1 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 21:47:48.85 ID:ds9G5G710
勇太「もうそういうのやめろって言ってるだろ!」ドスッ
七宮「うぐっ」
勇太「何度言ったら解るんだよお前は!」バシンバシン
七宮「い、痛い痛い! ごめんなさい、許して!」
勇太「黙れよ、お前みたいなのは殴って躾けるしか」ゲシゲシ
七宮「ごめん、ごめんなさい、もうやめ……」
勇太「殴って躾けるしかないだろうが!」ボカッ
七宮「ひぎっ!」
勇太「はあ、はあ、はあ……」
七宮「…………」
勇太「…………」
七宮「…………」
勇太「大丈夫か七宮?」
6 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 21:54:59.18 ID:ds9G5G710
七宮「う、うん……にははは、こ、これくらいどうってことないよ」
勇太「……すまない、またやっちまった……」
七宮「ううん、気にしないで! 勇者の中に眠る暗炎龍の暴走……
それはダークフレイムマスターにも止められるものではないからね、仕方ないよ」
勇太「すまん、本当に……」
七宮「これも次なる進化をとげるために必要なことだってアカシックレコードに」
勇太「俺、本当最低だ。自分で自分が嫌になるよ……本当ごめん」
七宮「そんなにしょげないでよ勇者。
勇者の能力が増幅されていることは私にとっても嬉しいから」
勇太「どこか痛むところ無いか? 痣になってたり……」
七宮「あっ、だ、だっ大丈夫だよ、事前に防御結界と治癒魔法を使っておいたから!
それじゃ私、今日はもう撤退するね! またいつでも呼んでね、
私と勇者はデスティニーリングで繋がってるから」
勇太「ごめんな七宮……」グスッ
7 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 22:02:17.83 ID:ds9G5G710
翌日
ナントカ結社部室
六花「極彩の楽園……独裁者の庭園……時は一千一夜……」
くみん「魔の都だねー」
森夏「ねえ小鳥遊さん、今日は富樫くんは?」ムシャムシャ
六花「他の友達と帰った」
森夏「他に友達いたんだ」
ガラッ
七宮「にーはははは、魔法魔王少女ソフィアちゃん見参だよっ!」
森夏「げっ! なんであんたここに」
七宮「闇の力あるところに私あり!」
くみん「違う学校の生徒は無許可で入り込んじゃダメだよ~」
七宮「人間界のルールなんて私の前では無力だよっ!さあ邪王真眼、今日こそ決着を」
六花「望むところ」
森夏「ん、七宮あんたその眼帯どうしたの」
七宮「えっ」ギク
8 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 22:10:18.73 ID:ds9G5G710
六花「ふん……我が力に憧がれて模倣に走ったか」
七宮「も、模倣なんてもんじゃないよ。この眼帯によって封印された力は
邪王真眼をはるかに凌ぐエネルギーを秘めているからね!」
六花「面白い! ならば解放してみせよ、眼帯の下に隠されしその力!」
七宮「えっ、えっと……」
六花「どうした、できないというのか……あまり私を失望させるな」
森夏「…………」
くみん「どしたのモリサマちゃん」
森夏「本当に遊びでつけてるだけなの? その眼帯」
七宮「遊びだなんて言わないでほしいな! これは真剣な勝負のための」
森夏「別にそれならそれでいいんだけど……アンタ最近ケガしてること多いから」
七宮「そ……そう、かな?」
森夏「この前もほっぺたにガーゼあててたし、その前は指に包帯巻いてたでしょ」
七宮「…………」
11 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 22:19:53.23 ID:ds9G5G710
七宮「怪我は歴戦の勲章だよ。妖精使いには分からないかもしれないけどねっ」
森夏「妖精言うな……あんまり危ないことしないようにしなさいよ。
ただでさえ危なっかしいんだから」
七宮「にーははは、魔法魔王少女にそんな心配は無用だよん。
それじゃ今日はこのへんで!」タタッ
六花「ふっ……今日も決着をつけそこなったか」
森夏「何しに来たんだ」モグモグ
マンション
七宮「眼帯解放かあ……さすがにこんなに腫れ上がってるのは」
七宮「見せたらかなり心配されちゃうよね……」
勇太「ふたつのー恋が進化すっるー」
七宮「あっ勇者おかえり! 部室まで行ったのにいなくてがっかりだったよー」
勇太「ああ、今日は予定がな」
七宮「勇者これから夕飯の買い出し?」
勇太「あ?」
12 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 22:27:23.42 ID:ds9G5G710
勇太「なんでいちいちお前にそんなこと詮索されなきゃいけないんだ?」
七宮「あ、ごめ……ちょっと、気になっただけで……」
勇太「気になったことはなんでも聞かなきゃ気がすまないのか?」
七宮「そういうわけじゃ……ないけど……」
勇太「だいたいお前、人前で勇者って呼ぶなって言っただろうが」
七宮「ひ、人いないから……いいかなって」
勇太「人がいなくても人が来る可能性があるだろうが。本当に馬鹿だなお前は」
七宮「ご、ごめんなさ……」
勇太「うるせえ!」ブンッ
七宮「ひっ……!!」
六花「ゆうたーただいま」
勇太「ああ六花おかえり。悪かったな、今日一緒に帰れなくてさ」
六花「別に問題はない。そのおかげで新たなる霊道の地脈の源流を見出した」
勇太「ははは、なんだそりゃ」
七宮「…………」
13 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 22:35:54.49 ID:ds9G5G710
七宮「にーははは、また会ったね邪王真眼」
六花「む……勇太ふたりで何してたの」
勇太「何もしてねえよ、ちょっと会ったから喋ってただけだ。なっ」
七宮「そうそう、ゲルゾニアンサス最終形態についての」
六花「なにそれ聞きたい」
勇太「聞かなくていいって。それより六花、晩飯の買い物いこう」
六花「うん、いく。今日のおかず何」
勇太「何がいい?」
六花「エスニックを所望する」
勇太「そんなもん作れるわけ無いだろ。
じゃあまたな、七宮。今日は自分ちで晩飯食うんだろ」
七宮「あ、う、うん。それじゃあまた明日」
六花「明日こそ決着を」
七宮「にーははは、楽しみにしてるよー」
七宮「…………」
14 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 22:45:14.73 ID:ds9G5G710
よる
七宮「うーん、まだ腫れ引いてない……」
七宮「こりゃしばらく眼帯必要だね」
七宮「勇者の蹴る殴る、最近ますます激しくなってきてるし……」
七宮「これも暗炎龍の成長の成果……なんてね」
七宮「あ、勇者からメール」
勇太『今日はすまなかった。また七宮に暴力を振るおうとしてしまった……
あんなに反省したはずなのに。本当に申し訳ないと思ってる。
なぜお前にだけこんなに暴力的になってしまうんだろう? 自分でもよくわからない。』
勇太『どうしてかお前だけを殴ってしまう。こんな俺を許してほしい。
こんなダメな俺と一緒にいてくれて感謝している。ありがとう。そしてごめん』
七宮「勇者……」
七宮「勇者が暴力をふるうのは私に対してだけ……」
七宮「小鳥遊さんには普通に接してるのかな」
七宮「…………」
七宮「偵察行こう」
16 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 22:53:27.20 ID:ds9G5G710
富樫家ベランダ
七宮「…………」コソコソ
六花「ねえゆうた、もういっかいあれやってほしい」
勇太「あれって何のことだ?」
六花「その……嗅覚器と嗅覚器どうしの」
勇太「ああ、鼻ポチか?」
六花「そうそれ」
勇太「えー、ダメだよ。アレ一回きり」
六花「やってほしい」
勇太「だーめ」
六花「やって」
勇太「……うるさいな、ダメだって言ってるだろ!」
七宮「おっ」
18 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 23:01:37.33 ID:ds9G5G710
六花「ゆうたぁ~……」
勇太「んー……あーもう、仕方ないな」
六花「やった」
勇太「ほら、鼻出せ」
六花「んっ」
勇太「んー……」
六花「…………」
勇太「…………」
樟葉「おにいちゃんお風呂開いたよさっさと入って!」ガラッ
勇太「どわあ樟葉!?」
樟葉「早く入って!ぼさっとしないで!入浴入浴!脱いで!入って!洗って!あとつかえてるから!!ほらタオルとパンツ!」
勇太「別につかえてないだろって引っ張るなおいこら!」
六花「ゆ、ゆうたぁ~……」
七宮「…………」
19 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 23:09:57.98 ID:ds9G5G710
翌日 部室
ガラッ
勇太「うぃっす」
くみん「ああ富樫くん、来てくれたんだ~。今日は誰も来ないと思ったよー」モグモグ
勇太「あれ、他の連中は?」
くみん「六花ちゃんとデコちゃんは二人で帰ったよ。
モリサマちゃんは演劇部だって。一色くんは知らない」ムシャムシャ
勇太「なんだ、そうですか」
くみん「じゃあ今日は二人で昼寝部の活動でもしようか」パクパク
勇太「寝るだけでしょうよそれ」
くみん「二人で寝るんだよお」ペロペロ
勇太「どういう意味ですかそれ」
ガラッ
七宮「邪王真眼!」
勇太「ああ寝るのを邪魔しそうなのが来ましたよ」
くみん「ダメだよ~勝手に入っちゃ」
20 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 23:16:30.01 ID:ds9G5G710
七宮「あれ? 二人だけ?」
くみん「六花ちゃんとデコちゃ(略)」
七宮「なーんだ、それはつまらないね」
勇太「悪かったなつまらなくて」
七宮「別に勇者がつまらないわけじゃないよ。
邪王真眼たちがいなくてつまらないって言っただけじゃん」
勇太「おい」
七宮「え?」
勇太「お前今なんて言った?」
七宮「え……邪王真眼たちがいなくて……」
勇太「その一個前だよ!」
七宮「別に勇者がつまらないわけじゃない……」
勇太「俺、人前で勇者って言うなって言ったよな!?」
七宮「あっ……ごめ……」
くみん「と、富樫くん?」
21 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 23:25:01.70 ID:ds9G5G710
勇太「本当にお前は! 何度言ったら解るんだよ!」
七宮「ごめんなさい、ごめんなさい!」
くみん「お、落ち着いて富樫くん、どうしちゃったの」
勇太「くみん先輩は黙っててくださいよ! こいつには罰が必要なんです!」
くみん「な、何言って……」
勇太「悪いのはお前なんだからな七宮! お前が悪いから!」
七宮「許して、わざとじゃないから! もうしないから!」
勇太「そんな言い訳で許されるわけないだろうが!」ボカッ
七宮「ふぎゃ!」
くみん「富樫くん!!」
勇太「お前は! お前は!」ドスッバコッ
七宮「うぐ、っぅ……!」
くみん「やめて富樫くん、何するの」
勇太「反省しろよ! おい! 七宮!」ドスッドスッ
七宮「ごめん、ごめんなさい……あぐっ」
25 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 23:32:50.87 ID:ds9G5G710
勇太「おい! うずくまってねえで立てよ!」
七宮「は、はい……うっ」ヨロ
勇太「お前は何をやったんだよ! 自分で言ってみろ!」
七宮「ひっ、ひっく……富樫くんの言いつけに背いて……
人前で富樫くんのことを……不適切な呼称で……呼びましたっ……」
勇太「もう一回言え!」バッチーン
七宮「あうっ!」
勇太「おらとっとと復唱しろよ!」バッチーン
七宮「うっ、あぅっ、わ、私は、富樫くんのっ、言いつけに……」
勇太「もっとはっきりしゃべれよ!」バッチーン
七宮「いっ、言いつけにぃ、そ、背いて! 人前で!」
勇太「ちゃんと気持ち込めて言えよ! 反省してますって気持ちを!」バッチーン
七宮「あっ、うぐっ、富樫くんのことをぉぉ! 不適切なぁ、呼称でっ……!」
勇太「最後までちゃんと……!」
くみん「もういいかげんにして富樫くん!!」ガシッ
29 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 23:41:38.34 ID:ds9G5G710
勇太「あっ、……く、くみん先輩」
くみん「なんでこんな酷いことするの……ちょっと呼び方間違えたくらいで……」
七宮「ひっく、ひぐ……」
くみん「何度も何度も、ぶったり、蹴ったり……」
勇太「い、いや……ち、違うんですよ、これは……」
くみん「どう違うの……七宮ちゃんこんなに泣いてるよ」
勇太「ああ、あ……七宮……ごめん、俺……また……」
七宮「に、にははは……ま、魔法魔王少女にはこれくらいなんともないってば」
勇太「すまない、七宮……本当に……」
七宮「も、もういいよ……私こそごめんね、言いつけ破ってばかりで……」
勇太「くそっ……こんなことしたいわけじゃないのに……」
【今回のスコア】
ビンタ×4 ………… 12P
グーパンチ×3 …… 12P
キック×2 ………… 8P
――――――――――――――
合計 32P
39 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 23:50:28.55 ID:ds9G5G710
くみん「……それで? どういうことなのかな」
勇太「…………」
七宮「…………」
くみん「さっきの口ぶりだと、今まで何度もこういうことがあったみたいだけど……」
勇太「それは……否定しません」
くみん「富樫くん、私悲しいよ。富樫くんがこんなふうに他人に暴力をふるう人だったなんて」
勇太「いいわけにもならないかもしれないけど……俺だってやりたくてやってるわけじゃないんです。
ついカッとなって……抑えられなくなるっていうか……」
くみん「一番危ないやつだよそれ……
七宮ちゃんがしてる眼帯も、富樫くんにやられたんだね」
七宮「はい……」
勇太「ごめんな七宮……なんで俺こんななんだろうな……」
七宮「もういいってば、気にしてないから」
くみん「気にしてない……って、あんなにひどいことされてたのに」
七宮「にははは、さっきも言ったように魔法魔王少女にはあんな攻撃は屁でもないの。
外傷なんてすぐに治癒できちゃうんだから」
くみん「じゃあなんで眼帯してるの」
41 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/09(日) 23:54:41.73 ID:ds9G5G710
七宮「こ、これはまあちょっとしたアレだよ、にははは」
くみん「何、あれって」
七宮「おーっと、もうこんな時間だった! 私そろそろ退散するね!」
勇太「待ってくれ、俺も帰る」
くみん「あ、ちょっと富樫くん……」
勇太「くみん先輩、今日見たことは誰にも言わないでおいてくれませんか」
くみん「え……」
勇太「お願いします。くみん先輩の胸の内だけにとどめておいてください。
俺がこんな人間だなんて他の人に知られたくないし……」
くみん「…………」
勇太「特に六花が……このことを知ったら……悲しむと思うし」
くみん「……解ったよ。誰にも言わない。でも約束して」
勇太「なんですか」
くみん「もう二度と……七宮ちゃんに暴力振るわないって」
勇太「約束します。もう絶対に、しません」
42 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/10(月) 00:02:07.55 ID:607dLDP50
くみん「それから、七宮ちゃんも……」
七宮「?」
くみん「富樫くんと七宮ちゃんはしばらく離れてたほうがいいと思う」
七宮「えっ……」
くみん「あんまり良くないと思うな、そういう関係……
カッとなって、見境がなくなるって言うなら、二人が離れたほうが……」
七宮「そ、それは……えっと……」
勇太「……そうだな、俺もそのほうがいいと思う。
七宮、俺たちしばらく会うのやめよう。それが一番確実だから」
七宮「あ、え、う……」
くみん「うん、じゃあそういうことに」
七宮「ま、待って。ダメだよそんなの!」
くみん「え?」
七宮「この魔法魔王少女の明晰な頭脳がある推測を導きだしたよ。
私と離れたら……今度は邪王真眼や樟葉がその対象になっちゃうんじゃないかなあ?」
勇太「う……」
44 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2014/02/10(月) 00:11:24.43 ID:607dLDP50
くみん「どうなの富樫くん」
勇太「ないとは……言い切れないです……」
くみん「富樫くん……」
勇太「俺、自分が怖いんです……このまま六花や樟葉にまで暴力を振るってしまうんじゃないかって……」
くみん「…………」
勇太「ごめん七宮……俺にはお前が必要だ。こんな俺だけど、一緒にいてくれ」
七宮「にーははは、当然だよ。私とDFMは久遠の因縁で結ばれているからね!
DFMが求めるかぎり、そして私が願うかぎり、この絆は永久に続くよ!」
勇太「ありがとう、七宮……」
くみん「七宮ちゃん、本当にそれでいいの? 大丈夫?」
七宮「この魔法魔王少女ソフィアちゃんをナメてもらっちゃあ困るね!
DFMの攻撃はすべて見切ってるからたいしたダメージは受けないんだよ!」
くみん「さっき泣いてたよね?」
七宮「それじゃ、私はこのへんで! じゃーねー!」
勇太「あ、まてよ七宮」
くみん「…………」
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