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P「四条最大の侵略」貴音「でゅわっ」

1 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:15:33.13 ID:5cQj0bFso

―765プロ事務所―

貴音「はぁっ……はぁっ……」

P「貴音! 動いちゃ駄目だって!」

貴音「し、しかし……ライブ……が……」

P「何が何でも今日は休むんだよ! 何だよ、熱が90度って! 体温計の故障かと思ったぞ!
  おまけに脈拍360、血圧に至っては400!」

貴音「くぅ……っ……! っはぁ……はぁ……!」

P「ライブなら、春香に代役を頼んだ! 春香の実力なら、美希と響にも十分合わせられるはずだ」

貴音「うぅっ……あなた様……ですが……!」

P「安心しろ! 体が治ったら、またフェアリー3人でステージに立てる! だから、今日はゆっくり休むんだ! いいな!」

貴音(……ですが……私は……もう……!)


  『765プロ、そしてアイドル業界の平和を守るため、歌い続けてきた四条貴音!』

  『しかし、度重なる961プロとの戦いにより、彼女の肉体はすでに極限状態に達していた!』

ヴァイスシュヴァルツ 【一日署長 貴音】【C】 IMS21-075-C ≪アニメ アイドルマスター≫

2 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:16:19.05 ID:5cQj0bFso

?『――様、貴音様……どうかお気づきに、貴音様……!』

貴音(!? 何奴!?)

?『……お久しゅうございます、貴音様……。私です、じいやにございます……』

貴音(! じいや……どうしたのです、貴方は古都に……)

じいや『貴音様のお命が危ういと感じ、いてもたってもいられず……。
     貴音様! もう舞台に上がってはなりません! すぐにその星を離れ、我らが故郷へお帰り下され!』

貴音(!)

じいや『貴女様の、その星でのお身体は……もはや限界まで消耗しております。
     これ以上、歌や踊りで力を消費すれば……そのお身体ごと、消滅してしまいますぞ!』

貴音(じいや……ですが、私はまだ……!)

じいや『民のことならば、お気に召されますな! 我等のために戦いぬいた貴女を、責める者などございません!』

貴音(……961プロの妨害が、日に日に過激になっているのです。このままでは……きっと、恐ろしい事が……!)

3 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:16:44.81 ID:5cQj0bFso

じいや『!? な、なりませんぞ! こんな惑星の住人のために、お命を危険に晒すなど!』

貴音(無礼者!)

じいや『!』

貴音(……765プロの皆は……私を孤独から救ってくれた、かけがえのない友人……!
    たとえあなたの言葉であろうと、彼女達への侮辱は許しません!)

じいや『し、失礼いたしました……で、ですが貴音様!』

貴音(せめて……せめてあと一回だけ……! 何としても、961プロを止めなくては……!)

じいや『――っ! もう時間が……! 
     貴音様! よいですか貴音様! くれぐれもご自愛くださいませ! 貴音様!』

貴音(じ、じいや!?)

4 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:17:36.49 ID:5cQj0bFso

貴音「じいや!?」ガバッ

P「!? ど、どうした、貴音? どっか痛むのか!?」

貴音「……? い、いえ……」

貴音(……ゆ……夢……?)

P「何か欲しいものがあったら、何でも言ってくれよ。大丈夫だ、今日は付きっきりで看病するからな」

貴音「……あなた様……」

P「ん?」

貴音「…………申し訳、ありません……」

P「気にするな。アイドルの健康管理だって、そもそもプロデューサーの――」

貴音「……違うのです」

P「え?」

貴音(…………違うのです……私は……私は……!)

5 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:18:07.00 ID:5cQj0bFso

―ライブ会場―

響「は、はいさーいっ! みんなー、今日は来てくれてありがとーっ!」

美希「今回は特別に、春香と一緒に歌っちゃうのー!」

春香「よっ、よろしくお願いしますねっ!」


 「えーお姫ちんはー?」
 「フェアリー3人が見たかったのにー」
 「なんでお姫ちんいないんだよ! 詐欺だぞ!」
 「お姫ちん見るために四国から来たのに……」
 「響ちゃんペロペロ」


春香(うぅ……分かってはいたけど……)

美希(……やるしかないの。貴音、すっごく苦しそうだったし……)

響(貴音、大丈夫かな……)

6 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:18:33.87 ID:5cQj0bFso

美希「え、えっと、それじゃあ一曲目! プロジェクト・フェアリーで、『オーバーマスター』――」

…ウーソーノーコートーバーガーアフーレー

春香「……!?」

響「えっ、ちょ、ちょっと待って! この曲……!」

美希「ちょ、ちょっと音響さん!? どうなってるの!?」

音響「」

響「ひっ!? た、倒――」

?「……要望を聞き入れてもらえなくてな。少しばかり、眠ってもらったのだよ」

春香「! く、黒井……社長……!」

黒井「ウィ、いかにも!」

美希「じゃ、じゃあやっぱり……!」

7 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:19:03.38 ID:5cQj0bFso

北斗「チャオ☆ 客席のエンジェルちゃん達、元気かな?」

翔太「今日は、最後までめいっぱい歌って踊っちゃうからね!」

冬馬「…………」

翔太「……ほら、冬馬くん」

冬馬「っ! あ、ああ……悪い。……盛り上げていくぜ! お前ら、ついてこい!」

キィィィィン…

 「…………」
 「……ォォォ……」
 「オオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」
 「ジュピター! ジュピター! ジュピター! ジュピター!」

響「あ……あぁ……そん、な……」

春香「このイベントまで……そんな、何で……!」

8 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:19:31.19 ID:5cQj0bFso

黒井「フハハハハ! 見たか高木! 見たか765プロ! 我が961プロの科学の結晶、『洗脳音波放射スピーカー』!」
   
黒井「単体でも十分に効力のある洗脳音波を、ジュピターの歌に乗せて放射することで、深層心理に直接沁み込ませる!」

黒井「もはや観客席のブタどもは、貴様らのことなど覚えてはいまい! 全員、961プロの……いやこの私の忠実な奴隷となったのだ!」

美希「なんで……なんで!? こんな卑怯なことまでして……!!」

黒井「卑怯? ヒキョウだと? ……フハハハハ!! 卑怯もラッキョウもあるものか!
    使うべき物を使い、負けるべき者を負かす! すなわち勝者の方程式! 恥じ入ることなど何も無いッ!」

冬馬「…………」

黒井「まあ、貴様らには分からんだろうがな。
    いい歳こいて団結だの友情だの抜かす、馴れ合い弱小事務所には、な!
    ……奴隷たちよ! この女どもをひっ捕らえろ!」

 「オオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

美希「きゃっ、は、離して! やだっ!」

響「や……やめてよ……目を覚ましてくれ、みんな!」

9 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:20:05.32 ID:5cQj0bFso

黒井「……おっと、そこの華の無いリボンは放っておけ」

春香「え、えっ!?」

響「うっぎゃぁぁ――! 離せぇ――!!」

北斗「……なんかゴメンね。美希ちゃん、響ちゃん」

翔太「……こっちも、色々あってさ」

美希「助けて! 助けてハニー! ハニぃぃぃぃぃぃぃ!」

春香「! 美希! 響!」

黒井「高木に伝えろ。『貴様の大事なアイドル2人は預かった。素直に負けを認め、二度と私に逆らうな』と!
    奴が直接、この私に謝罪するならば……」

春香「しゃ、社長が謝ったら、美希と響を返してくれるんですね!?」

黒井「ん~~……」

春香「ど、どうしよう……早く事務所に……! そうだ、善澤さんにも……」

黒井「あぁ、一応言っておくが、マスコミや警察に垂れこんでも無駄だからな。
    めぼしい重役は全てジュピターで洗脳した! もはやこの地球上に、お前たちの味方などいないのだ!」

春香「そ、そんな……!」

黒井「分かったらとっとと高木に連絡するがいい。なに、時間ならたっぷりくれてやる。
    己のプライドか、己のアイドルか……好きなだけ悩むことだ、高木! ハーッハッハッハッハ!!」



―765プロ事務所―

プルルルルッ プルルルルッ
ガチャッ

高木「はい、もしもし……おお、天海君! ライブはもう終わったのかね?」

高木「――うん? ちょ、ちょっと……ゆっくり、もう少しゆっくり頼むよ」

高木「うん…… !!? な……何だって……!?」

高木「そ、それで! 我那覇君と美希君は!? ……そ、そうか……」

高木「…………ああ。分かっている。すぐに皆に伝えるよ」

高木「……すまない、私がもっと奴を……いや、いいんだ……ああ」

高木「また追って連絡する……何かあったら、すぐに……いいね? ああ……」

高木「……それじゃあ」ガチャッ

11 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:21:09.54 ID:5cQj0bFso

P「? 社長? 春香からですか?」

律子「どうしたのかしら……何か忘れ物とか?」

貴音「……?」

高木「……君。それと律子君。すぐに皆を集めてくれ」

律子「え?」

高木「……我那覇君と美希君が……誘拐された」

P・律子「……え……!?」

貴音「!」ダッ

P「!? あ、ちょっ……貴音!?」

高木「四条君!? どうしたんだ!?」

貴音(美希……響……!)

12 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:21:42.30 ID:5cQj0bFso

―街中・路地裏―

貴音「はぁっ……はぁっ……」

貴音(……こ、ここならば……人目には付きませんね……)

貴音「…………」

『これ以上、歌や踊りで力を消費すれば……そのお身体ごと、消滅してしまいますぞ!』

貴音「……それでも……それでも私は……!」

貴音「……でゅわっ!」パキッ

ドヒュゥンユンユンユンユンユンユン!

13 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:22:23.93 ID:5cQj0bFso



  『異星人・四条貴音は! 普段はその超能力をセーブし、肉体への負担を極力抑えている!』

  『だがしかし! 自分や仲間たちに、どうしようもない危機が迫った時には!』

  『マイ割り箸を割ることで、一瞬で専用衣装・ビヨンドザノーブルスを着装し!』

  『異星人本来の力を取り戻した、ミラクルウーマンへと変身するのだ!』


貴音「美希、響……待っていてください!」キーン


14 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:22:53.78 ID:5cQj0bFso

―ライブ会場―

春香(しゃ、社長……まだかな……)

黒井「ん~~……随分悩んでいるようだなァ~、高木の奴……。
    仲間だの絆だの謳っている割には、少々悩みすぎなんじゃあないかね?」

春香「そ、そんなことは……!」

美希「なんで……なんで……やだよ……ハニー……」

響「放せー! はーなーせー!」ブンブン

北斗「……黒井社長。そろそろ、どっかの部屋で休ませてあげたら……」

黒井「バカ者! こいつらは人質であっても、客人ではない! 丁重に扱う義理がどこにあると言うのだ、ええ?」

翔太「そ、そうだけどさ……でも……」

黒井「いいか奴隷ども、決して拘束を緩めるな! いつ隙を突いて逃げ出すか分からん、765プロとはそういう奴らだ!」

 「サー! イェッサー!」

冬馬「……くそっ」

15 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:23:22.19 ID:5cQj0bFso

?「――くつーもーの虹がー……かーさなーりー合うーとー……♪」

美希「……?」

北斗「……あれ? この歌……」

?「風を受ーけーて……ひとーりのー意ー味をー……♪」

響「……! こ、これって……」

春香「か、"風花"……! ま、まさか……!」

黒井「ば、バカな……お前は今日、休養のハズ……! 何故、何故ッ!」

?「――ファンの皆様を無理矢理操るばかりか、我が友人達までも手にかけるなど……」

?「黒井社長……いえ、黒井崇男。その罪、もはや許せません」

?「愛と正義の星の使者……四条、貴音っ! 今、参じょ――」

美希「貴音!? 身体は大丈夫なの!?」

貴音「…………ええ、はい、ご心配なく」

響(言わせてあげなよ……)

16 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:24:02.66 ID:5cQj0bFso

黒井「ぐむむ……おのれ四条! またしても邪魔立てするか!」

貴音「あなた方がいくら、『洗脳音波すぴぃかぁ』とやらを使ったとしても……私の歌声の前には無力。
    まだ分からないのですか、黒井崇男」

響「そ、そうだぞ! 貴音が一発ドーンと歌えば、みんな正気に戻るんだからな!」

黒井「……フン。ああ、そうだろうな。その通りだったよ……今までは。……だがな!」パチンッ

 「サー! イエッサー!」グイッ

響「うぐっ……!」

美希「きゃっ!」

貴音「……っ!?」

春香「! 響! 美希!」

黒井「フハハ……さぁ四条、どうした? 歌いたいなら歌うがいい。
   大事な大事なお仲間がどうなっても構わなければ、な! フハハハハ!!」

貴音「……貴方と言う人は……どこまで……っ!」ギリッ

17 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:24:29.57 ID:5cQj0bFso

黒井「んん~~……いい顔だ……その絶望に醜く歪んだ顔!
   その顔を見たかったぞぉ、四条貴音! フハハハハハハ!」カチッ

春香(! り、リモコン……?)

黒井「さて、ジュピター! これで邪魔は無くなった! スピーカーも衝撃波モードに切り替えたぞ!
   お前達の歌で、あの目障りな銀髪も粉々にしてやれ!」

冬馬「ぐっ……」

北斗「……冬馬」

翔太「……しょうがないじゃん。黒ちゃんには……」

冬馬「分かってる……分かってんだよ! 畜生……!
   恨むなら好きなだけ恨みやがれ! 765プロぉ! ちくしょおっ!」

ジュピター「こーっえーのぉー! 届かない迷路を越ーえーてーっ♪」キィィィン

貴音「ぐぅ……っ!」

ジュピター「手ーをー伸ーばーせーたぁーらぁーッ♪」ギュオオン

貴音「ああああああっ!!」ドゴォンッ

春香「たっ、貴音さぁん!」

18 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:25:03.39 ID:5cQj0bFso

黒井「おや~? どうした四条? 今日は随分脆いじゃあないか……。
   ガタが来ているというのは本当だったようだな! フハハハハ!」

貴音(……っ……やはり……力が……!)

春香「やめて……もうやめてよぉっ!」

響「……た……かね……!」

貴音「!」

響「自分たちのことは……いい……! 歌って……歌って! みんなを……!」

美希「こ……これぐらい……へっちゃら……なの……だから……! 貴音!」

貴音「響……美希……!」

黒井「ほーぉ……まだ痛めつけられたいらしいな、この低俗アイドル共が!
   ジュピター! ついでにこの2人も叩きのめせ!」

翔太「え――で、でもいいの? 拘束は……」

黒井「話をちゃんと聞いていたのか? ……その奴隷達ごと吹き飛ばせ」

北斗「!?」

貴音「な――!」


20 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:25:43.36 ID:5cQj0bFso

黒井「元々、765プロのライブなぞに来るようなノータリン共だ。
   1人や2人、いや10人や100人犠牲になろうが、私の知ったことではな――」

貴音「…………」 スゥゥゥゥ

冬馬「! おい……おっさん、おっさん!」

黒井「何だ、人の話は最後まで…… !?」

貴音「過去がぁぁぁぁ明日にぃぃぃぃ変わりいいぃぃぃぃぃ!!!」ドギャァァン

黒井「んぐぁぁ!」

北斗「ぐっ……」

翔太「かはっ――」

冬馬「あォッ」メキョッ

21 :>>19違うよ  ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:26:44.83 ID:5cQj0bFso

貴音「吸い込まぁぁぁれーるぅみらぁぁぁいいぃぃぃ!!」ボグォォン

黒井「お、おのれ……ジュピター! 何をしている、反撃しろ!」

響「いいぞー貴音ぇ!」

美希「貴音! これを!」ブンッ

ヒュルルルル…パシッ

貴音「ミキスラッガー……感謝します、美希」

  『ミキスラッガー! 貴音の盟友・星井美希の頭部から分離した、ブーメラン状の万能カッター!』

  『貴音の念力によって自由自在に飛び回り、あらゆる敵を両断する!』

  『もっとも所詮はアホ毛だし、一回使うとボロボロになるぞ!』

美希「――」ガクン

響(夏だし、30分ぐらいで再生かな……)

22 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:27:21.12 ID:5cQj0bFso

春香「貴音さん! あのリモコンを狙って下さい! もしかしたら、あれがスピーカーの……!」

貴音「! 成程……」

ジュピター「ぐっ……つーみーとぉー! 罰をすべて受け入れ――」キィィン

貴音「ひぃぃかぁぁりぃぃのぉーなぁーかぁーへぇぇー!!」バギョォォン

ジュピター「てぇぇっ! い……いーまー君に裁かれ――」キィン

貴音「こぉぉーこーろぉは向かってゆぅぅぅぅくぅぅぅぅぅ!!!」ドギュゥゥン

ジュピター「よぉおおぉぉぁおあああああ!!」ボグシャァッ

黒井「! ば、バカな……私のジュピターが!」

翔太「っててて……相変わらず、すっごい歌だなぁ……」

北斗「ぐ……と、冬馬……しっかりしろ、冬馬!」

冬馬「て、手が……あと脚も……」ヒクヒク

23 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:27:46.80 ID:5cQj0bFso

 「う、うぅ……な、何だ、さっきの歌……?」
 「あ、あれ……響ちゃん!? あれ!? 何で俺響ちゃんと……」

黒井「! し、しまった……洗脳が!
   おのれ……な、ならば……! さらに出力を!」カチッ

貴音(好機!)

貴音「でゅわっ!」ブンッ

 キィィィ――ン…ブスッ!

黒井「ぎょぉぉああぁ!?」グシャッ

春香「や、やった! リモコンをっ!」

貴音「黒井崇男……これで、貴方の策は尽きました。美希、響! 今のうちに――」

24 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:28:21.80 ID:5cQj0bFso

黒井「……さ……させるものか……!」カチッ

 プシュゥゥゥゥゥ!

貴音「なっ! こ、これは……」

 「え、何これ、スモーク?」
 「何だ、さっきからどうなってるんだよ、このライブ!」
 「畜生、さっぱり見えやしねえ! 美希ちゃんが目の前にいたのに! 畜生!」

黒井「『リモコンは1つだけ』などと、誰が言った? ……まあ、こちらは舞台装置用だが……
   フハハ……こんな所で役に立つとは……!」グイッ

響「げほっ、えほっ……うぁっ、は、放せぇ……!」

美希「…………」グッタリ

黒井「北斗、翔太! げほっ、そこの毛虫と冬馬を……うぇほっ! くそ、出し過ぎたか……」

北斗「冬馬! しっかりしろ、大丈夫だからな!」

冬馬「あ、あぁ……あだだだ……」

翔太「ねぇ、美希ちゃん全然動かないんだけど……」

響「げほっ、あ、また生えてきたら元気になるから。大丈夫だぞ」

翔太「へ? あ、うん。……よいしょっ、と」

25 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:29:00.99 ID:5cQj0bFso

貴音「くぅ……美希! 響!」

黒井「フハハハハ! いいだろう、非常に不本意だが……この場は戦略的撤退と行こうじゃあないか。
   だがな、先程の要求を引っ込めるつもりは無いぞ! くれぐれも高木によく言い聞かせておけ!
   アデュー、弱小765プロ! フーッハッハッハッハッハ!!」

貴音「ま、待っ……ううっ……!」フラッ

 バタッ…

春香「! た……貴音さん!」

 「げほ……あれ、貴音様……?」
 「! お、おい……」
 「た、倒れ――」
 「何なんだよ……一体何が……」

春香「貴音さん! 貴音さん! 貴音さぁん!」

貴音「――――」




 パーンパラッパーン バン!
  『後編に続く』

26 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/07(水) 23:30:01.61 ID:5cQj0bFso

ウルトラシジョー 次回・最終話『四条最大の侵略 後編』

一旦終了 後編は近日中に


30 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 18:58:07.93 ID:QEHQX71/o


  『悪魔のような業界人たちから、アイドル界を守るために闘ってきた四条貴音にも……』

  『最期の時が近づいていた』

  『もう二度と、再び立ち上がることはできないのだろうか?』

  『死んではいかん! 地球は、アイドル界は、765プロは……まだ君を必要としているのだ!』

  『頑張れ、四条貴音! 生きるのだ、四条貴音!』

31 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 18:59:12.15 ID:QEHQX71/o

―病院・廊下―

P「…………」

律子「…………」

ガチャッ

医師「…………」

律子「!」

P「せ、先生……貴音は!?」

医師「……発作は収まりました。しかし、体温と血圧は依然として異常値のままです。
   ……手術の必要があるかもしれません」

P「! そ、そんな……」

医師「確認のため、レントゲン写真の撮影を行いたいのですが……よろしいですか?」

P「え、あ、はい……お願いします」

医師「それでは……君。X線室の準備を」

看護師「は、はい」

32 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:00:09.31 ID:QEHQX71/o

律子「……プロデューサー」
  
P「…………」

律子「……プロデューサー?」

P「! あ、ああ……すまん。どうした?」

律子「あ、いえ……その、私はこれから事務所に戻りますけど、プロデューサーは?」

P「…………」

P「……ああ、俺も戻るよ。……大事な"会議"なんだ……出ないわけには」

律子「……分かりました」

P「…………」

P(貴音……何でだよ? 何で……)

33 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:00:44.42 ID:QEHQX71/o

―病室―

貴音(…………)

貴音(……ここは……)

貴音(……ああ……そうでした……私は、あの後……)

  「――手術の必要が……」

  「そ、そんな……」

貴音(! あなた……様……?)

  「……確認――レントゲン……よろしいですか……」

貴音「!」

貴音(い、いけない……!)

34 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:01:13.64 ID:QEHQX71/o

貴音「……っ……!」ムクッ

 ヨタッ… ヨタッ…
 ズルッ…ドサッ!

貴音(……お許しください、お医者様……あなた様)

貴音("れんとげん"などを撮られては……このままでは……皆に、知られてしまう……!)

貴音(それだけは……それだけは、何としても……!)

 ガラガラガラッ…

貴音(……ふふ……)

貴音(今宵は……優美な月夜ですね……)

35 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:01:47.70 ID:QEHQX71/o

―961プロ事務所―

響「こんのぉーっ! 放せっ! 放せよヘンタイ社長ー!」ガタンガタン

美希「いたいけな女の子を十字架にかけるとか、フェミニスト団体が黙ってないの!」ガタンガタン

黒井「……うーむ、ふと思い立って磔にしてみたが……やはり三流アイドルでは絵にならんなァ。ワインもヌルい。
   翔太! 高木からの連絡はまだか!」

翔太「いや、全然……あの、それよりもさ、クロちゃん」

黒井「何だ」

翔太「……さっきから冬馬くんがいないんだけど……どこ行っちゃ――」

 「ぎぃゃああああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

翔太「!?」

響「ひっ……!?」

北斗「と……冬馬!?」

36 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:02:16.85 ID:QEHQX71/o

黒井「……いやなぁ、私は気が進まなかったんだがな?」

 「ひぎいいぃぃえええぇぇぇぇぇぇ!!」

黒井「冬馬の奴が、やれあの2人を解放しろだの、正々堂々実力で戦わせろだの……
   何というのか、私の高度な野望と戦術を……1%も理解せずに、ほざいたものだからな」

 「殺せえぇぇ! 殺してくれえぇぇぇぇぇ!!! なぁぁぁあぁぁぁぁあぁ!!!」

黒井「丁度、左手と右足も負傷していたことだし……治療がてら、ちょっとした『手術』を受けさせている」

翔太「しゅ……手術……?」

黒井「次に目が覚めた時……奴は心身ともに、我が961プロの忠実な下僕となっていることだろう!
   そう! 手足どころか脳ミソの汁まで改造された、新生・天ヶ瀬冬馬にな!」

 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛―――――――!!!」

北斗「と、冬馬ぁっ!」ガタッ

 「来るなああぁ! 来るんじゃねええっ!!」

北斗「っ!?」ビクッ

37 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:02:54.42 ID:QEHQX71/o

 「ぐっ……おぉぉ……ほ……北斗……翔太……! お前達は……社長には、絶対に……!!
  いいなっ……俺みたいに……なりたくない、なら……うぐおぉぉぁぁぁああぁあぁ!!!」

翔太「とっ、冬馬くんッ!」

黒井「……フン……」

 「はぐぉぉぁあぁぁ……っ……た……頼む……! ジュピ…ター……は……お前ら、2人……
  頼ん……だ…ぜ…… ! ががあぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁ!!」

北斗「冬馬! 冬馬ぁぁぁっ!!」

翔太「ぐ……ううっ……!」

黒井「まぁ安心しろ……死にはせん。それどころか、さらなる能力を秘めた改造アイドルに生まれ変わるのだ。
   冬馬の奴も、さぞ本望だろうよ」

翔太「! こ、このっ――」

北斗「翔太!」

翔太「う……」

黒井「フハハ……そうだ、それでいい。黙って私に従っておけ。……それが互いの為と言うものだ。ハハハハハ……!」

38 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:03:26.49 ID:QEHQX71/o

―病院・病室―

 ガチャッ

看護師「四条さん、お待たせしました。レントゲン室の準備が……」

看護師「…………え……?」

 ヒュォォォォォ…

看護師「……!! せ、先生! 大変です、四条さんが……!」

39 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:04:08.70 ID:QEHQX71/o

―765プロ事務所―

律子「……亜美、伊織、あずささん、真美、雪歩……」

P「やよい、千早、真……春香」

小鳥「……社長。ひとまずは、これで全員です」

高木「……うむ。それでは、みんな。今から私が話すことを……どうか、落ち着いて聞いてほしい」

やよい「……っ……ひっく……ううっ……」

伊織「……やよい」

高木「……つい2時間前……我が765プロの星井美希君、我那覇響君の2名が……961プロによって、誘拐された」

真「……っ……!」

千早「…………」

40 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:04:44.61 ID:QEHQX71/o

高木「黒井……社長の要求は1つ。『2人を返してほしいなら、二度と961プロに逆らわないこと』……」

真美「さ、逆らうって……真美たち、フツーにアイドルしてるだけじゃん!」

高木「……奴にとっては、私達が芸能事務所として存続していること自体が……許し難い反逆なのだろう」

雪歩「そ、そんな……!」

亜美「何それ……ムチャクチャだよ……」

あずさ「……じゃ、じゃあ……その、『逆らうな』っていうのは……まさか」

高木「……ああ。奴が要求しているのは……我々765プロ、および所属アイドルの……永久的な活動停止。
   早い話が……事務所の解体と、君達の引退だ」

全員「――!!!」

41 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:05:14.92 ID:QEHQX71/o

高木「…………」

伊織「ちょ……ちょっと待ちなさいよ! いくら何でも飛躍しすぎじゃない!?」

真美「そ、そうだよ! 黒井社長がハッキリ『引退しろ!』って言ったわけじゃないんでしょ? だったら……」

律子「21件」

真美「え?」

律子「……21件。今月に入って、それだけの数の仕事やミニライブで……961プロによる妨害が入ったわ」

P「……今月なんかはまだ少ない方だ。先月は61件、先々月は58件……ほぼ毎日、何らかの仕事で……961の妨害工作が起こっている」

伊織「……う、嘘でしょ……何なのよ、それ……!」

高木「……確かなのは、黒井が本気で私達を潰そうとしている、ということだ。
   無論、私達だって、可能な限りの抵抗はしてきたつもりだ。……だが、今となっては、もはや……」

律子「……今までは、貴音の歌のお陰で一進一退だったけど……貴音は、もう……」

雪歩「……し、四条さん……うぅっ……」

P「……この状況で黒井社長が要求しているのが……単なる降伏宣言だとは到底思えない。
  俺達が二度と961プロへ抵抗しないよう……事務所を解散させ、アイドルを全員引退させること。少なくとも……」

高木「ああ。……少なくともそれぐらいのことをしなければ、2人は帰ってこないだろう」

42 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:05:47.65 ID:QEHQX71/o

伊織「…………」

真「そん……な……」

千早「……逆に言えば……」

亜美「え?」

千早「……我那覇さんと美希を見捨てれば……私達は、アイドルのままでいられる、と?」

春香「っ……!」

伊織「ち、千早っ! アンタ……!」

千早「誤解しないで! ……そういう選択肢もある、というだけの話よ……。
    ……それに、仮に2人を見殺しにしたとしても……」

律子「ええ。……妨害はたぶん収まらない。それどころか、もっとエスカレートするかもしれないわ。
    今回みたいな事も、また起こるかもしれない。……そんな状況で仕事なんて……」

高木「……黒井の要求を呑むか、撥ねつけるか……この選択は、私の一存で決めていいようなことではない。
   ……我那覇君も、美希君も含めた……君達全員の未来が掛かっているんだ。
   だからこそ……私達全員で考えて……決めたいと思う」

全員「…………」

43 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:06:34.98 ID:QEHQX71/o

亜美「……な……何黙っちゃってんのみんな! ミキミキもひびきんも……大事な友達じゃん!」

真美「そ、そうだよ! そりゃ……真美だって、アイドル続けたいよ? でも……」

伊織「……そうよ……た、助けるに決まってるじゃない! こんなことで蹴落としたって、全然……!」

やよい「あ……うぅ……で、でも……! アイドル辞めちゃったら……私……! 
     長介とカスミの…給食費だって……い、家の塀も……でも……でも、美希さんたちが……!」

伊織「……っ!」

真「……ずっと……可愛いアイドルになりたかったけど……い、いや、でも……」

千早「…………私には、歌しか……歌しか無い、のに……!」

あずさ「…………」

雪歩「…………」

春香「……っ……わっ……私……!」

律子「? は……春香?」

44 : ◆qCnLFgHDh. :2013/08/28(水) 19:07:13.97 ID:QEHQX71/o

春香「ひくっ……わ、私……あそこにっ……いた、のに……えっぐ……
    何も……できないで……わっ、わたしの、せいで……みんな……うぅっ……あぁあぁぁぁ……!!」

P「は……春、香……」

春香「ううっ……こんなの……こんなの、やだよぉ……っ……! 
    みんなで……ずっとっ……アイドル……うぁぁっ……ああぁぁあぁぁぁ……っ!!」

やよい「な……泣かないで……春香さ………うっ…うぁっ……うぅぅぅぁ……!」

伊織「やっ、やよい……止めてよ……ねぇ……! お願い……!」

真美「…………」グスッ

亜美「っ……」

千早「…………」

真「……何でだよ……何で……!」

高木「…………」

45 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:07:42.50 ID:QEHQX71/o

 プルルルルッ プルルルルッ

P「!」

小鳥「あ、私が……」ガチャッ

小鳥「……お電話ありがとうございます。765プロダクションで―― あ、はい……先生。先程は……え?」

小鳥「……!!? な――」

P「……?」

春香「ひっく……ぐすっ……うぁっ……」

小鳥「そ、そんな――い、いえ、こちらには全く……! はい、はい……!」

小鳥「……かしこまりました。こちらもすぐに……はい。……ご迷惑をおかけして、申し訳ありません」

小鳥「はい、はい……それでは。……申し訳ありません、失礼いたします……!」ガチャッ

高木「こ、小鳥君……?」

小鳥「たっ……たっ、たっ、大変です……! 貴音ちゃんが……貴音ちゃんが!」

P「!! ま、まさか……!」

小鳥「いっ、いえ……そのっ、びょ、病院から……いなくなったって……!!」

全員「――――!!?」

46 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:08:24.00 ID:QEHQX71/o

―公園―

かすみ「浩太郎……もう帰ろうよ」

浩太郎「だって……ボール……兄ちゃんのボール……」ウロウロ

かすみ「もう暗くなってきちゃったよ……ね、浩太郎。お兄ちゃんに謝ろう? わたしも謝るから」

浩太郎「やだ……まだ探す……!」グスッ

かすみ「……ほんとうにここで失くしたの? ……もしかしたら、もう誰かが拾っちゃったのかも」

浩太郎「あるし! 絶対ここにあるし…… ! あっ、ここ……!」ガサガサ

かすみ「え! あったの」

浩太郎「うん、なんか白っぽいの……が……え?」

かすみ「? どしたのこう……た、ろ……」


貴音「……っ……はぁ、はぁ……」ゼェゼェ

浩太郎「」

かすみ「」

47 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:09:32.96 ID:QEHQX71/o

貴音「――! あ……」

浩太郎「!」

かすみ「!」

貴音「…………」

貴音「……あ、あの……こ、こんばんは」

かすみ「こ、こんばんは……」

浩太郎「……おねーちゃん、どしたの」

貴音「い、いえ、その……す、少し休んでいたのです。体調が優れないもので……」

かすみ「え……だ、大丈夫なんですか? お医者さんを……」

貴音「か、構いません……もう少し休めば……っ……!」

 バタッ… コロッ

かすみ「! お、おねえさん……」

浩太郎「……! あ、兄ちゃんのボール!」ヒョイッ

48 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:10:24.15 ID:QEHQX71/o

貴音「はぁ……はぁ……そ、それは……あなたの……?」

浩太郎「うん! よかったー……うち、ボールこれしかねーもん。ありがとな、おねーちゃん!」

貴音「い、いえ。たまたまそこに……むしろ、知らずに下敷きにしておりました。……申し訳ありません」

かすみ(……あれ? このおねえさん、どこかで……)

浩太郎「なーなーおねーちゃん! うち来なよ! お礼したい!」

貴音「え? い、いえ、それは……その、ご両親にもご迷惑では……」

浩太郎「あー、今日な、ふたりともヤキン? とかでいない」

かすみ(……! そ、そうだ……たしか、お姉ちゃんとおんなじアイドルの……!
     でも……なんで?)

49 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:10:51.83 ID:QEHQX71/o

浩太郎「それになー、外でねてたらな、カゼひいちゃうってねーちゃんが言ってた!」

かすみ「……そ、そうですよ……お、お家なら……おふとんもあるし、電話も……」

かすみ(……よくわかんないけど……やっぱり、お姉ちゃんとかプロデューサーさんにれんらくして、お迎えに……)

貴音「…………」

貴音「……ありがとう。……それでは、お言葉に甘えましょう。ほんの数分で、構いませんので……」

浩太郎「よっしゃぁ! ほら、こっちこっち! はやく!」

かすみ「浩太郎! す、すみません……」

貴音「いえ……」クスッ

浩太郎「……あ、そーだ。おねーちゃん、なんていうの?」

貴音「名前ですか? ……私は――」


50 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:12:09.14 ID:QEHQX71/o

―765プロ事務所―

伊織「…………」

やよい「…………」

 キラメキラリーズットチュチュットー

雪歩「!?」ビクッ

やよい「あ! すみません、私です……」ゴソゴソ

やよい「……? 家から……?」ポチッ

やよい「はい、やよいで――え? 長介?」

やよい「うん、うん…………――えっ!? た、貴音さん――!?」

真「!!」

伊織「え……!?」

やよい「う、うん、うん……! 携帯は? ダメ? そっか……分かった、すぐにプロデューサーに……!」

51 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:12:48.54 ID:QEHQX71/o

―高槻家・居間―

長介「うん、うん……ありがと、姉ちゃん。貴音さんはちゃんと……うん、大丈夫」

長介「それじゃあね。一応、こっちでももう一回かけてみるから……うん。それじゃ」ガチャッ

浩太郎「たかねーちゃん! これ、これ見てー!」ブンブン

貴音「まぁ……これは……ええと、怪獣、というものでしょうか? ふふっ、愛嬌のある紋様です」

浩太郎「こいつねー、こう、シッポまいてさ、電気出す!」

貴音「何と! そのような凄まじい異能力が!?」

浩太郎「うん! それでさ、こいつ宇宙人がつれて来たんだけど、オレねー、うちゅーひこーしになってね、宇宙人に会うの」

貴音「まあ、宇宙飛行士に……」

かすみ「た、貴音さん。麦茶、よかったら……」

貴音「おや……ありがとうございます、高槻かすみ」

52 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:13:41.41 ID:QEHQX71/o

長介「身体の方は大丈夫ですか? さっきはすっごい汗だったし……」

貴音「いえ、休ませて頂いたおかげで、すっかり……。   
   ……本当に、ありがとうございます。流石は、やよいの御家族ですね。彼女と同じ、溢れんばかりの優しさと温もりを感じます」

かすみ「そ、そんな……」

長介「い、いやいや……こっちこそ、姉ちゃんがいっつもお世話になってるみたいで……。
   ……それに、浩太郎たちとも遊んでくれたんですよね? すみません、ご迷惑を……」

貴音「遊ぶ……? はて……」

浩太郎「! ……あ、あー……」

貴音「……後で、正直に話すのですよ?」

浩太郎「…………」コクッ

長介「あ、そうだ貴音さん。さっき、プロデューサーさんに電話しようと思ったんだけど、繋がらなくて……。
   姉ちゃんに連絡して、代わりに伝えてもらうように頼んでおきました」

貴音「――!」

長介「もう少ししたら、プロデューサーさんが迎えに来てくれると思いますよ。……貴音さん?」

貴音「あ、いえ……お気遣い、感謝いたします……」

53 : ◆qCnLFgHDh. :2013/08/28(水) 19:14:54.83 ID:QEHQX71/o

浩太郎「あ……ねーちゃーん! テレビつけていいー?」

かすみ「え? あ、えーと……」チラ

貴音「ああ、お気になさらず。……何か見たいものがあるのですか、浩太郎?」

浩太郎「うん、ねーちゃんたち出てないかなーって」ピッ

TV『ミュージックステッカー! 本日のゲストは、現在大・大・大ブレイク中の、ジュピターの皆さんで――』

浩太郎「あーあ、またジュピターじゃん……」

長介「最近、ジュピターばっかりだよな」

かすみ「……お姉ちゃん…………」

貴音「…………」

54 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:15:23.85 ID:QEHQX71/o

浩太郎「えいっ、えいっ、えいっ!」ピッピッピッ

TV『へー、じゃあ冬馬くんってアニメとか――』

TV『こっ! えっ! のぉー! 届かない迷路をこーえーてぇー!』

TV『貴方のくらしを俯瞰する、ブラックウェルカンパニーが――』

かすみ「……やってないね」

長介「ジュピターも、別に嫌いじゃないけどさ……ここまでごり押しされちゃうと、ちょっとな……」

浩太郎「……みんながいっぱいいる方がいいのに」

貴音「…………」

55 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:15:55.75 ID:QEHQX71/o

かすみ「…………お兄ちゃん」コソッ

長介「? 何だよ、かすみ?」

かすみ「……貴音さん、どうして公園なんかで倒れてたのかな……」ヒソヒソ

長介「……姉ちゃんに聞いたんだけどな。貴音さん……病院から抜け出してきたらしいんだ」ヒソヒソ

かすみ「え、ええ!?」

貴音「……?」

長介「ばっ……! しーっ、しーっ! ……やっぱり、お医者さんも呼んどいたほうがいいのかな?」ヒソヒソ

かすみ「……うん……さっき、すっごくきつそうだったもん……あ、でもね……」ヒソヒソ

長介「ん?」

56 : ◆qCnLFgHDh. :2013/08/28(水) 19:16:31.93 ID:QEHQX71/o

かすみ「……貴音さんね、その、もしかしたら……お医者さんに行くの、嫌なのかも」

長介「へ? ……何で?」

かすみ「わかんない……でも、なんとなく……」

貴音「…………」ソワソワ

浩太郎「……? たかねーちゃん、病院イヤなの?」

貴音「! え、ええと……」

浩太郎「ちゅーしゃとかイタイもんね。オレもきらい」

貴音「! そ、そうですね。……私も、少しだけ苦手です。……だから、できるだけ病院には」

浩太郎「ふーん……」

57 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:17:06.18 ID:QEHQX71/o

貴音「…………それに」

浩太郎「?」

貴音「……どうしても、行かねばならない場所があるのです。……やらねばならないことがあるのです」

浩太郎「どこ? なにするの?」

貴音「……秘密にしていただけますか?」

浩太郎「うん」

貴音「……耳をお貸しなさい、浩太郎」

浩太郎「……?」スッ

貴音「……実はですね。これから、悪い人をやっつけて……仲間を助けなくてはいけないのです」ヒソッ

浩太郎「へー、たかねーちゃんもヒーローごっこ好きなんだ」

貴音「え? ……あ、はい。……そうなのです。だから、早く外に行かなくては……」

浩太郎「おくれちゃう?」

貴音「はい。……これ以上、待たせるわけにはいきません」

58 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:18:07.78 ID:QEHQX71/o

浩太郎「オレもなー、あそぼうって言ったのに、ぜんぜんこなかったりしたらヤだもんな」

貴音「でしょう?」

浩太郎「そっかー……おくれちゃうかー……」

貴音「…………」

浩太郎「……じゃあさ、ダッシュツしちゃう?」

貴音「え……?」

浩太郎「裏にね、ヘイがこわれて穴があいてんだ。けっこーおっきいし、たかねーちゃんも……」

貴音「ま、真ですか……!?」

浩太郎「プロデューサーさんがくるまで待てないんでしょ? オレもねー、お迎えがおそいとヤダしね」

浩太郎「……にーちゃーん!」

長介「?」

浩太郎「たかねーちゃんにお花みせたい! 裏のやつ!」

59 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:18:34.26 ID:QEHQX71/o

長介「花? 裏に? ……なんか咲いてたっけ」

浩太郎「いい?」

長介「うーん……貴音さん、大丈夫ですか? 体調、まだ優れないんだったら……」

貴音「……いえ、私でしたら大丈夫です。……休ませていただいたおかげで、すっかり気分が良くなりました」

長介「そ、そうですか? ……んー、だったら……浩太郎、貴音さんにご迷惑かけるなよ?」

浩太郎「うん! いこ、たかねーちゃん!」

貴音「…………」

かすみ「……? 貴音さん?」

貴音「高槻長介、高槻かすみ。……ご厚意は、決して忘れません。
   ……やよいにも、どうか宜しくお伝えくださいね」

長介「……?」

60 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2013/08/28(水) 19:19:01.41 ID:QEHQX71/o

浩太郎「たかねーちゃん、早く早く!」

貴音「……それでは。……お2人も、どうかお元気で」

 タッタッタ…

長介「ど……どーしたんだろ、いきなり……」

かすみ「う、うん……」

 ジリリリリリーン、ジリリリリリーン…

長介「あ……はい、もしもし」ガチャッ

長介「――! プロデューサーさん……!」


62 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:19:41.02 ID:QEHQX71/o

―高槻家・物置付近―

 ガサガサッ…

浩太郎「ほら、ここ。だまって遊びにいくときとか、いっつも通るんだー。……通れる?」

貴音「……ええ。おそらくは」

浩太郎「……ほんとに?」

貴音「……き、鍛えておりますから……たぶん」

浩太郎「たかねーちゃん、でっかいもんな」

貴音「……女性の身体について、とやかく言うものではありませんよ」

浩太郎「ふーん……」

貴音「んん……っとと……ほ、ほら、御覧なさい、何とか……」グイグイ

浩太郎「……たかねーちゃん。たかねーちゃんってさ、アイドルだよね」

貴音「……? はい」

63 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:20:30.57 ID:QEHQX71/o

浩太郎「うちさ、いっつもやよいねーちゃんのテレビしかロクガしてなかったけど……
     こんどから、たかねーちゃんのもロクガする」

貴音「! …………ありがとう。……でも……」

浩太郎「?」

貴音「……できれば、他の765プロの皆も応援してあげて下さいね。皆、すばらしい才能の持ち主ですから」

浩太郎「……? うん」

貴音「……ありがとうございます、浩太郎。……あなたのご助力、決して忘れません。
   どうか……いつまでもお元気で。立派な宇宙飛行士になるのですよ」

浩太郎「また会えるよね」

貴音「ええ、きっと。……あなたが、夢を持ち続けていれば。……それでは」

浩太郎「……ばいばい。……またね。ゼッタイまたね」

貴音「…………」ニコッ

 ガサッ、ガサガサッ …スポンッ
 タッタッタッタッタ…

浩太郎「…………」

64 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:20:57.32 ID:QEHQX71/o

長介「貴音さーん、もうちょっとでプロデューサーさん来るそうですよー!」

浩太郎「…………」グスッ

長介「……? 貴音さーん? おーい、浩太郎ー! おーい!」

浩太郎「! ……ちょっと待ってー! いま、えっと……いいとこだからー!」グスッ

長介「? どしたー浩太郎? 転んだのかー!?」

浩太郎「ちがうー! ちぃーがぁーうー!」

長介「……まったくもう……」タタタタッ

 ピンポーン…

長介「あ……はーい! あ、プロデューサーさん! すみません、わざわざ……」

P「た……貴音は!? 長介くん!」

長介「すみません、今、裏で浩太郎と……おーい、浩太郎ー!」

P「た、貴音ぇー! お前、お前どうして……!」ダダダダダッ

 シィィィーン…

浩太郎「…………ひっく……」グスッ

P「……え?」

長介「あ……あれ……?」

65 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:28:21.45 ID:QEHQX71/o

―空き地―

貴音「……はぁ……はぁ……」タッタッタ

貴音「…………」キョロキョロ

貴音(……人の目もありません……ここならば)

貴音「…………」スッ

 『お止めなさい! ……お止め下され、貴音様!』

貴音「……!?」

じいや『今度こそ、本当に消滅してしまうのですよ!』

貴音「……じい、や……」

 ブロロロロ…キキィーッ!
 バダン! 

  「貴音ぇ!!」

66 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:29:45.18 ID:QEHQX71/o

貴音「!?」

P「はぁ……っ……た、貴音……!」

貴音「あ……あなた様……どうして」

P「ハハ……う、裏から出たんだろう、って聞いたからさ……こっちの方向かな、って……」

貴音「…………」

P「……なぁ。……どうして逃げたりなんかしたんだ? ただでさえ……お前の身体は、その……」

貴音「…………」

P「……ま、いいや。ほら、事務所に戻ろう? みんな……お前を心配してる」

貴音「……駄目なのです」

P「え?」

貴音(……もう、限界なのです。あなた様)

貴音(アイドルとして歌い、闘う事も……あなた様を、皆を、欺き続けることも)

貴音(……だから……だから、もう……)

67 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:32:12.93 ID:QEHQX71/o

貴音「……あなた様……」

P「……? 貴音…?」



貴音「……私は……私は、人間ではないのです。B90星雲から来た、ウルトラシジョーなのです!」



P「――!!!」



 ジャジャン! テテーン! デデンデデンデデンデデンデデーン…

(ttp://www.youtube.com/watch?v=nTWfjkCTYVs)

68 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:33:40.61 ID:QEHQX71/o

貴音「…………」

P「…………」

 …チャラララチャラララ~ラ~

貴音「……驚かれたでしょう? ……私は、この星の住人ではありません」

貴音「文化衰退のために民が散り散りになった、我が故郷を救うために……この星の『アイドル』という文化を学びに来た、異星人なのです」

P「…………」

貴音「……でも、私は……皆を、守りたくなった」

貴音「どこの生まれとも知れぬ、こんな私を……仲間だと認め、親しく接してくれた、765プロの皆を……」

貴音「……私の持てる力、その全てを尽くして守ろうと……そう、思ったのです」

P「! じゃ、じゃあ……あの、何かよく分かんないうちに961プロの妨害が収まる、あの歌も……!」

貴音「使命のためとはいえ……身分を偽り、真実を隠して……ずっと、あなた様方を欺いておりました」

貴音「……いかなる謝罪でも足りないのは、重々承知しております。……ですが、それでもどうか、言わせて下さいませ」

貴音「……ご迷惑をお掛けしました。……本当に、申し訳ございません」

P「…………」

69 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:34:47.17 ID:QEHQX71/o

貴音「……今から、響達を助けに参ります。……全てが終わったら、私はもう――」

P「……迷惑なもんか」

貴音「――え?」

P「誰が……誰が迷惑なもんか。人間だろうと、宇宙人だろうと……貴音は、貴音に変わらないじゃないか。
  たとえ、ウルトラシジョーでも……お前は俺の、大事なアイドルだ……!」

貴音「!! あ……あなた……様……!」

P「……帰ろう、貴音。美希と響を助け出して……それで、もう一度、みんなとアイドルを……!」

貴音「……駄目なのです……! 私が『力』を振るえるのは、あと一回限り……
   そうなれば、私は……故郷に帰るしか……」

P「! な――だ、駄目だ! 絶対に駄目だ!」

貴音「しかし……!」

P「なあ、貴音! まだ……まだきっと、何か手があるはずだ! 響と美希を救う手立てが!
  お前があの何か凄い感じの衣装に着替えなくても、2人を助けられる方法が!」

貴音「……分かって下さい、あなた様。事は一刻を争います。……これが、最も確実で……最も手早い方法なのです」

P「た……貴音っ……!」

70 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:35:38.20 ID:QEHQX71/o

貴音「……あなた様……いえ、プロデューサー。最後のお願いです。
    ……2人が連れ去られた、あの屋外ステージに……自動車を用意して、待っていて下さい。
    必ず……2人を助け出してみせます」

貴音「……そして……全てが終わって、西の空に明けの明星が輝く頃……
    1つの光が宇宙へ飛んでゆくのが見えるでしょう。……それが、私の最後の姿です」

P「! た、貴音! やめろ……行くな! 行かないでくれ……!」

貴音「美希と響がぴんちなのですよ!」

貴音「……でゅわっ!!」パキッ


 ドヒュゥンユンユンユンユンユンユン!

71 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:36:30.66 ID:QEHQX71/o

P「!! あ……あ……」

貴音「……プロデューサー。今まで……本当に、ありがとうございました」

貴音「この星で……765プロの皆と出逢えてよかった。孤独な私を受け入れてくれて……本当に、嬉しかった」

貴音「…………さようなら。あなた様」


 シュバッ! キィィィ――ン…


P「た……貴音! 貴音ぇぇ―――っ!!」

P「……ば……ばかやろぉ……ばかやろぉぉ――――!」




P「明けの明星は東だぞぉぉ! 貴音ぇぇぇぇぇ!!」

72 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:37:46.80 ID:QEHQX71/o

―961プロ事務所―

響「……お腹すいたな……」

美希「……くかーっ……」zzz

響「……よく寝られるなあ、こんな状況で」

美希「……!!」ピクッ

響「ん?」

 キィィィ―――ン…!!
 ガシャァァァァン!!!

響「!? えっ、わっ、わ、なっ、なに――」

貴音「…………」シュゥゥゥ

響「……!! た……貴音ぇぇぇ!」

貴音「……響、美希。……遅くなって、申し訳ありません」

美希「貴音……ミキ、信じてたの……!」

貴音「……ああ……2人とも、なんて酷い仕打ちを……! 動かないでください、今……でゅわっ!」

 パキンパキンパキンパキンパキン!

73 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:38:25.37 ID:QEHQX71/o

響「わわっ!」スルッ

美希「ふわぁー……やっと手首が回せるの」クルクル

貴音「拘束は外しました。……さぁ、帰りましょう。美希、響……私に掴まって下さい」

響「へ?」

 バタバタバタッ
 「何だ、何の騒ぎだ!」
 「人質の部屋だぞ、急げ!」

貴音「――! 2人とも、早く! 私に掴まって!」

響「え、え? じゃ、じゃあ……」ギュッ

美希「……あ! もしかして、えっと……あ、あれなの! テレポート!?」ギュッ

貴音「いいえ、飛びます。物理的に」

美希「なーんだ」

響「えっ――」

74 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:38:55.76 ID:QEHQX71/o

 ダンッ!!
 キィィィ――――ン!!

響「うわぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁ!?」

美希「ひゃっほぉぉぉぉなのぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 ガチャッ!

黒井「な――こ、これは……!」

翔太「あっちゃー……逃げられちゃったね」

黒井「言っとる場合かァ! おのれぇ四条……!
    おい、大至急ヘリを出せ! そうだよ屋上にあるアレだ!」

北斗「あの、社長……」

黒井「何だ!」

北斗「……やっぱり、俺達も行かなきゃ駄目ですか」

黒井「当たり前だ! ……ククク、待っていろ四条! 我が961プロの最終兵器で、今度こそ貴様を葬ってくれる!」


?「……ピポポポポポポ……」

75 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:46:09.94 ID:QEHQX71/o

―ライブ会場―

響「……ぁぁぁあああああああ」

貴音「でゅっ!」スタッ

響「あがっ!」

美希「あふぅ……あれ、もう着いちゃったの?」

貴音「はい、まっは7ですから」

響「なっ! な、なぁっ、なんでそんなに余裕あるんだよー!」

 キキィ――ッ!!

美希「?」

響「! ま、まさか追手が……!?」

76 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:46:44.97 ID:QEHQX71/o

 バダン!

P「美希! 響!」タッタッタ

律子「よ、よかった……3人とも無事よ、みんな!」

 「いよっしゃぁー!」 「やったぁー!」 「もうっ! し、心配かけさせてっ……!」

美希「は……ハニぃ――っ!!」ギュゥッ

響「プロデューサぁぁ――――っ!!」ギューッ

P「ごめん……ごめんなぁ美希……響……怖かったろう……」

貴音「…………」

P「……貴音……」

貴音「…………」ニコッ

P「! …………」

77 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:47:28.17 ID:QEHQX71/o

亜美「ミキミキー!」

真美「ひびきーん!」

雪歩「し、四条さぁん……よかった……よかったよぉ……!」

律子「……よかった……本当……もう、どうしよう、って……ううっ……」

高木「……秋月君」

美希「! わ……すっごいお宝映像なの。あの律子が泣いて――あたっ!」ペチン

律子「り・つ・こ・さ・ん! ……もう……!」

春香「響ぃっ!!」ダダダッ

千早「あ、春香! こんな暗いのに走ったら……!」

やよい「ひ゛びぎざぁ゛~ん゛~~!! み゛ぎざぁ゛~~ん゛~!!」

あずさ「やよいちゃん……鼻水……」グスッ

真「よかった……よかったぁ……っ!」ヒッグ

美希「み、みんな……」

78 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:48:11.60 ID:QEHQX71/o

響「でも、プロデューサー……それに、みんなまで……なんでここが?」

P「……貴音が教えてくれたんだ。ここに、2人を連れてくるって。……それを社長に電話したら……」

高木「うむ。何せ、こんな状況だ。バラバラに行動して、また黒井の奴にさらわれては大変だからね。
    ……だが……良かった……」

響「え?」

高木「……彼女達に、残酷な選択を強いることなく……2人を救いだすことができたのだ。
    四条君。……本当にありがとう。……全て、君のおかげだよ」

貴音「……高木殿……」

律子「……さて、と! 貴音。……正直ね、言いたいことはたっっっくさんあるけど。
    ……小言は、事務所に戻ってからね」

伊織「……全くよ……こっちがどれだけ心配したと――」

貴音「…………」

美希「……貴音?」

P「…………」

79 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:48:44.85 ID:QEHQX71/o

貴音「……お許しください、律子嬢。……私には、まだ……」

貴音「……やるべきことが、残っています」

 バラバラバラバラバラ…

高木「!?」

響「……! な、何アレ……ヘリコプター?」

黒井『フハハハハ! 追いついたぞぉ、四条貴音!』

美希「げっ……」

律子「く、黒井社長……!」

黒井『ううん? ほーぉ、貧相な面がワラワラいるかと思えば……弱小765プロ勢揃いとはな!
    いいだろう! 私の切り札、"改造ジュピター"で……一網打尽にしてくれる!』

響「か……改造ジュピター?」

80 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:49:18.88 ID:QEHQX71/o

黒井『行けぃ! 北斗ォ!』トンッ

北斗「うぉぁぁあああ! ぱ、パラシュート! パラシュートぉ!」ヒューッ 

黒井『出番だ、翔太ァ!』トンッ

翔太「ねぇこれ開く!? ちゃんと開くよね、ねぇ!?」ヒューッ

 パッ パッ

北斗「うぉぉぉ……ひ、開いた……」スタッ

翔太「あぁー……ああぁ~~……」スタッ

黒井『そして……さぁ、思う存分暴れるがいい! サイボーグアイドル・改造冬馬!』

改造冬馬「――――」ダンッ!


 ヒュゥゥゥゥゥ……ズドォーン!


改造冬馬「……ピポポポポポポ……」

81 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:50:18.72 ID:QEHQX71/o

P「……え?」

亜美「あ……あれ……あまとう? ホントに?」

あずさ「あ、あらぁ~……け、結構イメチェンしたのねぇ……」

伊織「いやいやいや! イメチェンってレベル!? 左手完全にメカじゃないの!」

真美「右足もだよ……かっちょえー……」

改造冬馬「……ピポポポポ……」ウィーン

北斗「……冬馬……なんで、こんな姿に……!」

春香「ぴ……ピピンくん……」

改造冬馬「ピポポポポ……ピ、ピン……」

翔太「……ああ……もう、名前弄りにつっこむ意思も……!」

黒井『フハハハハ! これぞ究極のアイドルにして、我が961プロの最高傑作!
    特殊合金装甲の手足に、余計な感情を全て取り除いた有機AI!
    オプションパーツ次第で4つに分離飛行したり、自動車を捕食したりもできる! 
    一家に一台改造冬馬! まさに新時代のスーパーアイドルだァ――ッ!』

82 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:51:09.74 ID:QEHQX71/o

高木「く……黒井……! 貴様! どこまで堕ちればっ……!!」

黒井『ほざけ高木! ……貴様らのヌルい仲良しごっこも、今夜で全て終いにしてやる。
    我が961プロ、そして改造ジュピターの実力をもってな! ハーッハッハッハッハ!!』

小鳥「実質、改造されたの冬馬くんだけじゃ……」

黒井『さあ行け、改造ジュピターよ! お前達の持つその力を、哀れな765プロに見せつけるのだ!』

貴音「させません! ……ゆーめのーなかでぇー! まぁーたぁーつーつんでぇぇー♪」ドギュォォ

北斗「ぐっ……あーいーしーてるぅ! あいしーてる! いつかーみらーいでぇー♪」キィィィン

翔太「ぼーくがーきみーにぃー! ちーかうーからぁー♪」キィィィン

改造冬馬「ピポポポポ……」バシュゥン!!

貴音「! な――」


 ドガァァァァァァン!!!

83 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:51:53.14 ID:QEHQX71/o

P「!?」

北斗「!?」

翔太「!?」

千早「え……な、何……!?」

真美「あ……あまとうの口から……何アレ!? 火の玉!?」

貴音「……ぐ……うっ……!」ヨロッ

黒井『ハハハハハ! どうだ四条! 天ヶ瀬プラズマ火球の味はァ! 一兆度だぞ、一兆度!
    これがサイボーグアイドルの力よ!』

P「あ……アイドル関係ねぇ……」

改造冬馬「……ピポポポポ……トウ、マ……フィギュア……」

春香「――!」

84 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:52:54.88 ID:QEHQX71/o

黒井『さぁ、もっとだ! あの憎たらしい銀髪女を叩きのめせ! 改造ジュピター!』

北斗「っ……ゲッチュー! いーこう! さぁいーけるぅ! どんなー今日ーでもぉー♪」ギュォォォ

翔太「ふーたりーならーばぁー! こーいをーはじーめよぉー♪」ギュォォォ

貴音「あぁああぁぁあぁぁっ!!!」ドガァァン

P「たっ……貴音ぇっ!」

貴音「……はぁ……はぁっ……」

P「……駄目だ……もういい! もういいんだ! 俺達が何とかする、だから……っ!」

貴音「…………」ヨロッ…


P「……このままじゃ……宇宙に帰れないどころじゃない! 本当に死んじまうかもしれないんだぞ!」


律子「――!?」

雪歩「え……」

響「ちょ……ちょっと、プロデューサー? な、何を……」

貴音「……っ……!!」

85 : ◆qCnLFgHDh. :2013/08/28(水) 19:53:27.78 ID:QEHQX71/o

P「……あ……」

伊織「……何、何なの……!? どういう事!?」

P「……宇宙人なんだ。貴音は……いっつも、危ない所で俺達を助けてくれた貴音は……宇宙人だったんだよ。
  どこか、遠い別の星から来て……ずっと、俺達を守ってくれてたんだ……」

一同「 」ポカーン

伊織「な……何よ、それ……」

千早「じゃ、じゃあ……あの何だかすごい感じの歌も……」

響「そ、そうか……だから、時々空とか飛んで……!」

亜美「そう言えば……時々、いきなり背後に立ってたりしたし……!」

真「ラーメン20杯を5分で一気に平らげてたのも……!」

やよい「怖い記者さんをぐるぐる回してギューンって投げたりもしてました! かっこよかったです!」

P「……何で気付けなかったかなぁ……」

86 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:54:07.80 ID:QEHQX71/o

高木「だ、だが君……その、宇宙に帰る、というのは……」

P「……貴音は……俺達を守るために、力を使いすぎたんです。だから……この戦いが終われば、貴音は……
  ……もう……故郷の星に、帰るしか……!」

小鳥「そん……な……」

貴音「くぅっ……ねぇいーいかなぁーっ! ……もっとえーがーおー……っ……おーくってぇーみて……!」グォォォン

北斗「あぐっ……!」

P「……あんなに……ボロボロになるまでっ……貴音は……俺達のために……! 畜生……畜生……!」

改造冬馬「ピポポポポポポ……」キュィィィン

貴音「! し、しまっ――」

伊織「たっ、貴音えぇぇっ!!」

雪歩「だめ……四条さん! 四条さぁぁん!!」

春香(! そうだ……一か八か……!)


88 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:54:45.58 ID:QEHQX71/o




春香「あぁ――っ!! あんな所にナイスマのフィギュアが!!」


改造冬馬「ピポッ!?」クルッ


 キュィィィ…バシュウッ! ドガァァァァン!!

89 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:56:08.44 ID:QEHQX71/o

P「!?」

貴音「! え……!?」

黒井『な……何だッ!? 首がいきなり180度……!?』

春香「や……やっぱり……!」

伊織「な、何よ、何なのよ一体! 春香!?」

春香「みんな、どんどんフィギュアとかクリームソーダとか言って! 適当な方向指さしながら!」

あずさ「え? ど、どういう……」

P「……! そうか……! おーい冬馬ぁ! 足元に今月のホビージャパンが!」

改造冬馬「ピポポポッ!?」バッ

90 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:56:34.28 ID:QEHQX71/o

亜美「! あまとーう! 後ろにクリームソーダの2リットルボトルが!」

真美「しかもしかもぉ! 斜め右には執拗にピピンって呼ぶ生意気な後輩が!」

改造冬馬「ピポポ……ピ、ピン……ジャ、ネェ……」グルグル

律子「! い、今……」

P「そ、そうか……! どれだけ改造を受けたとしても、人の本質はそう簡単に変わらない!
  いくらピポピポ言ってても、心の奥底では冬馬なんだよ……! オタカルチャーと炭酸飲料が大好きな、あの天ヶ瀬冬馬のままなんだ!」

北斗「と……冬馬……?」

改造冬馬「ピポ……ポ……ホ、クト……ショウ、タ……」グルグル

翔太「! と、冬馬くん……冬馬くんっ!」

黒井『ば……馬鹿な! こんなことが……!』


92 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:58:23.61 ID:QEHQX71/o

伊織「! ま、待って……じゃあ、私達がみんな、てんでバラバラに散らばって煽れば……!」

真「! うん……! もしかしたら、アレを撃たせずにずーっとグルグル……!」

貴音「な――! お、お止めなさい! 皆に……皆にもしもの事があっては……私はっ……!」

伊織「馬鹿にすんじゃないわよッ!!」

貴音「!!」

伊織「何よ……勝手に人の事助けといて、ずーっと1人でボロボロになって……! その上まだカッコつけようってわけ!?
    冗談じゃないわ……こ、これ以上! アンタに活躍なんてさせないからね……っ!
    あ……アンタなんていなくても、私達は大丈夫だって……! お、思い知らせてやるんだらかぁっ!」

 ダッダッダッダッダ…!

貴音「! い……伊織……!」

93 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 19:59:25.74 ID:QEHQX71/o

伊織「こらあまとーう! 真上にアダムスキー型円盤が来てクリームソーダ垂らしてるわよぉー!」

改造冬馬「ピポポポピピピ……!?」バッ

雪歩「四条さん! あのヘンテコなのは私達が引きつけます! だから――!」

真美「……もう、1人でムチャしないでよ。……真美たちだって、やればできるんだかんね!」

亜美「んっふっふ~! あまとう弄りのマエストロ、双海姉妹の底力! とくとご覧に入れてしんぜよう!」

貴音「……雪歩……真美、亜美……!」

高木「よぅし! 行くぞみんな、水瀬君たちに続けぇ!」

一同「おおおぉぉぉ―――!!」ダダダダッ

94 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 20:00:06.52 ID:QEHQX71/o

やよい「冬馬さぁーん! ファンの人が来てます! あっち向いたげてくださーい!」

春香「冬馬くーん! 左斜め後ろにラブレター置いといたよー! 嘘だけどー!」

千早「ジュピターって意外と良い曲多いって、右にいる人が言ってたわー!」

雪歩「お父さんとお弟子さん呼んでおきましたぁ! 背後に結集してますぅ!!」

あずさ「えーっと……あ! あっちむいて、ホイ!」バッ

小鳥「結婚するなら事務員よねぇー!!」

律子「天ヶ崎ー! ヘリ! 上のヘリ狙うのよー!」

高木「来年の恵方は東北東だよー! ほれ、あっちだ、あっち!」

響「危ないあまとーう! 真上からワニ子が回転しながら襲ってくるぞー!」

美希「ぐるぐる首を回すのがすっごくイケてるって、JCの間では大評判なのー! あ、ウソだよ!」

P「新作だー! リボルテックの新作がお前の斜め前右にー!」

亜美「ヘイッ! お・にが・しま! お・にが・しま!」

真美「ピ・ピ・ン! ピ・ピ・ン! あらよっ!」


改造冬馬「ピポポ……ピピッ……ピガッ、ピピ……!!」グルグルグルグル

95 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 20:01:26.99 ID:QEHQX71/o

北斗「と……冬馬の頭が……マブチモーター並の勢いで……!」

翔太「き、キモっ……」

黒井『そ、そんな……こんなアホらしいことで……ハッ!?』

貴音「…………」ザッ

黒井『ま、不味い……! 何をやっている改造ジュピター! 早く――』

貴音(……ああ……本当に……)

貴音(……あなた達のような友を持てた、それだけで……それだけで、私は……)

貴音「…………」スゥーッ

北斗「! え……」

翔太「あ――」

貴音「むぅねのぉぉぉおくがぁぁ! くぅぅるぅぅぅしぃぃいくってぇぇぇぇぇ! えぇぇえええぇ!!」ドギャァァァン

北斗「うぐぇええぇああっ!」ドグシャッ

貴音「もうっ! 花になりたぁぁぁぁぁいいいぃぃぃっ! もっとぉ!」グッパオン

翔太「ふぎゅああああっ!」メキョォッ

貴音「あ! お! ぞ! ら! のふらわぁえんびぃぃ!!」トッコォーン

改造冬馬「ピポポパポパポポ……!!」ガタンガタン

96 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 20:02:07.82 ID:QEHQX71/o

千早「な……!」

伊織「嘘でしょ……あの衝撃波に耐えたの!?」

黒井『ぐぅ……は、ハハハハハ! それっぽっちの歌唱では、改造冬馬はビクともせんわ!』

貴音「ならば、物理ッ!」

美希「貴音ぇっ!」ブンッ
 
 ヒュルルルル……パシッ!

貴音「……受け取りなさい。皆の叫びを、皆の怒りを!
    必殺・ミキスラッガー! でゅわーっ!」

 ブンッ! キィィ――ン

97 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 20:02:46.96 ID:QEHQX71/o

黒井『馬鹿が! そいつは既に対策済みよッ!』

改造冬馬「ピポポポポォ!!」ガシッ

貴音「!」

響「な……」

P「ミキスラッガーを……掴みやがった……!」

黒井『フハハハハハハ! 残念だったな四条貴音ぇ! 頼みの切り札もこのザマではなぁ! ハーハッハッハッハッハ!
    改造冬馬! そのしょっぼいブーメランを、そっくりそのまま投げ返してやれ!』

改造冬馬「ピポポポポ……!!」グイッ

貴音「っ……!」ダッ

律子「!? た、貴音!?」

黒井『ククク……これは傑作だ、まさか真正面から飛び込んでくるとは! 
    万策尽きたか四条! 見苦しくって敵わんぞ! ハハハハハ! やれぇ改造冬馬ァ!』


改造冬馬「ピポポポ!!」ブンッ

98 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 20:03:47.06 ID:QEHQX71/o
 
 
  ヘニョッ …パラパラパラ…

改造冬馬「……!?」

黒井『!? な……何だ!? どういうことだ!? なぜ飛んで行かん! なぜ空中分解!?』

美希「――ミキ……スラッガーは……一度きり……一回使えばボロッボロなの……」

P「あれ!? 美希、お前……!」

黒井『ば……馬鹿な……馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な!』

貴音「せいっ!」ガシッ

改造冬馬「ピポポ……!!」ヨロッ

黒井『こんな……こんなッ! こんな事がぁぁ!!』

99 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 20:05:15.42 ID:QEHQX71/o

貴音(……この一撃に……私の全てを……!)
 
貴音「おおおおおぉぉおぉぉぉぉおおぉぉおおぉおおお!!」グイッ

 
貴音「ウルトラシジョー……ハリケェェェェェンッ!!」ブゥンッ
  

改造冬馬「ピポパポポポパポ――」ドヒュゥゥン

黒井『な……投げ飛ば――』 

改造冬馬「――――」クルクルクルクルクル

黒井『! ば、馬鹿、来るな! やめろ! 来るな! 来るんじゃな――』



 ゴシャッ!

 ……ドッゴォォォォォォン……

100 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 20:06:17.30 ID:QEHQX71/o

P「や……やった……!」


貴音「…………」

 ヨロッ…

貴音「…………」

貴音「……」チラッ

P「……!」

春香「あ……」

伊織「た……たか、ね……」

貴音「…………」



貴音「…………でゅわっ!」シュバッ



  キィィ―――ン……


101 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 20:06:56.07 ID:QEHQX71/o



 『明けの明星が輝く頃……』
    
 『1つの光が宇宙へ飛んでゆくのが見えるでしょう』

 『……それが、私の最後の姿です』


102 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 20:07:26.07 ID:QEHQX71/o

響「…………っ……」グスッ

雪歩「……四条さんは……」

真「……?」

雪歩「この星にいられないくらい、ボロボロになって……だから、四条さんの星へ帰るんでしょう……」

雪歩「……なら……! 四条さんを追い出したのは……! うぅっ……ああぁぁっ……!!」

律子「雪歩……」

雪歩「私たちなんですよっ……! 四条さんを傷付けたのも、追い出してしまったのも、全部! 全部……!」

高木「…………」

雪歩「四条さんが……私のせいで四条さんが死んじゃったら……私……うぁああ……ああぁああ……!!」

P「違う!」

雪歩「っ!?」ビクッ

103 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 20:08:16.56 ID:QEHQX71/o

P「貴音が……あんな凄い奴が、そう簡単に死んでたまるか……!」

伊織「……そうよ。貴音は生きてる。……きっと生きてるわ!」

亜美「……きっと、宇宙のどっかから……亜美たちを見ててくれてるよね」

P「……ああ。そしてまたいつか……元気な姿で戻ってくる!」

千早「…………」グスッ

真「……ですよね。……貴音さんのことだもん……きっと、きっと」

P「……だから、その日まで……765プロは、俺達自身で守るんだ。
  黒井社長のかけた洗脳を解き直すのも……新しいファンを掴むのも。……俺達自身で、一から全部」

真美「お姫ちんが、安心して戻ってこれるように……だよね?」

P「ああ……ああ……!」

104 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 20:08:44.55 ID:QEHQX71/o


P(……貴音。……見守っていてくれよ)

P(765プロは、もっと強くなる。……どんなことにも屈しない、最高の事務所にしてみせる)

P(だから……)

P「だからきっと……絶対に、また……!!」

105 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 20:09:28.77 ID:QEHQX71/o
 
 
  四条貴音の 名を借りて

  ウルトラシジョー アイドル シジョー

  ウルトラシジョー シジョー シジョー

  倒せ 毒吐く 黒井社長

  フラワーガールで ストライク……



   ― ウルトラシジョー ―

       ―終―
106 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 20:10:21.94 ID:QEHQX71/o

――――――――――――――――
――――――――――
――――――

亜美「はい! 以上、ウルトラシジョー、感動の最終回でした!」

真美「来週からは、お姫ちんら『SIRI』のメンバーが怪事件に挑む、『猟奇大作戦』が始まるよ!」

伊織「」ポカーン

雪歩「ううっ……四条さぁん! なんで帰っちゃうんですぁぁ~~!!」ウワーン

P「何やっとんだお前らは」ペシッ

亜美「あだっ! 何すんのさ兄ちゃん! この第二のキンジョーとまで呼ばれた大天才の亜美にー!」

P「なぁーにが大天才だ、勝手に人を妄想に出して遊びやがって……ゴメンな貴音。またこの2人がヘンなこと……」

貴音「いえ……それにしても驚きました。まさか、ここまで知られているとは……」

P「えっ」


おわり

107 : ◆qCnLFgHDh. [saga]:2013/08/28(水) 20:18:49.38 ID:QEHQX71/o

近日中とか言いながらこの体たらく 読んでくれてありがとね

108 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/08/28(水) 23:28:58.79 ID:KzinFHVDO

待ってて良かった乙



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昭和ウルトラマンが好きだからスレタイ見た時点でワクワクした。
ウルトラマン特有の大袈裟な単位マッハと一兆度、
かわいくコミカルに出てきたアイスラッガーとキーアイテムで変身みたいな
ウルトラマン要素が自然に出てきていて読んでて楽しかった。
個人的には冬馬と戦うところが一番面白かった。
ギャグっぽいノリなのにお姫ちんいなくなるん?
って不安だったから本当にオチのところでホっとした。
[ 2013/09/11 02:49 ] [ 編集 ]
全俺が泣いた
[ 2014/01/22 06:31 ] [ 編集 ]
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