1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 18:30:15.13 ID:P/emc2M/0
――夕方 岩手>宮守駅
淡「やって参りました宮守エリア!」
菫「あぁやって来てしまったな……出来るなら来たくはなかった……」
照「ふるさとの香りがする」
菫「やめろ! お前のそのセリフは火事を連想させるんだよ!」
淡「クンクン――うん大丈夫! 今日は焦げ臭くないよ」
照「なら安心 行こう」
菫「まぁ待て」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 18:35:38.04 ID:P/emc2M/0
照「なに? 私は今から
場末のレストランを歩いて回るんだけど」
菫「そんなグルメ珍道中は自分の余生を使って オマエ一人で勝手にやってくれ」
菫「私はな照 白糸台の麻雀部にはいって……いや
白糸台にはいってお前のクラスメートになったあの日から
私の青春はオマエの迷子と共にあった」
淡「なんかはじまったよ テルー」
照「飛行機で東京についてそのまま電車だったから
疲れてノスタルジーに浸ってるんだよ」
淡「そっか スミレかわいそう……」
菫「……」
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 18:41:19.51 ID:P/emc2M/0
菫「教室移動や課外研修 挙げ句の果てには修学旅行
どのようなシチュエーションにおいても いつの間にか集団の輪から外れて
えっちらほっちら消え去るオマエを 私はいつも探し回っていた」
淡「課外研修って2年生の時にやるんだよね
テルーはどこに行ったの? 課外研修」
照「チョコレート工場」
淡「それって何するところー?」
照「チョコレートを食べるところだった」
淡「なにソレすっごい! 私も研修がてら味見にいこーっと」
照「スゴく楽しかった その時は私も案内する」
菫「……」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 18:46:36.03 ID:P/emc2M/0
菫「たしかにオマエと行動を共にしていたのは私の意志だし 今だってそうだ」
菫「宇宙規模にチヤホヤされたいとのたまう
アホ丸出しだけど可愛い後輩の手伝いをするのも
今ではやぶさかじゃないとも思ってる」
淡「テルー やぶさかってなにー?」
照「ためらわないことさ」
淡「なにそれかっこいー! やぶさか祭りだー!」
照「ワッショイワッショイ」
淡「やぶさか! やぶさか!」
菫「……」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 18:53:41.73 ID:P/emc2M/0
菫「だけどな照 私はこれ以上
オマエの迷子に私の時間が割かれるのは勘弁願いたい」
菫「という訳でだ」
>ガシャン
照「……手錠?」
菫「私の右手とオマエの左手を
目的地に着くまで繋がせてもらう」
照「なんと」
淡「あーズルいズルいー! 私もテルーとペアルックする!」
照「淡がよければ」
菫「ちょっ オマエ人の手荷物勝手に漁るな!」
>ガシャン
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 19:00:06.99 ID:P/emc2M/0
淡「えへへ テルーとお揃い嬉しいな」
照「私も嬉しい シルバーアクセのペアなんて生まれて初めて」
淡「じゃあ初めて同士だね! これでもっとチヤホヤされちゃうよ きっと」
照「オマケに簡易リザベーションでパワーアップ」
菫「新道寺から風評被害の達しが届くからやめろ……」
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 19:05:47.03 ID:P/emc2M/0
5分後――夕方 岩手>道の駅みやもり
淡「あっ めがね橋だよテルー! 銀河鉄道のヨルー!
後で一緒に行こうね」
照「うん わさびソフトクリームとわさびラーメンと
わさび饅頭とわさび丼を食べながら眺めよう」
菫「人の耳元でわさびわさびうるさい!」
淡「ところでスミレー なんで私たちベンチに座ってるの?
宮守女子に行って遊ぶんじゃないの」
菫「迎えに来てくれるようだから待っ(ギュルギュルバキン)てるんだ
本当は現地で待ち合わせの約束(ギュルギュルバキン)をしてたんだがな
――ってなんだ(ガシャン)今の音……は」
菫「……」
菫「……! て、手錠!? いつの間に私の左手に
しかもベンチに繋がれて……」
照「菫 手錠をもってくるにしても
予備をたくさん用意しておくのはどうかと思う」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 19:11:06.93 ID:P/emc2M/0
菫「おっ――オマエ!
どうやって手錠を外し――」
照「右手に竜巻を帯びて淡と私を繋ぐ枷を壊してから
菫と私を繋ぐ左手の手枷を割るだけの簡単なお仕事 それじゃ」
淡「まったねースミレ 手錠の鍵が入ってるスミレの鞄なら
あのポストの上に置いておくから 宮守女子の人に外してもらってねぇー」
菫「……」
菫「……」
菫「ま、待て! 無法の迷子どもがぁああああああ――!」
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 19:16:15.82 ID:P/emc2M/0
十分後――夕方 岩手>宮守女子 ろうか
淡「あわわわ! テルーどうしよう
ここラーメン屋じゃなくて学校だよ!」
照「だけど今日は休日 文化祭の可能性が
微粒子レベルで存在してるかもしれない」
照「そうなれば当然 どこかのクラスが
ラーメン屋の一つや2つ開いていても なんら不思議じゃない」
淡「テルーってばアっタマいー!」
照「照れる」
淡「楽しみだねー わさびラーメン!」
照「わさびソフトクリーム」
淡・照「うへへへ……」
淡「そうとなれば手分けして探そう! 見つけたらテルーに電話するね」
照「りょーかい」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 19:22:35.87 ID:P/emc2M/0
同刻――夕方 岩手>道の駅みやもり
菫「……」
エイスリン「〜♪」
菫(なぜ私はこんな所でこんな格好のまま
外国の少女が描く 絵の題材になっているんだろうか……)
エイスリン「デキタ!」
菫「あー……うん 上手だな
でもそれは あまり人に見せないでほしい 恥ずかしいから」
菫(いっそこの子に頼むか……?
でもドコかで見たことあるんだよなこの子
以前どこかで対局しただろうか 知り合いだったら恥ずかしい)
エイスリン「?」
22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 19:29:18.09 ID:P/emc2M/0
菫(……だが ここにはもうすぐ宮守女子の人がくる
彼女達に見られるくらいなら 見知らぬ女の子に頼んだ方がまだマシ)
菫(……腹をくくるか)
菫「なぁ 頼みがあるんだけどいいか?」
エイスリン「コクン」
菫「あのポストの上にあるカバンを 持ってきてほしいんだ」
エイスリン「……」
エイスリン「ワカッタ!」
>トテテテ
エイスリン「〜♪」
菫(ポストの絵を描いてる……だと……?)
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 19:34:24.57 ID:P/emc2M/0
>トテテテ
エイスリン「デキタ!」
菫「あぁ……うん そうだな
とても飾り気のあるポストだな……はぁ」
>エイちゃーん
塞「はぁはぁ……遅くなってごめん
待たせちゃったね――じゃあ白糸台の人たちと……ってアレ」
菫「……こんにちわ 突然で申し訳ないが
これを外すのを手伝ってくれませんか……はは」
菫(この子も仲間だったな……やっと思い出した)
エイスリン「?」
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 19:39:26.20 ID:P/emc2M/0
十分後――夕方 岩手>宮守女子 麻雀部室
胡桃「エイちゃん達 おそいね!」
白望「うん」
胡桃「そういえばトヨネは?」
白望「屋上でいつもの」
胡桃「シロってお風呂もダルそうだよね!」
白望「アレは特にダルい……」
胡桃「体はちゃんと洗ってね!」
白望「カップラーメン……」
胡桃「お湯は入れてあげるからあとはシロでやって!
シロ「ダルい……」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 19:45:38.03 ID:P/emc2M/0
同刻――夕方 岩手>宮守女子 屋上
姉帯「夕陽ちょーきれいだよー」
>ガチャ
照「キョロキョロ」
姉帯「あれー? 誰か来たの?」
照「……ちょっと道に迷ってここに」
姉帯「そーなんだー」
照「ドラム缶風呂」
姉帯「そーだよー 一緒にはいる?」
照「是非」
姉帯(誰だろー? 湯気で顔があんまり見えないけど
声は女の人だけどー 麻雀部のみんなじゃないみたい)
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 19:50:25.90 ID:P/emc2M/0
>チャプン
照「極楽」
姉帯「あ、あんまりこっちは見ないでねー その……恥ずかしい」
照「うん」
照「……」
照「何で入れてくれたの?」
姉帯「え?」
照「恥ずかしいなら 普通は一緒に入らないと思う」
姉帯「えっとねー 嬉しかったからかなー
一緒に入ってくれる人がたまにしかいないんだ」
照「気持ちいいのにもったいない」
姉帯「ねー」
姉帯「……」
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 19:54:43.85 ID:P/emc2M/0
姉帯「ホントは悪いクセだって分かってるんだー」
姉帯「……ずっと一人ぼっちだったから 一人でもできること
全部みんなとしたくなっちゃう――子供っぽいよねー……」
照「……」
姉帯「あっ……恥ずかしいよー こっち向いちゃダm」
>ガシャン
姉帯「へ?」
照「確保」
姉帯(あれ? この人――この顔
この∠――もしかして)
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 19:59:15.01 ID:P/emc2M/0
照「ここをあがったら
一緒に麻雀部のところに行ってほしい」
照「ホントは一人でも行けるけど 寂しいから
トヨネさんと一緒なら私は嬉しい」
照「お願いできる?」
姉帯「……」
姉帯「うん……! わたしもうれしいよー
宮永照さん」
姉帯「あ、わー……ど どうしよう
こんな時に色紙がないよー」
姉帯「せっかく会えたのに……しょんぼり」
照「書いてもふやけちゃうからまた後で」
※手錠はギュルって壊しました
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 20:08:37.33 ID:P/emc2M/0
同刻――夕方 岩手>宮守女子 ろうか
淡「見つからないなぁ ラーメンの出店
教室はどこも暗いし」
淡「おっ! 灯りのついた教室ハッケーン!
さてはココだね!」
>ガチャ
淡「たのもー!」
胡桃「!?」
淡「……麻雀卓? 奥にソファーもある」
シロ「ズルズル」
淡「……」
淡「そのラーメン1000円で買ったぁ!」
シロ「!?」
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 20:11:11.94 ID:P/emc2M/0
淡「もしもしテルー! 麻雀も出来るラーメン屋みつけた!」
胡桃「!?」
淡「というわけで味噌ラーメンをください! 出来立てで」
白望「……ダルい」
淡「!?」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 20:16:46.18 ID:P/emc2M/0
同刻――夕方 岩手>宮守女子 麻雀部室
淡「よかった! 油で卓がギトギトしたラーメン屋はなかったんだね」
胡桃「よくないよ! ビックリした!」
白望「ズルズル」
淡「ごめん……次は静かに注文するね!」
胡桃「そっちじゃない!」
>ガチャ
照「お邪魔します」
姉帯「きたよー」
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 20:21:23.33 ID:P/emc2M/0
淡「テルー!」
照「おうふ」
淡「寂しかったよー テルー
ギュッ〜」
照「いいこいいこ」
淡「えへへ……って隣の人スゴい大きい!
スカイツリーみたい!」
姉帯「ほんとー? 観光名所になれるかなー」
照「ミス岩手として名を馳せることができるレベル」
白望「……」←「有名所なのか有名人なのかハッキリしろ」と言いたいがダルい
胡桃(わたしもシロで充電しよっと!)
白望「……だる」
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 20:26:49.48 ID:P/emc2M/0
十分後――夜 岩手>宮守女子高 ろうか
塞「うちら宮守女子はいま合宿中なんだ」
塞「まぁ合宿といっても遠出するだけの予算は下りなくてさ
部室を簡易的な合宿所にするしか選択肢がない 細々としたものだけど」
菫「そうでしたか……大事な時期に
ワケがわからない理由で上がり込んですいません」
塞「女の子らしい夢だと思うな チヤホヤされたがるのは
それに私達だって得られるモノがあるかもだし」
菫「対局をせずともですか?」
塞「うーん、全国出場校同士なのが惜しいよね まァでも」
>ガサッ
塞「うちらとしては買い物も手伝ってもらえて大助かりだったし……それに」
菫「それに?」
エイスリン「〜♪」
菫「……私の弓がハートを射抜いてる絵か?」
塞「ぎゃー! エイちゃんダメー!」
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 20:33:19.82 ID:P/emc2M/0
五分後――夜 岩手>宮守女子 麻雀部室
菫「じゃあまずは自己紹介を」
照「こんばんは 自分史の厚さは歳相応
胸の薄さは倍プッシュ みんなのチャンピオンてるてるです
好きな食べ物はお菓子全般 今食べたいのはわさびラーメンもしくは――」
菫「はい次」
淡「白糸台のスーパールーキー! みんなご存知 大星淡!
好きなものはテルーとテルー! みんなにモテるけど
麻雀牌より重いモノはもてない箱入りだから 丁重に扱ってくださいね!」
菫「白糸台3年 弘世菫です
部長をしています――2日間お願いします」
淡「スミレってば簡単すぎる! もうちょっといろいろあると思います!」
>ピラッ
照「今日の菫はパンツの色まで白糸台みたいです」
菫「オラァ!」
照「甘い」
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 20:40:15.27 ID:P/emc2M/0
エイスリン「テルートテルー?」
淡「てるてるでいいよ! 私はあわあわー」
エイスリン「ウンっ テルテルーアワアワー」
塞「じゃあ次は私ね! 臼沢塞 いちおーは部長
三年生だよ といっても私達はみんな三年生なんだけど
まァしばらくよろしくね」
淡「スミレと同じポジションだ!」
塞「いつか次峰もつとめてみたいな 私も」
エイスリン「〜♪」
エイスリン「!」
塞「だめかー」
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 20:43:25.77 ID:P/emc2M/0
エイスリン「ジホウ! エイスリンデス! オネガイシマッシュ」
淡「て、天然物だ! 産地直送だ……! 異国情緒がここにいる!」
淡「うぅ……テルーどうしよー
金髪ポジションの私が目劣りしちゃうかもー」
照「あわあわにはあわあわの良さがあるから もーまんたい」
エイスリン「?」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 20:48:36.16 ID:P/emc2M/0
白望「小瀬川白望……よろしゅう」
胡桃「自己紹介なんだから! シャキッとする!」
白望「小瀬川白望……シャキッとしてます……」
淡「おぉう……」
胡桃「鹿倉胡桃! 先に言っておくけど」
胡桃「シロの!」
胡桃「膝上は!」
胡桃「私の特等席だからね!」
淡「むむむ! テルーの大部分だって私が占有してるんだから!」
菫「張り合うな」
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 20:53:31.11 ID:P/emc2M/0
姉帯「姉帯豊音だよー よろしくねー
えとえとー、宮永さん……そのー」
姉帯「あ、握手とかしてほしいなー……」
照「右手でいい?」
姉帯「わ、わー……ちょーうれしいよー
このままギュルギュルされちゃいたいなー」
照「おやすいごよu」
塞「やめて! ウチのエースを潰さないで!」
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 20:58:23.16 ID:P/emc2M/0
二十分――夜 岩手>宮守女子 家庭科室
塞「じゃあ料理の分担を決めようか!」
淡「皮むきならおまかせあれ!」
姉帯「高いところから生地を打ちつけるよー」
胡桃「踏み台をくれれば! 包丁でお肉を刻む!」
白望「……いっそコンビニ弁当で」
塞「これは何が出来上がるやら……」
エイスリン「〜♪ ヨソウズカイタ!」
塞「いや満開全席はちょっと……」
48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 21:02:29.45 ID:P/emc2M/0
照「私は味見係を」
菫「言うと思ったから お前に適任な役目を用意しておいたぞ照」つ【人型全自動泡立て兵器】
照「……人権侵害」
菫「人の手を拘束して置き去るヤツに 言われる謂われはない」
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 21:07:30.72 ID:P/emc2M/0
>塞〜 ちょっと来て
>食器はー これとこれとー
>うん わかった
エイスリン「〜♪」
淡「なーに書いてるの? わっ!
テルーのギュルギュルじゃん!」
エイスリン「アワアワ!」
淡「私のテルーを題材に選ぶなんてお目が高い!
私も手伝うから連画にしてアニメっちゃお!」
エイスリン「ウン!」
50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 21:12:45.18 ID:P/emc2M/0
>ギュルギュルギュル
>すごい! マンガ肉だ!
>あく抜きダルい……
菫「……うん この味なら問題ないか」
塞「やっぱり料理も出来るんだねスミレさんって イメージにピッタリ」
菫「誰かのイメージに何度も使われるほど 出来た人間じゃないですよ
私は」
塞「そんなことないって」
塞「少なくとも 私の中にあった良いイメージに
たくさん当てはまってますから」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 21:17:57.41 ID:P/emc2M/0
菫「たくさん……?」
塞「あっ……いやその!
変な事じゃなくて えっと」
塞「麻雀も料理も出来て 部長としてもスゴく立派で
私も部長だから たまに迷ったりするんだけど
そういう時はスミレさんのこと思い描いてたりして えっと、はは……なに言ってんだろ私」
菫「……ふふっ てっきり幻滅されたと思ってたよ
初対面ではヒドい様を見せてしまったからな」
塞「て、手錠はたしかにビックリしたけど
迷子な部員のことを考えてした事だって思うし」
菫「……」
菫「アレだって自分本位なモノだ だけどありがとう
塞さんのおかげで視野が広がった気がする」
53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 21:23:20.58 ID:P/emc2M/0
塞「視野……?」
菫「部長はあくまでその部の部員のためにあるものだ」
菫「だけど 白糸台の部長である私の行いが
今の今まで縁遠かった岩手で 部長を務める塞さんのためにもなっていたのなら」
菫「塞さんの憧れに足る部長になりたいとも思えたんだ」
塞「あっ――」
菫「だから ありがとう」
塞「う、うん……」
塞「……」
菫「……? 大丈夫か?
なんだか顔が赤くみえるぞ」
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 21:28:15.01 ID:P/emc2M/0
塞「だ、大丈夫! やー、鍋の近くは熱いねハハハ」
菫「そうだな 飲み物でも飲んで一息つこうか
持ってくるよ――」
塞「……うぅ ズルいなーもう
あんなこと真顔でいうんだもん」
照「脳天ついでに心も射抜けるからズルい 菫は」
塞「ほんとほんと……でも格好よかったぁ
って……照さん!?」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 21:33:47.68 ID:P/emc2M/0
淡「聞きましたか〜? 奥さん」
胡桃「ばっちり! 聞いちゃった!」
塞「く、胡桃に淡ちゃんまで!」
姉帯「よかったねー 応援するよー たまには手伝うし」
白望「うん 手伝う」
塞「シロが!? どういう風の吹き回しで」
白望「恋愛は するより見てた方が楽しいから」
塞「あーうんいつものシロだわ」
エイスリン「〜♪」
エイスリン「ハジメテノチュー!」
塞「ぎゃー! やめてやめてソレは没収です!」
菫「――少し目を離したら騒がしくなるな まったく」
照・淡「火種が言いますか!」
菫「……?」
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 21:39:14.07 ID:P/emc2M/0
一時間後――夜 岩手>宮守女子 ろうか
淡「お腹いっぱいで満足だね! テルー!」
照「もう入らない」
淡「テルーのお腹プニプニー」
照「あわわわ」
淡「みんなは部室にいるんだよね」
照「うん お布団を用意してるみたい」
淡「そっかぁ じゃあテルー」
淡「一緒に抜け出しちゃおっか!」
57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 21:44:02.62 ID:P/emc2M/0
数十分後――夜 岩手>めがね橋ちかく
淡「すごいすごい! いろいろキラキラしてるよテルー!」
照「うん……お昼と比べると スゴい変わり映え」
淡「オシャレなベンチも可愛いー ねっ! 一緒に座ろ?」
照「……いいの?」
淡「んー? なんで? ちょっと変わってるけど
タダのベンチだよ?」
照「……」
照「うん そうだね」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 21:48:42.55 ID:P/emc2M/0
淡「さっきはビックリしたね まさかスミレにも
あそこまで熱心なファンがいたとは!」
照「強力なライバルってところかな 淡にとっては」
淡「ほんとだよー でも私も着々とチヤホヤされてるよ!
さっきもサインせがまれたからね!」
照「トヨネさんに?」
淡「うん! あとエイちゃんはその逆でー
書かれるより描く側に回ってくれたんだ!」
照「うん」
淡「200年生オーラで髪の毛にかかった浮力を調整すると
また違って感じに見えるみたいでさ 何パターンも描いてくれるんだもん
ホント面白かったなー」
照「ふふっ……エイスリンちゃんなら描いてくれそうだね」
59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 21:54:11.91 ID:P/emc2M/0
淡「うん! おかげさまで100階級特進!
高校300年生あわあわになれたと言ってもいいね!」
淡「ハッ、でもこの進歩の仕方じゃ
スーパースターじゃなく空の星になっちゃいそう!」
淡「ど、どーしよーテルー! あわわ! あわわわ――」
照「てい」
淡「あわっ」
照「大丈夫 淡はあわあわなんだから
生き死に関わらず スゴい特進ができる」
淡「えへへ……そっかぁ なら大丈夫だね」
照「うん 大丈夫」
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 21:58:03.61 ID:P/emc2M/0
照(淡に好かれたい私と みんなに好かれたい淡)
照(そんな淡にとって この場所に特別な意味はなくて)
照(でも私にとっては――)
照「……」
照(もし――全国を回りきって)
照(その時にまだ 淡が私のことを見てくれていたなら
……その時は この場所を特別なモノに変えてみよう)
照(だからコレは……)
>ギュッ
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 22:02:54.36 ID:P/emc2M/0
淡「わっ テルー? どうしたの?
手……冷たいね 寒くなった?」
照「……ちょっとだけ」
淡「学校に戻る?」
照「学校じゃなく 淡の手であたたまりたい」
淡「むふー、まぁそうだよね! なんたって私は大星淡なんだから」
淡「じゃあ両手だしてよ たくさん包んでギューッとしてあげるからね」
照「うん ありがとう淡」
照(ちょっとだけズルい――未来の前借り)
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 22:08:19.78 ID:P/emc2M/0
一時間後――夜 岩手>めがね橋ちかく
菫「照ー! 淡ー! まったくアイツらは
携帯を置いて一体どこに」
塞「あっ、菫さん! アレっ」
菫「ん……?」
照・淡「すー……すぅ……」
菫「……はぁ」
菫「……まったく
ベンチで眠りほろけるヤツがあるか」
64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 22:13:11.09 ID:P/emc2M/0
塞「……」
塞「なんか素敵だね」
塞「二人とも違う夢を見ているように見えて そのじつ
一つの夢を一緒に叶えようとしてるようにも見える」
塞「ありゃもうどうみてもさ」
菫「……恋人同士だな 自覚がないだけタチが悪い
いや 一人は気付いていたか」
塞「戻ろっか 菫さん
ここは貸し切りみたい」
菫「……あぁ」
菫「そうだな」
照「あわいー……すきぃ」
淡「てる……すきー」
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 22:17:20.63 ID:P/emc2M/0
次の日――朝 岩手>宮守駅
姉帯「うぅ、もう帰っちゃうのー? 寂しいよー……」
エイスリン「サミシイ……」
胡桃「気をつけてね! 脱線とか!」
白望「気をつけようがないからソレ……」
菫「近いうち また来ます」
塞「……」
菫「えっと、インターハイが終わったら 個人的に……」
塞「――!」
塞「うん、待ってるよ……!」
67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 22:21:31.60 ID:P/emc2M/0
照「はい 寝癖とれたよ淡」
淡「ありがとーテルー! あっ テルー!
後ろ髪にも∠できてるよ!」
照「これはうっかり」
>ズドーンズドーン
菫「はしゃぐな地面がゆれる あと
あんな場所で眠っておいて 昨日以上に元気ってどういうことだ魔物ども」
>ガタンゴトンガタンゴトン キキィイ――
塞「来ちゃったか バイバイ菫さん! また今度ね」
菫「あぁ ヒマがあったらメールする」
エイスリン「マタネ!」
淡「うん! またね!」
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 22:26:12.29 ID:P/emc2M/0
胡桃「シロも手! 振らなくちゃ!」
白望「ノシ」
姉帯「また一緒にお風呂はいろーねー」
照「うん」
胡桃・塞「……」
胡桃・塞「えっ!? なにそれ初耳なんだけど!」
姉帯「あ、あれあれー? 言ってなかったっけー」
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 22:30:54.75 ID:P/emc2M/0
同刻――朝 岩手>電車内
>モモイロニュウヨク!
>ノシ
>わーわーにゃーにゃー
菫「最後まで 慌ただしい事この上ないな」
照「さて淡さん 今回の旅を振り返っての反省と
次の旅における抱負をお聞かせ願えますか」
淡「そうですねぇ 触れあいで刺激されるインスピレーションが
いっぱいある 非常に実りある旅だったと思います!」
淡「明日くらいにある次回にも期待したいですね」
菫「一週間は東京でガマンしろ 部長命令だ」
照「逃げ切る」
淡「振り切ってみせる!」
菫「おーやってみろ出来るモノならな」
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 22:34:09.12 ID:P/emc2M/0
照「むー ……なんだか
今までにはなかったスゴ味がある 今の菫には」
淡「ほんとスミレってば急に部長風ふかせてさ
麻雀部の部長にでもなったつもりなのかな!」
菫「オマエは今まで私の事をなんだと思ってたんだ」
照「白糸台の部長は確かに菫かもしれない」
照「だがな 虎姫のリーダーはこの私なんだよ!!!!」
菫「組織図を意味もなく複雑にするな」
淡「白糸台も一枚岩ではないからね! しょうがないね!」
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 22:38:36.96 ID:P/emc2M/0
菫「とにかく そうやってバカをして万事を煙に巻こうとする
オマエらの常套手段は もう通じないと思ってもらうからな」
淡「あわわ! スミレが燃えてるよテルー……
コレはひょっとしたらひょっとするかも……」
照「あわわわわ」
淡「ほいしょっ あら、メールしてるよスミレ」
照「それは珍しい どれどれ」
菫「……約束したからな ヒマができたらメールするって……それと」
菫(――塞さんの憧れになる ってな)
カン!!!
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 22:44:41.34 ID:P/emc2M/0
同刻――朝 東京>白糸台 ルーム虎姫
亦野「これはダメ これはよしと」
渋谷「……なにしてるの?」
亦野「私たちにファンレター届くだろ?
読んでいいのと 読ませられない内容のとを選別してるんだ」
渋谷「白糸台のフィッシャー……亦野誠子
上達しない麻雀の腕前に業を煮やし ついには雑用に回ったのであった……」
亦野「違うから! まだまだ現役の一軍選手だから!」
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 22:48:09.11 ID:P/emc2M/0
亦野「いつもは下級チームたちがやってくれるんだけど
今は時間がありあまってるから 手伝ってるんだよ」
渋谷「最近の先輩たちよく遠出するからね 岩手のお茶楽しみ……」
亦野「次に帰って来たらすぐにでも対局したいからな
明日には顔を出せるって言ってたし いつでも渡せるようにしておきたい」
渋谷「戦犯界のレジェンド……亦野誠子
叶わぬ夢に身を焦がし 果てには追跡劇という修羅に身を投じるのであった……」
亦野「ホントにさ……次も先輩たちと行き違ったら
衝動的に追いかけてしまいそうで怖いよ――ってだれが戦犯だ!」
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 22:52:10.00 ID:P/emc2M/0
>カガヤイテーココイチバーン ジブンノチョッカン――
渋谷「電話……なってる」
亦野「よっと あ、部長からメールだ」
渋谷「次は北海道に行くピョーン……って内容かも」
亦野「ま、まさかぁ……あの部長だぞ?
行くとしても もっと事務的な謝罪文だって」
>ぴっ
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 22:54:44.44 ID:P/emc2M/0
差出人 弘世菫 部長
件名 あわあわ活火山!!!
本文 届いてるだろうか
普段、こういった用途で文を打つのは不慣れなもので、
粗が目立つ内容になっていても、見逃してラーメン食べたい
いいや心ココにあらずといった方が正しいかもしれないな
それ程までに今回のサエーとのラブラブタイムは、胸ズッキュンで
まるで生まれ変わったかのような錯覚でわさび丼を食べ忘れたよ
次に会う時はきっと、お互い高校1000年生だよ!!!くらいの心持ちで
胸を張っていられると思う。 じゃあまた、本当にありがとう。
亦野「Oh……」
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 23:01:21.84 ID:P/emc2M/0
亦野「……」
>カガヤイテーココイチバーン ジブンノチョッカン――ぴっ
差出人 弘世菫 部長
件名 すまない
本文 分かってると思うがバカ二人のイタズラだからな
でもさっきのメールは必ず消してくれ。 いいな?
あぁでもオマエの頭には入ってしまったのかクソ
…東京についたら真っ先にオマエの所に向かう
大丈夫。 頭には響くがほんの少しちょっと記憶が混乱するだけだ……逃げるなよ?
亦野「……」
亦野「どうしよう 麻雀にじゃなく……麻雀やってる人に殺されるかもしれない」
渋谷「えっ」
もいっこカン!!!!
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 23:03:14.84 ID:7CxIB0Ta0
乙
菫さん可愛い
84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2014/01/26 23:05:58.25 ID:OfbNRTRcO
そろそろ>>1乙させろよー
TVアニメ 咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A オリジナルサウンドトラック
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