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花丸「部室からいい匂いが……」クンクン

1: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 20:56:39.83 ID:EIxeaVEB

花丸「このお腹に染みるいい匂い、もしかして……」


ーーースクールアイドル部 部室

ガチャリ

花丸「やっぱり、クッキーのいい匂いだ!」

千歌「あぁ、まるふぁんふぃふぁっふぁい(あぁ、まるちゃんいらっしゃい)」モシャモシャ

曜「ふぁっふぉー、まるふぁん(やっほー、まるちゃん)」モシャモシャ

花丸「……2人とも、食べながら喋るなんて、はしたないずら……」

Journey to the Sunshine (特典なし)

3: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 21:00:41.94 ID:EIxeaVEB

花丸「ねぇ千歌ちゃん、このクッキーって、もしかして……」

千歌「そう、そのもしかして。梨子ちゃんの作ったクッキーだよ!」

花丸「やっぱり! ふふっ、美味しそうずら……」

曜「ほら、マルちゃんも食べよ食べよ!」

花丸「それじゃ、遠慮なくいただくずら。……そういえば、梨子ちゃんは?」

千歌「梨子ちゃんはトイレに行ったよ」

花丸「そうなんだ、じゃあ、後でお礼を言わなきゃ。……お手を合わせて、いただきますっ」パチン


4: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 21:05:05.45 ID:EIxeaVEB

アーン パクーッ

モグモグ

花丸「ふふふ……ふぉいひぃふふぁ……(おいしいずら……)」ニコニコ

千歌「マルちゃんってば、食べながら喋るなんてはしたなーい」ケラケラ

花丸「……!?」

ゴクンッ

花丸「……自分で言っておいて、ごめんなさい……///」

曜「まあ、でも美味しいからね、はしたなくなってもしょうがないよね」ケラケラ

千歌「だよねー」ケラケラ


5: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 21:10:42.47 ID:EIxeaVEB

花丸「梨子ちゃんって、すごいずら。だって、こんな美味しいお菓子をたくさん作れるし」

千歌「ねー、そうだよねー」

花丸「ピアノも弾けて絵も上手で、お裁縫だってルビィちゃんくらいできるし」

曜「手先が器用だもんねー」

花丸「おまけに綺麗で、いつもなんだかいい香りがして……おらに無いものをたくさん持ってて、憧れちゃうずら……」テレテレ

千歌「ほうほう」ニヤニヤ

曜「ほうほうほーう」ニヤニヤ


8: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 21:17:02.93 ID:EIxeaVEB

曜「マルちゃんが、梨子ちゃんに対してそんな思いを抱いてたなんてね。意外だよ」

花丸「うん。最初は東京の人だ、って理由でちょっと怖かったけど……今はもうそんな風に思わないし、むしろね……」

千歌「むしろ?」

花丸「……あんなお姉ちゃんがいたらな、とか思ったりするんだぁ……///」

千歌「ほえー、マルちゃん大胆だねぇ」

花丸「大胆、だなんて……。ここに梨子ちゃんがいないから、こんなこと言えるわけで……」


10: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 21:22:40.10 ID:EIxeaVEB

曜「で、それからそれから?」

千歌「もっと梨子ちゃんへの思いを聞かせてよ、マルちゃーん」

花丸「……千歌ちゃん、曜ちゃん。なんでそんなに興味津々なの?」

曜「そりゃあ、梨子ちゃんへの憧れをたくさん聞きたいんだよー」

千歌「そうそう、ちょうど梨子ちゃんも帰ってきたし」

花丸「……へっ、り、梨子ちゃん帰ってきたの!?」ドキッ





梨子「こ、こんにちわ……花丸ちゃん……///」テレテレ


11: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 21:30:09.80 ID:EIxeaVEB

花丸「え、あ、えっと……梨子ちゃん、い、いつの間に……戻ってきたの……!?」アセアセ

梨子「えーっと、その……」テレテレ

花丸「だって、部室のドアを開ける音、しなかったずら!?」

梨子「それはね……あの……」

千歌「梨子ちゃん、最近鞠莉ちゃんに、『コーガ流忍者のドアを静かに開ける方法』を教わったから、実践してるんだよねぇ」

梨子「最近クセになってるの……音を殺してドアを開けるの……」モジモジ

花丸「なんてことを梨子ちゃんに教えるの鞠莉ちゃんは……!!」


14: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 21:36:10.30 ID:EIxeaVEB

花丸「こ、これはね、梨子ちゃん……!!///」カオマッカ

梨子「……///」モジモジ

花丸「う、うぅ……」

りこまる「……///」テレッテレ



曜「……おやおや、千歌ちゃんや。お互い、顔真っ赤にしてなんにも喋らないよ」

千歌「そうだね曜ちゃんや。これはなんだかじれったいね」

曜「そうですなあ」


15: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 21:40:58.56 ID:EIxeaVEB

千歌「……ここは、若い2人に任せて、チカたちお邪魔虫は退散するとしますか」

曜「そうしましょか」

ガタッ

ようちか「それでは、ごゆ……」

花丸「ちょっと待って! 置いてかないで、というか『若い2人』って何なの!? オラと千歌ちゃんたち、そんなに年は離れてないずら!!」


16: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 21:46:05.97 ID:EIxeaVEB

千歌「じゃあね、マルちゃん……」

曜「健闘を、祈るっ!」ケイレイッ

ようちか「それでは、ごゆっくり~♪」


ガチャリ


花丸「ああああ、千歌ちゃん、曜ちゃん……!」アワワ


17: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 21:50:04.38 ID:EIxeaVEB

花丸(……どうしよう、梨子ちゃんと本当に2人きりになっちゃったよ……)

梨子「……ねぇ、花丸ちゃん……」

花丸「はっ、はいっ!」ビクッ

梨子「さっきのお話なんだけどね……あれって……」モジモジ

花丸「あれはその、えーっと、あれは……」

梨子「……あれは?」

花丸「う、う……嘘、嘘ずら!」


19: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 21:57:19.15 ID:EIxeaVEB

梨子「……嘘?」

花丸「そう、そうずら、さっき言ったことは、まるっきり嘘であって……!」

梨子「そうなんだ、嘘なんだ……」シュン

花丸(なんでそんなに落胆するの……!?)

花丸「……ご、ごめんなさい! さっき言った嘘は、う、……嘘ずら! 」

梨子「嘘の嘘、ってことは裏返って……やっぱり本当なの……?」

花丸「そ、そうだよ。だって、嘘をついたら仏様に怒られるから……」

梨子「そっか、本当なんだ、ね……///」テレテレ

花丸(ああ、もうオラって墓穴を掘っちゃった……もう、後戻りできないずら……)


20: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 22:04:11.53 ID:EIxeaVEB

花丸(恥ずかしい……恥ずかしくて、穴があったら入りたい……さっき掘った墓穴に入りたいずら……)

梨子「……花丸ちゃん」

花丸「はいぃ!」ドキッ

梨子「俯いてないで、顔を上げて……ね?」

ムクッ

花丸「……梨子、ちゃん……?」

梨子「あんまり見つめないで、梨子も……恥ずかしいから……///」カオマッカッカ


22: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 22:12:54.78 ID:EIxeaVEB

梨子「……花丸ちゃんが、私に対してそんな思いを抱いてたなんて、知らなかった……」

花丸「……ごめんなさい……」

梨子「謝らなくていいの。あのね……梨子もね、その……花丸ちゃんと同じことを、思ってたの……花丸ちゃんみたいな妹がいたらな、って……」

花丸「……えっ」


24: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 22:20:59.10 ID:EIxeaVEB

梨子「だって花丸ちゃん、梨子の作ったお菓子を、いつも美味しそうに食べてくれるでしょ?」

花丸「それは、梨子ちゃんの作るお菓子は本当に美味しいから……」

梨子「美味しそうに、にこにこ満面の笑顔で食べる花丸ちゃんを見て……すごく嬉しいし、とても可愛いな、って思ってたの……」

花丸「……まさか、梨子ちゃんがそんなこと……///」カオマッカッカ

梨子「できたら、独り占めしたいくらい、って……嫌だな、私ったらなんてこと言ってるの……///」カオマッカッカノカー


25: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 22:30:06.21 ID:EIxeaVEB

梨子「とにかくね。……梨子はね、花丸ちゃんに『お姉ちゃん』って慕われるの……とても嬉しいの」

ギュッ

梨子「だから梨子もね、花丸ちゃんのこと、これからは……ね……」

花丸「り、梨子おねえちゃ……」ドキドキ

梨子「なあに、……マルちゃん?」フフッ

花丸「……あああ、や、やっぱりは、恥ずかしいずら……///」カオマッカッカッカー


27: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 22:35:59.79 ID:EIxeaVEB

ーーースクールアイドル部 部室前


千歌「……ふーむ、どうやら」

曜「作戦成功みたいだね……」

ようちか「……」グッ


善子「ねぇ2人とも。部室の前で聞き耳立てて、何してるのよ」


28: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 22:39:55.80 ID:EIxeaVEB

曜「ああ、よっちゃん」

善子「どうしたの、一体全体」

千歌「ふふん、それは言えねえなあ。よっちゃん」

善子「なんでよ、そんな隠すようなことなの?」

曜「まあ、取り込み中というか、ね」

善子「取り込み中?」

クンカクンカ

善子「このいい匂い……もしかして……クッキーの匂い! 梨子ちゃんお手製のクッキーの匂いね!」


29: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 22:44:15.92 ID:EIxeaVEB

善子「さては千歌ちゃんと曜ちゃん……梨子ちゃんのクッキーを独り占めしようとしてるわね!? ヨハネの悪魔的勘がそう囁くわ!」

曜「ち、ちげーし!」ドキッ

千歌「そんなんじゃねーし!」ドキッ

善子「明らかに動揺してるじゃない、やっぱり図星ね!……そこを退きなさい、2人とも!」

グイッ

千歌「ダメダメ! まだここは通せないのだあ!」

善子「ヨハネだって梨子ちゃんのクッキー食べたいの!」

グイグイッ


30: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 22:48:57.77 ID:EIxeaVEB

千歌「曜ちゃん、このままだと……!」

曜「よっちゃん!」

善子「何よ!?」

シュッシュッシュッ

曜「……今この部室のドアの前にバリアー張ったよ、バリアー!」

善子「……バリアー、ですって?」

曜「そうバリアー! 堕天使は通ることのできない、特殊なバリアー!」

善子「な、なんですって……!?」

千歌「おお、曜ちゃんにそんなことができるなんて……!」


31: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 22:54:47.93 ID:EIxeaVEB

善子「くっ……ただの人間ごときがまさかそんな芸当を……!」

曜「このバリアーに触れたら、堕天使の体なんてもう……とにかく大変なことになるよ!」

千歌「説明が具体性にかけてる!」

善子「……甘く見てたわ、曜ちゃんのこと。……こうなったら斯くなる上は……」

曜「……何をする気……?」

善子「……最終手段よ!」




善子「ヨハネの堕天使設定を捨てるだけ! 押し通る!」

千歌「うわっ、着脱自由だ!」

曜「身も蓋もない!」


32: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 22:59:31.41 ID:EIxeaVEB

善子「さあ、そこを退きなさいっ!」

グイッ

ようちか「ああ、取り込み中なのに!」

ガチャッ

善子「……あらっ」

花丸「ふふっ、ふぃふぉふぁんふぉふっふぃーふぉふぃふぃふぃふふぁ……///(梨子ちゃんのクッキー美味しいずら……)」

梨子「食べながら喋るのははしたないよ、花丸ちゃん……///」


33: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 23:08:35.80 ID:EIxeaVEB

善子「梨子ちゃんとマルちゃん……まさか、2人でクッキーを独占してたなんて……!」

梨子「よっちゃん、何の話かわかんないけど……クッキーはまだあるから、安心して?」ニッコリ

花丸「ほら、よっちゃんも食べるずら」ニッコリ

善子「言われなくたっていただくわ、とにかく、全部食べられる前で良かった」フフッ

アーンッ

パクーッ

善子「あぁ、ふぉいひぃ。ふぉっふぇふぁふぁふぉふぃふぁうふぁ(あぁ、美味しい。ほっぺたが堕ちちゃうわ)」

梨子「そう、ありがとう。よっちゃん///」

花丸「よっちゃん、食べながら喋るなんてはしたないよ///」

ゴクンッ

善子「あらごめんなさい。ところで、梨子ちゃん、マルちゃん。……なんでそんなに顔が赤いの……?」

梨子「……なんでだろうね、マルちゃん」

花丸「どうしてだろうね、梨子ちゃん」

りこまる「……ふふっ///」カオマッカッカッカー

善子「……?」




終わり


34: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/03(水) 23:09:58.22 ID:EIxeaVEB

導入部的りこまる

曜ちゃんのバリアーは小学生の「バリアー張った!」的モーションを想像して頂ければ


49: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/04(木) 11:35:53.33 ID:kFNhOno9

ーーー浦の星 校門前



千歌「うー、寒いねぇー」

梨子「うん、夕方になって、少し風が吹いてきたね」

千歌「寒い時こそ……体を動かして温めるのだ! うぉっしゃー!」

梨子「千歌ちゃんは、寒くても元気一杯だね」フフッ

花丸「まさしく、『千歌ちゃん風の子元気な子』ずら」フフッ

千歌「曜ちゃん! ほら、いっくよー! 走るよ!」

梨子「それに比べて……」

曜「……ぇ、嫌だよ、寒いもん……」

梨子「寒いから曜ちゃん不機嫌になってる……」

花丸「千歌ちゃんと対象的ずら……」


50: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/04(木) 11:39:12.04 ID:kFNhOno9

間違えた

花丸「千歌ちゃんと対照的ずら……」


51: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/04(木) 11:48:15.31 ID:kFNhOno9

千歌「曜ちゃん! 寒いの嫌いだから不機嫌になるのはわかる!」

曜「わかってるなら放っておいてよ……」

千歌「だから体を動かして、あっためるんじゃない! さぁ、あの夕日に向かってダーッシュッ! ダーッシュッ!」

グイッ

曜「ちょっと、引っ張らないでよ……」

千歌「ダンダンダダーン!」

曜「あー、助けてー梨子ちゃーんマルちゃーん……」

シュタタタタタッ




花丸「……行っちゃった……」

梨子「ダンダンダダーン、って何の掛け声なの……?」


52: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/04(木) 12:00:36.80 ID:kFNhOno9

梨子「……私たちも行こうっか。マルちゃん」ニッコリ

花丸「うんっ」フフッ

ヒュールリー ヒュールリーララー

梨子「……寒い……」ブルッ

花丸「大丈夫? 梨子ちゃん」

梨子「う、うん、大丈夫。……今日はマフラーを巻いてくるの忘れたから、いつもより少し寒いだけ……」ブルッ


53: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/04(木) 12:07:00.25 ID:kFNhOno9

梨子「……ひっくし」クシュンッ

花丸「あぁっ、梨子ちゃんくしゃみした……」

シュルシュル

花丸「梨子ちゃん。……オラのマフラー、巻く?」

梨子「えっ?それだと、マルちゃんが肌寒くなっちゃうんじゃ……」

花丸「オラは、大丈夫ずら。だから、梨子ちゃん、マフラーを巻いて?」

梨子「本当に、いいの……?」


54: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/04(木) 12:12:20.14 ID:kFNhOno9

梨子「それじゃあ、お言葉に甘えて。ありがとう、マルちゃん」

マキマキ マキマキ

梨子「ふふっ、暖かい……」ヌクヌク

花丸「それなら、良かったずら」ニコニコ

梨子「マフラーから、マルちゃんの甘くて優しい匂いがしてる……」フフッ

花丸「……そう言われると恥ずかしくなっちゃうから、やめて梨子ちゃん……///」


55: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/04(木) 12:27:39.36 ID:kFNhOno9

梨子「でも、本当に良かったの?」

花丸「大丈夫ずら、だってマルは健康だもん。ちょっとやそっとの冷たい風なんて……」

ヒュールリー ヒュールリーララー

花丸「……へくちゅん」クシュンッ

梨子「あら、くしゃみ。……マルちゃん、やっぱり寒いんじゃ……?」

花丸「平気、平気ずら。……うさぎさんが身を呈して旅人を救ったように、オラだって……」ブルッ


56: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/04(木) 12:34:01.03 ID:kFNhOno9

梨子「……マルちゃん。やっぱりこのマフラー、返すね」

シュルシュル

花丸「でも、それだと梨子ちゃんが……」

梨子「梨子のせいでマルちゃんが風邪ひいちゃったら、それこそ意味無いよ。……梨子は大丈夫、だってマルちゃんの……『お姉ちゃん』だもの」テレテレ

花丸「梨子ちゃん……」


58: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/04(木) 12:48:10.08 ID:kFNhOno9

マキマキ マキマキ

花丸(……マフラーから微かに、梨子ちゃんの匂いがする……///)

梨子「……ひっくし」クシュンッ

花丸「またくしゃみ……あのね、梨子ちゃん。……マルにね、寒さを和らげる名案があるんだけど……」モジモジ

梨子「……名案?」

花丸「……梨子ちゃんにマルがピッタリくっつくの。人肌で、温めるって言うと……ちょっと違うかもしれないし、恥ずかしいけれど……///」


60: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/04(木) 12:56:39.89 ID:kFNhOno9

花丸「ほ、ほら! おしくらまんじゅう、これはおしくらまんじゅうの理論ずら!だから……」アセアセ

ピタッ

花丸「……ねっ。……マルの体、湯たんぽみたいに暖かいでしょ……///」カオマッカッカ

梨子「すごく、暖かいよ、マルちゃん……///」カオマッカッカ

花丸「それじゃあ、帰ろ、……梨子ちゃん」

梨子「……うん、……マルちゃん」



終わり


67: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/04(木) 23:01:51.40 ID:kFNhOno9

ーーースクールアイドル部 部室


ガチャリ


花丸「あっ、梨子ちゃん」

梨子「あら、こんにちわ、マルちゃん」

花丸「こんにちわ。まだ、誰も来てないんだね」

梨子「うん、私が一番乗りだよ」

花丸「ふふっ。なら、オラは二番乗りずら。千歌ちゃんと曜ちゃんは?」

梨子「2人は居残りで補習授業中。……小テストの点数、悪かったから……。よっちゃんと、ルビィちゃんは?」

花丸「……同じく、補習授業中ずら。ルビィちゃんは小テスト、あと1点足りなくて居残りになっちゃって。よっちゃんは……テストの回答が全部ズレてて……」

梨子「それは……2人とも残念だったね……」


68: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/04(木) 23:10:50.69 ID:kFNhOno9

花丸「ところで、梨子ちゃん。机にお裁縫道具が広がってるけど、何を繕ってるの?」

梨子「まだ人が来なくて時間があったから……これを、直してたの」

花丸「……クマの、ぬいぐるみ?」

梨子「そう。この子はね、ジャッキーちゃん、っていうの」

花丸「ジャッキーちゃん! 外人さんずら!」

梨子「いや、外人さん、ってわけでもないんだけどね……。日本生まれのキャラクターだから……」


69: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/04(木) 23:17:02.07 ID:kFNhOno9

梨子「腕のところがほつれかけてたから、補強も兼ねて、直してたの」

花丸「そうなんだ。……その、ジャッキーちゃん、なんだか随分年季が入ってる、っていうか……」

梨子「……やっぱり、くたびれて見える?」フフッ

花丸「お、オラ、別にそういう意味で言ったんじゃ……!」アセアセ

梨子「ふふ、ごめんなさい。……でも、マルちゃんの言う通り。だってこの子、梨子が小さな頃に買ってもらったぬいぐるみだもの」


70: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/04(木) 23:30:17.70 ID:kFNhOno9

花丸「……小さな頃、ってどのくらい?」

梨子「うーん、梨子が5歳の時に、おばあちゃんに買ってもらったものだから……10年以上前に、なるかな?」

花丸「10年! 長い年月ずら。なるほど、道理で……」

梨子「……私ね、子供の頃あんまりお友達がいなかったから……ジャッキーちゃんとよく遊んでたの。一緒におままごとしたりとか、お絵かきのモデルにしたりとか。寝るときも、抱えて一緒に寝たりとか、ね」

花丸「ぬいぐるみと一緒に寝るなんて、可愛いずら、梨子ちゃん」クスクス

梨子「い、今はもちろん、そういうことはしてないからね……本当だから、ね?///」


71: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/04(木) 23:45:31.26 ID:kFNhOno9

梨子「本当はね、内浦に来る前に、手放そうかと思ったの。くたくたになってきてたし、私もぬいぐるみ遊びをするような歳でもなくなったし、ね」

花丸「でも、最終的に……」

梨子「……内浦まで連れてきちゃった。だって、小さな頃からずっと一緒だったから、今更手放すのも可哀想に思えちゃって……」

花丸「……優しいずら、梨子ちゃんは」

梨子「優しくなんてないよ。……本当は、捨てる勇気がなかっただけだもの……」


72: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/05(金) 00:31:30.32 ID:xeITTyZ3

花丸「……梨子ちゃん。このジャッキーちゃんのぬいぐるみは、きっと……付喪神になるずら」

梨子「つくもがみ?」

花丸「付喪神って言うのは、長い間使われた道具や物に魂が宿って、妖怪みたいな存在に変化したものを言うんだけど……」

梨子「よ、妖怪? ……なんだかそれ、ちょっと怖い……」

花丸「確かに妖怪って聞くと、怖かったり、人間を驚かしたりする悪い方を想像しちゃうけど……でもね、中には人間に優しい付喪神だっているんだよ?」

梨子「怖い存在ばかりじゃ、ないの?」

花丸「うん。……梨子ちゃんは優しいもの。ジャッキーちゃんのぬいぐるみは、持ち主に似た優しい付喪神になるずら」フフッ


73: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/05(金) 00:38:19.56 ID:xeITTyZ3

梨子「……怖い方じゃなくて、人間に優しい妖怪になってくれるなら……これからも、大事にしなくちゃね」フフッ

花丸「うん、これからも大事にしてあげてね」ニッコリ

梨子「ちなみに長い間使われた、って言ってたけど……どれくらいの年月ことを指してるの?」

花丸「えっとね、確か……100年ずら」

梨子「……私の方が先に死んじゃうね、それ……」

花丸「子々孫々、代々受け継いで大事にするずら」

梨子「遺言で、『ジャッキーちゃんのぬいぐるみを、大切になさい』って遺さないといけないね……」


75: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/05(金) 00:45:28.52 ID:xeITTyZ3

花丸「……あのね、梨子ちゃん」

梨子「なあに、マルちゃん」

花丸「そのジャッキーちゃんの補修が終わったら、後でマルに……お裁縫を、教えてほしいずら……」

梨子「それはいいけれど、どうして?」

花丸「今度、家庭科の授業でお裁縫の時間があるんだけど、マルぶきっちょだから、お裁縫苦手なんだ……」

梨子「……それなら、ルビィちゃんに教わった方がいいんじゃないかな? 私よりルビィちゃんの方が上手だし……」


76: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/05(金) 00:51:37.57 ID:xeITTyZ3

花丸「ルビィちゃんにはいつも手伝ってもらってばっかりだから……だから、オラ1人で頑張ってルビィちゃんを驚かせたいの、……サプライズずら!」

梨子「サプライズかぁ……。ええ、それなら協力するよ。一緒に、ルビィちゃんを驚かせましょ」フフッ

花丸「……うんっ!」ニッコリ

梨子「あともうちょっとだから、ここが終わったら教え……」

チクッ

梨子「あ痛っ!」


77: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/05(金) 00:55:19.26 ID:xeITTyZ3

梨子「痛た……針で人差し指指しちゃった……」

花丸「梨子ちゃん大丈夫!? あぁ……血溜まりがふっくら出てきた……!」アセアセ

梨子「大丈夫大丈夫、そんな大したことじゃないから……えっと、絆創膏どこだっけ……」

花丸「あわわ、し、止血しなきゃ……!」アセアセ

梨子「そんなに慌てないで、マルちゃん……」


78: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/05(金) 01:07:25.77 ID:xeITTyZ3

ガサガサ

梨子「あれ、救急箱の中に絆創膏が無い。……切らしちゃったのかな……?」

花丸「大変だ大変だ……そうだっ、梨子ちゃん、指貸して!」

梨子「えっ? ……一体何をするの?」

花丸「血を……血を止めるずら!」

カプッ

梨子「……マルちゃん、なんで私の指を、咥えるの……///」

花丸「……」チウチウ

梨子「指を、指を……す、吸わないで……///」

花丸「……」チウチウ


79: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/05(金) 01:15:37.91 ID:xeITTyZ3

花丸「……ぷはっ。……これでなんとか、血も止まったよね……?」

梨子「……あのぉ、マルちゃん。血は止まったけど……けど、いきなり指を咥えるのは、ちょっと……///」カオマッカ

花丸「だって、だって……血が出てきてたから……///」カオマッカ

梨子「気が動転してたかもしれないけど、もし人が見てたら……変な誤解されちゃうよ……」

カプッ

花丸「あっ、さっきオラが咥えた人差し指……」

梨子「……///」カオマッカッカ

花丸「か、か、か間接キ……///」カオマッカッカノカー

梨子「い、い……言わないで……!」カオマッカッカノカー


終わり


93: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/05(金) 23:45:32.32 ID:xeITTyZ3

ーーー浦の星 中庭


花丸(ふふっ、お昼ご飯を食べ終えて、陽の当たるベンチに座って本を読む時間は、まさに至福のひととき……)ニコニコ

花丸「……」ペラッ

花丸(さぁ、どんどん読み進めるぞぉ……)

花丸「……」ペラッ






千歌「おっ、あんなところにマルちゃんが。おーい!」


94: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/05(金) 23:51:42.03 ID:xeITTyZ3

千歌「マルちゃーん、もしかして読書してるのー?」

花丸「……」ペラッ

千歌「何読んでるのー?」

花丸「……」ペラッ

千歌「んー、へんじがない、ただのしかばねの……じゃない。ただの本の虫のようなのだ……」

花丸「……」ペラッ

千歌「……そうだっ」ニヤリ


95: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/05(金) 23:56:27.99 ID:xeITTyZ3

トントン トントン

千歌「マールちゃん、こっちむーいて」

花丸「……ん? 何か用……」

プニュ

花丸「……あうっ……」

千歌「へへへ、作戦成功。マルちゃんほっぺプニプニなのだ……」フフッ

花丸「千歌ちゃん、いたずらはやめてほしいずら!」ムスッ


96: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/06(土) 00:02:19.54 ID:1eo/Sffy

千歌「あはは。めんご、めんご」ペコリ

花丸「その謝り方、全然謝る気ないずら!」

千歌「だって急になんか、マルちゃんのほっぺ突きたくなっちゃったんだもん」

花丸「オラの読書の時間を邪魔しないで!」

千歌「あははは、すんまそん、すんまそん」ペコリ





果南「……」ジーッ


97: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/06(土) 00:06:57.03 ID:1eo/Sffy

花丸「……さて、千歌ちゃんを追い払ったことだし、読書を再開しよう……」

花丸「……」ペラッ

果南「おーい、マルー」

花丸(……今度は果南ちゃんだ……)

果南「ちょっと、放課後のことで相談が……」

花丸(そうやって理由をつけて、果南ちゃんもオラの読書を邪魔しに……)


98: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/06(土) 00:14:54.04 ID:1eo/Sffy

トントン トントン

果南「ねぇ、聞いてるのマル?」

花丸(右肩を叩かれた……さっきはそのまま右に振り向いて、ほっぺを突かれたから……)

フリッ

花丸(今度は逆を突いて、左に振り向……)

モニュッ

花丸「……おふっ……」

果南「あっはは、なるほど確かに柔らかいね。千歌が突っつきたくなるわけだ」フフッ

花丸「果南ちゃんもやめて! オラのほっぺはおもちゃじゃないずら!」

果南「いやぁ、ごめんごめん……」

モニュモニュ

花丸「謝りながら連打しないで!」





梨子「……」ジーッ


99: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/06(土) 00:21:07.64 ID:1eo/Sffy

花丸「……果南ちゃんもあっちに行ったし、読書を続けようっと。もう誰も邪魔しないでほしいずら……」

花丸「……」ペラッ

梨子「あのぉ……マルちゃん?」

花丸「……」ムッ

梨子「おーい、マルちゃん……」

花丸「……」プルプル

梨子「マールちゃ……」

花丸「……仏の顔も三度までずらーっ!」

梨子「!?」ビクッ


100: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/06(土) 00:40:37.95 ID:1eo/Sffy

花丸「梨子ちゃんまで、オラの読書の邪魔をするの!? オラの至福の時間なのに!」プンスコ

梨子「だって……私もその、マルちゃんのほっぺを触りたくって……」モジモジ

花丸「……千歌ちゃんや果南ちゃんに感化されすぎずら。とにかく、もうやめてほ……」

梨子「……ごめんね、悪乗りが過ぎたよね。……マルちゃんが嫌がってるのに、触ろうとしたらダメだよね……」シュン

花丸(そんな、世界が終わりの時を迎えるような、悲しい顔をしないで梨子ちゃん……)

梨子「……私ってば、本当馬鹿。マルちゃんの気持ちも分からないで。……じゃあね、私教室に戻るから……」

花丸「……ちょ、ちょっと待って。梨子ちゃん」


101: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/06(土) 00:48:31.06 ID:1eo/Sffy

花丸「もう読書はいいよ。本はお家に帰ってからでも読めるから……」

梨子「マルちゃん、……本当にいいの?」

花丸「……梨子ちゃんに悲しい顔をされるくらいなら、オラはほっぺを差し出すずら……」

梨子「そんな生贄みたいに言われると、複雑なんだけど……」

花丸「……ほら触って、梨子ちゃん……」

梨子「恍惚とした表情でそんな風に言われると……なんだか背徳感が出るんだけど……」


102: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/06(土) 01:06:23.90 ID:1eo/Sffy

モニュッ モニュッ

フニッ フニッ

花丸「……」

梨子「ああっ、柔らかい……。モチっとしたこの肌触り……まるでタピオカ入りのお菓子みたいな……触ってるだけで幸せな気分になってくる……」フフッ

花丸(……菩薩様のような笑顔で、オラの頬をつまむ梨子ちゃんを見てると、本当に幸福に満ち足りてるんだっていうのが分かるけど……)


よしみ「ねぇねぇ、あれってもしかして……」ヒソヒソ

いつき「所謂ひとつの、『キマシ案件』だね」ヒソヒソ

むつ「キマシレベルたっけーな、おい」ヒソヒソ

花丸(……せめて人の見てないところで触ってもらうべきだったかも知れない……///)カオマッカッカ


終わり


119: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/07(日) 23:07:11.86 ID:+vwNEUoR

ーーー浦の星 音楽室


ーーー鞠莉と花丸は2人

ーーー梨子の奏でるピアノの音色を

ーーーしばし、聴き入っていました

~~~~♪

~~~♪

~~♪



鞠莉「んー……ブラボーね、梨子」パチパチ

花丸「名演ずら……」パチパチ

梨子「ありがとう、鞠莉ちゃん、花丸ちゃん」ペコリ

鞠莉「私ね、初めて梨子のピアノを聴いた時から、『センスを感じる弾き方だ』って思ってたの」

梨子「そんな、センスだなんて……」テレテレ

鞠莉「謙遜しないの、私は本当のことを言ってるんだもの。ねぇ、あなたもそう思うでしょ、マル?」

花丸「うん、梨子ちゃんの演奏はね……お金がもらえるレベルずら!」

梨子「お、お金?」

鞠莉「あー、なるほどー。確かにお金をもらってもいいかも知れないわ」

梨子「それはいくらなんでも、大袈裟じゃ……」

鞠莉「……そうだ。今度、うちのホテルでディナーショーやらない?」フフフッ

梨子「お断りします、やらないです……」


120: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/07(日) 23:23:44.38 ID:+vwNEUoR

鞠莉「あらそう。『現役スクールアイドルのピアノ演奏が楽しめるディナーショー』、ナイスアイディア&ビジネスチャンスと思ったのに……残念、フラれちゃったわ」

梨子「全然ナイスでもなんでもないよ……」

鞠莉「まっ、気が変わったら、いつでもマリーに教えてね。ディナーショーのプロデュースは、マリーにお任せアレ、よ♪」フフフッ

梨子「絶対気が変わらないので安心してください、鞠莉ちゃん……」


ブルブル ブルブル


花丸「……あれ、鞠莉ちゃんのカバンの中で何か震えてるよ?」

鞠莉「私の携帯ね。梨子の演奏を聴くために、サイレントモードにしてあったから……」

ガサガサ ゴソゴソ

鞠莉「誰からの着信かしら……ん、『非通知』?」

梨子「非通知って、……怪しい電話には出ない方がいいよ鞠莉ちゃん……」

鞠莉「うーん……でも、とりあえずかけ直してみるわ。もしかしたら間違い電話かも知れないし」

ガララッ

鞠莉「というわけで、ちょっと席を外すわねー」

りこまる「行ってらっしゃーい」


121: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/07(日) 23:44:05.47 ID:+vwNEUoR

梨子「……鞠莉ちゃんったら、言うことのスケールが大きいしオーバーだよ……。私なんて、別に有名なピアニストとかそういうのでもないのに、ディナーショーやろう、だなんて……」

花丸「……でもマル、『お金がもらえる』っていうのは言い過ぎたかも知れないけど……さっきの演奏はね、華麗だったずら」

梨子「……華麗?」

花丸「あのね、演奏中、梨子ちゃんの指先がね、マルには鍵盤の上で踊ってるように見えたずら」

梨子「私の演奏が、踊ってるように見えたの?」


122: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/07(日) 23:59:18.53 ID:+vwNEUoR

花丸「よくピアノを弾くことを、『鍵盤を叩く』って言う表現をするけど……梨子ちゃんの場合はね、『鍵盤を跳ねる』って感じだったよ」

梨子「叩くんじゃなくって?」

花丸「指が鍵盤の上を軽やかに跳ねて、ステップをしながら音階を移動して、まるで舞い踊るように動いてたの。音楽室のグランドピアノがね、舞踏会の会場になってたずら」

梨子「……面白い例え方をするのね、マルちゃん」クスクス

花丸「本当にオラにはそう見えたの! 笑わないでほしいずら!」カオマッカ

梨子「ごめんなさい……でも、そう褒められると……なんだかちょっと嬉しいかも」フフッ

花丸「ちょっとじゃなく、もっとたくさん喜んでほしいよ……嘘じゃないんだから」


123: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/08(月) 00:17:10.56 ID:69m780hV

花丸「……オラも、こんな上手にピアノが弾けたらなあ……」

梨子「マルちゃんも、ピアノを弾いてみたいの?」

花丸「うん。もしもピアノが弾けたらね……マルの思いの全てを歌にしてみたいずら……」

梨子「それじゃあ、私と一緒に練習してみる? 偉そうなことはあんまり言えないけど、少しは私も力になれるよ」

花丸「……でも無理。前にもね、試しにピアノの前に座って弾いてみたことがあったんだけど……指がもつれて、全く弾けなかったの……。梨子ちゃんのさっきの演奏を『華麗な社交ダンス』と例えるなら、マルは……『どじょうもすくえないどじょうすくい』ずら……」シュン

梨子「……それはいくらなんでも、自分を卑下しすぎじゃ……」

花丸「オラには、みんなや梨子ちゃんに聴かせる腕もないずら……」グスン


124: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/08(月) 00:29:10.57 ID:69m780hV

梨子「……マルちゃん。無理だと決めつけずに、やってみようよ、ね?」

花丸「……オラ不器用だからダメだよ……」

梨子「上手く弾くことより、楽しむことから始めましょ? 『音楽』って、名前の通り『音を楽しむ』ことが大事だから……」

花丸「……」

梨子「……そうだ、マルちゃん。今から鍵盤の前に座って、一曲弾いてみない? 私も手伝うから」

花丸「……うん」


125: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/08(月) 00:45:00.70 ID:69m780hV

花丸(……梨子ちゃんに促されて、いざ椅子に座って鍵盤を目の前にすると、あの時の記憶がフラッシュバックしてくる……あぁ嫌だなあ……)

梨子「マルちゃん。ほら、鍵盤に指を軽く乗せて?」

花丸「……ところで梨子ちゃん、『私も手伝うから』って言ったけど、……教えるとは違うの?」

梨子「違うよ。……さっきマルちゃん、『指がもつれて』って言ってたから……まずは、きちんと弾けるように、もつれないようにアシストしてあげないと」

花丸「アシスト……?」

スッ

梨子「うん……マルちゃんの手に、私の手を添えて……一緒にピアノを弾くの。そうすれば、指ももつれなくなるでしょ?」


126: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/08(月) 00:54:04.43 ID:69m780hV

花丸(マルに添えられた梨子ちゃんの手、温かい……なんだか、ドキドキしてくる……///)

梨子「……それじゃあ、ドレミの音階を順に弾いていこう?」

花丸「うん……///」

梨子「まずは……ド」

花丸「ド……///」

ドー♪

梨子「次は、レ……」

花丸「レ……///」

レー♪

梨子「ミ……ファ……」

ミー♪

ファー♪

花丸(……マルのこの胸のドキドキ、手と手を通して梨子ちゃんに伝わってるのかな……///)カオマッカッカ



梨子(……勢いでこんなことしちゃってるけど……私のこの胸の高鳴り、マルちゃん気づいてるのかな……///)カオマッカッカッカー


127: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/08(月) 01:08:48.91 ID:69m780hV

ーーーそして


鞠莉「はぁー、電話をかけ直したのも結局骨折り損だったわー。まさか非通知の相手が『ヘンタイさん』だったなんて……」

鞠莉「『はぁはぁ、キミの今履いてる下着の上下何色?』って……私初めての体験だったわ……」

鞠莉「あーあ……『正直者はバカを見る』って言うらしいけど、本当ね。動揺して馬鹿正直に答えるんじゃなかったわ。おかげで長々と捕まっちゃった……」

~~~♪

~~~♪

鞠莉「あら、これってさっき梨子が弾いてた曲……にしてはさっきよりもテンポが遅いわ……なんていうか、スローなブギ、って感じ」


128: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/08(月) 01:19:58.87 ID:69m780hV

ーーー浦の星 音楽室



鞠莉「このスローなブギ、誰が弾いてるのかしら。ドアからチラッと覗いてみてましょう……」

チラッ

花丸「……///」カオマッカッカ

梨子「……///」カオマッカッカ


鞠莉「ワーオ、誰かと思ったらマル……というか梨子と2人で手を取り合って弾いてる、って様子ね……」

鞠莉「……なんだか今音楽室に入るのも悪いわ。2人の邪魔をしてしまいそうで」クスクス

鞠莉「オッケー。ここはまた改めて出直すとしましょう。……オハラマリーはクールに去るわよ……」フフフッ

鞠莉「まっ、マリーはスマイルだけどね♪」


終わり


129: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/08(月) 01:22:18.26 ID:69m780hV

https://youtu.be/uGfeBt0i64U



多分梨子ちゃんが弾いてたのこれ


139: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/09(火) 19:59:55.67 ID:loT/QrEd

ーーー浦の星 中庭

ーーー梨子と花丸は並んでベンチに腰をかけ

ーーーお弁当の包みを広げていました




花丸「わぁ、梨子ちゃんのお弁当、サンドイッチだぁ!」

梨子「マルちゃんのお弁当は、おにぎり弁当だね」

花丸「今日の梨子ちゃんとオラのお弁当、対称的ずら」

梨子「和と洋、だもんね。マルちゃん、梨子のサンドイッチと、マルちゃんのそのおにぎり、交換してもらってもいい?」

花丸「もちろんずら!」


140: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/09(火) 20:04:52.79 ID:loT/QrEd

モグモグ

花丸「むふふ、梨子ちゃんのサンドイッチ、美味しいずら……」ニコニコ

モグモグ

梨子「このおにぎりの具の梅干し、す、す、すごく、すっぱぁ……」ヒーッ

花丸「だって、ばあちゃんお手製の梅干し入りおにぎりだもん、ばあちゃんの漬ける梅干しはよだれがいっぱい出るんだぁ……」ンフフ

梨子「た、確かによだれたくさん出てくるけど……」ヒーッ

花丸「ふふ、すっぱさで梨子ちゃん顔がくしゃくしゃになってるずら」クスクス


141: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/09(火) 20:14:36.42 ID:loT/QrEd

梨子「……うぅ、まだ口の中にすっぱいのが残ってる気がする……」

花丸「梨子ちゃん、お口直しに、オラの卵焼き食べる?」

梨子「ありがとう、じゃあいただくね……」

アーンッ

モグモグ モグモグ

梨子「……ふふっ、甘い卵焼きね、だんだんすっぱさが中和されていくよ」フフッ

花丸「ばあちゃんの卵焼きはね、すっごく甘いの。伊達巻と同じくらい甘いんだぁ」ニコニコ

梨子「この卵焼きも、マルちゃんのおばあちゃんが作ったの?」

花丸「うん。おにぎりも、卵焼きも、煮豆も、あとこのレンコンのお煮しめも……全部ばあちゃんが作ったずら」


142: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/09(火) 20:27:09.93 ID:loT/QrEd

梨子「へぇ……。このお煮しめも、もらっていい?」

花丸「どうぞ、どうぞ」

アーンッ

モグモグ モグモグ

梨子「……いいお味。甘さと辛さのバランスが絶妙で、食感もレンコンの固さがちょうどよく残って歯ごたえが良い……」

花丸「でしょ? ばあちゃんの作るお煮しめはね、食べた人みんなが絶賛するんだよ!」ニコニコ

梨子「へぇ……そうなんだ……」

花丸「マルのばあちゃんは、沼津一の料理自慢ずら!」

梨子「……」


143: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/09(火) 20:32:00.22 ID:loT/QrEd

花丸「ごちそうさまでした、あぁ、美味しかった!」フフフッ

梨子「……ねぇ、マルちゃん。今度……マルちゃんの分も、お弁当作ってきてあげる」

花丸「えっ、そんな……なんかそれは悪いずら……」

梨子「いいの、いいの。1人分も2人分も、作り出したら変わらないから、ね?」

花丸「……じゃあ、オラ楽しみにしてるずら!」フフッ

梨子「うん、楽しみに……しててね?」


145: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/09(火) 20:40:30.45 ID:loT/QrEd

ーーーそして

ーーー浦の星 中庭



梨子「マルちゃん、この間の約束通り、お弁当……作ってきたよ?」

花丸「わぁー、ありがとう梨子ちゃん! 早速お弁当の蓋、開けてもいい?」ワクワク

梨子「えぇ……どうぞ」

花丸「んふふ、どんなお弁当かなあ……」ドキドキ

パカッ

花丸「おにぎりと、卵焼きと、煮豆と、それとレンコンのお煮しめ……」

梨子「……マルちゃん。卵焼きから、食べてみて?」


146: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/09(火) 20:49:08.07 ID:loT/QrEd

花丸「卵焼きから? それじゃあ、お手を合わせて、いただきまーす……」パチン

アーンッ

モグモグ モグモグ

花丸「……この卵焼き、なんだなすっごくふわふわ! まるでわたあめを食べてるようずら……」

梨子「食感がふわふわになるようにね、卵をよく濾してみたの、あと焼き方も気をつけてね……」

花丸「ばあちゃんの卵焼きとは違った感じで、美味しいずら」ニコニコ

梨子「……お煮しめはどうかな?」


147: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/09(火) 20:58:55.95 ID:loT/QrEd

花丸「この人参、お花の形になってる!」

梨子「それはね、人参をクッキー用の型抜きでくり抜いたんだよ?」

花丸「じゃあこのレンコンも、型抜きでくり抜いてお花の形にしたの?」

梨子「そのレンコンは……花形蓮根っていって、お花の形に飾り切りをしたレンコンなの」

花丸「へぇー。……ここまで形が可愛いと、なんだか食べるのがもったいないずら……」

梨子「……そう言わずに食べて? マルちゃん」

花丸「……うん、もちろん食べるよ!」

アーンッ

モグモグ モグモグ

花丸「んふふ……美味しい……美味しいずら……」ニコニコ

梨子「……」


148: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/09(火) 21:04:30.09 ID:loT/QrEd

花丸「ごちそうさまでしたっ」パチンッ

梨子「はい、お粗末さまでした」

花丸「梨子ちゃん、美味しいお弁当、ありがとう。お腹いっぱいずら……」

梨子「お腹いっぱい食べてくれて嬉しいよ……、あのね、マルちゃん……」

花丸「どうしたの?」

梨子「……えっと……」モジモジ

花丸「何を聞きたそうに、してるの? 梨子ちゃん……」

梨子「……梨子の作ったお弁当と、マルちゃんのおばあちゃんの作ったお弁当……どっちが美味しかった?」

花丸「……えっ?」


149: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/09(火) 21:14:10.17 ID:loT/QrEd

花丸「どっち、って言われても……」オロオロ

梨子「……どっちが、美味しかった? やっぱり、おばあちゃんが作った方が……」

花丸「えっと……どっちも美味しかったよ……?」

梨子「……味付けとか、食感の出し方とか……色々工夫してみたんだけど……ねぇ、どっちが……」

花丸「り、梨子ちゃん! ……なんでそんなこと……聞くの?」

梨子「……なんで、って……」

花丸「だってどっちも美味しかったんだもん、どっちがなんて、そんなの決められっこないずら……」


150: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/09(火) 21:15:54.59 ID:loT/QrEd

付け足し

花丸「だって、本当にどっちも美味しかったんだもん、どっちがなんて、そんなの決められっこないずら……」


151: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/09(火) 21:28:42.63 ID:loT/QrEd

梨子「……」

花丸「俯かないで、梨子ちゃん。……なんでそんなこと聞いたの?」

梨子「……ごめんね、マルちゃん。実はね……マルちゃんのおばあちゃんに、対抗心を燃やしちゃったの」

花丸「……対抗心?」

梨子「だってマルちゃん、この間、おばあちゃんは沼津一の料理自慢だ、って自慢してたでしょ? 」

花丸「うん……」

梨子「それを聞いてね……『梨子ちゃんの作ったお弁当の方が、美味しい!』ってマルちゃんに言ってもらいたくって……だからね、マルちゃんのおばあちゃんが作ったお弁当と同じメニューにしてみたの……」

花丸「……そうだったの……」

梨子「……ごめんね、変なこと聞いて……戸惑わせちゃって……」


152: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/09(火) 21:47:31.01 ID:loT/QrEd

花丸「……梨子ちゃんは、沼津一の料理自慢ずら!」

梨子「……マルちゃん、無理に答えなくてもいいんだよ……?」

花丸「本当のことだもん!ばあちゃんの作ったお弁当も、梨子ちゃんの作ったお弁当も、どっちも同じくらい美味しかっただもん、だから、オラにとっては2人とも沼津一ずら! 一位が2人いたらいけないなんて、そんなことないずら!」

梨子「……マルちゃん……」

花丸「沼津一の料理自慢が、身近に2人もいるなんて……オラはなんて幸せ者ずら……」ニコニコ


154: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/09(火) 22:12:14.96 ID:loT/QrEd

梨子「……」グスン

花丸「泣かないで、梨子ちゃん……」

梨子「だって、私変なこと聞いたのに……嫌われたって、おかしくないのに……」

花丸「……嫌いになんてならないよ。だって梨子ちゃんは、オラをこんなに幸せにしてくれる存在だもん。そんな菩薩様みたいな人を嫌ったら、罰が当たるずら」

梨子「菩薩様って……マルちゃんらしいね……」フフッ

花丸「……これからも、オラを幸せにしてね。……梨子ちゃん」テレテレ

梨子「……うん」



終わり


163: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/10(水) 07:41:26.08 ID:lSrCE7AV

(・8・) チュンチュン チュンチュン


梨子「おはよう。……いつもは目覚ましのアラームでも起きないのに。今日は早起きだね」クスクス

花丸「きっと、朝ご飯のいい匂いで目が覚めちゃったんだよ」クスクス

梨子「ふふっ、そうかもね。……今日はね、マルちゃんも朝ご飯を作るの手伝ってくれたの」

花丸「マル、朝からたくさん頑張ったんだよ」

梨子「おかげで……今日はたくさん、作りすぎちゃって」

花丸「いっぱい食べて、朝から元気に頑張ろ?」

りこまる「たーんと朝ご飯、召し上がれ」ニコニコ




というりこまる姉妹を軽く妄想して、お仕事頑張ってくる


171: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/10(水) 21:38:43.81 ID:lSrCE7AV

 
ーーー浦の星 中庭


花丸「ごちそうさまでしたっ」パチンッ

梨子「はい、お粗末さまでした。……いつも綺麗に食べてくれて、ありがとう。マルちゃん」ニコニコ

花丸「こちらこそ、いつも美味しいお弁当作ってくれて、ありがとう。梨子ちゃん」ニコニコ

りこまる「……ふふふっ」クスクス

花丸「それにしても、今日は日差しがポカポカ暖かくて過ごしやすいずら……」

梨子「うん。今座ってるこのベンチも、陽当たりがすごく良くってなんだか……」

りこまる「……ふわぁ……」

りこまる「……あっ」


172: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/10(水) 22:03:56.54 ID:lSrCE7AV

梨子「同じタイミングで、あくびしちゃったね……///」

花丸「息ぴったりだったね……///」

梨子「もしかしてマルちゃん、寝不足?」

花丸「昨日夜遅くまで、この間買った小説を読んじゃって……」

梨子「夜更かしをしちゃったのね。……ふふっ、悪いマルちゃんね」クスクス

花丸「だって読み進めたら止まらなくなって……そういう梨子ちゃんも、寝不足なんでしょ?」

梨子「パッチワークの続きをしてたら、つい熱中しちゃって……」

花丸「それで夜更かししちゃったんだね。梨子ちゃんも悪い子ずら」フフッ


173: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/10(水) 22:07:26.79 ID:lSrCE7AV

梨子「……ちょっと、このベンチでお昼寝しちゃおっか?」

花丸「お昼寝は大賛成だけど、休み時間が終わるまでに起きられるかな……このまま放課後まで寝ちゃったら……」

梨子「大丈夫、携帯のアラームをセットしておくから」

花丸「それなら安心ずら」


174: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/10(水) 22:11:49.81 ID:lSrCE7AV

ポチポチッ

梨子「……休み時間が終わる5分前にアラームが鳴るようにセットしたから、これで問題無し」フフッ

花丸「心置きなくお昼寝ができるずら!」

梨子「それじゃあ、おやすみ。マルちゃん」

花丸「おやすみなさい、梨子ちゃん……」






梨子「……」スヤーッ スヤーッ

花丸「……」クーッ クーッ


175: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/10(水) 22:14:26.44 ID:lSrCE7AV

ーーーしばらくして

曜「おやぁ?」

千歌「おやおやぁ?」


梨子「……」スヤーッ スヤーッ

花丸「……」クーッ クーッ


千歌「おやおやおやぁ……」ニヤニヤ

曜「おやおやおやおやぁ……」ニヤニヤ


176: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/10(水) 22:17:56.44 ID:lSrCE7AV

千歌「見てごらん、曜ちゃん。梨子ちゃんとマルちゃんが、お昼寝をしているよ」

曜「見ているよ、千歌ちゃん。ベンチにもたれて、寝顔を晒しているね」

梨子「……」スヤーッ スヤーッ

花丸「……」クーッ クーッ

曜「……可愛いねぇ」ニヤニヤ

千歌「可愛いねぇ……」ニヤニヤ


177: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/10(水) 22:27:39.37 ID:lSrCE7AV

千歌「でもさぁ、ただベンチにもたれて寝ている絵面って言うのもさ……正直味気ないよね」

曜「うーん、それは確かに。もっとこう……ハプニング的なものがあってもいいよね……」

千歌「……ハプニングかぁ……」ウーム

ピコーン

千歌「ピッカリ閃いた! あのね、曜ちゃん……」

ゴニョゴニョ

曜「……ほほう、それは最高のハプニングですなぁ」ニヤニヤ


178: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/10(水) 22:35:26.02 ID:lSrCE7AV

ーーーそして


千歌「……曜ちゃん! もっとそっと動かしなって! 梨子ちゃんが起きちゃうよ!」

曜「千歌ちゃんこそ声が大きい! マルちゃん起きる!」ボソボソ

梨子「……」スヤーッ スヤーッ

花丸「……」クーッ クーッ

曜「……こうやって、梨子ちゃんとマルちゃんの距離を、近づけて……」ヨイショ

千歌「マルちゃんの頭を、梨子ちゃんの肩に載せるように当てて……っと」ヨイショ




梨子「……」スヤーッ スヤーッ
花丸「……」クーッ クーッ

千歌「……うーん、いい絵面だぁ……」

曜「お互い寄り添うように眠る梨子ちゃんとマルちゃん……これはハプニングだねぇ……」


179: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/10(水) 22:44:14.87 ID:lSrCE7AV

千歌「そうだ、もっとハプニングを起こそう!」

曜「これでも充分ハプニングなのに、さらに一手間加えますか、千歌ちゃん」

千歌「ここで手間を惜しんだら、最高のハプニングは遠のいてしまうのだよ、曜ちゃん」

曜「妥協を許しませんなぁ、千歌ちゃん」

千歌「ふふふ、梨子ちゃんの左手と……マルちゃんの右手を……」

梨子「……」スヤーッ スヤーッ
花丸「……」クーッ クーッ

千歌「握らせて……指を絡ませて……っと……」

ギュッ

曜「おおっ、これは最高最強のハプニング……!」

千歌「くっくっくっ、恋人繋ぎさせてやったのだ……」ニヤリ


180: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/10(水) 22:56:37.34 ID:lSrCE7AV

りこまる「……」スヤーッ クーッ

千歌「起きた時、2人は一体どんな反応するかなぁ……」

曜「きっと顔真っ赤にして、あわわと慌てふためくだろうね」

千歌「いや、顔は真っ赤にしても、意外と黙ったまま動かないかも知れないよ」

曜「うーん、それもあるかも」

千歌「とりあえず、起きるまで物陰に隠れて観察してようか」

曜「うん、私答え合わせしないとね」

ようちか「おっと、コソコソ隠れるその前に……」

パシャリ パシャリ

千歌「写メ撮って現場保存しておかないと」

曜「あとで梨子ちゃんとマルちゃんに見せびらかさないとね」

ようちか「ふっふっふっ……」ニタニタ

りこまる「……」スヤーッ クーッ

ギュッ



終わり


186: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/11(木) 09:07:31.07 ID:4Evl1Rnx

※起きた時のリアクションはご想像にお任せします


188: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/11(木) 12:49:25.45 ID:4Evl1Rnx

ピピピッ ピピピッ

梨子「……アラーム鳴ってる……」ムニャ

ピピピッ ピピピッ

梨子「……マルちゃん起こさなきゃ、……ん?」

ギュッ

梨子「……なんで私、マルちゃんの手を握ってるの……?」

チラッ

花丸「……」クーッ クーッ

梨子「……え、えっ、えっ……えーっ!?」カオマッカッカ


189: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/11(木) 13:00:25.49 ID:4Evl1Rnx

梨子「ま、マルちゃんが近い……! さっきまでこんなに近くなかったのに……///」

梨子「な、な、なんで!? え、もしかしてマルちゃんの方から近づいてきたの!? マルちゃんの方から……手を握ってきたの……///」

花丸「……」クーッ クーッ

梨子「……それとも、私の方から……無意識に近寄っちゃったのかな……つい手も、握っちゃったのかな……///」

花丸「……」クーッ クーッ

梨子「……無意識にやっちゃったのなら、仕方ない、よね……だって、こうしたかったのは……事実だから……///」

花丸「……」クーッ クーッ

梨子「……あともうちょっとだけ、このままで居させて……? マルちゃん……///」

コソコソ コソコソ

千歌「うっそでしょ、まさかこの状況をそのまま受け入れちゃうなんて……」キャーッ

曜「梨子ちゃんも大胆ですなぁ……」イヤーン



終わり


196: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/12(金) 01:57:57.28 ID:EuVkf+eR

ーーー浦の星 図書室



花丸「梨子ちゃんが手伝ってくれたおかげで、貸し出し用の本の修理が早く片付いたずら。ありがとう、梨子ちゃん」

梨子「どういたしまして。でも、まだ作業が残ってるんでしょ?」

花丸「そうなんだ。では間髪入れず、次の作業に移るよ。……よいしょっと」

ドサッ

花丸「次は、内浦の保育園や小学校に寄贈するために集めた、みんなの家の読まなくなった本の修理ずら」

梨子「へぇ……読まなくなった本の寄贈、なんてこともしてるんだ」

花丸「これも図書室ボランティアのお仕事ずら」


197: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/12(金) 02:11:19.34 ID:EuVkf+eR

ーーー2人は、黙々と

ーーー集めた本の修理作業に勤しみます



梨子「落書きを、消しゴムで消して……と」ゴシゴシ

花丸「これページが落丁しかけてる。糊づけしなきゃ……」ペタペタ

梨子「あっ、裏表紙にマジックで名前が書いてある。どうしようマルちゃん……」

花丸「うーん、裏表紙と同じ色のテープを貼って、隠すしかないかなぁ……」

梨子「……嫌だこれ、虫の死骸が挟まってる……」

花丸「お、オラに見せないでほしいずら……」


198: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/12(金) 02:31:59.16 ID:EuVkf+eR

ーーーしばらくして



花丸「ふぅ……少し休憩しよう。梨子ちゃん」

梨子「うん。集めた本の修理も、大方終わったしね」

花丸「やっぱり梨子ちゃんがいると、全然違うずら。大変なお仕事もあっという間に終わっちゃう」フフッ

梨子「大した力じゃないけど、それでもマルちゃんのお役に立ててるなら、何よりだよ」フフッ

花丸「大した力じゃない、なんて……。梨子ちゃんがいれば、百人力ずら!」

梨子「お世辞なんか言っても、梨子からは何にも出ないよ?」

花丸「お世辞じゃなくて、本当のことずら」


199: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/12(金) 02:49:07.20 ID:EuVkf+eR

梨子「それにしても……みんなから集めた本、懐かしいものばかりだね。梨子が小学生の頃に読んだことのある本もあったよ」

花丸「『ゾロリ』とか『ズッコケ三人組』とか……大きくなった今だと、なかなか読まないよね。……今読んでも面白いんだけどね」

梨子「あと懐かしいな、って思ったのが、これ」

花丸「それ、なぞなぞがたくさん書かれた本だ」

梨子「修理がてらページをめくってんだけど……見てたら、面白いなぞなぞがいっぱいあって。友達となぞなぞの出し合いっこしたの、思い出しちゃった」フフッ

花丸「オラも昔、ルビィちゃんとなぞなぞの本を読んで、なぞなぞの出し合いっこしたことあったよ」フフッ


200: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/12(金) 03:12:11.67 ID:EuVkf+eR

梨子「ねぇ、今から久しぶりに、この本を読んでなぞなぞの出し合いっこをしない?」

花丸「いいよ、望むところずら」

梨子「それじゃあ、梨子から先になぞなぞを出すからね……うーん、どのなぞなぞを出そうかな……」

ペラッ ペラッ

梨子「……じゃあ、まずはこのなぞなぞから。『パンに塗ると倒れてしまうものってなんだ?』」

花丸「ふふふ、簡単簡単。答えは『バター』ずら? だって『バター』って、倒れるから」

梨子「正解。流石に簡単だったかな?」

花丸「ウォーミングアップ、ってことで最初だから簡単なのでも大丈夫だよ。次はオラの番だね」


201: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/12(金) 03:18:47.04 ID:EuVkf+eR

ペラッ ペラッ

花丸「……『寝るときに邪魔になる服ってなんだ?』」

梨子「んー……わかった。『パジャマ』だ。パ『邪魔』になるから。……でしょ?」

花丸「正解。ふふっ、どんどん出してこうよ、梨子ちゃん」

梨子「じゃあ、次からはちょっとずつ難しくしていこうかなぁ……」


202: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/12(金) 03:24:45.31 ID:EuVkf+eR

ーーーこうして2人のなぞなぞ合戦は

ーーーどんどん続いていきました



梨子「『アンパン、食パン、カレーパン、この中でしっかりお話を聞くことのできるパンはどーれだ?』」

花丸「……『食パン』! 食パンには『耳』があるから」

梨子「その通り、正解」フフッ

花丸「『世界の真ん中にいる虫ってなんだ?』」

梨子「……『蚊』かな? 『せかい』の真ん中だから」

花丸「ご名答ずら」フフッ


203: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/12(金) 03:41:05.98 ID:EuVkf+eR

梨子「じゃあ次のなぞなぞ。『春、夏、秋、冬、一年、の中で、もっとも日数が長いのはどれでしょうか?』」

花丸「春、夏、秋、冬、一年の中でもっとも日数の長い日……? うーん、夏かなあ……夏至の日もあるから……」

梨子「もう一度、なぞなぞをよく聞いて? 『春、夏、秋、冬、一年、の中で、もっとも日数が長いのはどれでしょうか?』」

花丸「春夏秋冬、一年の中で、でしょ? やっぱり、夏じゃあ……」

梨子「……残念でした。正解は……『一年』でした」クスクス

花丸「えっ、どうして? 『春夏秋冬、一年の中で』って言ってたずら?」

梨子「『春、夏、秋、冬、一年、の中で……』だよ? その中だったら……『一年』が一番日数が長いよね?」クスクス

花丸「春と夏と秋と冬と……一年、五つ選択肢があった、ってこと?」

梨子「そういうこと」フフッ

花丸「……ず、ずるい! いじわる問題ずら!」

梨子「ちゃんと、梨子は一つ一つ区切って読んだよ? なぞなぞを早とちりしたマルちゃんが悪いよ」クスクス

花丸「あ、あぅ……///」


204: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/12(金) 03:54:37.60 ID:EuVkf+eR

花丸「……じゃあ、次はオラがなぞなぞ出す番だね……」

梨子「うん。すごく難しいなぞなぞでもいいよ」フフッ

花丸(……梨子ちゃんがそういうなら……とっても理不尽な、いじわるななぞなぞを出してあげよう……)

花丸(……うーん、どんななぞなぞを出そうかな……)

花丸(……そうだ。『パンはパンでも固くて食べられないパンはなーんだ?』ってなぞなぞにしよう……)

花丸(梨子ちゃんはきっと『フライパン』って答えるだろうから、オラはそこでしたり顔で『正解は、とってもとーっても固くなったフランスパン』って答えてあげるんだ……)

花丸(ふふっ、梨子ちゃんきっと『そんなのずるい、いじわるだよぉ』ってごねるだろうけど……そんなの一切受け付けてやらないよ……)

花丸(なにせ、オラ魔が差しちゃったからね、仕方ないよね……)ニヤリ


205: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/12(金) 04:04:52.79 ID:EuVkf+eR

花丸「……じゃあ梨子ちゃん。次のなぞなぞ言うね」ニヤリ

梨子「えぇ、どうぞ」

花丸「なぞなぞね。……『パンはパンでも……固くて食べられないフランスパンはなーんだ?』」ドヤァ

梨子「……えっ?」

花丸「……ん?」

梨子「『パンはパンでも固くて食べられないフランスパンはなーんだ?』ってそれ……」

花丸「あれ、オラ……あれ……まさか……」

梨子「……答え、『すごく固くなったフランスパン』じゃないの……?」

花丸「……なぞなぞの出し方、間違えて言っちゃった!……しまった、やっちゃった!」ガーン

梨子「あの、答えは……合ってるよね……?」

花丸「……正解です……」


206: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/12(金) 04:12:39.23 ID:EuVkf+eR

梨子「……もしかして、さっきのお返しに……梨子にいじわるななぞなぞ、出そうとした?」

花丸「はいっ! あっ、いいえ!」フルフル

梨子「……どっちなの?」

花丸「……はい、その通りです……。ちょっと魔が差しちゃって……」

梨子「そうだったの。……ふふっ、マルちゃんったら、おっちょこちょいなんだから……」クスクス

花丸「う、うぅ……返す言葉がないずら……///」

梨子「……どうしようかな、みんなにも教えてあげようかな。さっきのこと」クスクス

花丸「!?」ドキッ


207: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/12(金) 04:17:39.24 ID:EuVkf+eR

花丸「そんないじわるしないで欲しいずら……!」

梨子「だって、なんだか面白おかしかったんだもの。みんなにも教えたいじゃない」フフッ

花丸「……それはやめて……お願い……」シュン

梨子「……そうだ、それじゃあ、今から梨子が出すなぞなぞに、マルちゃんが答えられたら、さっきのことは誰にも言わない、って約束するよ」

花丸「ほ、本当?」

梨子「うん、嘘は言わないよ。嘘を言ったら仏様に怒られちゃうからね」


208: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/12(金) 04:35:04.01 ID:EuVkf+eR

梨子「それじゃあ、なぞなぞね。……『歌うことと、本を読むことが大好きで、それと同じくらい食べることも好きで』」

梨子「『……今日も図書室でみんなのために本の修理を頑張る……心優しくてとっても可愛い女の子の名前は……なんと言うでしょうか?』……ヒントは、梨子の目の前にいる……女の子だよ///」

花丸「……梨子ちゃんの目の前の女の子って……そ、それってつまり、お、お、オラ……///」

梨子「……ちゃんと名前で答えないと。……名前を聞いてるのに……///」

花丸「い、言えるわけないずら! 自惚れ屋さんでもない限り、そんなこと……!」

梨子「……しょうがないなあ。……正解は……『国木田 花丸ちゃん』……だよ?」

花丸「……恥ずかしいならそんな問題出さないでほしいし……答えだって、わざわざ言わなくていいのに……///」

梨子「……だって、本当のことだから……///」

花丸「……梨子ちゃんのいじわる……///」



終わり


228: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/13(土) 12:51:33.59 ID:Te9CAWYg

ーーー今日は珍しく、Aqoursの練習もお休みです


花丸「……今日みたいに何にも用事が無くて、尚且つ寒い寒ーい日は……」ヨイショ

ドッサリ

花丸「部屋に篭って、日がな一日本を読むに限るずら……」ウフフ

花丸「どうせお出かけする予定もないし、今日は着替えるのも面倒臭いから、パジャマに半纏のまま過ごそう、っと……」

ペラッ

花丸「……さぁ、早速読み進めるずら」


229: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/13(土) 12:53:40.35 ID:Te9CAWYg

ペラッ

花丸「……」モクモク

ペラッ

花丸「……」モクモク

「……まるちゃん。花丸ちゃん……」

花丸「……ん? ばあちゃんが呼んでる……?」

ガチャリ

花丸婆「花丸ちゃん、お友達が来てるずら」

花丸「お友達……?」 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)


230: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/13(土) 12:56:38.85 ID:Te9CAWYg

花丸婆「玄関でお待ちになってるからね」

花丸「わかった、今行くよ」

ヨッコイショ

花丸「……お友達って誰だろ……ルビィちゃんだったら、ばあちゃんちゃんと名前を言うし……」

トタトタ

花丸「はーい、どなたずらー……?」


231: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/13(土) 13:00:49.27 ID:Te9CAWYg

梨子「おはよう、マルちゃん」

花丸「……り、り……梨子ちゃん……!」

梨子「もしかして、寝起きだったかな……?パジャマのまんま……」

花丸「い、いやこれは違うずら! これはその、着替えるのが面倒臭くて……///」モジモジ

花丸(……ばあちゃん、そういえば梨子ちゃんのこと知らなかったっけ……どおりで名前を呼ばなかったはずだぁ……)

梨子「……ふふっ、半纏姿のマルちゃん、珍しいもの見れちゃった」クスクス

花丸「……用件はなあに?」カオマッカッカ

梨子「……もし何にも用事が無かったら、一緒に沼津まで行かない?」


232: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/13(土) 13:03:51.18 ID:Te9CAWYg

花丸「……それって、つまりデ……///」

梨子「……そうなるの、かな……///」

花丸「……ちょっと着替えてくるから、待ってて!」

ドタドタ

ドタドタ

花丸婆「どうしたね、そんな慌てて」

花丸「……ちょっとお出かけしてくる!」

花丸婆「今日は一日家に居るんじゃなかったずら?」

花丸「気が変わったの!」

花丸婆「……そりゃまあ、ええこったけど……なんであんな顔が赤いんかね……?」




終わり


246: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 09:43:08.62 ID:sXdcxqRb

>>236

ーーー浦の星 中庭


梨子「……ふぅ……」

花丸「梨子ちゃん、もしかして……お疲れ気味?」

梨子「……ちょっとだけ、ね。最近作曲とか色々忙しくって……」

花丸「……ねぇ、今度のお休みの日、予定は空いてるずら?」」

梨子「今度のお休み? うん、暇だけど……」

花丸「それなら、オラと一緒に……ぐうたら、しよ?」

梨子「……ぐうたら?」


247: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 10:01:01.85 ID:sXdcxqRb

花丸「そう、ぐうたら! 一日お部屋で、ダラダラ好きなことをして過ごすの」

梨子「お部屋で、ダラダラ……。言葉だけ聞くと、すごく休日の無駄遣いみたいだけど……」

花丸「一年は長いんだよ? たまにはこんな日があったっていいずら。……それで、梨子ちゃ一緒にぐうたらするの? しないの? どっちずら?」グイグイ

梨子「……随分、ぐいぐいくるね。そうだなぁ……。何にも用事は無いし、マルちゃんと一緒にぐうたら、しようかな?」ニコッ

花丸「ふふっ、決まりだね。今度のお休みは、マルと一緒に『ぐうたら日和』ずら」ニコニコ

梨子「『ぐうたら日和』……、なんだかエッセイのタイトルみたいだね」クスクス

花丸「それじゃあね、その時に用意してもらうものを、教えるよ?」

梨子「……用意するもの?」


248: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 10:10:14.09 ID:sXdcxqRb

ーーーそして、ぐうたら日和当日

ーーー花丸の自宅 玄関前



梨子「……マルちゃんに指示されたとおり、ダラダラ過ごすための持ち物と、あと……浦女のジャージで来たけど……。ジャージって、何か意味があるのかな?」

梨子「『絶対ぜーったい、浦女のジャージ着てきてね?』って念押しで言われたから……ちょっと脅迫じみて怖かったけど……」

ピィィンポォォン

梨子「こんにちわー」

「はーい」

梨子「マルちゃんの声だ」

トタトタ トタトタ

ガララッ

花丸「こんにちわ、いらっしゃっい梨子ちゃん」ニコニコ

梨子「こ、こんにちわ……マ、ルちゃん……」


249: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 10:23:27.73 ID:sXdcxqRb

花丸「どうしたの? なんで言葉に詰まってるの?」

梨子「……いやね、マルちゃんの格好がね……」

花丸「オラの格好、そんなにおかしいずら?」

梨子「……浦女のジャージに、半纏を羽織って……髪はちょっと寝癖ついてボサボサだし、おまけにメガネだし……普段のマルちゃんのイメージと真逆すぎて……」

花丸「オラ、あんまり視力は良くないんだ。だからお家ではメガネなの」

梨子「メガネのところだけ抜き取って理由を説明されても、他の部分の思考が追いつかないよ……」

花丸「今日は一日、ぐうたらするんだよ? ぐうたらするのにお洒落は不要ずら。だから、格好も過ごしやすいジャージで充分だし、髪の毛だってとかなくたっていいずら」

梨子「……そう言われたら、確かにぐうたらするだけだしね……。マルちゃんがジャージにこだわった理由がわかったよ……」

花丸「さっ、早く中へ上がって? お部屋にどうぞ」

梨子「お、お邪魔しまーす……」


250: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 10:41:52.19 ID:sXdcxqRb

ーーー花丸の部屋


ガチャリ

梨子「ま、マルちゃんこれ……」

花丸「ふっふふ。もう、ぐうたらする準備は整ってるよ」

梨子「……こたつの上に、急須と湯飲みと、お茶菓子が既に用意してある……」

花丸「飲み物も食べ物も、抜かりなしずら。さぁ、梨子ちゃんもこれを羽織って?」

梨子「これ、マルちゃんも羽織ってる半纏……」

花丸「オラのお古だけどね。ばあちゃんの手作り半纏だから、とっても暖かいよ」ウフフ

梨子「あら、裾のところに肉球のアップリケが。ワンポイントになってて可愛い」クスクス

花丸「それね、今オラが羽織ってる半纏にも、付いてるんだよ。ほら、ここ」

ヒラッ

梨子「本当だ。マルちゃんのおばあちゃんのこだわりと優しさが、半纏から伝わってくるね」フフッ


251: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 10:53:52.25 ID:sXdcxqRb

花丸「さて半纏を羽織ってもらったところで……これより、一日ぐうたらをしてもらうわけだけど……」

梨子「何かまだあるの?」

花丸「うん。携帯電話の電源もね、切ってほしいの」

梨子「……ぐうたらするために、そこまでするんだ……」

花丸「電話のベルが鳴ると、ぐうたらに集中できなくなるからね」

梨子「ぐうたらに集中とかあるんだ……」

花丸「とにかく、携帯電話の電源はお切りください!」

梨子「そんな車掌さんのアナウンスみたいに言わなくても……。わかったよ……」

ポチッ

花丸「それでオッケーずら」ニコニコ


252: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 11:01:21.32 ID:sXdcxqRb

花丸「さぁ、こたつに入ったら、いよいよぐうたらスタートずら!」

梨子「よ、よーし……今日はぐうたら、頑張るぞー……」

花丸「……梨子ちゃん、ぐうたらは頑張るものじゃないよ。ぐうたらは、ぐうたらするためにぐうたらするんだから」

梨子「『ぐうたらするためにぐうたら』ってどんな言葉なの……。ぐうたらがゲシュタルト崩壊しちゃうよ……」


253: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 11:16:04.01 ID:sXdcxqRb

ーーーこたつに潜り込み、座椅子に腰をかけた梨子と花丸

ーーーそれぞれ、ぐうたらするための用意を机の上に持ち出して

ーーーぐうたら日和のスタートです



梨子「マルちゃんは、今日は本を読んでぐうたらするの?」

花丸「うん。前に沼津の本屋さんで買った小説なんだけど、まだ手をつけれてなかったから。梨子ちゃんは……編み物するの?」

梨子「そうだよ。前から少しずつ進めてたんだけど、途中で止めてて……。今日で完成できたらいいな、って」

花丸「黄色の毛糸で、何を作ってるの?」

梨子「ふふっ、内緒。出来てからのお楽しみ」

花丸「それは気になるずら。ぜひ、完成させてほしいな」

梨子「うん、ぐうたら編みながら、頑張るよ」


254: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 11:29:58.89 ID:sXdcxqRb

梨子「……」アミアミ アミアミ

花丸「……」ペラッ


ーーー梨子は両手に持った編み棒を、細かく動かして黄色の毛糸を編み込んでいき

ーーー花丸は視線を文章に落として、じっくり読み込んで、小説の世界に深く浸っています

ーーー花丸の部屋は、とても静かな時間が流れていました


梨子(……静かだなぁ。そもそもマルちゃんのお家はお寺だから、閑静な場所にある、っていうのもあるけれど……)

梨子(……それにしたって、マルちゃんのお部屋は静か。さっきから聞こえるのは本のページをめくる音と、お茶をすする音ぐらい……時計の針の音すら聞こえないや……)


255: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 11:36:38.37 ID:sXdcxqRb

梨子「……ねぇ、マルちゃん」

花丸「……なあに、梨子ちゃん。おトイレなら部屋を出て……」

梨子「お手洗いに行きたいわけじゃないの。えっと、今何時かな? って思って……」

花丸「今何時? そうだね、大体ね……」

梨子「お決まりの返しだね、それ」

花丸「どういうこと? えっと、今大体ね……」

梨子「……なんでお腹を抑えるの?」

花丸「お腹の虫に、今の時間を聞いてるの」

梨子「……時計を見たらいいんじゃ……」

花丸「時計? 時計はね、電池抜いてあるから動かないの」


256: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 11:45:38.74 ID:sXdcxqRb

梨子「……時計、止めてるの?」

花丸「うん、だって、時計の針の音が耳障りになるずら? ぐうたらするための環境作りだよ」

梨子「……通りでこんなに静かなのね……。マルちゃんのぐうたらへのこだわりがすごいよ……」

花丸「……ぐうたらに時間なんか気にしたらダメずら。時間を忘れて、ダラダラ過ごすのがぐうたらだから」

梨子「……なるほど。なんか深いね……」

花丸「で、お腹の虫に尋ねたところ……まだお昼ご飯の時間じゃない、って。お腹が空いて、まだ鳴くような時間じゃない、って」

梨子「本当に大体なんだね……」


257: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 11:59:12.50 ID:sXdcxqRb

ーーーこの静かな部屋で、どれほど時間が経過したのでしょうか

ーーー突然、梨子と花丸は互いの手の動きを止め

ーーーお腹の方に手をやったのでした



りこまる「……あっ」

梨子「……」グゴゴゴゥゥ

花丸「……」クゥゥ

りこまる「……///」カオマッカ

梨子「……タイミングよく、お腹の虫が鳴いたね……///」

花丸「ってことは、もうお昼ご飯の時間だね……///」

梨子「あのっ、マルちゃん……さっきの私のお腹の虫の鳴き声、誰にも言わないでね……///」カオマッカッカノカー

花丸「……怪獣の呻き声みたいだったもんね……大丈夫、誰にも言わないから……」クスクス


259: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 12:23:52.44 ID:sXdcxqRb

ーーー二人はこたつから、よいしょと上がると

ーーー花丸の家の台所に向かいます

ーーーそこでは、割烹着を着た花丸のお婆さんが

ーーーコンロの前でフライパンを振るっていました



花丸婆「ふふっ、花丸ちゃんの腹時計は正確ずら」

花丸「ばあちゃん、お腹空いちゃった……」

花丸婆「べっこ待ってな。んますこすで出来あがっから……」

梨子「……べっこ? んますこす……?」

花丸「ばあちゃん、東北生まれの人だから……今のは東北弁ずら」

梨子「へぇ、東北弁なんだ……」

花丸「長い間、お寺のお大黒さんもやってたから……東北弁とじいちゃんの遠州弁も混ざっちゃって……」

梨子「なるほど……」

花丸婆「ほいできた、ばあちゃん特製のチャーハンずら」

花丸「わーい!」


260: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 12:47:28.09 ID:sXdcxqRb

花丸婆「こんなもんしかできねぇで、ごめんなしてくない」

梨子「いえ、そんなお構いなく……」

花丸「ばあちゃんのチャーハンはね、お米がパラパラでとっても美味しんだよ」

花丸婆「これ花丸ちゃん、あんまこのばあをおがすんじゃね」フフッ

花丸「本当のことだもん、嘘をついたら仏様に怒られるずら?」

花丸婆「んだなあ、嘘つくと仏様にごしゃがれるなあ」

花丸&花丸婆「んふふ……」クスクス

梨子(……何言ってるのか全然わかんない……)


261: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 12:59:43.82 ID:sXdcxqRb

ーーー梨子と花丸は食卓に向かうと

ーーー仲良く手を合わせて、花丸のお婆さんの作ったチャーハンを食べ始めました


アーンッ

パクーッ

梨子「……味付け、お醤油がベースの優しい味で、マルちゃんの言う通り、お米がパラッパラだ……。流石は沼津一の料理自慢、だね」フフッ

花丸「んふふー、美味しいずら?」モグモグ

梨子「……マルちゃん。ほっぺにお弁当、付いてるよ、ティッシュで取ってあげる」クスクス

ヒョイッ

花丸「あうっ……ありがとう……梨子ちゃん……///」


262: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 13:14:33.34 ID:sXdcxqRb

りこまる「ごちそうさまでした」パチンッ

花丸婆「お粗末さんずら」

梨子「食器片付けるの、手伝います」

花丸婆「気にすんな、気にすんな。オラがすべっとくから」

梨子「それではなんだか申し訳が……」

花丸婆「ええんだ、ええんだ。……花丸ちゃん、あとでおやつ作って持ってくからな」

花丸「ありがとう、ばあちゃん」ニコニコ


263: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 13:19:29.21 ID:sXdcxqRb

ーーーお昼ご飯を食べ終えた二人はまた、花丸の部屋に戻りました



梨子「マルちゃんのおばあちゃん、素敵なおばあちゃんね。マルちゃんが自慢するのも、納得しちゃうな」

花丸「あとで、おやつも持ってきてくれるから、楽しみずら……」フフフッ

梨子「うん、私も楽しみ」フフッ

花丸「お腹いっぱいになったことだし……じゃあ、ぐうたらの続きを始めよう?」


264: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 13:30:16.94 ID:sXdcxqRb

ーーー梨子と花丸は再びそれぞれの手を動かして

ーーー自分の世界に没頭していきます



梨子「……」アミアミ アミアミ

花丸「……」ペラッ

梨子(そういえばマルちゃん、一体何を読んでるのかな……?)

花丸「……」ペラッ

梨子(サスペンス小説かな、それともロマンス小説なのかな?)


265: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 13:38:02.55 ID:sXdcxqRb

花丸「……」ペラッ

梨子(せっかくだから、聞いてみようかな……。でも、今すごく集中してるから、邪魔しちゃうかな……)

花丸「……」シクシク

梨子(あれ、マルちゃん泣いてる……)

花丸「……そんなのってないよ、せっかく生き別れのお兄ちゃんと再会したのに……お兄ちゃんの余命がいくばくもないなんて……」グスン

梨子(……マルちゃんの表情で、なんとなく読んでるストーリーがわかりそう……)


266: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 13:42:36.35 ID:sXdcxqRb

梨子(……ちょっと、観察してみよう……)

花丸「……」ペラッ

花丸「……」ドキッ

梨子(……何かストーリーに変化があったのかな?)

花丸「お兄ちゃんの病気を治せるお医者様が、世界に一人だけ存在する、だって……!」ゴクリ

梨子(やったね、一筋の光が見えたよ!)


267: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 13:46:44.88 ID:sXdcxqRb

花丸「……そのお医者様は、どこにいるのかな……」

梨子(……一体どこにいるんだろう……)

花丸「……」ペラッ

花丸「……」ワナワナ

梨子(……すごい驚いてる。もしかしてお医者様の居場所が判明したのかな……)

花丸「……まさか、宇宙にいるなんて……」

梨子(えっ、宇宙にいるの!?)


268: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 13:56:23.67 ID:sXdcxqRb

花丸「なんで宇宙にいるの……いきなり急展開ずら……」

梨子(本当にそうだよ……どうして宇宙に……)

花丸「……」ペラッ

花丸「……腕は確かだけど、人間嫌いの偏屈者で、人の社会に嫌になって宇宙に移住しちゃったんだ……」

梨子(そういう一癖あるお医者さんなんだ。……っていうか、マルちゃんが読んでるのSF小説なのかな……宇宙が出てきたけど……)

花丸「……」ペラッ

花丸「……そうだね、宇宙にいるから、って諦めちゃダメだよね。そのお医者様にお兄ちゃんを治してもらわないと……」

梨子(……でも主人公の子は、どうやって宇宙まで行くつもりだろう……)


269: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 14:05:26.89 ID:sXdcxqRb

花丸「……」ペラッ

花丸「……なるほど、JAXAの打ち上げシャトルにこっそり乗り込んで行くわけだね……」

梨子(当然宇宙に行くにはそうなるんだろうけど、こっそりと言う割には大胆よね……)

花丸「……」ペラッ

花丸「……」ムスッ

梨子(……あれ、眉間に皺を寄せた……)

花丸「……なんで宇宙に行く妹の邪魔をするの、義理のお姉ちゃんは!」プンプン

梨子(主人公女の子だったんだ! 今更判明した!)


270: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 14:16:24.11 ID:sXdcxqRb

花丸「本当のお兄ちゃんを救うために宇宙までお医者様に会いに行くのに……お姉ちゃんは邪魔をしないで欲しいずら!」プンスコ

梨子(どうしてなの、どうして義理の妹の邪魔をするの!?)

花丸「……」ペラッ

花丸「……」ワナワナ

梨子(……また新しい事実が判明したのかな……?)

花丸「……お兄ちゃんは実は世界を滅ぼす生物兵器で……お兄ちゃんを改造した張本人こそ……宇宙にいるお医者様だって……」ゴクリ

梨子(えぇ、まさかまさかの超展開だ!)


271: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 14:26:04.34 ID:sXdcxqRb

花丸「……そうかぁ、お医者様がお兄ちゃんを改造したから、お兄ちゃんのことを唯一治せるわけなんだ……いや、この場合は『直す』って言うのかな。生物兵器だから……」

梨子(だから義理のお姉ちゃんは止めたんだね、世界平和のことを考えて……でも、それじゃあ主人公の子が不憫……)

花丸「……」ペラッ

梨子(このまま、引き下がるのかな……どうなっちゃうの……)

花丸「……なんてこった。人類の愚かさを憂いた宇宙のお医者様が、隕石落としを敢行しちゃった……」ゴクリ

梨子(もう先の展開が読めないよぉ!)


272: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 14:35:11.59 ID:sXdcxqRb

梨子(隕石を地球に落とされちゃったら、地球が滅亡しちゃう! そうなったらお兄ちゃんがどうこうなんて関係ないよ……!)

花丸「どうなるの、どうなるの……」

梨子(どうなるの、本当にどうなっちゃうの……)

花丸「……」ペラッ

花丸「……病魔に蝕まれた体を押して、お兄ちゃんが隕石を止めるべく出撃した……」ゴクリ

梨子(ここで生物兵器の設定が生きた!)


273: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 14:58:17.40 ID:sXdcxqRb

花丸「……」ペラッ

花丸「『兄は、最期こう呟いた』」

花丸「『妹よ、こんな悪魔の体になった俺を、人間のように愛してくれてありがとう』」

花丸「『だが俺はもう、兵器としてこの手を幾度も鮮血で染めた、重罪人だ。……罪は死によって贖わなければならない。だからこれは最後の人間孝行だ』」

花丸「『妹よ、お前は平和に暮らせ。素敵な恋人と結ばれ、元気な子を産んでくれ。俺は宇宙(そら)からお前を見守ってる』」

花丸「『だから、アバよ……達者でな』」

花丸「『こうして、死をもたらさんと地球を襲った巨大隕石は、一人の男の命を賭した活躍により、数多の流星群へと姿を変えたのだった』」

花丸「『人々は知らない、流星が降り注ぐその夜に、命を散らせた一人の英雄のことを』」

花丸「『知らなくたっていい、皆が流星に思いを馳せる中、命を散らせた一人の咎人の思いなど』」

花丸「『お兄ちゃん……』

花丸「『真実を知るのは、最愛の理解者一人だけでいい。それだけで、彼の魂は充分、報われるのだから』」

花丸「『……終わり』」





花丸「……お、お兄ちゃん……」グスン

梨子「……お兄ちゃあん!」ガタッ

花丸「!?」ビクッ


274: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 15:03:10.67 ID:sXdcxqRb

梨子「うっうっ……」グスン

花丸「あの、なんで泣いてるの……梨子ちゃん……」

梨子「……お兄ちゃんの、最期の思いに感動しちゃって……」

花丸「……もしかして、オラが読んでたこの小説のこと……?」

梨子「……うん」コクリッ

花丸「……オラ、声に出して読んでた?」

梨子「要所要所ね、表情も含めて。……クライマックスの方はほぼまる聞こえだった……」


275: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 15:05:28.49 ID:sXdcxqRb

花丸「……///」カオマッカッカ

梨子「マルちゃん、感情移入しすぎると、つい声に出ちゃったりするのね……知らなかった……」クスクス

花丸「……これは、たまたまずら……///」

梨子「……読み終わったなら、今度その本貸して? 一から読んでみるから……」

花丸「……どうぞ///」


276: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 15:11:04.46 ID:sXdcxqRb

ーーーさて、梨子と花丸が二回目のお腹の虫を鳴らした頃

ーーーそれを見計らったかのように

ーーー花丸のおばあさんが、おやつを持って部屋を訪ねたのでした



コンコンコン

ガチャリ

花丸婆「花丸ちゃん、おやつを持ってきたずら」

花丸「ばあちゃん、今日のおやつはなあに?」

花丸婆「今日も今日とて、おいもさんずら」

花丸「やった、ばあちゃんの大学芋ずら!」


278: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 15:46:36.55 ID:sXdcxqRb

花丸婆「ごめんなしてくない。あんまり洒落たもん作れんで」

梨子「いえいえそんな……私、大学芋好きですから、とっても嬉しいです」ニッコリ

花丸婆「ほうかいね。……ほんにまぁ、花丸ちゃんの言ったとおりずら」

梨子「……何が、ですか?」

花丸婆「花丸ちゃんがね、前に話してくれたんな。『梨子ちゃんはとってもめんこくて、優しいびでっこだ』ってな」

梨子「めんこ……びでっこ……?」

花丸婆「花丸ちゃんはまだまだめんちゃこいそべこさんだから、これからも、仲良くしたってな」

梨子「……あ、はい! もちろんです」

花丸婆「んじゃ、ゆっくりしてってな」

ガチャリ


279: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 15:52:41.03 ID:sXdcxqRb

梨子「……マルちゃん。さっきおばあちゃん、なんて言ってたの……?」

花丸「……ばあちゃん、色々と正直に言いすぎずら……///」

梨子「え、そんな赤面するようなこと、言ってたの……?」

花丸「……教えてあげない」

梨子「なんで、教えてよ……私、東北弁全然わからないんだから……」

花丸「……世の中には知らない方がいいこともあるずら……」

梨子「ね、ねぇ!? なんなの、ねぇ!」

花丸「……///」プイッ

梨子「赤面しながらソッポ向かないでよぉ……!」


280: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 16:04:33.14 ID:sXdcxqRb

ーーーおばあさん手作りの甘い甘い大学芋を堪能していたとき

ーーー突然の来客が、花丸の部屋を訪れたのでした

トタトタ トタトタ

コンコンコン

「ま、マルちゃん……!」

花丸「ん? その声は……」

ガチャリ

ルビィ「……」ハァハァ

花丸「ルビィちゃん、どうしたのそんな血相変えて!」

ルビィ「あ、あのね……」ハァハァ

花丸「息も絶え絶えに、一体何があったの?」

チラッ

ルビィ「あれ、梨子ちゃんもいる……」

梨子「こ、こんにちはルビィちゃん……」


281: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 16:08:05.52 ID:sXdcxqRb

ルビィ「浦女のジャージ着て、一体何をしてるの?」

花丸「梨子ちゃんと二人、ぐうたらしてたの」

ルビィ「ぐうたら? えぇ、いいなぁ……ぐうたら……」

花丸「よかったら、ルビィちゃんも今から参加する? ほら、おやつのおいもさんもあるずら?」

ルビィ「わっ、大学いもだぁ! ……でも、ダメなの、ルビィ今日はぐうたらできないの……」

梨子「どうして、そんな慌ててマルちゃんのお家に来たの? ルビィちゃん」


282: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 16:12:34.00 ID:sXdcxqRb

ルビィ「あっ、そうだった! マルちゃん! あのね、マルちゃんのカバンに、ルビィの数学と英語のノート、混ざり込んでない?」

花丸「数学と英語のノート? ちょっと待って、探してみるよ……」

ガサガサ

花丸「……あっ、このノート、ルビィちゃんの……」

ルビィ「やっぱり! あー、良かった……」

花丸「ルビィちゃん、一体全体どうしたの?」


283: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 16:25:30.74 ID:sXdcxqRb

ルビィ「……今度、数学と英語の実力テストがあるでしょ?」

花丸「……そういえば、そんなこと先生を言ってたような……」

ルビィ「赤点さえ取らなかったら大丈夫かな、って思ってたら……テストがあること、おねえちゃんにバレちゃって……それでね」

花丸「……それで?」

ルビィ「『赤点回避が目標なんて、意識が低すぎる! どうせならもっと高得点が取れるようになりなさい』って怒られて、これからおねえちゃんとお勉強なの……」

花丸「……なるほど」

ルビィ「……ノートを忘れてたことで既におねえちゃん、カンカンに怒ってるから……ルビィ急いで帰らないと」

花丸「それはご愁傷様というか、なんというか……」

ルビィ「じゃあね、マルちゃん、梨子ちゃん! ルビィも今度、ぐうたらするの、誘ってね!」

ピューンッ


284: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 16:29:54.27 ID:sXdcxqRb

梨子「……ルビィちゃんも大変だなぁ……」

花丸「……梨子ちゃん。ルビィちゃんみたいに、ぐうたらしたくてもできない人だっているずら。だからオラたちは、ルビィちゃんの分までぐうたらしないと……」

梨子「……ぐうたらの荷が重いね……」

花丸「とりあえず、ルビィちゃんの無事を祈願して……合掌」チーン

梨子「合掌……」チーン


285: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 16:36:29.61 ID:sXdcxqRb

ーーールビィを合掌で見送って

ーーー二人はまた、こたつに潜り込みました

ーーーいつの間にやら、梨子の編み物もだいぶ形が出来上がっていて

ーーー編み物に疎い花丸でも、完成形がわかるようになっていました



花丸「……梨子ちゃんの編んでたそれ、もしかして……」

梨子「ふふっ、もう分かるかな?」

花丸「ミトンの手袋だ!」

梨子「そう、正解♪」ニコッ


286: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 16:44:22.02 ID:sXdcxqRb

梨子「……最後、ここの仕上げを整えて……」

花丸「これで、完成?」

梨子「うん、完成だよ♪」ニコニコ



ーーー黄色の毛糸で編み上がった一対のミトン

ーーーしっかり隙間無く編み込まれたそれは

ーーーどんな冷たい北風にだって、両手を寒さから守ってくれる

ーーーまさに、梨子の渾身の逸品でした


287: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 16:48:31.91 ID:sXdcxqRb

花丸「ふふっ、モフモフで暖かそう。これをはめてたら、どんな寒さだってへっちゃらだね」

梨子「うん。……ねぇ、マルちゃん」

花丸「なあに、梨子ちゃん」

梨子「マルちゃんに……このミトン、プレゼントするね」

花丸「……えっ」


288: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 17:05:23.30 ID:sXdcxqRb

花丸「このミトンの手袋、自分で使うために、編んでたんじゃないの?」

梨子「……最初はそのつもりだったよ。でもね、気が変わったの」

花丸「どうして?」

梨子「今日、ぐうたらするのを誘ってくれたお礼と……あと、私のわがままを、叶えたくって」

花丸「……わがままって?」

梨子「マルちゃんに……私が手作りしたものを使って欲しいなあ、ってわがまま」


289: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 17:13:35.64 ID:sXdcxqRb

花丸「……梨子ちゃんの作ったものなら、もちろん喜んで使うけど……でも、こんな綺麗に出来たもの、もったいなくてなんだかもらえないよ……///」

梨子「……お願い、もらってほしいな。……マルちゃんが私の手袋使うのを、見たいから……///」

花丸「……それなら、今年の冬はこのミトンの手袋、たくさんはめるよ。……今年だけじゃないよ、来年も再来年も……ずっとね……」

梨子「……ねぇ、手袋はめてみて?」

花丸「……うん」


290: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 17:22:22.45 ID:sXdcxqRb

ーーー梨子から受け取った黄色のミトンを

ーーー花丸はそっと、手にはめました

ーーーほんの少し、ぶかついてはいましたが

ーーー毛糸の肌触りの良さと、はめた瞬間にわかる暖かさに

ーーー自然と笑みがこぼれました



花丸「……これでオラはもう、寒さ知らずずら。だからね……今度、お出かけしよう?」

梨子「うん……お出かけしよっか」

りこまる「……ふふっ///」


291: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 17:26:37.12 ID:sXdcxqRb

ーーー照れながら二人は笑いあってると

ーーー花丸のおばあさんの声が

ーーードア越しから聞こえてきました


花丸婆「花丸ちゃん、梨子ちゃんは夕ご飯どうするね?」

梨子「えっ、もう、そんな時間?」


ーーー窓の方に目を向けると

ーーー辺りはすっかり暗くなっているのがわかりました

ーーー時間の過ぎることの、なんと早いことなのでしょうか


292: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 17:32:04.28 ID:sXdcxqRb

梨子「……時計が止まってると、時間の進みがわからないから、あっという間に一日が終わっちゃったね」

花丸「ひがな一日、ぐうたらするのも悪くないでしょ?」

梨子「うん。……なんだか、新鮮な体験だったよ」

花丸「人間みんな忙し過ぎずら。たまには、一日くらいぐうたらしたってバチは当たらないずら」

梨子「ふふっ。たまには、いいかもね」


293: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 17:40:01.92 ID:sXdcxqRb

花丸「ところで、夕ご飯はどうする?」

梨子「……ちょっと待って」


ーーーそう言って、梨子は自分のスマートフォンを手に取ると

ーーー電源を入れ直し

ーーー電話をかけ始めました


梨子「……もしもし、お母さん? ごめんなさい、ずっとスマホの電源切ってたから……」

梨子「あのね、今日……夕飯はいらない。うん、花丸ちゃんのお家でお呼ばれするから……」

花丸「……」パァッ

梨子「帰り? 帰りは……うーん……」


294: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 17:47:50.14 ID:sXdcxqRb

花丸「……お泊りしていっても、大丈夫だよ」ボソッ

梨子「……今日は、そのまま花丸ちゃん家にお泊りするから……」

花丸「……」ヤッタッ

梨子「えっ、着替え!? も、持ってきてないけど……」

花丸「……一日くらい、へっちゃらずら」ボソッ

梨子「い、一日くらい、大丈夫。うん、大丈夫だから……それじゃあね」

ピッ

梨子「……ということで、きょ……」

花丸「ばあちゃん! 梨子ちゃんの分のお布団用意するずら!」

花丸婆「わかったずら。夕ご飯の後、用意するな」フフッ

梨子「……伝わるの早いなあ……」


295: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/15(月) 17:59:51.91 ID:sXdcxqRb

花丸婆「……じゃあ、梨子ちゃんの分も、お皿用意するからね、早う来るずら」


スタスタ スタスタ


花丸「……ふふふ、今日は梨子ちゃんとお泊りだぁ!」ワーイ

梨子「ふふっ、今夜はよろしくね、マルちゃん」

花丸「一緒にお風呂入ろうね、背中流し合いっこしよ?」

梨子「うん、いいよ」ニコニコ

花丸「あと、勉強も教えて。今度の実力テスト、実は数学が不安で……」

梨子「もちろん、喜んで」フフッ

花丸「あと、夜は二人で『がーるずとーく』もしようね」

梨子「意外とミーハーなのね、マルちゃん」クスクス

花丸「兎にも角にも、今日の夜は楽しみずら!」



終わり


308: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/16(火) 17:30:52.36 ID:dMvzXXio

ーーー浦の星 中庭



花丸「……梨子ちゃん、髪の毛にゴミが付いてるよ?」

梨子「あれっ、やだな……いつの間に付いちゃったんだろ……」

花丸「ふふっ、取ってあげるね」

スッ

梨子「……ありがとう、マルちゃ……」

花丸「……」ポケーッ

梨子「どうしたの、何を見つめているの?」

花丸「梨子ちゃんの髪……綺麗だなあ、って……」


309: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/16(火) 17:34:20.02 ID:dMvzXXio

梨子「そ、そうかな……?」

花丸「艶やかで、流れるようにサラサラで……羨ましいずら……」

梨子「……私はマルちゃんの髪の毛の方が、綺麗だと思うよ?」

花丸「お、オラの髪なんて……全然そんなことない……」

梨子「そんなことあるよ、マルちゃんの亜麻色の髪……梨子は好きだな」


310: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/16(火) 17:49:01.36 ID:dMvzXXio

ーーーそう言って彼女は優しく微笑んで、そっと近づき、私の髪に手をかけた

ーーー突然のことで不意を突かれた格好になった私は、体を固くしてしまい、近づいた彼女の顔に、思わず目を背けた

ーーー可憐な花のような香りが、一気に鼻をくすぐって、瞬間、顔が赤く染まってしまったのを、私は自覚した

「亜麻色の髪……淡く優しい光の色……私は好きよ……」

ーーー彼女は私の髪を撫でながら、耳元で囁く。その言葉は甘く、艶やかで、私の体温を更に上げさせたのだった


311: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/16(火) 18:19:13.50 ID:dMvzXXio

「亜麻色の、長い髪を、風が優しく包む」

ーーー突然彼女が歌い出したそれは、半世紀前に発表され、最近でも有名な歌手がカバーをし、今も広く親しまれる歌謡曲の一節だ

ーーー彼女は歌を続けた

「乙女は、胸に白い、花束を」

ーーーこの歌は、恋の歌だ。まだ初恋も知らなかった少女が、運命の人と出会い、恋を覚え、女性へと成長していく過程を歌った歌だ

ーーー彼女の歌声は、セイレーンのそれだ。聴くものを惑わし、誘惑させてしまう、魔性の歌声だ。聴いてしまえば最後、彼女の虜になってしまう

「羽のように、丘を下り、優しい彼の許へ」

ーーー私はふと、背けた目線を彼女の顔に戻してしまった

ーーーその微笑みは、聖母のように慈愛に満ちた、暖かい輝きを持った笑みだ。けど、今の私には、それは妖しく輝いて見えた


312: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/16(火) 18:29:36.30 ID:dMvzXXio

ーーーダメだ、聴いてはならない、見てはならないと、意識を彼女から反らそうと足掻いてみたが、それはもう無駄であった

ーーーいや、無駄な足掻きというのは、間違った例え方だ。何故ならそれは、表面的にただ拒んでいただけだったからだ

ーーー本質的、私の心はもう、足掻くことなく既に彼女に囚われていた

「明るい、歌声は、恋をしているから」

ーーーそうだ、私は彼女に恋をしていたのだ

ーーーあの歌の、亜麻色の髪の乙女のように


313: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/16(火) 18:32:00.31 ID:dMvzXXio

花丸「……ぬああああああ!」カオマッカッカノカー

梨子「ど、どうしたのマルちゃん!?」

花丸「オラは何を考えてるのー!? は、破廉恥ずらあああ!」

シュバババババッ

梨子「ちょ、ちょっと待ってマルちゃん!? 何が破廉恥なの、ねぇ!」



終わり


314: 名無しで叶える物語(神宮) 2018/01/16(火) 18:32:41.20 ID:dMvzXXio

魔が差して、くっさい文章書いてしまった


315: 名無しで叶える物語(庭) 2018/01/16(火) 18:33:36.40 ID:lCK6eboi

素晴らしい


316: 名無しで叶える物語(舞妓 どすえ) 2018/01/16(火) 18:57:38.44 ID:nxaQx2+f

こういう詩的なのもいいですわゾ^~
二人の周りが優しい光に包まれてそう


317: 名無しで叶える物語(茸) 2018/01/16(火) 21:39:31.01 ID:Fl0EI9Xs

りこまるにぴったりな雰囲気たまらん…


318: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー) 2018/01/16(火) 22:31:34.62 ID:bpid8KoD

文系二人だからこそだね



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