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【艦これ】泣き虫雪風と釣り人提督

1 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/10/31(木) 23:24:45.34 ID:zf0e8pjLo

初めまして。艦これのSS書かせていただきます。

注意事項
・雪風メイン…の予定。
・俺設定満載
・雪風がよく泣く
・思いついたネタ不定期に投げると思われます。投稿速度はあまり期待しないでね
・地の文つき

それでも良いという方はお進みください。

艦隊これくしょん-艦これ- 艦娘クリアカードこれくしょんガムPart2[初回生産限定BOX購入特典付き] 16個入り BOX (食玩・ガム)

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/10/31(木) 23:26:38.29 ID:zf0e8pjLo



時は20XX年。
人類の敵は人類以外にないと誰もが思う時代。

だが、その矢先に、新たな敵が現れた。
深海棲艦である。

彼女らは海流を支配し、通りがかる船舶に無差別に砲撃を繰り返した。
漁船や旅客船、タンカーなど、通りがかったあらゆる船が彼女たちの餌食となった。

各国はすぐさま軍を出動させたが、何度戦果を挙げてもしばらくするとまた現れた。
幾度繰り返しても無駄であった。軍事費の無駄遣いと非難されるようになった。

かくして、海の通商はずたずたになり、漁もろくにできない有様となった。
また、海底資源の取得も困難となった。

人々は、この謎の存在たちに恐怖した。海はもはや安全ではなくなった。

3 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/10/31(木) 23:29:14.50 ID:zf0e8pjLo

「まったくよー。あいつらどうにかなんねーかなー」
そういって男は桟橋から海に石を投げる。ぼちゃん、という音が遠くに響く。

彼は漁師であった。深海棲艦が現れるまでは。
年は三十路半ば、漁で生活を営んでいた。
だが、深海棲艦によってその生活は破壊され、仲間も三々五々と散っていった。
港をひとつ丸ごと持つほどの大地主であったが、深海棲艦が跳梁跋扈する現状、ただの無駄な土地である。

「どこぞの巨人じゃないが深海棲艦どもを一匹残らず駆逐したいなー、マジで」
「本当に、駆逐したいですか?」
「あぁ、そうだな。って誰だよお前は」

彼が振り向くとそこには猫の前足を握って吊るしている少女が一人。

「私ですか? そうですね、猫吊るしとでも呼んでください」
「名前とかはどうでもいい。今、深海棲艦をどうにかできる口ぶりだったな?」
「はい」
「その言に嘘偽りはないな?」
「あなたが私の話を信じれば」
「突然胡散臭くなったな」
「信じないならそれでいいです。別の見込みありそうな人探すだけですし」
「…まぁいい。話を聞こうか」

男は桟橋に腰掛ける。猫吊るしも隣に座る。

4 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/10/31(木) 23:31:56.06 ID:zf0e8pjLo

「で、どうすりゃいいんだ」
「そうですね。人を指揮した経験は?」
「まぁ漁をしてたころは船長だったし、あるといっていいだろうな」
「いいですね。これから貴方には、艦隊を指揮してもらいます」
「艦隊だぁ? 軍でも率いるつもりか?」
「まぁありていに言えばそうですね」
「このご時勢、船を出すこと自体が自殺行為だろうに」
「ふふふ、何も船そのものを出すわけではないのですよ。こちらへ来て下さい」

そういうと猫吊るしは立ち上げると、猫を振り回しながらどこかへ歩き出していった。

「ちょっと待てよ。どこへ行くつもりだ」
「倉庫をひとつお借りしましてね。そこで準備を」
「この港の倉庫は全部うちのなんだが」
「そうそう、港ごと全部政府が接収しました」

さらりと言われた一言に男は足を止める。

「おいぃ? 許可を出した覚えがないんだが?」
「最近施工された法律でしてね。深海棲艦が襲ってくる恐れのある港は政府が保障する代わりに接収するという」
「ふざけんなよ!?」
「法律立てたの私じゃないですし?」
猫吊るしは片手で猫をぶら下げながら肩をすくめる。

5 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/10/31(木) 23:34:00.61 ID:zf0e8pjLo

そうこうしているうちに立ち並ぶ倉庫のひとつにたどり着く。

「で、何をするつもりだ。」
「貴方が指揮する艦船を造るのですよ」

シャッターが開く。そこには山と積まれた鋼鉄、ドラム缶、弾薬、ボーキサイト、そして…

「何だこりゃ?」

そこらをうろつきまわる小人たち。

「妖精さんですよ」
「は?」
「妖精さん」
「そうじゃなくてだな」
「この程度で驚いてたらこの先が思いやられますよ」
「何があるってんだよ」
「これから貴方には艦娘を造ってもらいます。実際作るのは妖精さんですが」
「カンムスぅ?」
「簡単に言えば、戦時の艦船の霊魂を宿した少女です。主に燃料と鋼鉄と弾薬とボーキからできます」
「…帰っていい?」
「ダメです」
「頭おかしい、というか頭おかしくなりそうなんだけど」
「大丈夫、頭がおかしくなることを代償に海の平和を取り戻せるなら安いものです」
「大丈夫じゃねーよ」
男の言を聞き流し、猫吊るしは白い海軍帽を取り出す。
「あ、後この帽子をどうぞ。軍服は後で調達しますので」
「…いや、さらりとスルーすんなよ」
「これで貴方は提督です」
「何でだよ」
「軍というのは上からの命令に絶対服従ですので偉い肩書きは艦娘に言うことを聞かせるには必要不可欠かと」
「偏見甚だしいな」
「まぁセクハラしたら手首の一つや二つは落ちますが」
「なにそれこわい」

6 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/10/31(木) 23:36:02.60 ID:zf0e8pjLo

そこらをうろつきまわっていた妖精さんたちが整列する。

「あ、建造の準備が整ったみたいですね」
「ふーん。どうやって造るんだ?」
「まぁいろいろと。あそこの資材を元に配分を決めるんですよ」

猫吊るしが指を差した先には数字が書かれた四つのドラムがついた得体の知れない装置があった。

「多けりゃいいってもんだよな」
「そんなことはないですが」
「テキトーでいいだろテキトーで」

そういいながら言葉通り適当にドラムを回す男。

「ところで、ボーキサイトって何だ?」
「精製するとジュラルミンの元となるアルミニウムになるんですよ。主に航空機とかの材料」
「飛行機作るわけじゃねーんだからこれは最小限でいいか。そーれ、ぽちっとな」

建造開始ボタンが押されると同時に妖精さんたちが一斉に動き出す。

「…で、どのくらい時間がかかるんだ?」
「えーと…24分ですね」
「わかるものなのか」
「えぇ。さっきも話したとおり太平洋戦争で活躍した艦船の霊魂を取り込んで形作ります。
 どのようなのが来るかは資材投入時点で大体わかるんですよ」

7 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/10/31(木) 23:39:17.26 ID:zf0e8pjLo

「…で、どのくらい時間がかかるんだ?」
「えーと…24分ですね」
「わかるものなのか」
「えぇ。さっきも話したとおり太平洋戦争で活躍した艦船の霊魂を取り込んで形作ります。
 どのようなのが来るかは資材投入時点で大体わかるんですよ」
「で、それの目安が建造時間ってわけか。24分ってどんなのがくるんだ? やけに中途半端だが」
「陽炎型駆逐艦ですね」
「俺は軍史には疎いんだ。もっと具体的にかつわかりやすく話せ。強いとか速いとか」
「むちゃくちゃ言いますね。簡単に言えば割と後のほうで作られた都合上、駆逐艦の中では性能高めですよ」
「ほー。強かったのか。戦争でも活躍したのか?」
「することはしましたが、大体戦中に沈んでますね。一隻をのぞいて」
「その一隻とは?」
「陽炎型八番艦、雪風」
「しらねーよ。つーかどんな活躍したんだよ」
「説明は長くなるんで省きますが、幸運の女神がついているとするなら彼女以外ありえないといわれるほどの奇跡の艦ですね。
 太平洋戦争の主だった戦闘に参加し続けたにもかかわらずほとんど無傷だったといわれてます。
 敵だった連合国も最優秀艦と太鼓判を押すほどの。興味があったら資料あさってみてください。
 彼女に限らず、あのころの艦船のエピソードは調べてみるといろいろ興味深いですよ」
「説明が面倒くさいから丸投げしようとしてるだろ」
「だって詳しく説明してたらまる一日つぶれちゃいますし?」
それを聞いて男はため息をつく。
「勉強ってのは大嫌いなんだよ」
「知らなくても運用はできますからご安心を」
「全く、ありがたいこった。…艦娘を造って、それからどうするつもりだ?」
「そうですね。本当は数隻造って艦隊をつくってから出撃、といいたいところですが、
 何か疑ってるようなのでテスト航海がてら造った艦娘の実力をお目にかけましょう」
「自信満々だな」
「そりゃそうですよ。深海棲艦が出てこの方政府が秘密裏に対策を…おっと失言」
その一言に、男の目が険しくなる。

8 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/10/31(木) 23:41:30.33 ID:zf0e8pjLo

「…おい」
「何でしょう?」
「話せ」
「いやですよ。この猫手放したらすぐにどっかいっちゃいますし」
そういって猫吊るしは手にぶら下げてる猫を掲げる。
「放せ、じゃねーよ!! かなり隠してることがあるだろ!! 全部洗いざらい話せって言ってんだよ!!
 港を勝手に接収する法律が通るとか正気の沙汰じゃねーぞ!?」
「その内話しますよ。政府のお墨付きだからそこらへんの心配はしなくていいって事だけ覚えてください」
「いや今すぐ話せよ! それになんで俺なんだよ!!」
「知らぬが仏という言葉もありますし」
「ご・ま・か・す・な!」
男が声を張り上げたその直後、妖精さんの一人が近づいて
「できたよー」
と元気な声を上げる。
「あ、建造が完了したみたいですね。早速見てみましょう」
「ちょっと待て。まだ話は終わって…」
目を向けた先には少女が一人。
栗色の髪に砲を乗せ、左右にはレーダーを模した髪飾り。
首に双眼鏡を提げ、肩にはバッグを模した連装砲を引っ掛け。
魚雷を背負って前開きのセーラー服型ワンピースを着た女の子。
「陽炎型八番艦の雪風です! どうぞよろしくお願いします!」
「あ、あぁ。よろしくな」
ほぅ、と猫吊るしが感嘆のため息を漏らす。
「大当たりですね」
「さっき話してたのがこいつか? だいぶ印象と違うような。どう見ても歴戦を潜り抜けてきたって感じじゃないだろ」
「そういうもんです」

9 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/10/31(木) 23:43:59.10 ID:zf0e8pjLo

一方雪風はというと辺りをきょろきょろ見回している。
「どうしたんだ?」
「あのぅ…仲間は…?」
「いないぞ」
「えっ…そんな…」
「ん?」
「雪風が…雪風がみんなを…」
「何を言って…」
「うぁぁぁぁぁん!!!」
堰を切ったように泣き出す雪風。
「な、何だってんだよ!? 落ち着け、落ち着けって! どうなってんだよ猫吊るし!!」
振り向くと猫吊るしは床に転がって猫と戯れていた。
「あー、有名ですよ。死神雪風。
 僚艦が沈んでもほとんど無傷で生還することから、仲間を次々喰らう艦として内外の乗員から見られてたそうです」
「ふぇぇぇぇん」
「あぁもう。他のやつらはまだ来てないだけだから泣き止めって。な?」
「ひっく…ぐしゅ…本当ですか?」
「本当だとも。なぁ猫吊るし?」
男は雪風を宥めながら猫吊るしの方を向く。

10 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/10/31(木) 23:46:55.53 ID:zf0e8pjLo

だが猫吊るしは素知らぬ顔をして話を続ける。
「あと味方を犠牲にした例としては雪風が発見した潜水艦を天津風が見に行ったときとか、比叡の雷撃処分とか、
 あと雪風が触った回数機雷に触れてやられた初霜の話も忘れちゃいけませんね」
「!!」
猫吊るしの言葉に、雪風は耳をふさいで縮こまった。
「ゃ…ぁ…ぃゃ…」
男は猫吊るしを睨み付ける。
「おい、猫吊るし」
「おっと失言でしたね」
「わざとか?」
「ちょっとお耳を」
「あぁ?」
猫吊るしが背伸びして男に耳打ちする。
「私があえて悪役になることによって彼女から貴方への好感度を上げようという策略ですよ」
「ゲスいな。そこまでして汚れ役する必要あるのか?」
「まぁ長い付き合いとなるでしょうしね。それに私じゃなくて貴方が指揮するのですから」
 とにかく慰めてあげてください。落ち着いたら出撃しましょう」
「こんな子を戦闘に出すとか、鬼か?」
「猫吊るしです」
「全く…」

11 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/10/31(木) 23:51:46.74 ID:zf0e8pjLo

男は踵を返し、雪風と一緒にしゃがみこむ。
「ひぐっ、ひぐっ…」
「よしよし、大丈夫だ、雪風。そんなことさせやしないからな」
そういって雪風の頭をなでる。それにあわせて泣き声も小さくなる。
「ぐしゅ…しれぇ、雪風、見苦しいところをお見せしちゃいました…」
「気にすんな。それよか涙で顔がぐしゃぐしゃだぞ。ハンカチ貸してやるから拭いとけ」
「しれぇ…ありがとうございまふ…」
男から借りたハンカチで顔を拭う雪風。
「ところで…『しれぇ』って何だよ」
「司令官ってやつです。英語で言うコマンダーのことですね」
返事をしたのは猫吊るし。
「司令、か。司令って人じゃなく命令とかそういうものを指すもんだと思ったが」
「細かいこと気にしてたらハゲますよ」
「うっせ。ハゲるにはまだ早ぇーよ」
「しれぇ」
男の服の袖を引っ張り呼びかける
「ん、何だ雪風」
「ハンカチ汚れちゃったので、後で雪風が洗って返しますね」
「そのままでも別にいいんだが…まぁ、好きにしな」
「はい! がんばります!」
再び猫吊るしのほうへ振り向く。
「……猫吊るしよ」
「何でしょう?」
「先行きが不安なんだが」
「え? 私はこれほどツイてるんだからもう深海棲艦の命運は尽きたものと思ってますが」
「ポジティブだなおい」

こうして元漁師の男は、提督業をはじめることになったのであった。

12 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/10/31(木) 23:55:31.68 ID:zf0e8pjLo

第一話、完!!

書けたら第二話投下したり突然の小ネタ投下したり
時系列がキングクリムゾンするかもしれませんがよろしくお願いします



19 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/01(金) 21:32:41.11 ID:i5TQDEZTo

提督「艦娘ってのもつくづく謎だよなぁ。燃料、弾薬、鋼鉄、ボーキから造られるわけで」

ここは工廠の資材庫。元は倉庫だったのだがいつの間にやら改築された。

提督「魂部分は艦船のそれ、というけどここらへんオカルトチックだよなぁ」

ぶつぶつつぶやきながら燃料の入っているドラム缶に近づく。

提督「ぷかぷか丸は別途燃料入れてるけど何でこっちの燃料じゃだめなんだ?」

ドラム缶の口を開ける。甘い匂いが鼻腔をくすぐる。

提督「……?」

どう考えても燃料のにおいではない。
事実を確かめるため、備え付けのポンプでくみ出す。
そして、指で一掬いして舐めてみる。

提督「ココアだこれ!?」

提督「ってことは弾薬も…」

外側はスナック、中身は最後までチョコたっぷり!!

提督「鋼鉄も!?」

銀紙に包まれた板チョコ!!

提督「ボーキも!?」

チョコチップクッキー!!

20 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/01(金) 21:34:58.06 ID:i5TQDEZTo

提督「……えー、全部チョコ?」

コニチハ、カカオデス

提督「幻聴は引っ込め畜生」

??「ふふふ、知ってしまいましたね…」

提督「誰だ」

猫吊「みんながあたしを待っている! 妖怪猫吊るしです! 妹の猫土下座もよろしくね!」

提督「妖怪だったのか」

猫吊「みんなそう呼ぶんですよ。失礼しちゃいますね」

提督「自称してたぞ」

猫吊「そんなことはどうでもいいのです」

提督「確かにどうでもいいがあのチョコ菓子の山は何だよ」

猫吊「女の子はみんな砂糖やスパイス、素敵な事柄で出来ているのです」

提督「ケミカルXも入ってんのか? ん?」

猫吊「もちろん艦娘も例外ではありません」

提督「空母連中はどちらかといえばご飯大盛りで食うイメージだが」

猫吊「というわけで記憶を消さねばなりません」

提督「ちょっと待てや」

猫吊「大丈夫。ものすごく痛いけどすぐ気を失って感じなくなりますよ」

提督「駄目だろ。それに、お前どうやって攻撃するつもりだ」

提督と猫吊るしは5~6mは離れており、しかも猫吊るしは例によって猫を吊るしている。

猫吊「私にかかれば、距離も、時間も、すべてが無意味なのですよ」

提督「!?」

彼女が猫を掲げた瞬間、提督の視界が揺らぎ、霞み、激痛とともに白く、白く染められていく…

提督「ぐ、ぐあぁぁぁぁあ!?」

21 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/01(金) 21:35:54.94 ID:i5TQDEZTo

提督「あ"あ"あ"あ"っ"!?」

反射的に体を起こす。

気づけば執務室兼自室。簡易ベッドの上。ふと横を見ると心配そうにこちらを見つめる雪風の姿。

雪風「しれぇ、大丈夫ですか…?」

提督「あ、あぁ、何か悪い夢を見ていたようだ…。
   着替えたら、ちょっと資材の備蓄を見に行くか…その後演習を行うから雪風は演習の準備をしてくれ」

雪風「了解しました!」


そして>>19へ…

……無限ループって、こわくね?


26 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/03(日) 20:41:47.93 ID:x7ljvqTOo

「で、だ」
港に戻った3人。元漁師の提督と、猫吊るしと、雪風である。
「どうやって力を見せるつもりだ? まさかここから砲撃するわけでもあるまい」
「やだなぁ、敵の砲撃を掻い潜っての砲雷撃戦に決まってるじゃありませんか」
「ものすごく危なくないか?」
「えてして前近代的な戦術が有効なものです」
「大丈夫かなぁ」
「それにこれがあるから大丈夫です」
そういって猫吊るしは懐から花を模した黄色いバッジを取り出す。
「これは?」
「旗艦バッジです。これをつけている艦娘はどれだけ痛めつけられても絶対沈みません」
「…言いたい事はいろいろあるがそれは後だ」
猫吊るしからバッジを受け取る。何の変哲もない、安全ピンで留めるバッジにしか見えない。
「これを雪風につければいいんだな?」
「ええ。どこでも構いませんよ」
「じゃ、雪風、ちょっとじっとしてろ」
「はい!」
そういうと男は雪風の左胸にバッジを取り付けた。
「よーし、これでいい」
「雪風、がんばります!」

27 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/03(日) 20:44:54.53 ID:x7ljvqTOo

「さてと…これで、どうするんだ?」
猫吊るしのほうを向き、再びたずねる。
「近頃、この近海に深海棲艦の偵察艦の存在が確認されています。それを撃沈…いや鹵獲しましょう」
「へぇ、大きく出たもんだな」
「その近くまでは、すでに用意してある船で行きます。どこら辺まで近づくかは指示しますのでご安心を」
桟橋を見ると軽く10人は乗れそうな船がすでに待機していた。先ほどはなかったはずだが…。
「ありがたいこった」
「近くまで来たら艦娘の出番です。後は仕上げをごろうじろ。ってね」
そう言うと、彼女は船へ乗り込んでいった。男も後に続く。
「しれぇ」
雪風から声がかかる。
「なんだ?」
「雪風が、お守りします!」
「あー、はいはい」
「むー」
提督のつれない返事に雪風は不満げにふくれっつらをする。

「さーて、ぷかぷか丸、出航しますよ!」
やけにテンション高く猫吊るしが叫ぶ。
「何だそれは」
「この船の名前ですよ」
ともあれ彼らは深海棲艦退治に出発したのであった。

28 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/03(日) 20:47:13.97 ID:x7ljvqTOo

「猫吊るしよ」
操舵しながら男が尋ねる。
「なんです?」
「旗艦バッジとか言う便利なものがあるなら艦娘とやらを片っ端から造って全員につければいいんじゃないか?」
「近くに旗艦バッジが複数あるとなんか相互干渉起こして沈んじゃうようになるみたいです。
 あと沈まないだけでボロボロの艦娘なんて置物に毛が生えた程度の戦力しかありません。浮き砲台の方がましです」
「世の中うまくはいかないもんだな」
「まぁ全員未帰還にならないだけでも儲けものです…おっと、この辺でストップ」
「あいよ」
船を停止させる。甲板へ出ると雪風が双眼鏡で水平線を見ていた。
「何か面白いものでも見つかったか?」
「敵艦、発見しました!」
「ほぅ?」
男が目を凝らすと確かに水平線の向こうに黒い盛り上がりが見える。
「あれは、駆逐イ級ですね」
同じく出てきた猫吊るしが断言する。
「クチクイキュウ?」
「駆逐艦クラスのイ級です。発見された順にイロハ順で級をつけていっています」
「へぇ、強いのか?」
「深海棲艦の尖兵、いわば下っ端ですね」
「でも砲撃とかするんだろ?」
「魚雷らしきものも積んでます」
「そこで雪風の出番というわけか」
雪風のほうを振り向く。彼女はすでに準備万端のようだ。
「しれぇ、出撃命令を!」

29 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/03(日) 20:49:09.06 ID:x7ljvqTOo

「…そうだな、よし。出撃だ」
その言葉を聞くや否や、雪風は船から飛び降り、そのまま滑るように海面を突き進んでいった。
「うぉ!? 意外と速いな!?」
そのままイ級の横を通りすがりさまに、手に持ったバック型の連装砲で砲撃を浴びせていく。
イ級も反撃するものの掠りすらしない。
雪風は反転しながら背負っていた魚雷発射装置を構える。
「魚雷装填! 発射します!」
バシュゥン、と言う音ともに魚雷が発射され、深海棲艦に突き進んでいく。
次の瞬間、ドゥン!! と水柱が盛大に上がった。
「おー、こいつぁすげーなー…」
男は感嘆の声を上げる。
「でしょう?」
「何でお前がドヤ顔してるんだよ」
雪風はイ級の船尾部分にロープをくくりつけると、それを引っ張るようにして提督たちのほうに戻っていった。

「雪風、敵駆逐艦を鹵獲してきました!」
「おう、お疲れさん」
引き上げたイ級を検分する。見ようによっては大物の魚にも見えなくはない。

30 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/03(日) 20:52:04.66 ID:x7ljvqTOo

「…で、どうすんだよこれ」
「解体します」
「これを、か?」
「マグロの解体みたいなもんですよ」
事も無げにそう答える猫吊るし。両手にはいつも吊るしている猫ではなく巨大な肉切り包丁。
猫はというと雪風にじゃれ付いていた。
「いきますよー…どりゃ!」
掛け声とともに包丁が振り下ろされる。だが体の半ばで刃は止まってしまった。
「威勢の割にたいしたことねーな。代わってやろうか?」
「あ、代わってくれます? 今切って止まったところの周辺を切り開いてください。『雫』がありました。取り出しましょう」
「液状物体が何で硬いんだよ」
「便宜上の呼び名です。周りはバラしてもいいけど海には捨てないでくださいね。後で使うので」
「わけがわからないよ」
「帰ればわかりますって」

適当に切り開くと中から丸い結晶状の物体が出てきた。
「これか?」
「それが『雫』ですね。周りごと先ほどの倉庫に運びましょう」
「もっと水滴状のものかと思ったが、これはまるででかい飴玉だな」

31 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/03(日) 20:55:45.16 ID:x7ljvqTOo

なんだかんだで帰投した提督一行。
イ級だったものは雪風が押す台車に乗せて運ばれている。
「で、この雫とやらとイ級だったグロ物体どうするんだよ」
「建造担当の妖精さんに渡してください」
先ほどの倉庫前にはすでに妖精さんが待機していた
「はーい、艦娘にするよー」
「…ん? 艦娘にする?」
「ちょちょいのちょいで」

ぼふんっ、という微妙にファンシーな音とともに少女の姿が現れた。

「早っ!?」
「雫の中身は艦娘の霊魂ですからね。呼ぶ時間は省略できます」
「あぁ、なるほど」

その少女の髪は黒く、右腕に連装砲、左腕に単装砲、腰に魚雷発射管を装備し、機関を背負っている。

「初春型四番艦、初霜です。皆さん、よろしくお願いします!」
「はつ…しも…?」

その名前に雪風が震え出す。
「あ…あぁ…」
「初霜って確か…」
提督が思い出すより早く
「うわぁぁあぁぁぁん!!」
泣き出す雪風。
「あぁ、もう。なんで艦娘見ただけで泣き出すんだよ」
初霜はそんな雪風にそっと近づく。
「あの事、気にしてたの?」
「ごめんなざい、はづじもざん、ごめんなざい…」
「私は気にしてないから、雪風も気にしないで。ね?」
謝り続ける雪風の頭をそっと撫でる。
「ひっく、ひぐっ…」
「……あの事ってさっき猫吊るしが言ってた回数機雷の件か……?」
「そうですね。もう何十年も前のことなのに」
「ぐずっ、ぐずっ……」

32 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/03(日) 20:57:32.60 ID:x7ljvqTOo

ぐずる雪風を何とか慰めた後…

「初霜と言ったか。そういうわけで今のところ俺と雪風の二人しかいないがよろしく頼む」
「おまかせ下さい提督。皆をお守りします!」
「…雪風に抱きつかれた状態で決め台詞言われてもあまり締まらんな」
「一隻でも一人でも、救えるなら私は、それで満足なの。悲しむ子たちの泣き顔に笑顔を取り戻すために!」
そう言って初霜は雪風を抱きしめ返す。
「むぎゅぅ」
「そうだな。深海棲艦とやらを撃滅して、海に平和を取り戻すとしようか!」

第二話、完!!



40 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/05(火) 00:17:55.25 ID:EvoRb8FRo

時には拗れることもある


切欠は些細なことだった。
新海域の攻略、新人の育成、新兵装の開発…。
そういったことにかまけてて、雪風がすねてしまったのだ。
さらに悪いことに攻略はうまくいかず、育成は進まず、開発もろくに出来ず。
そういうイライラを、そんな雪風にぶつけてしまったのだ。
結果? 惨憺たる有様さ…

41 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/05(火) 00:19:46.33 ID:EvoRb8FRo

「もぉ、しれぇなんて知りません!」

執務室のドアを後ろ手に閉め、泣きながら駆け出していく雪風。
入れ違いに翔鶴が入ってくる。
提督は両手で頭を支えるように俯いており、この上なく調子が悪そうに見えた。
「…あぁ、翔鶴か」
「今、雪風ちゃんが泣きながら出て行くのを見かけましたが…どうかなさったのですか?」
「あぁ、ちょっと喧嘩してしまってな…」
「追いかけなくて、いいのですか?」
「ちょっと頭を冷やしたい。今もう一度顔を突き合わせてもろくなことにならん」
「それもそうかもしれませんね…」
「うむ」
そこまで言うと提督は顔を上げた。心なしか目が虚ろである。
「それで、何か報告かね。確か今日の開発担当は翔鶴だったはずだ」
「はい。今日の開発は、彗星一二型甲、紫電改二、流星改、彩雲が出来上がりました」
「……そうか」
流星改。待ち望んでいた装備のひとつである。だが返ってきたのは生返事。
「あの…提督、よろしいでしょうか?」
「何だ」
「その…ちょっと調子がよろしくないようですし、休まれてはいかがでしょうか…?」
「……そうだな。今日は、何もする気が起きん。雪風が帰ってくるまで寝よう。帰ってきたら起こしてくれ。
 出撃も中止だ。遠征組も今日は帰って補給したら一日自由行動。そう通達してくれ」
「今回の艦載機はどうしましょう?」
「あぁ…瑞鶴に配備してくれ。彩雲は4スロだ」
「了解しました。それでは、お休みなさいませ」
翔鶴が去り、扉が閉まる。残すは静寂のみ。
「……寝るか」
提督は誰にともなくつぶやくと。簡易ベッドの上に身を横たえた。

42 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/05(火) 00:21:13.16 ID:EvoRb8FRo

キィーコ…キィーコ…

夕暮れ時の公園にブランコの揺れる音が鳴り響く。

「しれぇも言いすぎです。雪風が運を吸い取ってるからだ、なんて…ぐすっ
 …雪風も、ひどい事言っちゃいましたけど…」

キィーコ…キィーコ…
艤装を外した状態で出て行ったので傍目普通の家出少女である。

「ぐすっ…ひっく…しれぇ、まだ怒ってるかなぁ…」

キィーコ…キィーコ…

そして日は落ちていく。

43 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/05(火) 00:23:29.41 ID:EvoRb8FRo

「…きてください、起きてください、提督」
「んぁ…、翔鶴か…雪風が戻ってきたか?」
翔鶴に呼ばれ、寝ぼけ眼をこすりながら身を起こす。
翔鶴の顔には焦燥感が漂っている。
「まだ…まだ帰ってないんです!」
「…今何時だ?」
「ヒトハチマルゴー、もう六時を回ってます」
「確か俺が雪風と喧嘩したのは昼の三時過ぎだ」
ちらり、と整頓されて置いてある雪風の艤装に目を向ける。
「艤装を置いている以上、海のほうに行くのは自殺行為以外の何物でもない。という事は陸…鎮守府の近くにいるはず。
 雪風が本気で怒っているか、それとも雪風の身に何かあったか、だが…」
「あの時私が引き止めておけば…」
「いや、お前の責任じゃねーって」
「私が探してきます!」
翔鶴がそう言うや否や踵を返して廊下を駆け出す。
「あ、待てコラ! …行っちまいやがった」
ベッドに腰を下ろし背伸びをする。
「んぐぐ…っと。追うしかないか…」
ぼやきながら立ち上がり、執務室を出る。
「…いやちょっと待てよ」
向かうは外ではなく、艦娘たちの住まう寮。

44 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/05(火) 00:23:58.76 ID:EvoRb8FRo

「……」

うつむいてブランコに座ったままの雪風。

「お腹が空きました…」

くぅ、と鳴る腹の虫の音。

「…しれぇ、まだ怒ってるでしょうか…」

じわっ、と涙が零れる。

「しれぇ…やっぱり、一人は寂しいです…」

雪風はブランコから立ち上がり、とぼとぼと家へ、鎮守府へ向かって歩き出す。

45 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/05(火) 00:25:27.73 ID:EvoRb8FRo

艦娘寮へ入る。提督は基本的に用事のない時は立ち入らないが、事は急を要する。

(…艦娘たちの視線が痛いな)

おそらく雪風と喧嘩した件については全員周知なのだろう。
無言の非難を浴びながら、向かうは空母寮の奥。翔鶴と瑞鶴の部屋。

コン、コン。
「俺だ、提督だ。瑞鶴は居るか?」
「今開けまーす」
ドアが開き、ひょっこり顔を出す瑞鶴。
「あれ、姉さんは?」
「俺を起こした後、雪風探しに行くと言って引き止める間もなく飛び出しちまったよ」
「何で追いかけなかったんですか!?」
「無闇に探し回るのは嫌だからな。それに…」
「それに?」
「なーんか嫌な予感がする。瑞鶴、艦載機の発進の準備を」
「え、夜の飛行はいろいろと危ないから禁止されているのでは」
「夜の海は暗いからな。だが今回は街中だ。ある程度の明るさはある。着陸も中庭の照明で照らせば何とかなるだろ」
「そんな無茶な…」
「彩雲を先行させて翔鶴の位置を確認してくれ。あとは通信機で連携を取る」
ポケットから旧式のトランシーバーを取り出し、瑞鶴に手渡す。
「先行って他の艦載機も…?」
「飛ばせ。なんせあいつは屈指の被害担当艦だ。念には念を入れる」
「…確かに心配になってきたわ」
「翔鶴とっ捕まえたら雪風を探して連れ帰る。まぁイージーワークだ。うまくいけば他の三機は飛ばすだけで済む」
「だといいけど」
「さて、俺も追っかけるから偵察よろしくなー。連れ帰ったらお前ら姉妹に間宮アイス奢るから、な!」
その言葉を残して提督は艦娘寮の廊下を駆け出していった。
「…仕方ないわね」
瑞鶴は半ばあきらめたようにドアを閉め、艦載機発進の準備をすることにした。

46 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/05(火) 00:28:35.37 ID:EvoRb8FRo

鎮守府近くの大通り。街灯もあって日が暮れてもそこそこ明るい。思えばそれが油断の元だったのかもしれない。
「しれぇ、心配してるかなぁ…それとも…」
考え事をしている雪風に、路地から魔の手が伸びたのだ。

引っ張られたと思った次の瞬間、雪風は壁に叩きつけられていた。
「あうぅ…」
朦朧とする頭で、状況を把握しようとする。視界にはいかにもチンピラな男が二人。
「そんなに強く叩きつけて大丈夫ですかい、アニキ?」
「なぁに、何回もやってんだ。よっこらせっと」
無理やり体を引き起こされる。喉元にナイフが突きつけられる。
「おっと、声を上げるなよ? 声を上げたら、こうだからな?」
ふつり、と双眼鏡の革紐が切られ、ごとり、と地面に落ちる。
「あっ…! 雪風の双眼鏡が…!」
「黙れつってんだよ」
雪風の頭にナイフの柄が振り下ろされる。
「あぐっ…」
「全く手間かけさせやがって」
雪風を殴った男は雪風の口をふさぐように彼女を抱えなおす。
「通りのほうから足音が聞こえるっす」
もう一人の男が伝える。
「ちっ、しばらく隠れるぞ」
「了解」
物陰に身を潜める二人。
男たちに完全に捕らえられてしまった雪風。
(しれぇ…助けて…)
涙ぐみながら、そうつぶやくのが精一杯だった。

47 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/05(火) 00:29:31.81 ID:EvoRb8FRo

カッ、カッ、カッ。

ある路地の前で、足音が止まる。
足音の主は、翔鶴。
「ここら辺で雪風ちゃんの声が聞こえたような…」
路地のほうに目を向けると、見覚えのある双眼鏡。
路地に入って拾い上げる。
「紐が切れてるけど…確かに雪風ちゃんの…きゃっ!?」
見張っていたほうののチンピラが双眼鏡を検分していた翔鶴に体当たりし、そのまま組み伏せる。
「いったい何を…!!」
組み伏せられた翔鶴が顔を上げると、そこには雪風と彼女を捕らえた男の姿が。
「雪風っ…!」
「ほぅ、この子と知り合いなのかい、お嬢さん」
余裕ありげに笑みを浮かべるチンピラ。
「わ、私はどうなってもいいからその」
ガスッ。最後まで言うことなく後ろのチンピラに頭を掴まれ地べたと接吻させられた。
「あ…ああ…」
怯える雪風。
「家出か迷子か知らんが、お前の行動が元で、あいつはあんな目にあってるわけだ。な?」
「やだ…やぁ…」


48 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/11/05(火) 00:31:37.60 ID:COvh9Y12o

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49 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/05(火) 00:32:14.69 ID:EvoRb8FRo

ほぼ同じ頃

『あっ、翔鶴姉はっけーん』
トランシーバーから瑞鶴の明るい声が聞こえる。
「よし、今どこら辺に居る?」
『えぇと、三丁目のぼろビル団地の路地に…あら、奥に入ってっちゃった?』
「んー? まぁ位置はわかったから急行する。しばらく監視を…」
『あ、翔鶴姉!?』
「どうした瑞鶴?」
『急いで! 翔鶴姉が暴漢に!』
その言葉を聞き、提督は足を速める。
「全く、嫌な予感ってのは当たるもんだな!」
『ちょっと私も行くわ!』
トランシーバーの向こうからドタドタバタン、と慌しい音が聞こえる。
「そうか、なら早く来い。手遅れになる前に」
『そっちこそ早くしないと手遅れになっちゃう!』
「もうすぐ例の路地裏だ。他に何が見える?」
『奥のほうで雪風も捕まってる!』
「全く…ブツブツ…」
この状況に口の中で悪態をつく。
「瑞鶴、走りながらでいいから聞け」
『何?』
「その路地にたどり着いたら俺が雪風たちを捕まえてる奴らの気を引く。
 そしたら後ろから爆撃、奴らの耳と目を塞いでやれ」
『爆音と爆煙で隠すわけね。…こっちからも見えなくなりそうだけど大丈夫なの?』
「事前に知ってるかどうかでだいぶ違う。合図は…そうだな。俺が耳を掻いたらだ。そのまま耳を塞ぐから遠慮なくやれ。
 続けざまの爆撃で向こうの不意をつく。後は仕上げをごろうじろ、だ」
『直接撃っちゃだめ?』
「相手は人間だしさすがにまずいだろ」
『翔鶴姉捕まえてる奴撃ちたいんだけど』
「気持ちはわかるがとりあえず機銃での威嚇射撃ぐらいに抑えておけ」
『はーい…』
「そろそろ例の路地だ。通信を切るぞ。俺の挙動に目を配っておけ」
『了解』
トランシーバーを懐にしまい、提督は路地へと急ぐ。

50 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/05(火) 00:33:55.97 ID:EvoRb8FRo

「夜道を歩くときは十分回りに注意することだ。まぁその教訓を生かす機会はもう無いんだけどな」
チンピラの一人が雪風の頬にナイフを当てながらつぶやく。
「や…やだ…翔鶴さ…ぁぁ…」
声に鳴らない声を上げながら雪風は涙をこぼす。
一方の翔鶴は、地面に何度も顔を叩きつけられ、完全に気を失っている。
「ちょ~っとやりすぎちまったかなぁ?」
「こんなもんだろ。突然声を上げられても困るからな」
「それもそっすね、アニキ」
そう言いながらもう一人のチンピラが翔鶴の体を引き上げる。
「助け…しれぇ…たすけ…て…」
雪風は半ば祈るように助けを求める言葉をこぼす
「お前を助けてくれる奴なんかいねぇよ」
「そいつはどうかな」
通りの方からかかる声。
提督が、そこにいた。
「誰だ!?」
「しれぇ!!」
チンピラの誰何と雪風の呼びかけが同時に路地に響く。
「お前らのようなゲスどもに名乗る名前なんかねーよ」
数歩進んで、雪風の双眼鏡を拾い上げる。
「怪我したくなけりゃとっとと彼女らを放して帰りやがれ」
「何だてめぇは! こいつらの知り合いか!?」
「そうだ」
「けっ、下手に動くと手が滑っちまうかも知れねぇぞ?」
男は雪風の首元にナイフをちらつかせる。
「おい、サブ、お前もやるんだよ」
「すんませんアニキ、ちょっと忘れてきてしまいまして」
「じゃあとりあえず首絞めとけ」
「へい」
サブと呼ばれた男が翔鶴の首を拘束する。
「う、ぐっ…」
翔鶴が苦しそうに身悶えする。
「さぁ、こいつらの命が惜しければ回れ右して全てを忘れることだ!」
アニキと呼ばれたほうが脅し言葉をかける。

51 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/05(火) 00:35:09.77 ID:EvoRb8FRo

「さぁて、どうしたもんかねぇ」
提督は困ったように耳を掻く。そのまま反対側の耳も同時に掻き始める。
「早くしねぇと」
アニキが言えたのはそこまでだった。
ドゥン、と響く爆音。さらに続けざまに路地にばら撒かれる爆弾。
「ゲホッ、ゴホッ!!」
「アニキ、何が起こったんゲホゴッホッ!!」
その一瞬の隙を見逃す提督ではない。
「雪風を…」
腕を振り上げ、雪風を捕まえていた男へ走る。
「返せボケェ!!」
「ガァッ!?」
振り抜かれる拳。吹っ飛ぶ男
そのまま雪風の腕を掴み、もう一人の男のほうへ反転する。
「ゴホッ、アニキ!?」
「翔鶴を離せダラズ!!」
返す拳でサブと呼ばれた男の横っ面をしたたか殴りつける。
「アガッ!!」
表通りから聞こえるもう一人の声。
「翔鶴姉! 提督! こっち!」
「瑞鶴も来たか! 急ぐぞ!」
翔鶴は朦朧とした意識を振り払うように頭を振る
「ううっ…提督?」
「二人とも、もう大丈夫だ!」
表通りまで駆け戻り、瑞鶴と合流する。
「しれぇ、しれぇ…」
「翔鶴姉…よかったぁ…!!」
提督と翔鶴に抱きつき涙を流す雪風と瑞鶴。
「感傷に浸るのは後だ。あいつ等が起きる前にここを離れるぞ!」
「了解です!」
提督は雪風を抱き上げ、翔鶴と瑞鶴は手と手を取り合って鎮守府へ向かって走り出した。

52 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/05(火) 00:37:30.83 ID:EvoRb8FRo

鎮守府正門前。
「ふぃ~、ここまでくれば大丈夫だな」
瑞鶴は緊張の糸が切れたかのようにぺたりと座り込む。
「よかったぁ…翔鶴姉も、雪風も無事で…ぐすっ」
「瑞鶴、お前が泣いてちゃさまにならんだろ」
提督が苦笑する。
「翔鶴、瑞鶴。今日はいろいろ迷惑をかけたな。すまない。そして、ありがとう。それと…」
雪風を抱きしめ、耳元でささやくように、
「雪風、ごめんな」
「うっ…ぐす…うわぁぁあぁん! 雪風も、雪風も、悪がっだでず、ごべんなざい…!!」
堰を切ったように泣き出す雪風。
「よしよし。さぁ、うちへ帰ろう」
「仲直りできたようで、よかったです」
翔鶴が微笑む。
「そうだな…翔鶴」
「何でしょうか?」
「帰ったら雪風と瑞鶴と一緒に風呂入って来い。せっかくの美人さんが台無しだぜ」
「もー提督、何どさくさ紛れに姉さんを口説こうとしてるんですか!」
突っかかる瑞鶴を無視してもう一言付け足す。
「風呂上がったら俺のところへ来い。間宮さんのアイスを奢ろう」
「そうだった! 翔鶴姉、急ごう!」
「あっ、瑞鶴慌てないで」
翔鶴が引きとめようとするも、瑞鶴はもう遥か先。
「仕方ない子ね、もう…」
「じゃ、俺たちも後を追いますか」

53 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/05(火) 00:40:17.64 ID:EvoRb8FRo

深夜。ほとんどの艦娘が寝静まるころ。

提督は未だ起きていた。
「あー、日課はサボるもんじゃねーなー。こっちの書類に判を押して、
 この書類には『海軍としては陸軍の案には断固反対である』と記して、と…」

コン、コン、と控えめなドアのノックの音。
「開いてるぞ」

そっとドアが開き、雪風が入ってきた。
「しれぇ…」
その瞳は潤み、体は小刻みに震えている。
「どうした、雪風」
「怖くて…一人じゃ、眠れないです…」
「…そうか、今日は辛かったもんな…。おいで」
雪風は、提督に手招かれで近づき、そのまま体を預けるように倒れこむ。
「ぐすっ、ぐすっ…」
しばし、執務室に雪風の泣き声のみが響く。

「…落ち着いたか?」
雪風の頭をなで、提督が優しく問いかける。
「ひっく…ひっく…うん…」
雪風は力なくうなずくものの、大丈夫そうには見えない。
簡易ベッドをちらりと見る。
(二人だと少々狭いが、まぁ密着すれば大丈夫だろ)
そっと雪風を持ち上げ、ベッドのところまで運ぶ。
「ちょっと布団の中で待ってろ。寝巻きに着替えてくる」
「うん…」
雪風の体を包むように布団を掛け、提督は寝巻きに着替えることにした。

「狭いけど、我慢してくれよ」
そう言って提督は雪風のいる布団にもぐりこんだ。
「しれぇ…」
雪風は提督の体を離すまいとするようにしがみつく。
「助けてくれて…ありがとう…ござい、ます…ぐしゅ」
「気にするな。ほら、枕はお前が使え」
その言葉に、雪風はふるふると首を振る。
「枕は、しれぇが使ってください…。雪風は…こっちのほうがいいです…」
雪風はそう言うと、提督の二の腕に頭をもたせかけた。
「まったく…他のヤツ、特に青葉に見つかったら大問題だぜ?」
そう言いながらもまんざらでもない表情で、雪風の背に、枕にされてないほうの腕を回す。
「んぅ…」
雪風がわずかに身じろぎ、より強く提督に抱きつく。
「しれぇ…」
「なんだ?」
「こんな、泣き虫で我侭な雪風、嫌いですか…?」
「そんなことは無いさ。というか、皆の中では一番好きだな」
「…うっ、しれぇ…しれぇ…ゆきかぜも、しれぇが…だ、い…すき…ぐしゅ」
「そんなに慌てなくても、逃げやしないから大丈夫、大丈夫」
雪風の背中をやさしく叩く。
「は、はい…」
「辛かったり、苦しかったりしたら泣いていい。
 泣いて、泣いて、涙と一緒に悲しいことを押し流せ。
 泣くための胸ならいつだって貸してあげるから」
「しれぇ…うっ……ぐす…うわぁぁぁぁぁぁぁん!!」
今までこらえていたものをすべて出すかのように、雪風は泣いた。
「よしよし…」

54 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/05(火) 00:41:36.40 ID:EvoRb8FRo

しばらくして。
「ぐす……ひっく……Zzz」
泣き声は収まり、いつしか寝息に変わっていった。
「泣き疲れて眠ったか…」
服の袖で雪風の涙の跡を拭う。
「しっかし、俺も駄目な提督だな」
雪風の安らかな寝顔を見ながら一人ごちる。
「こんなに慕ってくれてる子に対してつっけんどんな態度をとったり泣かしたり」
「しれぇ…すきぃ…」
雪風の寝言。
「これでまだ好きだっていえるんだからたいしたタマだよこいつぁ」
上に向き直り、目を閉じる。
「…今日は疲れたな」

皆が皆、どう思っているかはわからない。
終わりの見えない戦いだ。辛いこともあるだろう。苦しいこともあるだろう。
それでも、皆ついてくると言うのなら。
彼女らの想いに応え、導き進まねばならない。
それが自分の役割なのだから。

55 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/05(火) 00:43:50.15 ID:EvoRb8FRo

「……もう朝「…青葉、見ちゃいました!!」
目覚めるとドアの向こうに青葉の姿。
自分の横には腕枕した状態で抱きついている雪風。
どう見ても最悪の状況です本当にありがとうございました。
「青葉ぁ…? 何故ここにいる?」
「いやですねぇ。今日は青葉を旗艦にして練度を上げる予定だったじゃないですか。サブ島攻略のために」
「あぁ、確か予定はしてた」
「で、秘書艦の仕事も兼ねて起こしにいったら、ねぇ?」
「今見たことは忘れろ」
「こんな面白いスキャンダル、青葉一人の胸のうちにしまっておくなんて出来ません!」
ドアを閉めて遁走する青葉。
「くっそ、待ちやが やべ腕しびれてる というか雪風を無理やり剥がすわけにも…はぁ」
溜息を付き、雪風の頭を撫でる。その顔は微笑みを浮かべていた。


今日も鎮守府は平和です

おわり


65 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/06(水) 01:08:57.66 ID:11x3x7O+o
4だったのでE-1編。

注:深海棲艦はイベントボスを見る限りカタカナの台詞ばっかですが読みにくいなどの理由により通常の台詞でお送りいたします。

サーモン諸島海域にて

ル級エリ「いやー、苦労の甲斐あってサーモン諸島海域警備の総旗艦だよ。すごくない?」

駆逐ニ級「でもここ最前線ですよね氏ねってことですよね」

ル級エリ「大丈夫大丈夫、この先は鉄底海峡。艦娘のトラウマをえぐるために忠実に再現した地獄。
      こんなところまで来る物好きはいないって。その名を聞くだけで排水口からドバドバよ」

駆逐ニ級「仮にも旗艦なんですからそういう下品な例えは慎んでください」

ル級エリ「はいはい、おや前線のカ級の部隊から通信だ。なんだい。漁船でも発見したかい」

カ級エリ『敵部隊、接近中です! 敵構成、巡洋戦艦1、正規空母3、重雷装巡洋艦2!』

ル級エリ「…え? マヂ?」

カ級エリ『現在交戦中dあべし! 痛い!』

ル級エリ「……仕方ないわね」

通信機の周波数を全隊共通のものにあわせる

ル級エリ『全艦隊、敵勢力を迎撃せよ!!』

66 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/06(水) 01:11:46.06 ID:11x3x7O+o

無論、迎撃できるわけもなく。

ル級エリ「こ、この先はアイアンボトムサウンドだぞ!? 恐ろしくないのか!?」

赤城「アイアンボトム…? 知らない子ですね」
蒼龍「なにそれ、おいしいの?」
北上「あー、もうやっちゃいましょ」
加賀「鎧袖一触よ。心配いらないわ」
大井「海の藻屑となりなさいな!!」
金剛(アイアンボトムサウンドと言われてもソロモン海海戦に参加してない子ばっかりデース…)

ル級エリ「こうなったら私達で止めるしか…! って…あれ、他のみんなは?」

金剛「…大変残念ですが、貴方がラストデース」

ル級エリ「え、ちょ、ちょっとまっ」

向けられる砲。響く轟音。

ル級エリ「アバッ、アババーッ!?」

提督「ミンチよりひでぇや」

67 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/06(水) 01:15:55.47 ID:11x3x7O+o

雪風「しれぇ」

提督「なんだ?」

雪風「何で雪風出撃させてくれなかったんですか?」

提督「あ、いや、まぁ、強行偵察のつもりだったんだが普通に突破しちゃったし…」

雪風「雪風もしれぇのお役に立ちたいのにひどいです!」(ポカポカ

提督「それに練度極まってるしなぁ…。経験は金剛に回したいし」

雪風「ぐすっ、ぐすっ」

提督「次は夜戦だから出番あるって」

雪風「ほんとですか?」

提督「ほんとほんと。…しかし夜戦って嫌な思い出しかないんだよなぁ。大丈夫かなぁ」

雪風「雪風、頑張ります!」

提督「ま、よろしく頼むぜ」

68 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/06(水) 01:18:27.56 ID:11x3x7O+o

たのしいE-1 おわり(巻雲掘れるらしいので戻ってくるかも)

というわけで次は普通に第三話書こうかと思います。
…話書き始めるか終えるかしたらageたほうがいいのかなぁ。



72 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/08(金) 01:17:05.20 ID:4xkjuwZho

決意を新たにしたところで何が変わるわけでもない。
そう思っていた時代が俺にもありました。

「はーい鎮守府の準備できましたよー!」
倉庫の扉をバンと開け、唐突なことを言い放つ猫吊るし。

「鎮守府だぁ?」
「えぇ、執務室に入渠ドック、艦娘のための寮にお店までついてなんとタダ! タダで使えちゃいます!」
「税金か?」
「はい。というわけで無駄遣いはしないでくださいね。あと店の品物は有料なのでその辺もよろしくね」
「何それしょっぱい」
「最低限のものは政府から支給されますから。タダで」
「税金か?」
「はい。防衛費の1%を組み込んだ一大プロジェクトですから」
「そんなもん一介の漁師に任せんな馬鹿」
「見込みがありそうだったので」
「ありそうで済ますな。全く。今日は家帰って寝るか」
「では鎮守府へご案内」
「だから家へ帰るって」
「だから改築して鎮守府にしました」
「あ?」
「貴方の家を、鎮守府に」
「おいぃ!? ちょっと待ておい!?」
提督の抗議の言葉を無視して艦娘たちに話しかける猫吊るし。
「貴方たちは寮生活になるからね。本来艦種ごととかに分かれてるけど、まぁ今は艦も少ないし、適当な部屋で寝ればいいと思うよ」
そう言いながら猫吊るしは寮と思しき大きな建物のほうへ向かう。
「わかりました。ほら、雪風…って寝てるわ…」
いつの間にやら雪風は初霜にもたれかかって眠っていた。
「しかたねーな。俺が運ぶか」
「あ、魚雷発射管は私がお持ちします」
提督と初霜で分担して雪風を運び、猫吊るしの後を追った。

73 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/08(金) 01:20:14.34 ID:4xkjuwZho

「これが寮、ねぇ」
コンクリづくりの急造されたとしか思えない建屋。とはいえこれが半日で造れるようなものでないことはわかる。
とりあえず寮に入り、手近な部屋のベッドに雪風を寝かせ、初霜に後のことを頼む。
部屋を出ると猫吊るしが待っていた。
「どうですかこの寮」
「なんというか殺風景だな」
「艦娘も女の子です。人が増えれば飾りつけとかも為されていくでしょう」
「そういうもんかね」
「じゃ、鎮守府本館行きましょうか」
そう言うと猫吊るしは廊下を歩き出す。後を付いていくと、そこは自分の家だった。
…居間がめちゃくちゃ広い食堂になっていることを除けば。
「…おい?」
「あ、居間と台所は狭すぎるんで勝手に拡張しておきました。風呂については、艦娘たちは入渠ドックのほう使うので改造してません」
「今朝はこんな風にはなってなかっただろ!?」
「それで紹介したい娘が三人います」
「スルーすんな!!」
やはり提督の抗議は聞き入れられず。
猫吊るしは『関係者以外立入禁止』の札が貼られている戸を開ける。出てきたのは三人の女性。
割烹着を着た優しそうな女性。
「間宮です。食事については私にお任せください」
眼鏡をかけた黒髪ロングの秘書っぽい女性。
「大淀(仮)です。日々の任務の管理について担当しています。よろしくお願いします」
クレーンを背負った姉御肌の女性。
「明石(仮)だ。入用なものがあったら言ってくれ」

「よろしく…って(仮)って何だよ(仮)って!?」
「まだ公式には名前を秘されてるので…」
大淀と名乗った女性が代わりに答える
「任務娘やアイテム屋娘だとちょっと語呂が悪いし呼ぶのに不便だからねー。うん」
明石が付け加える。
「あと……、任務って何だ?」
「目標の見えない戦いは空虚です。目標を設定してそれをこなすことでモチベーションの向上を図ります。
 もちろん達成したあかつきには報酬も出ます。政府から出てますのでごあんしんください」
「税金か?」
「はい。資材等の現物支給ですが」
「現金でくれよ!?」
そこに割って入ってくる間宮。
「まぁまぁ提督さん。落ち着いてくださいな。お腹も空いてきたでしょう?」
「それは…、まぁそうだな」
「では、夕食作りますからちょっと待っててくださいねぇ」
そういって鼻歌を歌いながら台所に向かう間宮。
「じゃあ私たちも一緒に頂きましょう」
そういって椅子に腰掛ける猫吊るし。明石と大淀も席に着く。
「全く何がなにやら…」
ぶつくさ言いながら提督も座る。


提督食事中…

「うめぇ!!」
「でしょう?」

74 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/08(金) 01:21:14.47 ID:4xkjuwZho

「では、お腹いっぱいになったところで執務室行きましょうか」
猫をぶん回しながら階段を上っていく猫吊るし。
「これ俺んちの二階じゃねーの?」
「えぇ、丁度おあつらえ向きの部屋がありましたのでそこを改築して執務室に」
「嫌な予感しかしないが」
などと雑談してるうちに両開きの立派な扉の前までたどり着く。
「もしかして」
「もしかしなくても執務室です」
「いやそうじゃない。ここ俺の部屋のはずだったろ。こんなでかい扉はなかったけど!」
「開けますよー」
例によって例のごとく提督の慟哭は無視される。

中には山と積まれたダンボール。提督の私物は一つもない。

「……あのー」
「猫吊るしに、何か落ち度でも?」
「ここにあった俺の物は?」
「全部倉庫に入れて錠前かけておきました」
「返せよ!!」
もはや今日一日で何度叫んだかわからない。
「留守の間に盗まれたら大変じゃないですか」
「留守の間に押し入って家を丸ごと改造するヤツの台詞じゃねーだろそれ!」
「でもご安心ください」
「なんだよ」
「ベッドは用意してあります!」
猫吊るしの指差すほうを見ると確かに簡素なベッドがある。
「そうじゃなくて」
「風呂は一階です!」
「自分の家だし知ってるよ!!」
突っ込みどころが多すぎて頭を抱えるしかない。
「あー、もういい。これは全部夢だったんだ。艦娘なんていないし家も改造されてない。風呂入って寝て目覚めればいつも通りの生活だ」
「これが現実です。現実って残酷ですね」
「徹頭徹尾お前のせいだろうが」
「そもそも深海棲艦がいなければこんなことをする必要もなかったのであいつらのせいです」
「もっと別のやり方もあっただろ!?」
「防衛費の1%しか割当たっていない弱小プロジェクトなので、費用は節約したいのです」
「さっき一大プロジェクトって言ってたでしょぉ!?」
「さぁさぁ今日は忙しかったことだし風呂入って寝ましょう。明日は今日より忙しいですよ!!」
「俺の話を聞けよぉぉぉぉぉ!?」

75 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/08(金) 01:23:00.38 ID:4xkjuwZho

実際疲れたので(主に突っ込みによる疲労)風呂に入った後は泥のように眠った。
そして日はまた昇る。

「しれぇ、しれぇ」
「んあ…、雪風か?」
自分を揺り起こす雪風の存在が、昨日のことは夢ではなかったと認識させる。
「おはよう、雪風」
「おはようございます、しれぇかん!」
屈託のない笑顔とともに挨拶を返す雪風。
「……つーかなんで雪風が俺の部屋にいるんだ?」
「『提督を起こすのも秘書艦の勤め』って猫持ってる人が言ってました!」
「秘書艦という概念はまぁわかりそうだからいいとして猫吊るしェ…余計な入れ知恵しやがって」
ベッドから起き上がる。机の上に白い軍服が昨日かぶっていた帽子と一緒に置かれている。これを着ろということなのだろう。
…見た目子供とはいえ女性の前で着替えるのはどう考えてもまずい。
「あー、雪風。着替えるからちょっと外出てろ」
「あのぅ…」
「なんだよ」
「『着替えを手伝うのも秘書艦の勤め』って猫持ってる人が」
頬をほんのり染めながら雪風が返答する。
「猫吊るし、出てこいやゴルァ!!!」

…前途多難な提督が鎮守府に着任しました。

76 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/08(金) 01:31:34.16 ID:4xkjuwZho

第三話、おしまい。こいつらちゃんと深海棲艦駆逐するつもりあるんですかね?

小ネタをひとつ書いてから第四話、これだ…!

1.イベント攻略編SS(E-2編)
2.艦これの謎一問一答(深海棲艦がどこから来たのか、などの謎な点をこのスレの世界観でSS形式で答える)
3.キス島攻略編SS(時系列すっとばして先に書く!!)
4.提督と雪風と誰かでなんか日常的会話(誰かの名前書いてあったら優先的に、なかったら改めて安価取る)

↓1以降有効レス


82 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/10(日) 00:08:26.04 ID:H6zIQwDRo

ある日の鎮守府。夜も更けた頃。

提督「ふー、今日の仕事おっしまーい。書類の6割が陸軍への反対サインを書く仕事って言うことを除けば上々だな」

提督「あまりにも多すぎるから『断固反対』の芋版作ってしまったが全く文句でないな」

提督「…というかなんで陸軍への書類を俺が署名しなきゃならねーんだよ!! 俺は漁師だろ!?」

コン、コン。

提督「開いてるよ」

扉を開けて入ってきたのは泣き顔の雪風。

雪風「しれぇ……、よかっ、た…いました…」

そのまま提督の胸元に飛び込み、泣きつく。

提督「どうした、雪風?」

雪風「うぁぁぁぁぁん!!」

泣き続ける雪風。

提督(収まるまで待つか…)

83 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/10(日) 00:09:54.71 ID:H6zIQwDRo

しばらくして…

雪風「やらぁ……いっちゃ、やだぁ…ぐすっ」

提督「落ち着いたか?」

雪風「うっ…ぐすっ……」

提督「で、どうした? 何か嫌な夢でも見たか?」

雪風「はい…。みんな、みんな死んでいって、最後にはしれぇも…」

提督「OKわかったそれ以上思い出さなくていい。辛いだろ」

雪風「しれぇは……しれぇは、いなくならないですよね……?」

提督「当たり前だろ。まだまだやることがあるのに死ねるかってんだ」ナデナデ

提督「さて、ちょいと外出て新鮮な空気でも吸ってくるか。雪風も来るか?」

雪風「はい……!」

84 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/10(日) 00:12:09.36 ID:H6zIQwDRo

提督「川内を夜の間に長期遠征に送りつけるようにしてから静かになったもんだ……まぁちょっと寂しくはあるな」

ドゥーン

提督「ん? 爆発音?」

雪風「訓練場の方からですね」

提督「こんな夜中に訓練するヤツがいるのか。ちょっと見てくるか。それにもし弾薬の爆発だったら困るし」



北上「よし、全弾命中、っと」

提督「おー、北上じゃないか。一人で雷撃の訓練か?」

北上「まー、そんなところですね」

雪風「こんばんは、北上さん」

北上「こんばんは、って涙の跡ついてるじゃん。提督に泣かされたの?」フキフキ

雪風「うにゅぅ」

提督「本人がここにいるってのに酷いなお前」

北上「ジョークですよ、ジョーク」

雪風「みんなが死んじゃう夢を見ちゃって…それで…グスッ」

北上「あー、そういうこと、あるよねー…」

提督「お前もか」

北上「長く生き延びるって言うのは何もいいことばかりってわけじゃないんですよ。特に戦争中は」

85 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/10(日) 00:15:30.43 ID:H6zIQwDRo

北上「あたしが生き延びたとしても他のみんなも生き延びるわけじゃない。友人や知り合いの死を知るのは辛いもんだよ」

北上「あたしも時々、大井っちが死ぬ夢を見たり、乗員がアレに……いや、やめよう、この話は」

提督「そういう時、お前はどうしてるんだ?」

北上「そうですねー。気分転換にこう、訓練とかしてますね」

提督「よく大井が許したもんだな。べったりひっついて離れなさそうだが」

北上「等身大抱き枕用意してそれ身代わりにしました」

提督「Oh...」

北上「で、まぁこうやって、と」

北上がボタンを押すと的となる船が流れてくる。
魚雷発射管を構えて、撃つ。容易く的が吹っ飛ぶ。

北上「こんな感じですね」

86 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/10(日) 00:18:34.50 ID:H6zIQwDRo

北上「雪風もやってみる? 気が紛れるかもよ」

雪風「…やってみます」

北上「はい、演習用の模擬魚雷発射管。五連装式だけど大丈夫だよね」

手渡された魚雷発射管を構える雪風

雪風「……いつでも行けます!」

北上「じゃ、的を流すよ~」

北上が合図すると同時に備え付けのボタンを押す。
流れてくる的。その数5つ。

雪風(これ以上皆が沈むのを見たくない……)

雪風(そのためには、もっと、もっと強くならなくちゃ……!)

雪風(皆を、守れるくらいに……!)

雪風「……艦隊を、お守りします!」

87 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/10(日) 00:21:10.50 ID:H6zIQwDRo

続けざまに放たれる魚雷。次々直撃し撃沈判定を出す的。

北上「いいねぇ、痺れるねぇ」パチパチ

雪風「…雪風、もうちょっと特訓しようと思います!」

北上「そうかい、なら付き合うよ」

提督「なんだかんだで駆逐艦娘への面倒見いいよなぁ。うざったがってる割に」

北上「んー…まぁ、ついつい面倒見ちゃって。で懐かれちゃって」

北上「ベタベタされすぎるのもちょっと、ね」

提督「そうか……」

ちらりと雪風の方を見る。一所懸命に的を撃っている。

提督「俺もいっちょ撃ってみっか。射的みたいなもんだろ?」

北上「いいですけど……雷撃は中近距離での砲撃より難しいですよ?」

提督「やってみなきゃわからんだろう? 雪風、俺にもちょっとやらしてくれ」

雪風「しれぇ、頑張ってください!」

雪風から魚雷発射管を受け取り、構える。

88 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/10(日) 00:21:42.22 ID:H6zIQwDRo

北上「いっきますよー」

提督「かもーんべいべー……そこだっ!!」

スカッ スカッスカッ

提督「(・ε・)<アルェー」

雪風「しれぇ…」

北上「基本、魚雷は砲弾より遅いですからねー。動きを予測して、偏差射撃で狙わないと」

北上「あるいは、相手に肉薄して撃つとか」

提督「難しいもんだな……」

北上「でしょう?」

提督「俺も練習するかねー」

北上「提督がー?」

提督「なぁに、書類仕事ばかりやってると体が鈍るし、深海棲艦がうろついてる現状漁もできん。別に訓練したところで害があるわけでもなし」

提督「それに雪風が頑張ってるのに俺が何もしないってのもね。ま、今後はちょくちょく訓練場へ様子見に行くかね」

そう言って雪風に魚雷発射管を返す。

提督「んじゃ、ふたりとも頑張るのはいいがあんまり遅くならないようにな~。俺は寝る!」

北上「ん、おやすみー」

雪風「しれぇ、おやすみなさい!」

89 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/10(日) 00:24:18.68 ID:H6zIQwDRo

おわり。
小ネタとは一体…ウゴゴゴ。>>33で立てた死亡フラグは昨日付でへし折りました。
あと誕生日祝ってくれる雪風ください。



92 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/12(火) 02:02:25.90 ID:7D8fxUzBo

深夜。川内も夜戦に飽きて寝静まる頃。
鎮守府に戻る者一人。

提督「…ただいま」

勝手知ったる我が家、暗い廊下を歩き、自室に戻る。
もはや着替える気力もなく、椅子に深く腰掛けもたれかかる。

提督「……はぁ、俺って何やってるんだろうなぁ」

コンコン、とノックの音。

提督「雪風か?」

雪風「しれぇ、失礼します…」

しずしずと入ってくる雪風

提督「まぁ礼とかこだわるタチでもないけどな……どうした?」

雪風「なんだか、しれぇが元気無さそうだったので心配になって…」

提督「雪風こそなんで起きてんだ」

雪風「ちょっと眠れなくって、それで、廊下を歩いてたらしれぇが帰ってきたのを見て…」

提督「そうか……。ちょっとおいで」

雪風「なんでしょう?」トコtコ

近づいてきた雪風を膝に載せ、そのまま抱きしめる。

雪風「わわっ、しれぇ!?」

提督「……。」

雪風「しれぇ、泣いてるのですか……?」

提督「……あぁ」

雪風「辛いの、ですか…?」

提督「そんな日もある」

雪風「雪風に、なにか役に立てることがあれば…」

提督「何か寂しい気分でな。こう、そばに居てくれるだけでいい……」

雪風「しれぇ……」

しばし後…

提督「雪風……Zzz……」

雪風「……眠っちゃったみたいですね」

雪風「風邪引いちゃったら困るので毛布を掛けて…」

雪風「雪風が潜って密着すれば大丈夫」

雪風「雪風がお守り…しま…Zzz…」



96 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/15(金) 00:57:20.62 ID:KcgxmwRso

仕事が忙しいと小ネタばかり脳裏に浮かんで困る

提督「全艦、出撃だ!!」

雪風「連合艦隊の出撃です!」
加賀「一航戦、出撃します」
瑞鳳「小沢艦隊の本当の力、見せてやりましょ!」
長良「水雷戦隊、出撃よ!腕が鳴るわ!」
青葉「第一遊撃部隊、出撃ですね」
長門「第一戦隊、出撃するぞ!」

提督「どれか一つに統一しろよおんどりゃー!!」(ドンガラガッシャン


104 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/18(月) 01:33:19.03 ID:bs6DsjMno

提督「着替えぐらい自分で出来るに決まってるだろ畜生めブツブツ」

何はともあれ着替えを終える。
(雪風には一時的に外に出てもらった)

提督「とはいえ、提督って何するんだ? 陸軍に反対すればいいのか?」

大淀「お答えしましょう」

いつの間にやら提督の横に現れる大淀。

大淀「まず、提督には艦娘達の指揮を取ってこの鎮守府近辺の制海権を握ってもらいます」

提督「めちゃくちゃ曖昧だな」

大淀「偵察部隊を撃破して、南西諸島方面から来る部隊を撃退して、
    製油所近辺の敵を一掃し、敵主力を完膚なきまでに叩きのめすだけの簡単な作業ですよ」

割と大変そうなことをさらりと言ってのける大淀。

提督「それを雪風と初霜の二人にやらせろと?」

大淀「もちろん戦力不足です」

提督「駄目じゃん!」

大淀「そこで、建造などを行って戦力増強を図ります。では昨日の元倉庫へいらしてください。
    私は他の仕事があるのでいけませんが猫吊るしさんや雪風さんたちもそこで待っていますよ」

そう言って執務室を出て行く大淀。

提督「……『元』? おいちょっと待てどういうことだ……?」

疑問に思いながらも昨日の倉庫へ足を運ぶ。

105 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/18(月) 01:35:02.79 ID:bs6DsjMno

昨日の元倉庫前。そこには猫吊るしが猫を吊るして待っていた。

提督「おはようの前に言いたい事があるんだが。お前いったい雪風に何吹き込んだんだ。
    朝起こしたり着替えを手伝ったりするのは秘書の仕事じゃねーから!!」

猫吊「軽いジョークですよ」

提督「本気にしてたぞ。全くブツブツ」

ぶつくさ言いながら倉庫のシャッターを開ける。
昨日のがらんとした広間に資材が積まれている、といった光景はなく、これは…

提督「まるで、工廠じゃねーか…!!」

猫吊「そうです。妖精さんたちが一晩でやってくれました」

提督「こんなの絶対おかしいよ!?」

奥にある製造装置の前では三人の艦娘が待っていた。
……三人?

提督「あの栗毛の短めおさげセーラー服誰だよ」

猫吊「白雪といいます。政府からの支給です」

提督「大量生産してんのか」

猫吊「いえ、艦娘計画のプレゼンテーション時に最低資材で造った娘をそのまま流用しただけですが」

提督「とことん低コストだな」

猫吊「実力を見せれば政府から支給される資材も増えてくるので頑張ってくださいね」

提督「実力見せろといわれてもねぇ…」

はぁ、とため息をつく。

提督「とりあえず大淀から戦力整えろといわれたんだがどのくらい造ればいいんだよ」

猫吊「一艦隊六隻なんであと三隻要りますね。配分は最低限でかまいません」

提督「何か一発どでかいの当てたほうがよくないか?」

猫吊「当たるとは限りませんし、戦艦や正規空母当たっても今の資材量じゃ極貧生活強いられますよ」

提督「妙に現実的なこと言いやがって」

ぶつくさ言いながら艦娘たちのところへ向かう。

106 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/18(月) 01:37:03.67 ID:bs6DsjMno

製造装置前。妙に物々しい4つのドラム。

(妖精が造るんだったらこれいらないんじゃねーの?)などと思うが口には出さない。

雪風「しれぇ、おはようございます!」
初霜「おはようございます、提督」
白雪「白雪です。よろしくお願いします」

提督「あー、そうかしこまらなくっていいぞ。ここに集まってるって事は既に話は聞いているのか」

初霜「はい、六隻揃えて演習に行くとか」

提督「あ? 演習? 出撃じゃなくて?」

猫吊「海でいきなり泳いでも足攣って沈むのがオチです。準備運動ってヤツですよ」

提督「……まぁ、筋は通っているが相手は誰だよ。3対3の模擬戦か?」

猫吊「防衛費の1%を使った一大プロジェクトを舐めてはいけませんよ」

提督「何度やるつもりだよそのネタ」

猫吊「とりあえず造ってください。その後演習場に行きましょう」

提督「へいへい」

107 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/18(月) 01:38:26.99 ID:bs6DsjMno

艦娘建造中……

提督「何でバーナーで炙るとすぐ完成するんだよ」

猫吊「焼きチョコは美味しいですから」

提督「資材…チョコ…うっ、頭が」

(時間軸がおかしいことについては追求してはいけない。いいね?)
108 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/18(月) 01:39:34.64 ID:bs6DsjMno
「電です」「皐月だよっ」「如月と申します」

提督「あぁ、よろしくな」

猫吊「見事に駆逐艦ばっかりですねー」

提督「何か孤児院の院長になった気分がするよ」

猫吊「かわいいでしょう?」

提督「いや強くなけりゃ駄目だと思うが」

猫吊「では、早速演習場にいきましょう」


演習場。どでかい敷地の8~9割をプールが占める屋内訓練場である。

提督「で、相手はどこだよ」

猫吊「別の平行世界の鎮守府から艦隊のデータを取り出してホログラフィー表示した相手と戦っていただきます」

提督「今ものすごくサイエンスフィクションでオーパーツな単語が聞こえた気がするんだが」

猫吊「かがくのちからってすげー」

提督「というか別世界にも艦娘がいるのかよ!? どんだけだよ!?」

猫吊「では、準備できたら行きますよー」

雪風「連合艦隊、出撃します!」

駆逐艦s「「「「「おー!!」」」」」


110 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/18(月) 01:43:31.79 ID:bs6DsjMno

対戦相手
金剛、瑞鶴、響、榛名、大和、翔鶴

提督「あー、猫吊るしよ」

猫吊「なんでしょう?」

提督「……どう見ても強そうに見えるんだが?」

猫吊「まぁ相手は元帥クラスですしね」

提督「明らかに格が違いすぎでしょぉ!? こっち新米のぺーぺーよ!?」

猫吊「元帥クラスなので仕方ないです」

提督「こっちの強さにあった奴と戦うべきじゃないの!?」

猫吊「演習の場合強い相手と戦ったほうが成長しますよ。それに駆逐だってワンチャンありますよ」

提督「そんなもんかね……って雪風どうした。目に涙浮かべて」

雪風「あ……あの……大和、さん…が…」

初霜「落ち着いて。あくまで大和さんの姿したホログラフィーらしいから」

雪風「で、でも…ぐすっ」

初霜「ほら、泣いてたら大和さんに笑われちゃいますよ? ここで頑張ってる姿見せないと!」

雪風「……はい! 頑張ります!」

提督(初霜、ナイスカバー)グッ


112 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/18(月) 01:46:50.84 ID:bs6DsjMno

そんなこんなで戦闘開始

皐月「ボクとやり合う気なの? かわい(ドクチァ」>大破<

提督「おもいっきり顔面に弾が当たってるように見えるんだが」

猫吊「大丈夫ですよ。轟沈はしませんし終了後に直しますし。弾と燃料代は自腹ですが」

提督「そのくらい出してよ!?」

猫吊「不景気なもので」


電「電の本気を見るのです!」

ドゥーン

提督「お、相手の翔鶴が中破したか!? これで相手の手数が」

ブーン ドグチァ

如月「私を…どうする気!?」>大破<

提督「昨日寝る前にちょっと読んだ艦娘説明書には『中大破した空母は交戦中艦載機を飛ばせません』とあったでしょぉ!?」

猫吊「敵の空母には適用されないのでそこらへん再現してあります。敵は深海棲艦であることをお忘れなく」

提督「ちょっと理不尽すぎやしませんかね!?」

猫吊「私が深海棲艦作ったわけじゃないですし」

113 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/18(月) 01:48:44.99 ID:bs6DsjMno

昼戦終了
提督「どう見ても全員大破です本当にありがとうございました」

猫吊「夜戦します? 大破してなければワンチャンありますよ」

提督「全員大破だって言ったじゃないですかー! やだー!! 撤退撤退!」

雪風「しれぇ、ごめんなさい…」グスッ

提督「いや謝ることはねーって」ポフポフ

提督「…しかしこんな強いのと戦い続けるのが演習なのか?」

猫吊「いえ、他の相手は艦隊の実力相応ですが」

提督「そっち先に出せよ!!」


艦娘演習中……

提督「あー、普通に戦えてるなー…」

猫吊「でしょう?」

提督「だからなんでお前がドヤ顔してんの?」

114 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/18(月) 01:50:12.06 ID:bs6DsjMno

提督「よし、皆よく頑張ったな」

演習と補給を終えた皆の頭を撫でる。こころなしか皆嬉しそうである。

提督「さて、出撃するぞ! 全員ついてこい!」

雪風「はい! 頑張ります!」
初霜「初霜、出撃します!
白雪「頑張っていきましょう!」
皐月「皐月、出るよ!」
如月「如月…出撃します!」
電「なのです!」


猫吊「……まぁここから地獄の道が始まるんですけどね」

第四話、おしまい


117 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/20(水) 00:16:27.46 ID:12EhByDvo

長門建造記念に一本小ネタ投下


提督「あー、鉄が余ってきたな……。たまにはまともに建造するか。狙いは改最上型!」ビシッ

開発妖精「お? やるのやるの?」

提督「いくぜいくぜ。どんと戦艦レシピやってこい!」

開発妖精「あいあいさー!」

>1:20:00<

提督「違うな」

>1:25:00<

提督「これも違う」

>5:00:00<

提督「あら、あらあら」

提督「……念のためバーナーを」指パッチン

開発妖精「ふぉいあー!!」

ジュワァ

>0:00:00<

雪風「新しい仲間がシンスイしました!」

提督「毎度思うが浸水しちゃ駄目だろ」

雪風「進水ですよ! しれぇ!!」

提督「冗談はともかく陸奥であることを確認して誰に合成するか…」

??「戦艦長門だ。殴り合いなら任せておけ」

提督「( ゚3゚)<嘘っ!?」

長門「何でもアイアンボトムサウンドとやらで艦隊決戦が行われると聞いてな。急いで駆けつけてきたぞ」

提督「あー、その事なんだが…」

長門「?」

提督「もう終わっちゃった」

長門「えっ」

武蔵「よろしくな」

ながもん「ええっ」

提督「終わってなくても支援艦隊行きだったんじゃないかなーとは思うけどね」

ながもん「ナンデ!? 主力艦隊ジャナイナンデ!?」

提督「だって低速水上打撃部隊で速度統一すると資材がものすごい勢いで吹っ飛ぶし…」

ながもん「そ、そんな…待ちに待った艦隊決戦が……」

提督「……まぁいつかチャンスはめぐってくるさ。たぶん。そのときはよろしく頼むよ」

ながもん「そうだな。来る艦隊決戦に向けて鍛錬だ!」タッタッタッ


提督(……もう陸奥はLv70あるんだよなぁ……追いつけるのかなぁ。武蔵も改装済みだし…)

提督(……というか鈴谷と熊野ェ…)


125 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/20(水) 01:20:17.96 ID:12EhByDvo

次回予告:提督と三時のおやつと鳳翔さん

提督「な、なんだこのチョコチップクッキーの山は!!」
鳳翔「さすがにそのネタは旬の時期が過ぎてると思います」

という展開ではないと思いますのでお楽しみに!!


126 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/21(木) 00:09:56.80 ID:fJh/oVWro

あぁ雪風と甘々ラブラブしてぇ
話には全く関係ないけどここだけの話、前の話の演習相手は元ネタがあったりする

という訳で番外:鳳翔編はっじまっるよー


127 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/21(木) 00:11:49.99 ID:fJh/oVWro

提督「潜水艦か…潜水艦かぁ……潜水艦ねぇ……ブツブツ」

コン、コン

提督「開いてるよ」

鳳翔「失礼します」

提督「鳳翔か、珍しいな。どうした?」

鳳翔「おかきが焼けましたので、ここら辺で一つ休憩して、お茶にいたしませんか?」

提督「そうだな……、ここらで一息入れるか。鳳翔も一緒にどうだ?」

鳳翔「はい、ご一緒させていただきます」

……提督こたつに移動中

128 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/21(木) 00:12:57.77 ID:fJh/oVWro

ボリボリボリボリ

提督「はふー。うめぇ」

鳳翔「まだたくさんありますから、慌てなくても大丈夫ですよ」

提督「それもそうだな」

そういいながら先ほどまで検分していた資料を改めてぱらぱらとめくる。

鳳翔「その資料は…?」

提督「西方海域の資料だ。潜水艦だらけでヨーロッパ方面の通商がとても危険だそうな」

提督「それはそうとキス島攻略部隊の育成はどうなってる?」

鳳翔「第六駆逐隊の皆さんは全員改造が終了しています。逐次近代化改装中です」

提督「よしよし」ズズー

鳳翔「島風ちゃんと雪風ちゃんは改装も完了していて後はこつこつ練度をあげるだけです」

提督「鳳翔も育成の護衛お疲れ様だ」

鳳翔「ありがとうございます…。あと、少し気になることが二点」

提督「なんだ?」ボリボリ

鳳翔「一つは雪風ちゃんがたまに浮かない表情してるんです」

提督「雪風も女の子だからなー。俺にはいえない悩みもあるだろうて」

鳳翔「放っといていいんですか?」

提督「こういうのは向こうから悩みを持ち込んでくるのを待つのが肝要だ。こっちでいじくっても大体ろくな事にならん」ズズー

提督「で、もう一つは?」

鳳翔「ここ数日、バケツと資材が夜の間に減ってるんですよ」

提督「ふーん? 艦娘以外には特段使い道ないから泥棒が入るとは考えにくいが。相当間抜けな泥棒でも1日で金にならん上足が付くと気づくはずだ」

提督「あ、でもボーキが減ってると困るな。何か政府はボーキ出すの渋ってるし」

鳳翔「ボーキは減ってないようなんですよねぇ。資材はそこまで減ってはいないんですが、バケツは一晩6個から8個ぐらいなくなってますね」

提督「……よし。わかった。まぁ川内のせいだろ。うん。夜戦してひとっ風呂浴びて夜戦してひとっ風呂浴びてるんだろ」

鳳翔「なるほど……。っていいんですか放っといて?」

提督「彼女は夜戦中毒だからね。仕方ないね」ボリボリ

鳳翔「はぁ」

提督「ごちそうさま、っと。ま、何か手は打つさ」

鳳翔「お粗末さまでした。それでは失礼いたします」

提督「じゃ、また何かあったら相談に乗るぜー」

バタム

提督「……まぁ、真犯人のあては付いてるけどねー」

果たして、真犯人は!? そして雪風の浮かない顔の原因は!? 次回、キス島撤退攻略編へ続く!!


134 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/22(金) 23:33:27.13 ID:jGSFJNXEo


~犯人はどのお姉さん? 問題編~

提督「正規空母諸君。今回君たちに集まってもらった理由は他でもない」

提督「昨晩と比べてボーキが減っていた! 具体的には自然回復分除いて25Kぐらい!!」クワッ

提督「さらに鋼鉄も大体25Kぐらい減ってた!!」

提督「さらにさらに弾薬も1.1Kぐらい減ってた!!!」

提督「さらにさらにさらに燃料も1Kぐらい減ってた!!!!」

提督「あまつさえ開発資材までも100個なくなってた!!!!!」

提督「というわけで正規空母諸君、心当たりのあるものは手を上げよ」

*正規空母の部屋割は一航戦、二航戦、五航戦の二人一部屋となっている。
*昨晩の秘書艦は陸奥
*電探のレシピは10/11/251/250
*以上の補足事項と提督の台詞から犯人を当てよ。なお共犯は有りうるものとする

1.赤城 2.加賀 3.蒼龍 4.飛龍 5.翔鶴 6.瑞鶴 7.その他

~解答編は正解が出るか数名外したら~


138 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/23(土) 15:58:56.20 ID:fD84/Xyio

~犯人はどのお姉さん? 解答編~

雪風「しれぇ」

提督「何だ雪風」

雪風「昨晩、しれぇは『電探作るぞうっひょぉぉぉぉぉ!』とか奇声上げながら工廠に飛び込んでいきましたよね」

提督「あー、あの時はテンションあがってたんだけど32号・14号が100回やって1個も出なかったんだよなぁ。あまりに酷いんで忘れてたてへぺろ(>ω・)」

正規空母一同「「「「「「……」」」」」」

提督「すまん。俺だって、一発博打をうちたくなる事ぐらい……ある」

「第一次攻撃隊、発「鎧袖一触よ、心「よし、友永隊、頼ん「アウトレンジで「直援隊も「攻撃隊、発艦始め!」」」」」」

提督「ぎにゃぁぁぁぁぁぁ!!」

雪風「自業自得ですよ、しれぇ……」



139 : ◆jf7rnHhSH2 [saga]:2013/11/25(月) 01:40:46.85 ID:TPKR1WCko

実はスレの方針が迷走してるんじゃないかと心配になってきた。まぁ自分が書きたいものを書けばいいよね!!

というわけでキス島編・前編投下しますー


140 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/25(月) 01:42:04.64 ID:TPKR1WCko

「キス島ねぇ…」

上層部から新たな指示を受けた提督。
それは、駆逐艦のみで構成された水雷戦隊で以ってキス島に取り残された兵たちを撤退させよというものだった。

「ダルい!」

書面を机に叩き付ける。

「そもそもうちで改造レベルまでこぎつけてる駆逐艦、雪風だけじゃねーか」
提督は目を瞑り、こめかみを指でつつき始めた。
「……よし決まりだ。水雷戦隊を構成しろって命令は無視。結果を出して対処する」
「しれぇ、いいんですか?」
心配そうに雪風が問いかける。
「漁師に突然提督業やらせるような連中の話なんてまともに相手してられっか。
 雪風。全力出撃の用意だ。旗艦陸奥、他は日向、山城、扶桑、赤城、加賀。この6人で行く」

141 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/25(月) 01:42:55.96 ID:TPKR1WCko

そしてキス島沖。

「何だよこの海流…」

露骨に操作されているとしか思えないほどの激しい渦。

「確かキス島の南東部、このあたりが合流地点よね?」
陸奥が地図を指差し確認する。
「そして海流は北向き、と。あっちのほうには空母や戦艦が見えるんだが?」
「はい、あの部隊と戦うのは得策ではないと思われます」
提督の問いに、飛ばしていた彩雲を回収しながら赤城が答える。
「まるで流砂だな。足を下ろしただけで流されるのがわかる」
一足先に海面に降りた日向がつぶやく。
「…どんな無理ゲーだよ」
「艦隊の構成によって、羅針盤を操作し海流の流れを変えることも可能らしいわ」
そう答えたのは加賀。
「まさか駆逐艦のみで構成しろっていうのは」
「知っていたのでしょうね。この海域のことを」
「畜生!! あいつらめ!! そういうことは先に言えってんだ!!」
加賀の言を遮るように提督が叫ぶ。
「不幸だわ…」
「くっそ、もうヤケだ。そこの海流の先にいる前衛部隊ボコして帰るぞ。索敵は?」
「完了しています」
「いつでも発艦できるわ」
提督の問いに応える赤城と加賀。
「オーケイ。航戦組はどうだ?」
「準備万端だ」
「こちらも問題ありません」
「いつでもいけます」
「よーし、陸奥。爆撃がすんだら一発残存兵力にお見舞いしてやれ」
「任せて」
「では…出撃だ!!」

142 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/25(月) 01:44:23.66 ID:TPKR1WCko

「意外とあっけなかったな」
帰りの船の中で、机上の海図を見ながら提督がつぶやく。
「えぇ、そうね。半分は普通の艦でしたし」
向かいに座っている赤城が答える。
「…深海棲艦は大体同じ構成を同じ場所に張ってくる。もう何度か調べてみよう」
「何か、お考えが?」
「沖ノ島海域を大艦巨砲主義ですりつぶすことを決断して以来、重巡以下の皆の実戦経験が少なくなってきたからな。
 まともに動く的を狙えないようでは話にならん」
「駆逐隊が必須ですからね」
「それに相手は見たところ水雷戦隊だ。潜水艦を出せば優先的に狙ってくるだろう」
「イムヤさんとゴーヤさんですね。…危険な気もしますが」
「まぁ回避訓練だと思えば。それに彼女らも最近入ったばっかで経験が足らん。ここらでひとつ育ってもらおう」
143 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/25(月) 01:45:05.72 ID:TPKR1WCko
「というわけで、しばらくキス島攻略準備シフトに移る。
 キス島の近海の水雷戦隊を相手に駆逐艦たちに実戦経験を積んでもらう。
 潜水コンビを囮に、空母2、戦艦で敵を殲滅、二人育成枠をローテーションで回す。
 育成枠は雪風、島風、暁、響、雷、電の6人だ。
 すでに改造済みの雪風を除く5人は改造できるまで練度があがったら報告すること。改造と近代化改修を行う。
 疲れたら休憩、補修や補給は適当にやってくれ。補修に時間がかかりそうならバケツを使ってもいい。
 遠征については暁たちが抜けた穴を初春、子日、初霜、若葉で埋める。…何か質問は?」
「はーい」
「島風か。なんだ?」
「私たちが選ばれた理由って?」
駆逐艦娘たちのほうから、私も知りたい、といった同意の呟きが漏れる。
「あぁ、簡単なことだ。島風と雪風は回避力に優れるし、
 第六駆逐隊の4人は前から遠征を続けてて、練度自体はそこそこある。
 …それとももっと突拍子もない理由をでっち上げてほしかったか?」
「いえ、いいです…」
「何はともあれ、今回は包囲網を突破して撤退するのが目的だ。さくっと育ってさくっと救出しよう」

144 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/25(月) 01:47:34.14 ID:TPKR1WCko

場面は変わって北方海域に向かうぷかぷか丸の上。
乗り込むは提督の他、雪風、島風、第六駆逐隊カルテット。

「とはいえ、相手がどのくらいの強さかわからないとどこまで育てればいいかわからないよなー」
「そこで威力偵察というわけだね、司令官」
「正解だ、響。もしかしたら改造や改修行わなくてもいけるんじゃないかなーという甘い考えもあるぞ」

などと言っている間に作戦海域に到着する。

「羅針盤は…南東か。明らかに流れが変わってるな。よし、出撃だ!」
「「「「「「おー!」」」」」」

艦娘戦闘中……

「一戦目は難なく突破、と。次いってみよう!!」
「私には誰も追いつけないよ!」
調子に乗って高速で突き進む島風。

遠くから響く砲撃音。

「……!? 島風、一時方向から砲撃!!」
「お"う"っ!?」

間一髪避けたものの、今の砲撃は直撃したら大破は免れ得ないものだった。
嫌な予感がする。

「島風ちゃん、大丈夫ですか!?」
「へーきへーき。だって速いもん!」

雪風が島風の安否を心配する。
とりあえず島風はおじげづく様子はなさそうである。
他の四人も追いついてくる。

「敵艦見ゆ! ……ってあれは……!!」
暁が指差した先。そこには……

145 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/25(月) 01:49:01.23 ID:TPKR1WCko

「ル級の、エリート……だと……!?」

禍々しい赤いオーラを纏った、巨砲を両手に構える人型。

「おいおいおいおい、冗談じゃないぜ……!?」

それも、二隻。背後には重巡リ級も見える。どう考えても駆逐艦たちの相手には荷が勝ちすぎる。

「艦隊、単横陣を取れ! とにかく回避して粘る!」


もちろん、無理、無茶、無謀であった。

「ふにゃぁぁ!?」

駆逐艦達に浴びせられる砲弾の嵐。

「何よもう!雷は大丈夫なん「大丈夫じゃねーよ!! 退くぞ!!」

その圧倒的な火力は、

「暁が囮になるわ! 皆は早く逃げ…きゃん!」

そこに高い壁があると思わせるに十二分だった。

「これは少し恥ずか「恥も外聞もねーよ逃げろよ!!」

一方で雪風は…

「あ……みんな…みんな……やられちゃう…沈んじゃう……」
「雪風ちゃん、おっそーい! ほら、手握って! 急ぐよ!」

涙目になっている雪風を島風が引っ張っていく。

「雪風、島風! 後ろからもう一発来るぞ!」
「えっ!?」
「雪風ちゃん! 危ない!!」

前に突き飛ばされる雪風。着弾音。くずおれる島風の体。

「あの一瞬で後ろに回ったのか…ってそんなこと言ってる場合じゃねぇ! 急いで回収だ!」

146 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/25(月) 01:51:18.76 ID:TPKR1WCko

艦娘撤退中……

「しれぇ、島風ちゃんが……雪風をかばって…!!」

雪風が悲痛な声で叫ぶ。
魚雷発射管をおろして甲板に横たわる島風の手をとって脈を計る。

「……脈はあるし呼吸もある。ちょっとばかり気を失ってるだけだ。あ、紐パン切れてやがるナンデキレルンダ」

暁たちの様子も見る。気絶はしていないものの全員ぼろぼろである。

「暁たちも…ダメっぽいな。とりあえず艤装おろして船室のベッドで休んどけ。いったん帰ろう」
「うぅ……」
「頑張ったがダメって時もあるさ。強くなってからまた来よう」

舵輪を握り提督はひとりごちる。

「しっかし、あんなのが守ってちゃ無理ゲーだな……。いやホント島に残された人は大丈夫なのかね」

147 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/25(月) 01:52:23.32 ID:TPKR1WCko

鎮守府に戻り、風呂を浴びて、寝床について。

ベッドの中で、雪風は泣いていた。

「みんな……、雪風が、雪風が悪いんです……」

「雪風が一緒にいると……。みんな……」

「今日だって……みんな、危険な目に、あって…」

「島風ちゃんも……雪風をかばって……」

「雪風は……皆が沈むところなんて……見たく…な…グスッ」

148 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/25(月) 01:55:35.31 ID:TPKR1WCko

キス島編前編おわり

欲望に任せると雪風が泣いて提督がそれを慰める話ばっかになりそうなので
>突然の安価<
前回は2レスになってしまったが1レスで終わるようなるべく努力する提督と艦娘の小話書くよ!!
↓1以降有効艦娘で(既出なら安価下)


149 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/11/25(月) 02:11:52.25 ID:shOfFflzO

ヒエー


152 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/25(月) 06:43:43.05 ID:TPKR1WCko

そっか比叡かーこれは雪風泣かせないといけませんねー

というわけで比叡に決まりましたのでごゆっくりお待ちください


154 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/26(火) 01:41:16.47 ID:IEp8JSaoo

それはキス島攻略のための訓練中のことであった。
毎度のごとく深海棲艦を鹵獲しては解体するいつものこと…。

提督「さーて、今回の雫(ドロップ)はー?」ドスッ

チ級エリ「ウボァー」

開けた穴に手を突っ込む。…掴んだ感触がいつもと違う。

提督「これは、ヌルリ、と来たぜぇ……!!」

金剛「誰をGet!!しましたカー?」

提督「こいつぁ間違いなく金剛型の感触……!! だが、金剛・榛名・霧島、既にいるどの三名とも違う……!!」

金剛「Oh... ということは…」

提督「訓練中断! 鎮守府に帰投するぞ!!」


工廠

提督「ククク……これで大淀と猫吊るしの鼻をあかしてやれるぜ…!!」

ドサッ、と妖精の前に置かれる雫…とチ級の遺体。

開発妖精「はいはーい、んじゃ艦娘にするよー」

提督「しかし慣れって怖いなー。人型の深海棲艦解体しても何も思わなくなってきた」

開発妖精「『これ解体するのはちょっと』とか言いながらヲ級をそのまま持ち込んだこともあったっけ」

提督「今じゃあいい思い出だ」

開発妖精「はーい出来ましたー」

比叡「比叡です!」

提督「よろしくな。他の姉妹はとっくに着任してるぜ」

比叡「お姉さまも!?」

提督「もちろんだ。金剛なら榛名や霧島と一緒に食堂で待機してるんじゃね?」

比叡「会いに行ってもかまいませんか!?」

提督「いいぞ」

比叡「気合! 入れて!! 行きます!!!」ピューン

提督「姉妹揃えろって大淀から言われてるし一緒に居てm……もう行っちまいやがった」


提督「というかよく艤装背負ってあんな速度で走れるな……」

155 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/26(火) 01:42:20.86 ID:IEp8JSaoo

鎮守府玄関付近

比叡「ここが鎮守府ですね! お姉さま! 比叡が今行きますよー!!」ダッ

意気込んで駆け出した比叡。だが横から雪風が!!

雪風「……」トボトボ

比叡「わっ、と、と、と!」

ドン!

しりもちを付く雪風。

比叡「あっ、ご、ごめん、大丈夫?」

手を貸し、雪風を助け起こす比叡。

雪風「こちらこそごめんな…さ……あ……」

比叡「ん? どうしました?」

雪風「ひえ、い、さん……」

比叡「はい、比叡ですよ?」

雪風「……ぅ…う"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ん!! ごべんなざいごべんなざい"ぃ"ぃ"ぃ"!!」ギュムッ

比叡「え、ちょ、ちょっと。怒ってないから落ち着いて」

雪風「ひえ"-ざんごべんなざい"、ごべんなざい"……グシュグシュ」


提督「ふー、追いついた、ってなにやってんの」

比叡「あー、その、司令、この子とぶつかったら突然泣き出しちゃって何言っても謝るばかりで……」

提督「……雪風と聞いて心当たりは」

比叡「……あ! まさか……」

提督「雷撃処分の件だろうよ。確か猫吊るしが言ってた」

比叡「あー……あのことかぁ……」

雪風「ひぐっ……ひぐっ…許じで……ぐだざい…」

比叡「もう、しょうがないなぁ……。よいしょっ、と」

そう言って雪風を抱き上げる比叡

比叡「伝達の齟齬があったとはいえやってしまったことはしょうがないですからねぇ」ホッペブニュブニュ

雪風「うにゅぅ……」グスッ

比叡「そうですねぇ…。今すぐ泣き止んでお姉さま達のお茶会に一緒に参加するなら、許してあげますよ?」

雪風「!!」

目をパチクリさせ、目元の涙を袖で拭う雪風。

雪風「はい! ご一緒します!」

提督「よかったな、雪風」ポフポフ

雪風「えへへ」

提督「じゃ、あいつらも待ちくたびれてることだろうしとっとと食堂行こうぜ」

比叡・雪風「「はい!!」」

156 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/26(火) 01:45:36.67 ID:IEp8JSaoo

おしまい

スレタイ、泣き虫雪風と変人提督のほうが良かったかなぁとか微妙に思い始めている。
更に原題たどると泣き虫雪風とキチガイ提督だったがそこまでイカれてないしなぁというわけで今のようになったんだけど


161 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/27(水) 00:38:09.64 ID:enRgX6xko


鎮守府の堤防。ここだけは昔と変わらず政府も手をつけていない。つける必要がなかっただけとも言うが。
そこに立つ男が一人。

提督「やはり釣りというのは一人で静かにやるもんだよなぁ。そーれっと」

針に餌をつけ、釣竿を振るう。
程なくして、竿が引っ張られる感触が伝わってくる。

提督「こいつは当たりだな。大物だぞ……!!」

引きにあわせて時に慎重に、時に大胆にリールを巻き戻す。
そして……!!

提督「うぉぉぉぉぉらっしゃぁぁぁぁ!!」

海面から飛び出す黒い影!! それは……!!

駆逐ロ級「やぁ」

提督「……」

ザクッザクッザクッ

猫吊るし「おおっと、提督、横にあった銛で容赦なくロ級を突き刺したぁ!!」
猫土下座「ロ級が砲を構えるより早いです! これは抵抗できません!!」
猫パンチ「さらに抜いては刺し抜いては刺しの滅多刺しです! これはR-18ものですね! Gのほうだけど」
猫ガード「これは茶の間にはお見せできませんね」

駆逐ロ級「」ビクンビクン
提督「実況すんな、というか猫吊るしよ、そいつら誰だよ」

猫吊るし「妹ですが」

提督「お前に負けず劣らずタチ悪いな。そもそも何しに来たんだよ俺は一人で釣りがしたいんだよ」

猫吊るし「冷やかしです。それに海産資源は大体深海棲艦に取られてて釣りしても引っかかりませんよ」
猫土下座「むしろ駆逐あたりがわざと引っかかって釣り人を狙う事故が急増」
猫パンチ「危ないので今現在釣りは全面的に禁止されてます」
猫ガード「深海棲艦を釣りたいなら止めはしませんが」

提督「というか鎮守府の目の前まで深海棲艦来てるほうがおかしいでしょぉぉぉぉ!?」

猫吊るし「どこでボロ竿振ってもコイキ○グが釣れるのと一緒です」

提督「もうやだ平和な時代に帰りたい」

猫吊るし「というわけで深海棲艦の撃滅頑張ってください。平和になれば元通りですよ」

提督「やればいいんだろやれば!! 畜生!!」


なお、出撃した海域で敵を蹴散らした後しばらくは釣りに最適と気づいたため、
提督はぷかぷか丸に釣り用具一式をを用意するようになりました。


163 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/27(水) 01:18:14.02 ID:enRgX6xko

わかるかー? キス島編後編書いてたはずなのになんで小ネタのほうがババっと書き上がってしまうんだよ!?

いっそ開き直ろう。本編考えながら小ネタを考える。これだ。
1レスで終わるようなるべく努力する提督と艦娘の小話書くよ!!
↓1の有効艦娘で(既出ないし艦娘とかじゃない場合安価下)


164 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/11/27(水) 01:42:37.56 ID:VQDtsfTWo

如月


168 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/28(木) 01:29:50.70 ID:TfYY+Bp6o

提督「ふー、布団かぶってコタツでみかん食うのは最高だねぇ」

コンコン

提督「どーぞ」

如月「失礼いたします。書類をお持ちしました」

提督「ほいほい。書類は執務机に置いといて」

如月「わかりましたわ」

提督「お疲れ様。ついでだし、こたつで暖まってけ。みかんはもう全部食っちまったが」

如月「いいんですの?」

提督「俺も休憩中だ。構わん構わん」

如月「それでは失礼しますね」モゾモゾ

提督「うん。ところで」

如月「なんでしょうか、司令官?」

提督「何で対面でも横側でもなくて俺と同じほうに入ってるんですかね」

如月「ほら、密着したほうがあったかいでしょう?」モゾモゾ

提督「それはそうだが、っておい普通に布団の中までくるのかよ」

如月「密着するには近づかなければなりませんもの」

提督「全く、しょうがないヤツだな」

ひょい、と如月をひざの上に座らせる。

如月「うふふ、特等席ですわね」

提督「そうか」

如月「あったかくて、信頼できる人に守られてる感じで、なんかこう…幸せ、って感じかしら…?」

提督「かもなぁ」アタマナデナデ

如月「あふ…安心したら……眠く…なっ…て…」Zzz...

提督「眠っちゃったか……って、これ、動くに動けねぇ状況じゃねぇの!?」

提督「……まぁいっか」

結局、如月が起きるまで本を読むなどして座って過ごした提督であった。

169 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/28(木) 01:31:20.57 ID:TfYY+Bp6o

おしまい。

青葉出してオチつけようかと思ったが別にオチに拘る必要はないよね!
キス島後編頑張って書こう。



171 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/28(木) 23:30:23.55 ID:TfYY+Bp6o

小ネタを振り続けると主人公が雪風だということを忘れそう


提督「初めて会った時から気になってたんだが…」

雪風「なんでしょう?」

提督「その頭頂部のそれと側頭部のラッパみたいなのなんなんだよ」

雪風「この頭頂部のは九四式3型方位盤照準装置と言って、射撃管制に使うものです!」

提督「ほうほう」

雪風「側頭部のは22号対水上電探です! ほら装備図鑑見てください」

提督「ほんとだ。形同じだわ」

雪風「えっへん!」

提督「その割には索敵は並程度(*)だな」

雪風(じわっ)


*雪風の素の索敵は最大39(一般の駆逐艦と同様)、夕雲型42、時雨改二43、ヴェールヌイ・夕立改二49。
ま、まぁ改二で丹陽になれば多分上がるし(震え声)



181 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/11/30(土) 22:55:01.92 ID:5MaEJtzgo

キス島沖、ぷかぷか丸の上。
撤収しようにもエリ戦を五体満足でかわさねばならないので駆逐艦を中心に訓練中であった。
訓練の様子を見ている少女が一人。

雪風「……」ポケー

むしろ訓練の様子すら見えていないかもしれない。虚ろな瞳で海の向こうを眺めているというべきか。

雷「元気ないわね。そんなんじゃダメよ!」

雪風「雷……さん…?」

雷「雪風ちゃん、この前の威力偵察以来なんだかポケーっとして元気ないから様子見に来ちゃった!」

雪風「……そんな、こと…」

雷「悩みごとがあるなら私が聞いてあげるわ!」

雪風「……」首フルフル

雷「あ、言いにくいことなら別にいいのよ? 代わりにこうやって…」ギュッ

雪風「……う…ぐすっ……うぁぁぁぁん……」

雷「そうそう、もっと私を頼ってもいいのよ? 辛かったらいつでも言ってね?」

雪風「ぐすっ、ぐすっ…」

雷「よしよし、いっぱい泣いて、いっぱい寝ましょ。訓練のことは司令官になんとか言ってごまかしておくから」

雪風「うん…」


提督「ん? 雪風の訓練? しないよ? 改造済みだし練度の差付きすぎてるから実際必要なのは改修だけなんだよなー」

雷(あれー、ごまかす必要とかなかった?)


183 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/04(水) 01:04:46.90 ID:waIEcY0vo

投下と透過を間違えていることに気づいた
しかも本編が遅々として進まない

ので小ネタで気分転換
↓1の有効艦娘で(既出ないし艦娘とかじゃない場合安価下)


184 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/04(水) 01:06:38.47 ID:8RYpVKuYo

高翌雄



187 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/04(水) 22:43:04.75 ID:drkR4n3Eo

高雄「こんにちは、高雄です。貴方のような素敵な提督でよかったわ」

提督「こちらこそよろs……んん? 何かがおかしい。ちょっとさっきの台詞をもう一度、ゆっくり繰り返してみてくれ」

高雄「こんにちは」

提督「今は昼だし問題ない」

高雄「高雄です」

提督「カカオデスに聞こえたが問題はそこじゃない」

高雄「貴方のような素敵な提督で」

提督「そこだ!! 何で初対面なのに素敵かどうかわかるんだよ!? 初着任だろ!?」

高雄「社交辞令です」

提督「それならいいや」

高雄「というのは冗談で妹から提督について聞いてたので」

提督「え、社交辞令のほうが冗談なのっていうかいつ連絡取ったの!?」

高雄「私たちが艦船の魂から作られているというのはご存知ですよね」

提督「万物に神宿る日本的アニミズムだなーとは思ってるが」

高雄「同型艦ぐらい近しければ互いに意思疎通できるんですよ。霊魂パワーで」

提督「マジで」

高雄「姉妹艦が居ないのに姉妹に言及する子這いませんでしたか?」

提督「あー……」

~~~

伊勢「どうなのさー日向ー」
扶桑「山城、大丈夫? 砲撃よ」
翔鶴「瑞鶴、出撃よ」

~~~

提督「……あぁ、納得した。別にイマジナリーフレンドならぬイマジナリーシスターに話しかけてるわけじゃなかったんだ」

高雄「そういうことです」

提督「でも傍目電波なのは変わらないが」

高雄「それはいいっこ無しです」

提督「で、誰から…って妹といってたし愛宕か」

高雄「摩耶ですが」

提督「えっ」

高雄「摩耶と鳥海も妹ですよ? あまり似てないって言われますけど」

提督「あいつ等が同じ高雄型というのもびっくりだが…摩耶がねぇ(図鑑ペラペラ)お、マジだ、高雄型だ」

高雄「ちょっとつっけんどんな所もありますけど、割としっかり貴方のこと見てますよ」

提督「そうか…」


その後、提督の摩耶を見る目が優しくなったことに摩耶本人が気味悪がったことはまた別の話。

188 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/04(水) 22:43:56.36 ID:drkR4n3Eo

高雄「こんにちは、高雄です。貴方のような素敵な提督でよかったわ」

提督「こちらこそよろs……んん? 何かがおかしい。ちょっとさっきの台詞をもう一度、ゆっくり繰り返してみてくれ」

高雄「こんにちは」

提督「今は昼だし問題ない」

高雄「高雄です」

提督「カカオデスに聞こえたが問題はそこじゃない」

高雄「貴方のような素敵な提督で」

提督「そこだ!! 何で初対面なのに素敵かどうかわかるんだよ!? 初着任だろ!?」

高雄「社交辞令です」

提督「それならいいや」

高雄「というのは冗談で妹から提督について聞いてたので」

提督「え、社交辞令のほうが冗談なのっていうかいつ連絡取ったの!?」

高雄「私たちが艦船の魂から作られているというのはご存知ですよね」

提督「万物に神宿る日本的アニミズムだなーとは思ってるが」

高雄「同型艦ぐらい近しければ互いに意思疎通できるんですよ。霊魂パワーで」

提督「マジで」

高雄「姉妹艦が居ないのに姉妹に言及する子這いませんでしたか?」

提督「あー……」

~~~

伊勢「どうなのさー日向ー」
扶桑「山城、大丈夫? 砲撃よ」
翔鶴「瑞鶴、出撃よ」

~~~

提督「……あぁ、納得した。別にイマジナリーフレンドならぬイマジナリーシスターに話しかけてるわけじゃなかったんだ」

高雄「そういうことです」

提督「でも傍目電波なのは変わらないが」

高雄「それはいいっこ無しです」

提督「で、誰から…って妹といってたし愛宕か」

高雄「摩耶ですが」

提督「えっ」

高雄「摩耶と鳥海も妹ですよ? あまり似てないって言われますけど」

提督「あいつ等が同じ高雄型というのもびっくりだが…摩耶がねぇ(図鑑ペラペラ)お、マジだ、高雄型だ」

高雄「ちょっとつっけんどんな所もありますけど、割としっかり貴方のこと見てますよ」

提督「そうか…」


その後、提督の摩耶を見る目が優しくなったことに摩耶本人が気味悪がったことはまた別の話。


198 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/06(金) 23:11:39.96 ID:AlQQG2bjo

提督「戦艦レシピよーし」

建造妖精「あいよー」

>1:30:00<

提督「来たか…。バーナーを」

ザザザッ

提督「背後に気配!?」クルッ

「我輩が利根である!!」
「僕が最上さ!」
「筑摩と申します」

提督「やめろ!!」

シュボボボボ

建造妖精「できたよー」

熊野「ごきげんよう。わたくしが重巡熊野ですわ」

提督「よしよし」ドヤァ


別の日

提督「鈴谷さえくれば戦艦レシピとはおさらばだ。いくぞ!」

建造妖精「あいよー」

>1:30:00<
>1:30:00<

ザザザザッ

提督「背後に気配!? しかも一人増えてる!?」クルッ

「我輩が利根である!!」
「僕が最上さ!」
「筑摩と申します」
「わたくしが重巡熊野ですわ」

提督「やめろよ!!!」


なお利根と最上だった模様(ギリッ



202 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:04:15.97 ID:i9xTfOs5o

さて、キス島編、後編いってみよー

前編:>>140-147

一行でわかるあらすじ:キス島攻略に参加することになった雪風だが僚艦の中大破連打でトラウマ抉られました

203 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:05:40.56 ID:i9xTfOs5o

「……ぐすっ、目が、覚めちゃいました…」

「雪風がいるから……皆が…傷つく…」

「……皆が居なければ、誰も傷つかない…」

「そっか……そうだよね……こんな簡単なこと……」


泣き虫雪風と釣り人提督・キス島編:後編


雪風は体を起こし、もう一つのベッドを見る。
そこには島風がぐっすり眠っている。
「ひとりぼっちは寂しいもんな」という提督の考えで雪風と相部屋になっている。

大きな音を出さないよう自分の艤装を装備し、そっと部屋を出る。

「……傷つくのは雪風一人だけでいいんです…」

204 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:08:03.65 ID:i9xTfOs5o

キス島沖にある小島。猫吊るしが作った(と自称している)転移装置によりあっという間に移動できるため、遠方の海域へも行き帰りが容易である。

「……よいしょ、っと」

資材置き場から持ってきた高速修復材、燃料、鋼鉄、弾薬を下ろす。一人で持ち運ぶには限度があるのでそう多くはない。
ダメなら出来るまで何度でも。作戦を終わらせてしまえば誰も苦しまない。

「雪風……出撃します!!」


気合や精神論でどうにかなるなら戦争はとっくに終わっている。
それに雪風一人である。一人であっさりどうにかなるほど甘いところでもない。

「やっぱり一度じゃ無理ですね…」

雪風は満身創痍で小島に帰還した。

無言で高速修復材と鋼鉄、燃料を使い自らの傷を治していく。

そして、燃料と弾薬を詰め込み、再び沖へと向かう。

「でも、雪風は…沈みませんから…」


「うぅ~……」

傷つく、修復する、補給する、沖へ向かう。

「……」

傷つく、修復する、補給する、沖へ向かう。

そうこうしているうちに修復材がなくなる。

「……また明日、ですね」

205 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:11:40.82 ID:i9xTfOs5o

数日後、資材庫にて。

「ん~、バケツの数があわんなぁ。資材も少々なくなっている。政府からの支給分とトントンだが」

ぶつぶつぼやきながら資材の量を勘定する提督。

「まぁバケツや資材は艦娘が補修とかに使ってるならいいけどねぇ。泥棒だとちょっと困る」

白墨で壁に数字を書きつけながらなおもつぶやく。

「なくなったバケツの数に対し、持っていかれてる資材の量が少ない。
 軽巡以上の修復ならもっと鋼鉄を持っていかれているはず。潜水艦は本当に微々たる物だがそれよりは多いので除外」

さらに式を書き連ねる。

「それに加えて、減っている弾薬と燃料の比と予測される鋼鉄減少量からの燃料の消費、そしてその他もろもろを考えると…」

カッ、カッ、カッ ポキッ

「……そういうことか。まぁ打てる手を打って、しばらく様子を見るか」

折れた白墨を適当に投げ捨てながら、提督は資材庫を後にした。

206 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:13:32.76 ID:i9xTfOs5o

「…雪風が…雪風がやらなくちゃ…」

その日の夜も、雪風はキス島に挑んでいた。

戦艦の砲撃を浴び、重巡の砲撃を浴び、時には駆逐艦の魚雷を浴び。

そのたびに引き返しては補充を繰り返す。

それを何度も繰り返し、修復材がなくなったのを確認して鎮守府に帰還する。

「今日もダメでした……」

そっと部屋に戻り、艤装を解除して布団に潜る。

「ぐすっ……ぐすっ……」

207 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:14:55.90 ID:i9xTfOs5o

キス島攻略開始から一週間後…

その夜もまた、雪風はキス島へ出かけるために艤装をつけ、部屋を出た。

パタン、と戸の閉まる音。そのかすかな音は寝たふりをしていた島風の耳に届いた。

(……ホントだ。提督の言ってた通り、雪風ちゃんが夜中出歩いてる…)

ベッドのそばにいつも置いてある艤装はない。
トイレに行くのにいちいち装備する必要はもちろんないので用を足しに行ったとは考えづらい。

(もしかして、どっかに出撃してる?)

ベッドを降り、手早く艤装を装備し、連装砲ちゃんたちに合図をする。

「私たちはこれから雪風ちゃんを追います。みんな眠ってるから静かに、迅速にね」

そっとドアを開け、島風も雪風の後を追った。


「出撃してるなら転移装置の先かなぁ…」

鎮守府、港湾部分。遠方への作戦のために転移装置が設置されている。
そして、その行き先は北方海域を指している。

「ま、行けばわかるよね!」

そういって島風は海面をすべり、勢いよく転移装置に飛び込んだ。

208 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:16:05.34 ID:i9xTfOs5o

(……あれは、雪風ちゃん?)

転移地点のそばにある島に上陸し、島風は木陰から様子を伺っていた。
丁度、雪風が出撃から戻ってきて補修を行っているところだった。
補修が終わったのか雪風は立ち上がり、再び沖へ向かっていった。

(一人で、頑張ってるのかな……)

沖へ出て、ボロボロになっては戻って、補修して。
沖へ出て、ボロボロになっては戻って、補修して、の繰り返し…。

(なんだか、辛くて苦しそう。何が雪風ちゃんをそうさせるんだろう)

沖へ出て、ボロボロになっては戻って、補修して。
沖へ出て、ボロボロになっては戻って、沖へ出て…。

(……あ、もうバケツが無くなったんだ。だからそのまま沖に)

「……ダメでしょ!?」

209 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:17:24.11 ID:i9xTfOs5o

何度も何度も挑んでも、いっぺんたりとて抜けられない。幸運艦でも無茶がある。

擦り傷切り傷打ち身に焦げ跡。治すそばから出来ていく。

艤装はボロボロ、服はズタズタ、瞳に光は灯らない。

「ゆきかぜが……ゆきかぜが、やらないと…」

フラフラになりながら小島へ戻る。
弾と燃料を補給し、修復材を掴もうとする。がその手は空を切る。

「……なくなっちゃった」

明日はキス島出撃の日。今夜のうちになんとかしないと、また皆が傷つく。
雪風はくたくたの体を無理やり動かして、キス島へ足を向ける。

「……ゆきかぜが、いなければ……いいの、かな……」

艦娘は基本沈むことはないが、大破した状態で出撃を続けた場合は例外で、沈むときは存外あっさり沈む。
もちろん、不沈艦と呼ばれた雪風も例外ではない。そもそも前世では中破以上したことがない。

暗い考えに思いをめぐらせながら戦闘海域へ入る。
紅いオーラを纏った戦艦の巨砲が、雪風を狙う。
雪風の虚ろな瞳に涙が浮かぶ。

「しれぇ……みんな……さようなら…」

そう雪風がつぶやくと同時に響く砲撃音。砲弾は過たず雪風の居るところに落下していく。

210 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:19:05.47 ID:i9xTfOs5o

その刹那、思いっきり腕を引っ張られた。
まるで、あの世に逝く魂を無理やり引き戻すように。

「何やってんの雪風ちゃん!!」
「島風…ちゃん…?」
「話は後! 今は逃げるよ!! 連装砲ちゃん、援護して!!」

転びそうになるくらいの無茶な速さで、降り注ぐ砲弾の嵐の中、島風は雪風を曳航していった。

追手は連装砲達の砲撃で牽制し、それ以上の追撃を許さない。

「全速で離脱するよ!」


転移装置を抜け、鎮守府に戻っても島風の足は止まらない。

艦娘用ドックに入り手早く雪風の艤装と服(もう殆ど着てないも同然だったが)を脱がせ、浴槽に投げ込んだ!

上がる水柱。目を回したまま仰向けに浮かぶ雪風。幸いにして入浴している艦娘は他にいなかった。

ちなみに入渠ドックの湯に使われている入浴剤は艦娘に対して薬効効果があるため、怪我した状態で入っても安心である。

「はぁ……はぁ……。汗かいちゃった」

そう言うと島風も服を脱ぎ、雪風を追って浴槽に飛び込んだ。

211 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:22:03.71 ID:i9xTfOs5o

「う……あ…うみのそこ…? あったかい……」
「何寝ぼけてるのよ」
「へぶっ」

意識を取り戻した雪風の顔にぱしゃり、と島風がお湯を浴びせる。

「ここは……」
「入渠ドックよ。煤だらけになっちゃったからよく洗わないとね。……それより」

雪風の額に指を突きつける。

「私が救助間に合ったからいいけどもう少しで沈んじゃうところだったじゃない! あんなボロボロの状態で出撃するなんて何考えてんの!?」

ぐりぐりと人差し指を雪風の額に押し込む

「あぅぅ……、だ、だって……。雪風と一緒に出撃したら……みんな沈んじゃうんじゃないかと思うと、怖くて…」
「怖くて?」
「雪風がいなければそんな心配をしな」

ペシッ。
言い終わる前に島風のデコピンが雪風に叩きこまれていた。

「なーにバカなこと言っちゃってんのよ」
「あぅぅぅ……」

ふくれっ面の島風に涙目の雪風。

「私達は艦娘なんだから、そうそう簡単に沈んだりしないって! それに…」
「それに……?」
「雪風ちゃんが沈んだらわたs皆が悲しむんだからっ!!」
「島風ちゃん……」
「そ、それに提督だって悲しむはずだし! 多分!!」
「……うん……グスッ」
「ほらほら泣いてたらもう一回顔洗わなきゃなんないし、ね? さっと洗って傷の手当して寝ましょ?」
「そうだね…」

212 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:24:16.04 ID:i9xTfOs5o

風呂から上がり、着替えて自室に戻る二人。雪風は服がボロボロなので補修を妖精さんに任せ、備え付けの浴衣に着替えた。

棚から救急箱を取り出し、雪風の手当を行う島風。

「島風ちゃん、しみるよぉ~…」
「このくらい我慢我慢。ガーゼを当てて、包帯巻いて、っと。あとは一晩寝れば大丈夫」
「ん……ありがと」

艦娘の治癒力は高い。特に駆逐艦や潜水艦などは適切な治療を施して数時間休めば元気いっぱいである。

「はいはい、お布団入って寝ようね。明日は強行偵察という名の出撃の日なんだから」
「うん……ところで」
「何?」
「なんで雪風の布団に一緒に入ってきてるんですか?」
「また抜け出さないように見張るためだから!」

島風はそう言うと抱きまくらにするかのように雪風を抱きしめた。

「あぅ~」
「抜けだしたっていいよ? 私から逃げ切れる自信があるなら、だけどね」
「さすがにそれは無理だよ…」

それ以上の反論もなく二人は深い眠りに落ちていった……。

213 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:26:12.95 ID:i9xTfOs5o

翌日……

「おっしゃー、強行偵察の名目で突破しに来たぞー! 一週間前とは違うってことを奴らに見せつけてやるぞ!」
「やる気だね、司令官」
「まぁ俺がやる気出しても仕方ないがな」

再びキス島南部。全員の改造が終わり、改修もだいたい済ませての再挑戦。

「戦艦は倒そうと思うな。牽制しながら逃げ切れ。では……全艦、抜錨、出撃!!」


「敵艦見ゆ! 戦1重1軽2駆2、いずれもエリートクラス、なのです!」

電の索敵報告。以前より相手の構成が甘めである。

『よし、とにかく避けて避けて避けまくれ!! 落とせるなら軽巡や駆逐は落とせ! 雷撃戦で魚雷を撃たせるな!』
「了解よ、司令官!」

飛び交う砲弾、上がる水柱。
狂気の沙汰としか思えない海の上を少女たちは突き進む。

214 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:27:47.20 ID:i9xTfOs5o

「敵駆逐ハ級、1隻撃沈!」
『よっしゃ、よくやった暁…左舷からくるぞ!』
「わっ、とと! …ありがと、司令官」

「そんな攻撃、当たんないわよ!」
「敵軽巡ト級大破、なのです!」
『よし、押し通れ!』

「私には誰も追いつけないよ!」
『島風、ル級の砲撃来るぞ!』
「島風ちゃん、危ない!」
『雪風!?』

雪風が島風を庇うように体当りする。盛大に上がる水柱。

『雪風、島風、大丈夫か!?』
「雪風は大丈夫です!」
「私も雪風ちゃんが庇ってくれたので大丈夫です!」
『おーけー。敵陣に突っ込め! 魚雷発射後、即離脱だ!!』

6隻分の魚雷発射音。そして上がる爆音。

「こちら響。敵軽巡ト級撃沈」
『深追いの必要はない、離脱だ』
「こちら雪風。全員航行に支障なしです!」
『よし、舵を東北東に取れ! 島の包囲艦隊を撃破せよ!』

215 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:29:14.73 ID:i9xTfOs5o

結論から言うと、包囲艦隊はやる気のないレベルだった。

「拍子抜けね」

そんな暁の言葉通りの強さでしかなかった。

「さてさてここで、えーと(パラパラ)守備隊を回収して帰るわけだが」
「お、ひとだひとだー」

わらわら現れたのは迷彩服にヘルメットをかぶった妖精たち。

「え、守備隊って」
「我々ですよ~。基地作って自給自足できるよう設備整えたはいいんだけど不要だとわかった直後に島を包囲されちゃってねぇ」
「うんうん。食糧とかの心配はなかったんだけどずーっと居座られて、なんかこう、うざったい?」

世間話でもするような軽い調子で話す守備隊妖精たち。
正直脱力ものである。

「まぁともかく、撤収するから荷物まとめて船に乗り込んでね……」
「あいあいさー」

216 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:32:19.67 ID:i9xTfOs5o

そんなこんなで鎮守府に帰投。

「今日はお前らよく頑張ったな」

暁の頭を撫でる。

「もう子供じゃないって言ってるでしょ!」
「俺に比べりゃ戦艦空母の艦娘含め全員外見年齢的に子供だよ」

続いて響の頭を撫でる。

「響もこういうのは好きじゃないか?」
「……嫌いじゃない」

雷の頭も撫でる

「司令官、も~っと私を頼ってもいいのよ?」
「そうだなー。考えておくよ」

電の頭も撫でる

「よしよし」
「あ、あの…ありがとう…」

島風の頭も撫でる

「お疲れ様、だな」
「えへへ~」

そして雪風の頭の照準装置を外し、手を彼女の頭に載せ…

力いっぱい、五指を内側へ折り曲げる!!

217 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:35:23.73 ID:i9xTfOs5o

「あだだだあだ!? しれぇ!?」
「俺が何も知らんと思ったか?」
「ごめんなさいごめんなさい資材くすねてごめんなさい!!」
「俺は資材は自由に使っていいといったから別にそっちで謝る必要はないんだがな」
「じ、じゃあ…」
「島風に見張らせて正解だったわー。なーんで大破状態で島風に曳航されて帰還してたのかなー執務室から見てたよー」
「ご、ごめんなさい…ひっく、ひっく…」
「俺を苦しめたい、ってんでもなければ二度とすんなよー」

ぽふ、と頭を軽く叩き、照準装置を元に戻す。そして持ち上げぎゅっと抱きしめる。

「お前は俺の大事な相棒なんだからよ」
「しれぇ…」

ゆっくりと雪風を下ろす。

「よし、説教おしまい! 皆で間宮のアイス食いに行くぞ!」
「「「「「「わーい!」」」」」」


こうしてキス島撤退作戦は無事に完了した。

218 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/09(月) 01:36:28.54 ID:i9xTfOs5o

その翌日…。

「アルフォンシーノ方面進出だぁ? だるい! 陸奥・伊勢・日向・扶桑・赤城・加賀! 全力出撃だ!!」

艦娘出撃中……

「敵前衛艦隊突破しました」

「敵護衛空母群、撃滅しました」

「敵泊地艦隊壊滅させてきました」

「うっそーん!?」

キス島編:おしまい

219 : ◆jf7rnHhSH2 [saga]:2013/12/09(月) 01:38:56.28 ID:i9xTfOs5o

ふー、ちかれた。

しかしこの提督なんかエロいことしそうにないんですが。
提督が暴れまわる話も書きたいなぁ

まぁそれはともかくいつも通り小ネタで気分転換
↓1の有効艦娘で(既出ないし艦娘とかじゃない場合安価下)


220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/09(月) 01:58:38.68 ID:7Kf+PYbMo

祥鳳


223 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/10(火) 00:58:44.16 ID:8phyaMeJo

人間、安価取っておいて別のネタが浮かんできてしまうこともあるのです。
これも皆小説版のせいなのです。>>220は今週中には消化するから(震え声)


224 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/10(火) 00:59:17.05 ID:8phyaMeJo

執務室。提督は働いて…はいなかった。文庫本を読んでいた。
読み終えたのか本を閉じ、机に置いた。

提督「……なかなか面白い話だった。よし、こっちも負けてられん」

深海棲艦生息域報告書を開き、目当ての情報に目を通した後、得心したように頷く。

提督「よしよし、後は面子だが……」

>第二・第三艦隊が遠征から帰投しました<

提督「丁度いい。鎮守府内放送のスイッチは、っと…」

ピーン↑ポーン↑パーン↑ポーン↑

提督『今から呼ぶ六名は直ちに執務室に来るように。陽炎、皐月、長月、霰、曙、潮。
   また、第二・第三艦隊の入れ替えを行う。第二・第三の睦月型全員外れて第二に吹雪、白雪、初雪、深雪。
   第三に朝潮、大潮、満潮、荒潮。軽巡4名はそのまま。準備が完了したらタンカー護衛と鼠輸送任務に付くこと。以上』

ピーン↓ポーン↓パーン↓ポーン↓

提督「さてさて…」


しばし後…


提督「よしよし、全員揃ったようだな」

曙「いったい何の用なのよクソ提督」

提督「簡単に言うと諸君らには出撃してもらう」

六人「!?」

提督「なぁにそんなに大したことではない。製油所近辺の敵主力を撃滅するだけだ」

陽炎「いったいどういう風の吹き回しで…」

潮「それに私たちが選ばれた理由は…」

提督「そうだな。猫吊るしが密林で発見したというこの本。なんでも別の世界の艦娘の話だそうだ」

そういいながら先ほど読んでた本を手に取る。

提督「陽炎主人公で他五名が僚艦なわけだが、この話のハイライトがル級率いる敵艦隊との決戦だ」

だいぶ話の筋がゆがんでいる気はするがまぁそれはそれである。

提督「ネタバレなんで戦闘結果の詳細は避けるがともかくうちでもやってみようということで」

鎮守府周辺の海図をびしりと指差す。

提督「ちょうど製油所近辺敵主力が似たような構成だしな」

皐月「そんなミーハーな理由でいいの…?」

提督「無思考だとオリョールかキス島沖かサブ島になるし…。それにたまには出撃しないと錆付いちまうし」

長月「そうだな。駆逐艦だと侮ってもらっては困る」

提督「というわけで艦隊名は第十四駆逐隊! 旗艦は陽炎! 旗艦バッチ付けるぜ」

陽炎「了解! 陽炎、抜錨します!」

225 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/10(火) 01:00:05.87 ID:8phyaMeJo

艦娘戦闘中……

提督「さすがに駆逐改ともなると軽巡ぐらいは余裕で食えるな」

羅針盤妖精「海流、南東よーし」

提督「よーし、敵主力に接近中。単縦で突撃、敵艦隊を撃滅せよ!!」


ル級「いらっしゃい、子猫ちゃん達。沈めてあげ(バスンバスン)ちょ、痛い、普通に痛い!!」

霰「効いてる…」

曙「ふふ~ん、まだまだ行くわよ!」

ル級「チ級! ヘ級! 何やってんの!?」

皐月「あそこで沈んでるのがそうだと思うけど?」

チ級「」(ゴボゴボ

ホ級「」(ブクブク

長月「よーし、敵駆逐撃沈」

イ級「あべし」

潮「やりすぎじゃないかなぁ」

ル級「くそ、一人でも道連れに!(ドン」

皐月「当たらないよ!」

陽炎「全艦、魚雷有効射程圏内! 魚雷発射用意!!」

ル級「えっ、ちょ、ちょっと待って」

陽炎「撃てー!!」

ル級「たわばっ!!」チュドーン


陽炎「第十四駆逐隊、帰投しました!」

提督「おつかれさーん。しかし全く危なげなさ過ぎるぞ。ドラマもミラクルもクソもねぇ」

霰「苦戦はしないほうが良いと思う…」

提督「まー実際そうだけどさー。曙が大破するぐらいの意気込みは見せてもらわないと」

曙「何名指しでさらりと酷い事いってるのよこのクソ提督!!」

提督「この話でも曙が大破して危うくおっとこれ以上はネタバレだ。ともかく今日はお疲れ様だ。帰ったら皆に間宮のアイスおごろう」

みんな「やったー!!」


ちなみにこの後提督が曙に脛蹴られて悶絶してたがそれはまた別の話。


226 : ◆jf7rnHhSH2 [saga]:2013/12/10(火) 01:01:27.84 ID:8phyaMeJo

おわり。「陽炎、抜錨します!」は曙が可愛いですね(宣伝)


231 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/13(金) 01:37:20.55 ID:1+792Iqpo

うん、ぎりぎり1レスに収まりそうだな祥鳳編。というわけで投下



232 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/13(金) 01:38:17.35 ID:1+792Iqpo

鎮守府の訓練所。ボタン一つで標的を流したり、各種模擬弾や模擬魚雷などが取り揃えてあったりするやたら設備の整った屋外施設である。

艦娘のみならず最近は提督も利用している。

ドムッ ドムドムッ

提督「46サンチも良いけどやっぱ15.5副だなー。この感覚は病み付きになるね。うん」

提督「しかし、副砲といえば一つ気になることがあるんだが…」

祥鳳「どうしましたか?」

提督「おをぅ!? っと祥鳳か。丁度よかった。聞きたいことがある」

祥鳳「私に答えられることなら」

提督「何で空母って中射程副砲装備で第二次攻撃が早まるんだ?」 *ここでの第二次攻撃とは砲撃戦一巡目のことである。

祥鳳「それはですね。発艦に副砲を利用するからなんですよ」

提督「なんと」

祥鳳「普通は弓や式を使っていますが、砲を利用すると再装填が早まり、発射速度も速くなるので威力が高まります」

提督「もう全員に採用しろよ」

祥鳳「では実際に試して見ましょう。その副砲お貸し願えますか?」

提督「ほいさ」

祥鳳「まず矢羽を取り外して箆(の)…軸部分を砲に差し込みます」

提督「ほほー」

祥鳳「奥までしっかり差し込んだら構えます」

提督「案外さまになってるな」

祥鳳「では……艦載機、発進!」

ドヒュ ドヒュドヒュ

ボチャ ボチャボチャ

提督「……」

祥鳳「……という説を考えてみましたが」

提督「説とかそういうこと以前に失敗してるじゃねーか!!」

祥鳳「いや、なんか期待に満ちた目だったのでこれは何とか応えなきゃ、と」

提督「わからんならわからんでいいのよ!?」

祥鳳「実際どういう理由かわからないんですけどねー」

そういいながら副砲を腰に下げる。

祥鳳「でも装備してると……」

矢を数本取り出し、続けざまに空へ放つ。矢は艦載機となり、的を次々と吹き飛ばす。

祥鳳「実際発艦準備も早くなるし威力も高くなるんですよね。原理は不明ですけど」

提督「まぁ効果があるなら何でも良いか。ただ、15.5副って微妙にレアだからなー。金剛シスターズの養殖をしようかと考えるぐらいには」

祥鳳「軽空母の私が言うのもなんですけど砲の開発をしてみては…?」

提督「微妙にレシピ重いからなー。ま、考えとくよ」


特にオチもないまま終了。

233 : ◆jf7rnHhSH2 [saga]:2013/12/13(金) 01:41:14.33 ID:1+792Iqpo

Febriによると、空母の副砲装備は艦載機の整備状態が向上するイメージだそうな。…わからん!!
最近5-3クリアできたんで次は5-3の話振るんじゃないかな(震え声)

それはともかく小ネタ用
↓1の有効艦娘とかで(既出ないし艦娘とかじゃない場合安価下)


234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/13(金) 02:00:28.49 ID:4G23i4wCo

龍田


247 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/14(土) 21:38:11.33 ID:ENuJa5tTo

電波はとんでもないところから飛んでくるのだ

提督「大和が15万馬力で、翔鶴型が16万馬力…?」

提督「46サンチを翔鶴・瑞鶴に積めば超長射程で超火力の上がった艦載機を放てる…!?」

~~~

提督「翔鶴ーちょっとこっちきてー」

翔鶴「なんでしょう?」

提督「はいぷれぜーんつ」ドサッ

翔鶴「ちょ、これって46cm砲じゃ…」

提督「これで超射程で超火力な艦載機を飛ばせるはず!!」

翔鶴「こんな状態では弓を引けませんよ……あっ」グラッ バタリ グシャ

提督「アルェー」

加賀「提督、なにしてるんですか…」

提督「あぁ、ちょっと空母の火力増強作戦をな。『五航戦の』翔鶴には荷が重かったようだが加賀は…無理かな」

加賀「……ここは譲れません」

提督「んじゃこれ持って艦載機飛ばしましょう」ドサッ

加賀「う…ぐぐ…g」グシャッ

提督「アルェー」


この後提督は赤城と瑞鶴にこってり絞られました


256 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/17(火) 01:27:37.66 ID:G+LvnaWzo

5-3クリアしてからもう一週間以上経ってることに気づいた(白目)

というわけでサブ島沖編いっきまっすよー

257 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/17(火) 01:29:32.73 ID:G+LvnaWzo

ワ級エリ「私は五回刺されないと死なないぞー」チュドーン
南方棲戦姫「はいはいふざけてないで帰りますよ」ズルズル


雪風「艦隊、帰投いたしましたぁ…」

ぷかぷか丸、船上。艦隊を回収してサブ島沖海域からの帰途に着くところである。

提督「お疲れ様。……しっかしまぁ、派手にやられたもんだな」

雪風、響改めヴェールヌイ、愛宕、三隈、衣笠。全員煤だらけの服が襤褸切れ状態である。
摩耶だけ無傷だがそういうことはまれによくある話である。

提督「今回は摩耶が敵旗艦を沈めたからよかったものの、このままだと間違いなく攻略前に資源が尽きるぞ…」

摩耶「でもどうすんだよ? 2戦で4~5隻も出る夜戦フラ重を全員無傷でしのぐのは困難じゃねーか?」

愛宕「それにフラ戦もいるしねぇ」

衣笠「おまけに敵主力は潜水艦で駆逐の攻撃を退ける、と」

提督「ぐぬぬ」

ヴェル「だから重巡系統4隻連れてきたんだろうけど」

提督「被害が少なくなるよう祈って、突然北東に行かないように祈って、向こうが庇い損ねるのを祈る…畜生!!」

三隈「そういえば、青葉さんを育成していたのでは」

提督「残念なこと(>>55)があって残念なことになったので急遽妹に出てもらいました。改二来たし」

三隈「残念な……いったいどのようなことが…」

衣笠「何か昨晩顔青くして死んだ目をしたまま布団に倒れこんでたけど。ゴメンナサイゴメンナサイとか言いながら」

提督「まぁちょっときつーいお灸をね。というわけで青葉については残念なことになって出られなかった。いいね?」

三隈「アッハイ」

提督「ともかく今日はお疲れ様だ。帰ってぐっすり休もう」

258 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/17(火) 01:31:04.40 ID:G+LvnaWzo

所変わって執務室。机には太平洋戦争のドキュメンタリー番組のブルーレイなどが無造作に置かれている。

提督「雷巡入れてワンチャンかな…でもフラ潜が生き残ってると夜戦で吸われるし道中大破のリスクは大して変わらない……」

??「お困りのようね、司令官!!」

提督「その声は…!」

「イムヤ!」「ゴーヤ!」「イク!」「はっちゃん!」ザバザバザバザバァ

「潜水艦カルテッ「おいコラちょっと待て」

ゴーヤ「なんでちか?」

提督「何で執務室備え付けの風呂に入ってるんだよ。『風呂のためだけに下降りるのめんどくせー』といったらつけちゃう明石も大概だが」

イク「イクとはちの改造完了報告のために待ってたなの!」

提督「それはよかった。お疲れ様…ってそっちじゃねーよ! 風呂の中で待ってる理由だよ!!」

イムヤ「私たちの服ってスク水じゃない?」

提督「そうだな」

イムヤ「だから冬場は寒くて寒くて」

提督「現場じゃねーんだから普通の服着ろよ!!」

はち「でも事務連絡だし制服のほうがいいかなと」

提督「形式ばった事にはこだわらないからそこは別に良いよ!! てか風呂に潜ってる時点で台無しだよ!!」

259 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/17(火) 01:32:50.57 ID:G+LvnaWzo

提督「……あ゛~…で、何か案がありそうだったな」

ゴーヤ「サブ島海域の攻略はゴーヤたちに任せるでち!」

イク「イクたちならこんなところ楽勝なの!」

提督「あんなフラグシップだらけの海域をどうするつもりだ」

イムヤ「論より証拠よ! 伊号潜水艦の力、見ててよね!」

提督「……まぁ燃料とか修繕費とか安いし試しても良いか。今晩決行だ。今のうちに睡眠とっとけ。俺も寝る」


というわけで再びサブ島沖海域


チュドーン

ワ級エリ「私は五回刺さ(ry」
南方棲戦姫「あと二回やられたらおしまいなんですから馬鹿やってないで帰りますよ」ズルズル

提督「ワァオ…」

はち「シュトーレン食べたいなぁ」

提督「これはすごい。帰ったら即刻シュトーレンを間宮さんに頼もう。うん」

イムヤ「正規空母だって仕留めちゃうんだから!」

提督「空母ははずれルートにしかいねぇからよ!!」

260 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/17(火) 01:34:31.83 ID:G+LvnaWzo

で、なんだかんだでフラ軽に大破させられたり北東行ったり南西行ったり投錨中の輸送船団を撃沈したりして…


チュドーン

ワ級エリ「私は五(ry」
南方棲戦姫「後一回…こうなったら護衛を強化するしか。暇してるタ級はと…」ズルズルピポパポ

提督「まぁタ級が増えたところで潜水艦には関係ないけど」

はち「でも硬い分小破に出来なくて庇われる確率が上がりますよ?」

提督「ぐぬぬ……」

イク「こういうときこそ支援艦隊を使うなの!」

提督「そういえばそんなのがあったな。珊瑚海が簡単すぎて忘れていたが。でも消費がなぁ」

イムヤ「後一回だしケチることはないんじゃない?」

ゴーヤ「資材もたっぷりあるでち」

提督「そうだな…。帰ったらちょっと準備するか」

261 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/17(火) 01:37:51.11 ID:G+LvnaWzo

鎮守府工廠・改装室にて

提督「おばあちゃんが言ってた。『んんwwwwwwww46cm三連装砲ガン積み以外ありえないwwwwww』って」

霧島「本当ですか、司令?」

提督「\ウソです/ まぁでも霧島と榛名の二人に46cm三連装砲をガン積みするのは本当だ」ガッチャガッチャ

榛名「武蔵さんや長門さんのほうがいいのでは…」

提督「どうせ目標はワ級エリだしねー。戦姫叩き落すならともかくある程度は節約したい」ガッチャガッチャ

霧島「そう言いながら一航戦のお二人を連れてきてるのは」

提督「烈風から一二甲に変えればとりあえず火力出るような構成だったから仕方ないね。素の火力も一回り高いし」ガッチャガッチャ

榛名「そんな適当でいいんですか…?」

提督「まぁちょっとばかしオーバーキル気味かもしれないけど倒せればいいのよ。倒せれば。よしセット完了」

夕立「こっちは準備完了したっぽい!」

加賀「こちらも準備完了よ」

赤城「いつでも出撃できます」

提督「OK。というわけで支援艦隊の旗艦は雪風! 以下夕立、榛名、霧島、赤城、加賀!
    こっちが交戦域に入ったら砲弾の雨を降らせてやれ! 以上! 出撃!」

雪風「はい! 頑張ります!」

262 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/17(火) 01:40:58.72 ID:G+LvnaWzo

何度か肝心なところで羅針盤が南西を向くという酷いトラブルに見舞われたがなんだかんだで目的地に到達した。

提督「よーし、支援砲撃開始。その後に先制魚雷を叩き込んでやれ」

雪風『了解です! 撃ち方、はじめー!』

降り注ぐ砲弾。上がる水柱。
提督は遠眼鏡を取り出し、敵の状況を確認する。

提督「敵被害確認! 軽巡中破! 以上!! ってなんでだよ!! あの火力でこんだけかよ!!」

遠眼鏡を甲板に叩きつけるがもちろんそれでフラタが轟沈するわけでもない。

提督「あ、魚雷で軽巡沈んだ。しかもオーバーキルっぽい。支援砲撃とはなんだったのか」

その後の雷撃も旗艦に届かず。

提督「夜戦ワンチャンだな……。敵艦隊を追撃せよ!」


夜戦。イク・はっちゃんの攻撃は護衛艦に阻まれた。

南方棲戦姫「ふふーん、輪形陣相手に旗艦に攻撃を通そうなんて無駄無駄ァ!」

イムヤ「それはどうかしら、ねっ!」

ワ級エリ「ウボァー」チュドーン

南方棲戦姫「!!」

直撃!! と思われたが…

ワ級エリ「死ななければ安い」>大破<

南方棲戦姫「あっぶなあぶな寿命が三年縮んだわー」

提督「……こりゃダメかもなぁ(ボソ」

ゴーヤ(……伊号潜水艦の意地、見せてやるでち!)

ワ級エリ「帰ったら治療よろwww」

南方棲戦姫「何でこんなヤツ護衛してたのかちょっと疑問に思えてきた」

ゴーヤ「ゴーヤの!(シャッ)魚雷は!(シャッ)おりこうさんでち!!」(シュバーッ

ワ級エリ「ウボァー(10秒ぶり二度目)」チュドーン ボンボンボーン(ゲージ破壊音)

南方棲戦姫「!?」

提督「や、やりやがった…!! よっしゃ、全艦帰投せよ! 帰ったら祝勝会だ!!」

ゴーヤ「やったでち!」

南方棲戦姫「ば、バカなぁぁぁ!!」

ワ級エリ「」チーン

263 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/17(火) 01:46:10.98 ID:G+LvnaWzo

祝勝会後、鎮守府執務室。

提督「ゆ・き・か・ぜぇ~……」ギュムー

雪風「ほっへふねらないでくらふぁい~」

提督「お前というやつはまったくもう~」ブニブニグニグニ

雪風「ふぇぇん…」


提督は雪風へのおしおきと称して雪風のほっぺの柔らかさを存分に楽しんだそうな

サブ島海域攻略編 おしまい


268 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/18(水) 01:14:44.94 ID:84mbq5f/o

小ネタ用艦娘を募集したら5話に使えそうだと思ったら小ネタになっていた。何を言っているかわかんねーと思うが(ry
まぁ今更時系列とか話のつながりとか気にしてもしょうがないか

というわけで龍田編


269 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/18(水) 01:19:38.55 ID:84mbq5f/o

鎮守府正面海域

チュドーン

提督「これにて敵主力撃破、と」

雪風「軽巡ホ級鹵獲しましたー」

提督「おつかれーぃ ってこれ人の腕とか胴とか見えるんだけど…これも解体するの?」

猫吊「はい。雫があるのは大体人の体の心臓の辺りですね」

提督「何か邪教の儀式じみてるなぁ…」ザクッ ゴリゴリ

提督「お、あったあった」ボコォ


鎮守府・工廠

例によって雫を妖精に引き渡す。

提督「長距離ミサイル搭載巡洋艦とか欲しいよねぇ」

猫吊「ありません。というか第二次世界大戦の艦船に何を期待しているのですか」

ボフン

龍田「龍田だよぉ。天龍ちゃんがご迷惑かけてないかしらぁ」

提督「……天龍って誰だ?」

猫吊「彼女の姉です」

提督「そんな艦娘いないんですけど」

猫吊「迷惑かけてないってことだからいいのでは」

提督「いいのか、というか妹にそこまで言われるとかどこまで迷惑なんだ」

猫吊「会ってからのお楽しみということで」


提督「しっかし…なんだ……」ジロジロ

龍田「うふ、何か気になることでも?」

提督「魚雷はともかく砲がないぞ。薙刀で直接叩き切るつもりか? 敵も砲撃してくるんだから近接武器は危なかろうに」

龍田「その点はご安心くださいな。私の戦いぶりを見ればわかるわよぉ~」

提督「んじゃ、さっき小破した如月に休んでもらって、龍田を旗艦にしてお手並み拝見としゃれ込もうか」

270 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/18(水) 01:22:04.58 ID:84mbq5f/o

鎮守府海域、南西諸島沖

龍田「死にたい船はどこかしら~」

提督「優しそうな顔して物騒なこと言うなぁ…」

初霜「敵艦発見です!!」

遠くに見えるは駆逐クラスの深海棲艦。少なくとも駆逐艦娘の砲撃では届かない距離。

龍田「提督、よーく見ててくださいねぇ?」

ぷかぷか丸から海面に降り立った龍田はそう言うなり薙刀を左下から右上へと振り上げた。

少しの間を置き。

ドブシャァッという音とともに、敵駆逐艦が轟沈した。

提督「えっ なにこれこわい」

龍田「天龍ちゃんより上手でしょ~?」

提督「いや天龍は見たことないからわからないけど単純にやばくね? 何か斬撃飛ばしてるよね? どっかの北欧防衛軍なの?
   砲弾使わないって事は資材ものすごく節約できね?」

龍田「でもね~ちょっと問題があってねぇ」

提督「何だ?」

龍田「弾の発射の反動を利用して加速つけてるから弾薬は消費しちゃうのよ~」

提督「回りくどいよ!! 普通に砲積んで砲撃しようよ!!」

龍田「でもこっちのほうが使い慣れてるし…」

提督「じゃあそれでいいやもう……」

271 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/18(水) 01:24:52.03 ID:84mbq5f/o

なんだかんだで敵主力を叩き潰して帰投。

大淀「あら、水雷戦隊を組めるようになったのですね」

提督「何それ」

大淀「軽巡洋艦を旗艦とした、駆逐艦で構成される艦隊です。というわけでそんな貴方にプレゼントがあります!」

提督「資材なら資材置き場に置いてくれ」

大淀「軽巡洋艦、龍田です!!」

龍田「龍田だよぉ」

提督「……なぁ、うちの旗艦見てから言ってくんね?」

大淀「あっ」

提督「……」

大淀「で、でも他に使い道とかありますし!!」

提督「……他の使い道…?」

大淀「艦娘の魂を捧げる、近代化改修……!!」ゴゴゴゴ

提督(ゴクリ)

To Be Continued...?


272 : ◆jf7rnHhSH2 [saga]:2013/12/18(水) 01:28:33.64 ID:84mbq5f/o

次回、恐怖の近代化改修編!! 思いついたら書きます。


それはそれとして小ネタ用艦娘↓1 ルールはいつも通り


273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/18(水) 01:44:51.05 ID:Q4rJCa8X0

大和


277 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/20(金) 01:47:36.96 ID:wgy8pmFfo

大型建造。演習相手にて何度か見かけた大和。アイアンサウンドボトムで確保した武蔵。そういった超々弩級戦艦を建造するための超々弩級の建造。
あと装甲空母とか最新鋭軽巡洋艦とかも出来るとか出来ないとか。

大和「大和型戦艦、一番艦、大和。推して参ります!」

提督「ふっふっふ……」

提督「くっくっく……」

提督「はーっはっはっはぁ!!」

大和「何で悪役三段笑いなんですか」

提督「そりゃ大和が首尾よく出来りゃ三段笑いもしたくなるというものよ!!」

大和「私はどこかの悪の秘密結社の戦闘ロボかなんかですか?」

提督「むしろ宇宙に飛んで放射線除去装置もらってこようか。波動砲も搭載しよう」

大和「無茶言わないでください」

提督「というわけでしばらく隠しておく」

大和「何故です?」

提督「雪風が見たら絶対泣くからだ。今でも演習相手のホログラムですら目に涙を浮かべるくらいだからな」

提督「僚艦の死をみーんなみんな自分のせいだと背負い込んで。いっつも泣いて謝ってばっかりで。なんであぁいう性格になったんだかブツブツ」

提督「と、言うわけで戦歴調べて関係ありそうな艦は、雪風に心の準備させてから会わす事にしてる。そのリストのトップに入ってるのはもちろん大和だ」

大和「なるほど……」

提督「ま、長くはかからんだろうから話つけるまでしばらく工廠の見学でもしててくれ」

大和「わかりました」

ガチャリと開く工廠の扉。そこに立っているのは…。

雪風「しれぇ、こちらにいらしたんですね」

提督「あ」

雪風「新海域の情報が来たのでおもち……し…」

提督「あっちゃぁ~、来ちゃったか」

雪風の視線の先には、大和の姿。

雪風「あ……あの…や、まと、さん……?」

大和「久しぶりね」

雪風「ほん…とに……?」

大和「えぇ、本当よ。ただいま、雪風」

そう言いながら大和は雪風を持ち上げ、そのまま抱きしめる。

雪風「お…がえり……なざ…グスッ、グスッ」

大和「大丈夫、今度こそ沈みませんから。ね?」

雪風「ん……ぐしゅ…」

大和「よしよし」

提督「手慣れたもんだな……」

大和「連合艦隊旗艦ですから」

提督「そういうもんかねぇ」


278 : ◆jf7rnHhSH2 [saga]:2013/12/20(金) 01:48:48.68 ID:wgy8pmFfo

おわり。大型建造で早く大和引きたいです(白目)

小ネタ用艦娘↓1 ルールはいつも通り

279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/20(金) 01:50:19.30 ID:9irSnmL4o

金剛



287 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/24(火) 01:48:10.16 ID:glpO1saKo

提督「次の演習はどうすっか……全くもって多すぎだろブツブツグチグチ」

コンコン

提督「どーぞ。開いてるよ」

ババン、と扉を開け放つは金剛。手に持つトレイの上には二人分のティーセット。

金剛「Hey!! テートクぅー! TeaTimeにしませんかー?」

提督「そうだな、そこに置いといてくれ……っていうか妹たちはどうしたんだよ。いつもなら姉妹でティーパーティやってる時間だろうに

金剛「テートクって出撃か訓練の時以外ここに入り浸りデース。Partyに呼んでもBusyだって言って来ないじゃないですか」

提督「実際忙しいんだよ。この鎮守府の艦娘の管理の書類書くだけで一日が終わる状態だし。陸軍の意見に芋版押してた日々が懐かしい」

そう言いながら紅茶に角砂糖を数個放り込みミルクを注ぐ。

金剛「テートク一人で何でもかんでもやるからデース」

提督「お前らもお前らで戦闘、演習、遠征、訓練と忙しかろうに。さすがに開発は俺では出来ないからレシピ渡して頼んでるが」

金剛「もっとアウトソーシングするべきネ。雷ちゃんも言ってるでしょ、『もっと私に頼ってもいいのよ!』って」

提督「そうだなぁ…」

金剛「それにテートクは淡白すぎマス! もっと私や他の皆サンとの付き合いを大事にしないと」

提督「……アウトソーシング……付き合い…」ブツブツ

金剛「たまにはTea Partyに顔を出しt……テートク?」

提督「……ティーパーティー……これだ!!」バンッ

金剛「Wow!?」

提督「艦娘の様子とかをそれぞれの型の姉妹艦のひとりにまとめてもらって、
   午後三時あたりに行われてるティーパーティーで報告する……うんいけるいける!!」

金剛「テートク…!?」

提督「空母とかはまぁ姉妹艦少ないし艦種で一人でいいか。戦艦もある程度まとめよう!」

そういってカップに入った紅茶を一気に飲み干す。

提督「糖分補給完了!! 金剛、アイディアありがとな!!」

金剛「ど、ドーイタシマシテ」

金剛(ふたりきりのTeaTimeを楽しむ予定だったのにまさにどうしてこうなった、デース…)


こうして艦娘総合会議と称した提督主催ティーパーティーが開催されることになったのであったがそれはまた別の話


288 : ◆jf7rnHhSH2 [saga]:2013/12/24(火) 01:49:27.16 ID:glpO1saKo

次回の小ネタはおそらくアルペジオイベント不可避

まぁ一段落したら多分↓の艦娘とかで書くから(震え声)


289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2013/12/24(火) 01:55:01.81 ID:zbs+aCD/0

武蔵


293 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/24(火) 23:35:25.79 ID:glpO1saKo

提督「大鳳にダイハツ、あきつ丸にカ号観測機にまるゆねぇ……。まるゆとか戦線に出して大丈夫なの? 調べたけど何かものすごく嫌な予感しかしない」

ペラリ

提督「敵か味方か、霧の艦隊……。クラインフィールドにより通常の兵器は通用しない……?」

提督「核クラスでないとダメとか実質無敵じゃねーか。敵として戦いたくねーなー」

コンコン

提督「どーぞ」

ガチャ

雪風「しれぇ、新しい通信が入っています」

提督「お上から?」

雪風「はい」

提督「へー。どれどれ」

通信『霧の艦隊が出たんでただちに撃滅せよ』

提督「なるほどなるほど」

バァン!! 手に持っていた書類を思い切り机に叩きつける。

雪風「ひっ!?」

提督「ザッケンナコラー!! 通常兵器は通用しないって通信入れたそばから『撃滅しろ』とかふざけてんのかスッゾオラー!!」

雪風「う……うわぁぁぁぁん!!」

提督「あ、その、すまん。理不尽なお上に怒ってるんであって決して雪風に怒ってる訳じゃないから」

雪風「ぐすっ、ひっく……もう一通、通信があります」

提督「えーと、何々」

通信『灰は灰に。塵は塵に。ゴミはゴミ箱に。霧の艦隊は霧の艦隊に。ついては霧の艦隊所属の援軍を送るので迎え入れられたし』

通信『強いので通常海域攻略に悩んでたら活用されたし。臨時雇いだけど』

提督「仲間割れ? 離反者? わけがわからないよ」

通信『潜水艦のいる辺りにいるはずなので合流せよ』

提督「潜水艦ねぇ…リランカ辺り?」

こうして釣り人提督の霧の艦隊迎撃作戦は始まった……。


299 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/26(木) 22:53:21.77 ID:Ssblmabuo

チャプター1とチャプター2の間の話

提督「これがツンデレ重巡と名高いタオカカいや違ったタカオか…」

タカオ「侵食弾頭兵器発射してあげるから前に出なさい」

提督「やめて。それはともかく早速演習に出してみよう。はい20.3cm砲」


演習場

提督「お、天龍田+第六駆とかどう見ても遠征前の士気向上」

提督「まぁほどほどにあしらっ」 ビィィィィィィム

チュドドドーン

提督「な、なんだこれは…」

タカオ(ドヤ顔)

提督「こ、これがあの…」

提督「ラバウル原産、MNB(陸奥になるビーム)!!」

タカオ(ズコー)

イオナ「違う」

提督「えー、もういいじゃんMNBで。超重力砲とかなんか言いづらいしタカオが名誉ラバウル民に認定されてたし」

タカオ「はい?」

提督「ほらこの赤煉瓦の記事」

タカオ「いつの間に…」

提督「というわけでアレはMNBね」

タカオ「やめて」


303 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/30(月) 22:17:30.19 ID:SsDxBjLVo

E-1より先にE-4の話が出来上がる謎

ガチャコ

雪風「しれぇ! おはようございます! 朝ですよ!」

提督「ゲェホゴホゴホ」

雪風「しれぇ!?」

提督「ぐぅ、これは間違いなく風邪。だが太平洋中部で長波を探さねばゴフゴフ」

雪風「そんな状態じゃ無茶です、しれぇ!!」

提督「……雪風、なんならお前が代理で提tゴホゴホッ 提督やってみるか?」

雪風「えっ?」

提督「これから口頭で指示を伝えゴホゴホるからよくきいゲホゴホてその通り実行ガフガフ」

雪風「しれぇ!」


結局出撃構成をメモした紙を手渡すことで解決した

304 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/30(月) 22:18:22.15 ID:SsDxBjLVo

雪風「と言うわけで今日一日雪風がしれぇの代役を務めることとなりました! 皆さん、頑張りましょう!」

扶桑「大丈夫かしら…」

隼鷹「まぁ大丈夫じゃない?」

北上「行けるでしょ」

大井「北上さんがそう言うなら…」

木曾「なんかあったら俺達で補佐すればいいさ」

瑞鶴「そうね、まずはやってみましょう!」

ヒュウガ「ナノマテリアル残り少ないといったのに何故遠慮無く使うのか…」


戦闘そのものは問題なく、ヲ級フラをいつものごとく鹵獲するがここで重大問題が発生。

雪風「……そういえば、雫の取り出しもしれぇの仕事でした…」

離れて砲雷撃するならまだしも、無抵抗の、自分に似た人型の相手を、刃物で切り開くというのは抵抗がある。
提督はもはやすでに悟ったような表情で淡々と取り出していたが…

雪風「うぅ~……」

木曾「どうした?」

雪風「木曾さん……」

木曾「あぁ、こいつの解体か……。ちょっとどいてな」

そう言うと軍刀を抜き、数回振るった。

ヲ級「ヲ゛ッ!?」

ごろり、とヲ級の胸から転がり落ちる結晶。

雪風「あ、ありがとうございます……!」


そういった感じで休憩をはさみつつ数時間後…

305 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/30(月) 22:19:12.73 ID:SsDxBjLVo

長波「夕雲型駆逐艦4番艦、長波サマだよ! ……ってあれ、雪風じゃん。何してんだ?」

雪風「しれぇが風邪引いちゃってその代理でかくかくしかじか」

長波「そっかー。そういえば長いことあたしを探してたんだって? 一緒に見舞いに行くか!」

雪風「そうですね! しれぇの部屋はこっちです!」


なうむーびんぐ……

長波「『入るな』? まぁ風邪引いてるしこの掛札は妥当といえば妥当か」

雪風「しれぇ、長波ちゃんが着任しましたよ!」

そう言って扉を開けた先には風呂に浸かっている提督の姿が!!

提督「んぁ゛~。そうか! よくやっゲホゲホ」

雪風「しれぇ! なんで風邪引いてるのにお風呂入ってるんですか!?」

提督「布団よりお湯のほうがあったけぇし」

雪風「湯冷めして余計冷えちゃいますよ!!」

提督「わかったわかった、出るから着替えるまで二人とも外で待っててくれ」

長波「……ぶっ飛んだ提督だなぁ…」


翌日

提督「ん~風邪も治って気分がいい。硫黄島で瑞鳳探すか。ナノマテリアルの残量? 知らないねぇ」

ヒュウガ「どこまで使うつもりなんだ……」

提督「多分これで最後だから」


なお、瑞鳳は割とあっさり出た模様

306 : ◆jf7rnHhSH2 [saga]:2013/12/30(月) 22:20:56.98 ID:SsDxBjLVo

おわり。なお大型建造については全くついていません。>>277みたいになるのはいつのことやら



307 : ◆jf7rnHhSH2 [sage saga]:2013/12/30(月) 22:44:37.20 ID:SsDxBjLVo

雪風が提督におかゆ食べさせるシーンとか「雪風を湯たんぽ代わりにしてください!」なシーンを書くべきだったかもしれない

308 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) [sage saga]:2013/12/30(月) 22:44:53.49 ID:OA1fd7W80

乙乙。ハルナ・キリシマコンビが突破できねぇ…。なんかクリアしたばっかの2-4ボス戦を思い出す構成で心が折れそうになる…。

それはそれとしてゲホゲホ言いながら指示を出す提督見てゴエモンきらきら道中の新聞配達イベントを思い出した。
わざと頼みを断って楽しんでたあの頃。



艦隊これくしょん -艦これ- 雪風スムース抱き枕カバー illustration by 水無月徹
艦隊これくしょん -艦これ- 雪風スムース抱き枕カバー illustration by 水無月徹
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