が次から次へと来るんやろな…)


23: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 01:13:46.80 ID:osSNvkWw

(・8・)


24: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 01:14:37.57 ID:osSNvkWw

希「それで、ミカさんはウチに何かご用?」

ミカ「実は…私、ちょっとだけアイドルに憧れてて」

希「ほう」

ミカ「UTXへ行こうかなーって思ってたこともあるんですけど」

希「今は違うん?」

ミカ「はい。結局音ノ木坂へ行くことにしました。フミコが、穂乃果ちゃん泣いちゃうよ?とか言うから…」

希「ふーん…音ノ木坂もいいところやし、来たら気に入ってくれるんやないかな?」

ミカ「でも…あの、占ってくれませんか!?」

希「いきなりやね…何を占ってほしいの?」

ミカ「私がUTXへ行ってたらどうなってたか、です!」

希「そんなん占ってどうするん?」

ミカ「いや、どうするってわけじゃないですけど…何となく気になるじゃないですか」

希「まあいいけど…じゃあ一枚だけ」パラララ

スススッ

希「ほい。どれでも好きなカードを一枚めくってみて」

ミカ「じゃあ…これ!」パタ

希「小アルカナ、ワンドの3…逆位置や。このカードが示すのは…失望、停滞、目標を見失う」

ミカ「あはは…やっぱり音ノ木坂でよかったのかな」

希「そうかもね。…このカードは正位置になると“幸先のいいスタート”って意味があるん」

ミカ「そっかぁ…音ノ木坂でいいことがあるといいなぁ♪」

希「ところで…ミカさんはどうやってウチの部屋に入ったん?」

ミカ「これです!」

希「それは…耳かき棒?」

ミカ「はい。ミカだけに」

希「みミカき!?」

ミカ「この白いフサフサついてるじゃないですか。こっち側を玄関のドアの鍵穴に」
希「うそやろ!?反対側の先がカーブしてる棒のほうならまだわかるけど、フサフサのほうが鍵穴に入るん!?」

希(もう色々おかしくてわけがわからんわ…ホンマにあれで開くとは思えないし、今回は鍵を変えないで様子を見ようかな…)

ミカ「ごめんなさい…勝手に入っちゃダメですよね」

希「アハハ…まあ、わかってくれればいいよ…次からは来る前に連絡して」

ミカ「はい。…あの、ついでと言っては何ですけど…します?」


25: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 01:16:11.35 ID:osSNvkWw

希「へ?…な、何を?」

ミカ「みみかき♪」ニコ

希(小っこい割には、なかなかの感触…///)

ミカ「痛くないですか?」

希「大丈夫。上手やし気持ちいいよ♪…ミカさんは足しびれたりしてない?」

ミカ「まだ大丈夫です!」

希「そか(女の子のひざ枕で…至福のひとときやなぁ♪)」

希「…」ウトウト

【四月】

希(まだ春休み。みんなでお花見にでも行きたいなぁ…)

ガチャ

希「ただいま…お。学校指定のローファーやん…今日は誰?」

「おかえりなさい。ヒデコです」

希「はあ。ヒデコさん…音ノ木坂の新一年生?」

ヒデコ「はい。制服、変じゃないですか?」

希「制服は変じゃないけど…ヒデコさんはウチに何か用があるん?」

ヒデコ「ええ。まあ…私だけじゃないですけど」

ほのあん「希ちゃん♪」
えりにこ「希!」

希「み、みんな来てたん!?なんでまた…」

ツバサ「みんなでお花見に行こうかって相談してたのよ」

真姫「まあ、一度くらいは…そういうのも」

凛「いいよねー♪」

花陽「う、うん…」

海未「十六人でお花見というのも…」

ことり「なかなかできないもんね♪」

ミカ「東條先輩も行きますよね?」

フミコ「行きましょう!先輩♪」

希「そやね…ウチも誰かを誘って行きたいなって思ってたとこなん」

英玲奈「それはよかった。では早速…」


26: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 01:18:01.11 ID:osSNvkWw

希「ちょっと待って。一応訊くけど…ヒデコさんはどうやってウチの部屋に入ったん?」

ヒデコ「え?…もちろん玄関のドアからですけど…」

希「いや、その玄関のドアには鍵をかけておいたはずなんやけど」

ヒデコ「ほら、お花見といえばおだんごじゃないですか」

希「そ、そうかな?…まあ、おだんごはウチも好きやけど」

ヒデコ「穂むらのおだんごを食べて、その串を玄関のドアの鍵穴に」

希「えぇ…ベタベタになるやん?おだんご食べたあとの串って…」

ヒデコ「ちゃんと洗いましたよ。そこで」

希「いやいやいや!ウチの部屋に入るために使ったんやったら串は洗う前だったよね!?」

雪穂「希ちゃんもどうぞ♪」

希「ありがと…」パク

ヒデコ「おいしいですよね。穂むらのおだんご♪」

希「おだんごは美味しいけど、串をそんな使い方したらアカンよ。犯罪やし…」モグモグ

ヒデコ「ごめんなさい…」

希「じゃあ行こっか?場所は確保できてるん?」

にこ「まあね。別働隊が今頃…」

花陽「もうできあがってる頃かも…」

希「できあがってる?」

【都内某所】

凛ママ「りーん…遅いわよー」ムニャムニャ

花陽ママ「完全に夢の中ねー」ナデナデ

にこママ「桜を見ながらの一杯は格別ね!」プハー

真姫ママ「みんな、あんまり飲み過ぎちゃダメよ?」

海未母(お酒もいいですけど、踊りたくなりますね…)ウズウズ

ほの母「穂乃果たち、まだかしら?」

理事長「今こっちに向かってるみたい」


27: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 01:21:56.40 ID:osSNvkWw

【五月】

希(おだんごの串で開けられる鍵は以下同文)

ガチャ

希(二年)「ただい…また誰かいる」

希「これって…ずいぶん大人っぽい靴やけど」

「東條さん。おかえりなさい」

希「えぇ…なんで理事長がウチの部屋にいるんですか?」

理事長「音ノ木坂は年々、生徒数が減少傾向にあります」

希「それは知ってますけど…」

理事長「これからの音ノ木坂のこと…東條さんに占ってもらおうと思って」

希「そのためにわざわざ…?」

理事長「ええ。いいかしら?」

希「占うのは構いませんけど…玄関のドアの鍵、開いてました?」

理事長「いいえ」

希「じゃあ、どうやってウチの部屋に入ったんですか?」

理事長「これを…」ガサ

希「それは…あたりめ?」

理事長「ええ。これを玄関のドアの鍵穴に」
希「うそやろ!?それってただの干したイカやん!?ちょっと堅いしちょうどいいサイズに切ってあるけどそんなんでホンマに鍵が開けられるん!?」

理事長「東條さん。落ち着いて…これはオーブントースターで炙ってあるから食べられるわよ」パリポリ

希「なんで人ん家でイカ炙って食べてるんですか。何ならお酒も飲んでるでしょ?ちょっとにおいますよ!」

理事長「えっ。や、やだ…恥ずかしいわ///」

希「恥ずかしいと思うんやったら勝手に人ん家に入らないでください…っていうか鍵の業者もホンマどうなってるん…今日こそビシッと言っとかな」

理事長「私が連絡しておきましょうか?」

希「え?…あの鍵屋さんと知り合いなんですか?」

理事長「ええ。私の携帯にも入ってるし…ほら」

希「ガラケーなんや…ホンマに同じ番号ですね。って…これ」

『ことり』

希「ことり…って、南さん!?」

『はい。鍵の複製・修理・補強・付け替え、何でも承ります♪』

希「いやいやいや!なんで高校生が鍵屋さんやってるん…」


28: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 01:27:03.54 ID:osSNvkWw

理事長「声で気づかなかったの?」

希「うぐっ…いや、今までこんな声の人やなかった気がするけど…」

『はい。頑張ればちょっと違う声も出せます♪』

希「そうなんや…って、声の話は置いといて。うちの鍵、変えても変えてもなんかそのへんの適当な物で簡単に開くんやけど!?紙、わら、乾麺、チキンの骨にイカとか!」

『あー。たぶんですけど、それはそういう物で開けてるんじゃないんですよ』

希「へ?…じゃあ、みんなが嘘ついてるん?」

『いえ、本当に試してる人もいると思います。ただ…』

【六月】

希(ウチの部屋の鍵は一見、普通の鍵に見えるけど…)

『…顔認証?』

『はい。あらかじめ知り合いの顔を登録しておいて…その人がドアの方を向いてしばらく待ってると自動的に鍵が開くんです』

『そんなことできるん!?』

『だから、たぶん…たとえばパンやケーキの袋をとめておくコレを鍵穴に差し込んでガチャガチャやってるうちに』

『いや、そんなんでガチャガチャいわないやろ?あんなんフニャフニャやし!』

『顔認証で鍵が開く、という仕組みです♪』

『それにしてもウチの知り合いやなくて南さんの知り合いまで登録してない?』

『間違えちゃいました…エヘヘ』

『エヘヘやないよ。結果的に今は友達やからいいけど、帰ってきて知らん人が部屋にいたらびっくりするやん…』

『ごめんなさい…鍵、普通のに戻しますか?』

『うーん…二重ロックの片方が普通の鍵で、もう片方は顔認証システムってできる?』

『できますよ♪』

希(とりあえず、ひと安心…かな?)ガチャ

希「ただいまー」

ことほのうみえれあんツバえりにこまきりんぱなりじきぃゆきヒフミ「おかえりなさい!」

希「また増えてるし…大勢でどうしたん?」

ほの母「希ちゃん、玄関の鍵閉め忘れたでしょ?」

希「あー。普通の鍵のほう忘れてたかも…で、今日は何の集まり?」

穂乃果「もー。決まってるでしょ?」


29: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 01:29:30.69 ID:osSNvkWw

(・8・)


30: 名無しで叶える物語 2017/06/09(金) 01:30:50.52 ID:osSNvkWw

パパパパパパパパパパパパパン

ことほのうみえれあんツバえりにこまきりんぱなりじきぃゆきヒフミ「はっぴーばーすでー!」

希「あ、ありがと…」

希(まあ…こうなると思って今日は普通の鍵はかけなかったんだけどね///)

ことり「今回は私が作ったチーズケーキです♪」

希「おー。美味しそう♪」

希(音ノ木坂は年々生徒が減ってピンチやけど…ウチの友達はこんなに増えたよ)

『可能性?』

『はい。簡単なことやないかもしれません…けど、些細なきっかけから大逆転につながる。カードはそう告げてます』

『そう…私は何もしなくていいの?』

『何かをしようとする子がいたら、見守ってあげてください』

十七人「はっぴばーすでーとぅーゆー♪」

希(さあ、次は音ノ木坂の番や。ウチよりずっと大先輩で、この部屋より遥かに広いんやから。もっと友達、増やしてよ?)



おわり


39: 名無しで叶える物語 2017/06/10(土) 00:23:09.46 ID:Xs0ov5cf

おつおつ
なんでも開いちゃう鍵がいつにも増してカオスと思ったらちゃんと理由があったのね


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