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【ガルパン】アズミちゃんの初恋

1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:50:37.01 ID:HlHriJiu0

 戦車道チーム/ロッカールーム



アズミ「ふー、遅くなっちゃた。さっさと着替えて帰ろっと……ん?」

アズミ(……? なにこれ)

アズミ(私のロッカーのドアに──紙? 何か挟んである……)

アズミ「……メモ用紙?」

 ぴらっ……

アズミ「何か書いてある……。……げっ」


  <『アズミさん、貴方が好きです』


アズミ「げっ……。」

アズミ「……。」

アズミ「も~……ちょっとぉ……」


アズミ(ハァー……勘弁してよ……ここ最近は安心してたのに、またこーいうのかぁ……。ほんと、いったい誰……?)


アズミ「……。」ぺらっ……

   <『当方女ですが、よかったら付き合ってください。YES/NO 』


アズミ「っ……ったく……!」


 びりーっ、びりーっ!


アズミ(どこの誰かは知らないけれど、大学生にもなって──ラブレター!?)

アズミ(『女ですが』ってゆー前置きが余計にむかつく、なっさけないわねぇ……)

アズミ(こんな回りくどいこと何度も何度も……そんな無駄な事してないで、さっさっと面と向かって直接告れっつーの! きちんとお断りしてあげるからさっ)

アズミ(同性だからなんだってのよ……振られる勇気もない傷つく勇気もない、その軟弱な態度がそもそもアウトでしょ!)

アズミ(ていうか……チームメイトの誰かかもしれないって思ったら──普段の練習もなんか微妙にやりづらいんだからねっ!?)

アズミ「……ええい、こんなものっ」


 グシャグシャ……ぽいっ!


アズミ「ふん」
 
ガールズ&パンツァーの日常 4コマコミックアンソロジー2 (MFコミックス アライブシリーズ)

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:52:11.84 ID:HlHriJiu0

アズミ(あーあくだらない。せめてさぁ、時間差でこの現場にいきなり現れるくらいのサプライズを──)



 ──ガチャ!!(ロッカールームのドアノブ)



アズミ「う゛ぇっ!?」

アズミ(!? !!!??)

アズミ(──ちょっ、えっ──まさかマジで!? ──やだ! いきなりやめてよ心の準備が──!)





 ──??「おーい、まだ誰か残ってる~~?」





アズミ「……あっ」

アズミ(……なぁんだ……この声は──)


ルミ「──ん、アズミ。あんたまだ残ってたんだ」


アズミ「ルミ……。」

ルミ「早く着替えてよねー、最後の鍵閉めるの私なんだから」

アズミ「う、うん……。」

アズミ(……ほ、良かった……)

アズミ(あぁ、ドキドキした……)

ルミ「……。何? 人の顔見て、ぼけっとして」

アズミ「あっ」

アズミ(っ……安心して、惚けてた……)

アズミ「い──いきなりドアを開けないでよね、ちゃんとノックしなさい!」

ルミ「はぁー? ロッカールームはいつからアズミの自室になったのよ」

アズミ「昨日からよ!」

ルミ「はいはい……」


アズミ(もー……まだ心臓がどくんどくんいってる。ビビらせないでよ……)


ルミ「あ、ちょっと誰だぁ? 床にゴミ投げ捨てたは……」

アズミ(え──)


4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:52:40.79 ID:HlHriJiu0

ルミ「まったくもー」

 つかつかつか──


ルミ「綺麗にしとかないとさ、愛里寿隊長がぷんぷんしちゃうでしょ」


 かさっ……


アズミ(……!)

アズミ「ちょっ、待っ、ルミっ」

ルミ「へ?」

アズミ「……、あ、いや……」

アズミ(っ……しまった……)

アズミ(『見るな』って言ったら、この子絶対みるし──ていうかべつに、見られてもよかった? 私は知らんぷりしてれば──あぁいやいやいや駄目だ、もろに私の名前書いてあるし……ぬあーーっ……投げ捨てるんじゃなかった……!──)

ルミ「?? ん? これ、アンタの?」

アズミ「……あぁ……いや、べつに……。」

アズミ(……あーもー、最適な返事が見つからない……っ)



ルミ「?? よくわかんないけど……」

 カサカサカサ……

 ……ぺら、ぺら


ルミ「──ったく、破り捨てて……んー、何か書いてあるけど──」

アズミ「……っ」

ルミ「んっと──……。……はい? 『付き合ってください──等方女ですが──』……『アズミさん』……へ?」


アズミ「……。」

ルミ「……。ねぇ……これって」

アズミ「……っ……あーもー……うっさい、こっちみんな……」

ルミ「えっと、あんたって、たしか……えっと、アズミさんでしたっけ」

アズミ「……違うし。私じゃないし。……だからこっち見んなっての……」


ルミ「……。」

ルミ「………。」

ルミ「…………。」


ルミ「……………………っプッ!」


アズミ(ッ……)


ルミ「……あーっはっはは!! だーっはっはっは! ひゃーっ! ほんとにこういうのって、あるんだっ!」

アズミ「ぬぐぐぐ……あぁぁ、もぉぉぉぉ……」

ルミ「あーっっはっははっははっはは! さすがアズミさんはモテモテだなぁーっっはっはっは!」

アズミ「~~~~ッ」

アズミ(んもぉ~~~! 絶対しばらくネタにされる!! めんどくさいっ……)

アズミ(誰かしらないけど──いい迷惑なのよぉぉおーーー!!)


 ──────────。


5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:53:13.20 ID:HlHriJiu0

 ──翌日の昼・大学の中庭


アズミ「──ていうことが昨日、あってさぁ」

メグミ「ふぅ~ん」

アズミ「メグミには先に伝えとくから。ルミのやつがなんか言っても、あんまり乗らないでね。ネタにされるとウットオシイから」

メグミ「はいはい。……けど、ふぅん……もてるのねぇ、アズミ」

アズミ「……、同性にもてても仕方ないでしょ」

メグミ「でも私なら──そんなラブレターをもらえたら、ちょっと嬉しいけど」

アズミ「えぇ……?」

メグミ「可愛いらしいじゃない。ついでに顔も可愛いこなら──ちょっぴり、お試ししてもいいかもね」

アズミ「……やだちょっと……あんたって、そっちの気があるの?」

メグミ「違うけど、まぁ、何事も経験でしょ?」

アズミ「……。」


アズミ(……『経験』ねぇ……)


メグミ「……? 何よ、急に黙り込んで」

アズミ「べつに。ただ──当人の純情を、あんたの経験の糧にされる誰かさんは──可哀想だなって」

メグミ「へ……?」


アズミ(……っ、あー……もう、余計な事をいって──)


メグミ「……。……アズミってさぁ」

アズミ「……なによ」

メグミ「いっ、~~~がいと真面目なのところあるのよね、そんなふうに胸をべっろ~んとはだけさせてるくせに」

アズミ「うっさい」


アズミ(……。)


アズミ「……とにかく……今日の宅飲み、ルミが手紙のことネタにしても、ちゃんとスルーしてよね」

メグミ「はいはい、わかったわよー」






 ──────────。


6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:53:44.55 ID:HlHriJiu0

 同日・夜、メグミ宅飲み


ルミ「ねー、聞いてよメグミィ、アズミってばねぇ……すっごおくモテるんだよォ……?」

アズミ(ほらきた、案の定か、この酔っ払いは……)

メグミ「──あぁ、ラブレターのことでしょ? もう知ってるわよ」

ルミ「ふぇ?」

ルミ「なんだ、知ってるのぉ?」

メグミ「うん」

ルミ「……なんだぁ……鉄板爆笑ネタだと思ったのになぁ」

メグミ「こーら、人の恋路を笑っちゃ駄目でしょ?」


アズミ(……。)


ルミ「むー……べつに……そーいうわけじゃなくて……アズミが女から告られたって所が面白いだけで……むー」

メグミ「わかったわかった。ちょっと水をのみなさい、あんた顔真っ赤よぉ? ほら」

ルミ「……うぃー……」


 ごく、ごく、ごく……


アズミ「……ありがと、メグミ」

メグミ「どういたしまして」

ルミ「……はぁー……ちょっと、うたた寝しようかなぁ……」

メグミ「あら、寝ちゃうの?」

アズミ「寝な寝なっ。そのまま朝までねちゃいなさい」

ルミ「だめよぉまだラブレターの件、話は終わってないんらからねぇ~?」

アズミ「あーもー……記憶を消してやりたい……」

メグミ「ルミ~、ほら枕」

ルミ「んぁ、ありがとぉメグミぃ、愛してるわぁ~」

メグミ「はいはい私もよ」

ルミ「私女だけど、よかったら付き合ってくださいメグミさん……」

アズミ「っ、このぉっ……さっさと寝ろっ」


 ばふん!


ルミ「ぐえ! ……むきゅー………………ぐ~、が~……」


7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:54:16.39 ID:HlHriJiu0

アズミ「ったく……」

メグミ「ふふ……まぁまぁ、ルミって処女だし、恋人もいないからさ、この手の話が楽しいのよ」

アズミ「……、……自分は違う、見たいな口ぶりね」

メグミ「何が?」

アズミ「……。あんたって、性格悪い」

メグミ「うん、ごめんね、酔っぱらうと素がでちゃって」

アズミ「もー……どいつもこいつも……」


 ……ごく、ごく、ごく


アズミ「……ふはぁ……」

メグミ「……けどさ」

アズミ「んー?」

メグミ「誰なのかしらね? 件のラブレターの送り主。やっぱ……チームのだれかだと思う?」
 
アズミ「……。」

アズミ「さぁ、ね……。」

メグミ「……。」

アズミ「……ねぇ、一応、聞いとくけど──」

メグミ「?」

アズミ「まさか……送り主、アンタじゃないでしょうね」

メグミ「……、はぁ?」

アズミ「どーなのよ」

メグミ「んー……じゃあ──私だったら、どうする?」


アズミ(……ったく……この子は、すぐこーやって意味ありげな態度をするんだから……)

アズミ(……ふぅ)


アズミ「アンタだったら──そーね、くだらないイタズラすんなって、砲撃のマトにしてあげる」

メグミ「……。ふぅん」

メグミ「……。」

メグミ「……結構、残酷なこと言うよね、アズミ」

アズミ「……は?」


8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:54:48.64 ID:HlHriJiu0

グミ「そりゃ、うっとうしい事してるかもしれないけど──私は自分の気持ちを正直に記した。それを一方的に『イタズラ』って、決めつけないでほしいな……」

アズミ「へ……。あ? え?」

アズミ「……。」

アズミ(──!?)

アズミ「……は!? ちょ……冗談……よね?」



メグミ「……。」



メグミ「……まぁ、冗談だけど」

アズミ「っ、あんたねぇーー!!!」

メグミ「あははは、ごめんごめん」

アズミ「んもぉ~……っ」


メグミ「じゃあ──隊長だったら、どうする?」

アズミ「え──」



アズミ「……。」

アズミ「…………。」



 ~~愛里寿『アズミ……、……。……好き……。』~~

アズミ(~~~~~~~っ!!)



アズミ「やばい……OKしちゃうかも」

メグミ「あははは。」

アズミ「あー、でもなぁ……家元が義理のお母さんかぁ……」

メグミ「いきなり結婚の話になるの……?」

アズミ「女ならそこはやっぱり考えるでしょ」

メグミ「まぁそうかもね、あはは……は……」

メグミ「……。……ふー」



アズミ(……?)



アズミ「……メグミ?」

アズミ(何よ、急に真顔になって──)


9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:55:26.28 ID:HlHriJiu0

メグミ「──あのさ、前から、一個だけ聞いてみたかったんだけど……」

アズミ「え……何?」

メグミ「答えたくなければ、別にいいけど……」

アズミ「だから、何なのよ」


メグミ「……。」

メグミ「アズミってさ……。」

アズミ「うん」

メグミ「ちょっとだけ──ビアンの血、入ってない?」



アズミ(……!)



アズミ「はぁー……? いきなり何いってんの……?」

アズミ(……。)


メグミ「もしかして、そうなんじゃないかなって」

アズミ「なんでそう思ったのかが素直に疑問」

メグミ「……。私ってさ、けっこう──人間観察、好きなのよね」

アズミ「……悪いけど、趣味『人間観察』です、ってゆーやつ、私はあんまし好きじゃない」

メグミ「だよねー。だから、普通はあんまり人には言わないんだけどさ」

アズミ「……。」

メグミ「アズミって、ボディコンぶった服装してる割には、根はすっごくマジメなのよね。そういうのって……なんか、歪んでる感じ」

アズミ「アァ……?」

メグミ「それと、ラブレターの事──ふつーだったら、もっと面白おかしく騒がない? だけどアズミは──なんだか、とっても真剣に受け止めてるよね。それも──なんだか、違和感」

アズミ「……、感覚的な話ばっかりで、全然説明になってないんだけど?」

メグミ「遣ろうと思えば論理だてて説明できるけど──でも、自分のこと冷静に分析されるのって、すっごくイラつかない? だから、私の直観、ってことに、しときたいんだよね。」

アズミ「……あんたって澄ました顔してそんな事ばっかり考えてるの? なんかショックなんだけど」

メグミ「ごめんね。でも私、そーいう性格なのよ。……アズミには、白状してもいいかなって」

アズミ「ごめん、そういうなんか思わせぶりな言い回しも止めてくれない?ちょっと、むかつく。」

メグミ「ん……ごめん」

アズミ「……っ」


アズミ(……急に素直に謝るんじゃないわよ)


10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:56:03.31 ID:HlHriJiu0

メグミ「ま……怒られて当たり前なんだけどね……」

アズミ「……?」

メグミ「仲間と一緒に酒飲んで酔っぱらって──他人には言えないような事を語り合うっていうの? そーいうシチュエーション、憧れるのよね」

アズミ「はぁ……?」

メグミ「だから、私としては、アズミがそれくらいの秘密を抱えてくれてるほうが──嬉しいなぁ。……うふ」

アズミ「……。……あんたさ……実は結構酔ってるでしょ」

メグミ「んふ……ばれた?」

アズミ「ばれた? じゃないわよ……」


メグミ(ったく……)


アズミ「じゃーさ、仮に私がレズだとしてさ、──あんたは?」

メグミ「私?」

アズミ「アンタは何か、それに見合う秘密……あんの?」

メグミ「ん……私はほら──、趣味『人間観察です』って言っちゃうような、ちょっとアレな子なんだよって……そんなとこかな?」

アズミ「そんなの、たいした秘密でもなんでもないじゃないの」

メグミ「……ほんと? ほんとにそう思う?」

アズミ「ほんとにって……何よ」

メグミ「大したことじゃないって──今まで通り、一緒にいてくれる?」

アズミ「え……」

メグミ「私さ、自分のこーいう性格、あんまり好きじゃないのよね。ほんとは……ルミみたいに、裏表みたいにあっけらかんとしてる人間になりたかった。……って、こーいう事ぐじゃぐじゃ言っちゃう自分も、嫌」

アズミ「……。」

メグミ「私は、もしもアズミがビアンだとしてもそんなこと全然気にしないわ。あんたの人格を信じてる。だからお返しにあんたも──私にこーいうメンドクサイ嫌な所があるって分かっても、アズミが私を好きでいてくれるといいなって。……あー、えへへ、酔ってるなぁ……」

アズミ「……。」


アズミ(……。)

アズミ(……くそ……)

アズミ(こーいう雰囲気──悪く無いなぁーとか……思ってんじゃないわよ、私……っ)


アズミ(……っ、)

アズミ(──ああもぉっ、なんか、白状してみたくなっちゃうじゃない……!! 受け入れてくれるなら嬉しいなって──思っちゃたじゃないのよっ!!)

アズミ(──メグミのアホっ)



アズミ「……違う」

メグミ「?」

アズミ「私は──ビアンじゃないわ。違う」

メグミ「……。……そっか」


11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:56:33.90 ID:HlHriJiu0

アズミ「違うはずだと──と、自分ではそう思ってる。」

メグミ「……?」

アズミ「こーやって胸おっぴろげてるのだって──女アピールして男どもの注目を引くのが快感だからやってるんだし……。私はイイ女なんだぞーって、なんか自尊心が満たされる」

メグミ「ビッチ……」

アズミ「お黙り。ただ──」

メグミ「ただ……?」

アズミ「たまーにね、ほんと、たまーにだけど……感じちゃう時があって」

メグミ「何を?」

アズミ「つまり、その──」

メグミ「なになに?」


アズミ(……っ、こんな事、誰か白状しちゃうなんて──)


アズミ「──あ私これ、女の子もいけるかなーって……ね」


メグミ「……え、え……あー……」

アズミ「……。」


メグミ「そっかぁ……」

メグミ「レズじゃなくて……バイなんだ……」


アズミ(……っ)

アズミ「わからないよ、わからないけど……私、女でも普通にイケるなぁって……」

メグミ「マジかぁ……」

アズミ「……。」


アズミ(……他人にこんなこれを打ち明けたのは、初めてね……)

アズミ(そっか……こんな風な気持ちになるのね……)

アズミ(メグミの表情から、目が離せない──この子はどんな顔をするだろうどんな反応をするだろう──不安と、やっぱりやめとくんだたっていう後悔と──受け入れてもらえるかなって、かすかな期待……)


メグミ「それってさ、冗談──じゃないのよね?」

アズミ「……冗談あつかいするの?」

メグミ「ごめん、今の発言は無し。けど……おー……ほんとにこうなるとは……。」


アズミ(……。)


アズミ「引いた?」

メグミ「え……。……ううん、いや……べつに……」

アズミ「どうだかね」

メグミ「ほんとよ。引いてないんかいない。ていうか──そうね、むしろ興味深いわ」


12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:57:06.15 ID:HlHriJiu0

アズミ「はぁ? 興味深い……?」

メグミ「ええ。人間観察好きとしては──すっごく興味がわいてくる。アズミの事」

アズミ「……うわ、なんか私の方が引いちゃった。あんたねぇ……友達がLGBTのカミングアウトしてんのに……」

メグミ「ごめんごめんごめん! でも……ね、ね、同性にときめくって──どんな感じなの?」

アズミ「アンタねぇっ、あやまりゃなんでも許されると思ってんでしょっ」

メグミ「そんなことないって」

アズミ「ったくもー……ったく……、……」


アズミ(……あーっ、もぅ、もぅっ……少し喜んじゃってるなぁ、私。だってこいつt-)


アズミ「んもう、……べつに、普通よ」

メグミ「だからー、その『普通』っていうのが分からないの」


アズミ(変わらずこうして、私にこうやって接してくれてるんだもの──)

アズミ(ええい、くやしいじゃないっ……)


アズミ「──あんただって男にドキっとしたことはあるでしょ?」

メグミ「そりゃ、あるけど」

アズミ「なら分かるでしょ? その気持ちと一緒だってば」

メグミ「ふむ……じゃ、道端で可愛い女の子とすれ違ったら──ドキドキしたりするの?」

アズミ「目で追っちゃうことぐらいはあるかもしれないけど──別に、誰も彼もにドキドキしたりはしないわよ」

メグミ「そうなの?」

アズミ「好みってもんがあるでしょうが」

メグミ「……あ、なるほど、そういう……。ふむふむ……」

アズミ「難しく考えることないんだてば。単純な話でしょ」

メグミ「言われてみればそうなんだけど……──あ、じゃあさ」

アズミ「?」

メグミ「私にドキッとしたことは? ある? 私て、アズミの好み」

アズミ「……あのさぁ……アンタ、自分からそゆこと聞く?」

メグミ「え……変?」

アズミ「考えてみなさいよ、あんた、私が男だったとしたら、そーいうこと聞く?」

メグミ「アズミが男だったら? ……ん~……」


メグミ「………………。」


メグミ「……あー、……聞かないかも……なんか、そうゆうこと聞いちゃうのって……『小悪魔』って感じ」

アズミ「でしょ? あんたはそーいうキャラじゃないもん」

メグミ「うーん……言われてみれば理解はできるけど、なんかややこしいわねぇ」


アズミ(……ややこしい、か)


アズミ「結構さ、そういう感覚的なズレが、一番寂しいかったりするのよね」

メグミ「え……?」


13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:57:34.79 ID:HlHriJiu0

アズミ「なんていうのかなぁ……『恋愛』って本能でしょ? ノーみその根っこの部分にある感情。そーいう部分がさ、周りと共通認識できってないっていうのって……すっごい疎外感」

メグミ「……。……そっか、そうよ。……そのアンタの気持ちは、なんかわかる」

アズミ「ありがと。……ま、しかたないことなんだけどねー……」


メグミ「……。」

アズミ「……。」


アズミ(……とはいえ、メグミの言う通りなのかもね──)

アズミ(悪くないなぁ、こーいう雰囲気……。なんか、分かり合えてるっていうか──)

アズミ(……。)

アズミ(……メグミ……。)


アズミ「……あのさ?」

メグミ「ん……?」


アズミ(──だめよ、アズミ……)


アズミ「私からも聞きたいんだけど」

メグミ「ん、何?」


アズミ(──やめなさいアズミ……)

アズミ(そんなダサい真似──アズミ……!)


アズミ「──試しに私と付き合ってみないって、私が言ったら──アンタ、どうする?」

メグミ「……え……」

アズミ「何事も経験なんでしょ? 一度くらい、いいんじゃない? 女と──付き合ってみるのも」


アズミ(……っあぁぁぁっ……馬鹿……だっさ……)


14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:58:03.62 ID:HlHriJiu0

メグミ「……。……ごめん、悪いけど──お断りだわ」

アズミ(……っ)

アズミ「……、あ、そう」


アズミ(……。)

アズミ(なんで……?)


アズミ「……何事も経験だとか、お試しがどうのって、いってたくせに……どうして? ……やっぱ、私のこと、気持ち悪い?」

メグミ「……馬鹿っ、誰が気持ちわるいだなんていった? ……もしも──あんたが、完全なノーマルだったら──お試しで付き合ってもいいかなって、思う」

アズミ「……?」

メグミ「アズミは、バイかもしれないんでしょ。だったら──お試しだなんて、そんなのアズミに失礼だもの」


アズミ(……メグミ……。)


メグミ「私、そーいう事は出来ないわ」



アズミ(……。)

アズミ(………………。)

アズミ(……ッ)


アズミ「……アンタってさぁ」

メグミ「何よ」

アズミ「処女でしょ」

メグミ「……。ほんと何よ急に。……意味わかんないんだけど」

アズミ「ルミのことあーだーこーだ言っときながらさぁ……あんたこそ、倫理感で恋愛考えてるじゃん」

メグミ「あぁ?」

アズミ「そーいうのも大切だけどさぁ……ま、とにかくいろいろ、まだまだよねぇ~」


15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:58:35.34 ID:HlHriJiu0

メグミ「んぁっ……なに? え? なに? なんか……すごくムカつくんだけど、あんたこそ純情を糧にされるのはドーたらコーたらとか言ってたじゃない!」

アズミ「はいはい……人間観察がまだまだ甘いわねぇ」

メグミ「……っ、なっ」

アズミ「あーもー疲れてきちゃった。寝よ寝よ」

メグミ「ちょっとっ」

アズミ「お休みお休みーーーーー」

メグミ「こらぁっ」



アズミ(──……。)

アズミ(あーもー……ヤバいどうしよ……)

アズミ(私の体……すっごくメグミと──付き合ってみたくなっちゃってる……)

アズミ(……うぁー……こんなに軽い女だったの? 私って……)



 ──────。








///////数日後・夕暮れロッカールム

アズミ(……うー……)

アズミ「ムラムラするぅ……」

アズミ「……うー……」


アズミ(メグミに打ち明けて──メグミに受け止めてもらえて──だから、もっともっと……って、気持ちが欲望しちゃってる……)

アズミ(なんつー尻軽。しっかりしなさいよ前頭葉……中学生じゃないんだから……)

アズミ(……。)

アズミ(ちくしょー、他には誰もいないし──メグミのロッカー、覗いてやろうかしら……)

アズミ(……やめなさい、それじゃ変態じゃない……)

アズミ(……うー、でもメグミの臭いが嗅ぎたい……)

アズミ(……ぐぅ、こんな衝動、今まで感じた事なかったのに……)



アズミ(……。)


アズミ「付き合えってくれって──マジで迫ったら──」

アズミ「……マナー違反……なのかなぁ、やっぱり……」


アズミ(……。)

アズミ(せっかくメグミが私のバイを受け入れてくれてたんだから──、私からそれを壊すような事は……しちゃいけないのかなぁ)

アズミ(……うー……)


アズミ「はぁー……さっさと着替えて帰ろ」



 ──ガチャ(ロッカーのドアを開ける音)


16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:59:04.21 ID:HlHriJiu0


 …………ひらり…………



アズミ「……ん?」

 ……ひら、ひら……

アズミ「……。はー…またか」


アズミ(隙間に押し込んであったのね、開けるまで気付かなかった……)


アズミ「誰だか知らないけど──あんたもさぁ、懲りないわよねぇ……」


 ──かさ……


 <メモ用紙『──付き合ってください。女ですが。アズミさんへ YES/NO』


アズミ「……。」

アズミ「ビアンを打ち明ける勇気はなくて、──でも、自分の気持ちを殺しきることもできなくて──」

アズミ「もしかすると、悩んでるのかしらねぇ、あんたもさ……」

アズミ「……。」



アズミ(……。)

アズミ(……もー、世話が焼けるっ……)



 ……ごそごそごそ……びりっ(アズミがキャンパスノートを破る音)


アズミ「……えっと……」

 ──かきかきかき



  『どこかの誰かさんへ。
   
   そろそろちゃんと面と向かって告ってきなさい。
   そうしたら、ちゃんと一人の女として貴方に向き合って、貴方にきちんと返事をしてあげる。
 
   こんな事を続けても、貴方の青春がもったいないわよ。
   私の携帯の番号をメモしておくから、いつでも電話して。合う場所をつたえるから。

     090-XXXX-XXXX

   ps.たぶんあんたも多分戦車乗りでしょ? だったら根性見せなさい。そのほうがきっとあんたのためだから。
 
  』


17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 07:59:31.06 ID:HlHriJiu0

アズミ「……あ、そうだ。」

 ──かきかきかき

  『
   関係ない奴はこのメモ用紙を見てもスルーすること!
   面白可笑しくはやしたてないこと!
   人の恋路をバカにするやつはウマに蹴られてしぬわよ。
   中隊長:アズミ
  』



アズミ「……これでよし。」

アズミ(ロッカーのドアにこのメモ用紙を挟んどいてやるから──ちゃんと手にとりなさいよ……)








 ────────────。





///////////////翌日・昼休み・ロッカールーム

アズミ(挟んでおいたメモ用紙は……まだ残ってるわね)








 ────────────。


18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 08:00:09.87 ID:HlHriJiu0

///////////////同日・戦車道練習前・ロッカール―ム

 ワイワイガヤガヤ──


ルミ「今日は久々に隊長との一騎打ち練習だねぇ」

メグミ「えぇ、腕でがなるわね」

アズミ「……。」


アズミ(メモ用紙……まだ残ってた。ということはやっぱり、この後のタイミングで……?)


アズミ(……それはさておき……。)


メグミ「──アズミ? あんたもさっさと着替えなさいよ」

アズミ「え、ええ」


アズミ(……。)

アズミ(……はぁー、メグミのお尻、ムラムラする……)






////////////////同日・練習後・ロッカール―ム

アズミ「──あ」


アズミ(メモ用紙……無くなってる……)

アズミ(……。)

アズミ(──、電話、ちゃんと、かけてきなさいよ)








//////////////////同日・夜

 ──ヴィ゛ーーーッ、ヴィーーーッ……



アズミ(──!)

アズミ(携帯の、着信……)


19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 08:00:47.43 ID:HlHriJiu0

ごそごそ……


アズミ「……非通知だわ」

アズミ(メモ子ちゃん、かな……?)


 ──ヴィ゛ーーーッ、ヴィーーーッツ……


アズミ(……、さすがにちょっぴり、ドキドキするわね)


 ──ぴっ……。


アズミ「……もしもし」


 ──『……。』


アズミ「メモ子ちゃん?」


 ──『……っ……』


アズミ(かすかだけど──今の声の音は、やっぱり女性のものね)


アズミ「聞こえてる?──一時間後に、大学の裏門のところにきて。待ってるから」

 ──『……っ……』

アズミ「いい? OK?」

 ──……ぷつっ……

アズミ「あ」

 ──ツー、ツー、ツー……

アズミ「ふー……これで現れなかったら──覚えてなさいよ。メモ用紙のこと、容赦なく話のタネにしてやるんだから──」


 ──────。


20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 08:01:19.60 ID:HlHriJiu0



 ──────。

アズミ(伝えた時間まで、あと5分、か……。)

アズミ(ちゃんと来るのかしらね)

アズミ(ビビッてこないってのなら──それはそれで、いいけど。……さすがにメモ用紙挟むのもやめるでしょ)

アズミ(……。)

アズミ(現れなさいよ、私が、ここまでしてあげてるんだからね)



アズミ「だけどさ……どうしてこんなことしてあげてるんだろうねぇ、私は……。」

アズミ(……。)



 ──ジャリっ……



アズミ(──!)



??「あ、──あのぅ……」



アズミ「……あ……」



アズミ(……やっぱり──戦車道の子だったのね)

アズミ(今年入学してきた一年生で、少し、大人し目な子──でも、操縦の腕は結構見れるものがある……。)


 「……先輩……」


アズミ(……君がそういう子だとは、全然気づかなかったわ──)


21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 08:01:51.16 ID:HlHriJiu0

アズミ「……、偉いわね。よく、逃げずにちゃんと来た」


 「……っ……」

 「ほ、──本当に申し訳ありませんっ!」


アズミ「……。」

 
 「こんな、ストーカーみたいなことを、ずっと、……ごめんなさい!」

 「もう二度としません! だから──皆には黙っていてください! 私が……その……」


アズミ「……レズだって、ことを?」

 
 「……っ、……はい……。」


アズミ「そう……冗談のイタズラかとも思ってたけど……本気だったんだ」


 「……。すみません、本当にすみません、……気持ち、悪いですよね……」


アズミ(……っ)

アズミ(……必死に頭を下げて──一向に顔をあげようともしない君……)

アズミ(『どうしてこんなことしてあげてるんだろうねぇ、私は』……って)

アズミ(……あなたの情けない姿をみて……やっと理由がわかったわよ……)


アズミ「顔……上げて」

 「……でも……」

アズミ「いいから」

 「は……はい……」


 す……。


 「……。」


アズミ(……。)

アズミ(怯えて、強張って……ナイフで腹を刺されてるみたい……)

アズミ(……。)

アズミ(貴方はただ人を好きになっただけなのよ。ねぇ、どうして──そんな顔をしなきゃいけないの……?)

アズミ(……。)


22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 08:02:22.04 ID:HlHriJiu0

アズミ「あのね、人のロッカー弄って──やることが陰湿よ」

 「……っ、すみません、すみません……でも、中を見たりは、してないです……」

アズミ「ふぅん。じゃあ、メモを挟んだだけ? 中をあさったりとかはしてない?」

 「はい、嘘じゃありません……本当です、そんなこと……しないです……」

アズミ「……。そのメモにしたって……ダサいし、しつこいし、何がしたいのか全然わかんないわ」

 「っ……ごめん……なさい……」

アズミ「あんたも戦車乗りならさ、好きなら好きって、もっと堂々と……堂々と……。……。……ハァ……。」

 「……、……?」


アズミ(……。誰かを好きになって──精一杯青春を楽しむ権利は誰にだってあるはずなのに……どうして私達には、それが無いのよ……)


アズミ「……不公平だわ」

 「? は、はい……すみま……せん……?」

アズミ「……、あのね、いい加減そんな顔はやめてちょうだい。イライラする」

 「は、はい……。」

アズミ「……。逃げなかった貴方の勇気に免じて……一つだけ、私の秘密を教えてあげる。」

 「秘密……?」


アズミ(……。すぅ、はぁ……)


アズミ「私ね──バイだから」

 「……え?」

アズミ「バイよ、バイセクシュアル、貴方ならその言葉──知ってるでしょ」

 「え、あ……え……!?」


アズミ「そういうわけだからさ……」

アズミ「……ね、私はあんたのこと、気持ち悪いと思ったりはしないわよ……」


 「……!」


23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 08:02:50.36 ID:HlHriJiu0

アズミ「だから──余計な心配をしてないで……さぁ、告白なさい」


 「先輩……!」


アズミ「ちゃんと、一人の女として、返事をしてあげる! ……もちろん、YESって答えるかNOって答えるかは、知らないけどさ」


 「……っ、っはいっ! はい……!!」

 「します……ちゃんと告白──します!!」


アズミ「……ん! そうそう、そういう顔をしてなきゃ。さぁ──私のを振り向かせるくらいの熱い告白──あんたにできるかしらね……!?」


 「……っ!!」

 「はい! やります……やってみせますっ!! アズミ先輩──!」












  ──────────────────。


24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 08:03:43.37 ID:HlHriJiu0





 ──数日後、昼・学食 


ルミ「ねー……メグミィ……」

メグミ「んー?」

ルミ「あんた聞いた? アズミのやつってば──」


メグミ「──後輩の子と、付き合ってるって?」


ルミ「そうそれ。……。……ハァ……」

メグミ「どうしてルミがへこむのよ? ……まさか、ルミって……実はアズミの事が好きだったの?」

ルミ「いやそうじゃなくてぇ……。」

メグミ「じゃあ、アズミがレズだったことがショックだった?」

ルミ「違うわよっ。私さ……初めて手紙を見た時、アズミに向かって大爆笑したの。それって……アズミとその子に、酷い事してたんだなぁって……」

メグミ「……あぁ、なるほど……。」

ルミ「アズミは、気にしてないっていってくれるけど……」

メグミ「まぁしかたないわよ。その時は何も知らなかった名から」

ルミ「……そう、そこなのよ。」

メグミ「うん……?」

ルミ「私は何も知らなかったの。そこもちょっと、もやっとしててさぁ……」

メグミ「どういうこと?」

ルミ「だってさ……言ってくれりゃあいいじゃん! レズだかバイだか知らないけど──私はぜんぜん、気にしないわよ!」

メグミ「あー……そういうことね」

ルミ「なんだかさ……信頼されてなかったのかなぁって」

メグミ「でもねぇ、デリケートな問題だから……簡単には言えないんじゃないかなぁ」

ルミ「うん……それはわかる。だからさ、。教えてほしかったっていうのは私の我満なんだけど──それはわかるんだけど、でも……はぁー……。」

メグミ「……。ルミって、素直ねぇ」

ルミ「なによぉ、バカにしてる?」

メグミ「ぜんぜん。……だけど、そういえばねー、実は私もね、少し、もやっとしたことがあって」

ルミ「? なに……?」


25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 08:05:11.32 ID:HlHriJiu0

ルミ「うん……それはわかる。だからさ、。教えてほしかったっていうのは私の我満なんだけど──それはわかるんだけど、でも……はぁー……。」

メグミ「……。ルミって、素直ねぇ」

ルミ「なによぉ、バカにしてる?」

メグミ「ぜんぜん。……だけど、そういえばねー、実は私もね、少し、もやっとしたことがあって」

ルミ「? 何……?」

メグミ「あのね……。……マジメぶった事言わずにね、、思い切って──お試ししてみればよかったかなって……。少し、くやしい気がしてる」

ルミ「?? お試しって?」

メグミ「せっかく、あの子といろんな話ができたのに──あ~あ、つまんない事しちゃったかなぁ」

ルミ「?? えと……ごめん、何の話しかよくわかんないんだけど……?」



メグミ「……。」

メグミ「……はぁ~」

メグミ「……。」



ルミ「……ちょっと……ひとりで遠い目してないで、説明してよぉ」


メグミ「……。」


メグミ「ねぇ、ルミ」

ルミ「?」

メグミ「私達も──付き合ってみよっか」

ルミ「へ……。……はぁっ!?」

ルミ「な……えぇ……? ねぇ待ってよォ……あんたまで私に隠し事してたのぉ?」


メグミ「へ……?」


メグミ「……。……ルミ―のそーいうところは、けっこうマジに好きかもね」

ルミ「ちょっとぉ、もぉやだぁ……、とりあえずさぁ、頭整理させてよぉ……もうわけわかんないわよぉ」

メグミ「ね……来週二人で、江の島にいきましょうよ、江の島、連れてってよ」

ルミ「えぇぇぇぇ……? ちょっとぉ、どうしたらいいのよぉ……」

メグミ「あははは……」







【ガルパン】アズミちゃんの初恋

~完~


26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/06(金) 08:06:42.55 ID:HlHriJiu0

ありがとうございました。




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