1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 00:30:17.84 ID:gyUnv6ZB0
一週間にわたって大判焼きを貢ぎ続け、風呂の順番も譲り、皿洗いも代わってやった。
挙句に一時間の土下座を経て、僕はようやく桜からライダーを譲り受けた。
聖杯戦争はちょうど始まったところだ。いまに見てろ桜。本当に間桐の後継者にふさわしいのは誰か、思い知らせてやる。
というわけでまずは>>3
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 00:33:53.53 ID:2m0SbgaW0
辞退
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [sage] 2012/07/22 00:39:28.17 ID:gyUnv6ZB0
「マスター。ひょっとしてその髪型を格好いいとでも思っているんですか?」
「兄さん。そのスポンジは鍋洗い用であって食器を洗うものではありません。本当に兄さんは使えませんね」
「カッカッ。聖杯戦争で自殺するのは構わんが、ライダーは研究素材にするから壊すなよ」
駄目だよ。いかに天才かつ超色男の僕でももう限界だよ。こんな環境じゃ戦えないよ。
だから仕方ないんだよ。これは自分探しなんて情けないものじゃなくて、必要に迫られての必然の行動なんだ。
「ほう。つまり教会の保護を受けたいと」
「あの家はもう駄目だよ。健全な人の住む場所じゃないんだ」
「たしかに教会はマスターを拒絶することはできんが……随分と早い諦めだな」
「えっ?」
どうも教会で休むには令呪を手放す必要があるらしい。
どうしようか>>7
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 00:41:03.85 ID:x9jw8EvE0
―――――戦う。
……令呪を破棄する←コッチ
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 00:46:43.19 ID:gyUnv6ZB0
「つまらん選択だ。だが自分の限界を知っているというのは尊いことでもある」
「なんだよ。僕が器の小さい人間だって言いたいのか?」
「いや、聖杯などという器に頼る者こそ器の小さい人間だろう。そういう意味では、君はむしろ大人物かもしれん」
「ははっ!わかってんじゃん!」
神父の手が僕の額に触れたことに気づくや否や、僕の意識は反転した。
痛かったならもっとマシだったろう。それはどうしようもない虚無。 死ね
眠りにつくような安堵。余分なモノがこそぎ取られていくような。
――
「やはり偽臣の書からは剥ぎ取れないか。悪戯に子羊を傷付けるだけとは心苦しいが……仕方ない」
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 00:49:49.66 ID:gyUnv6ZB0
神父に、教会の一室を渡された。なかなかに広くて趣のある一室だったが、如何せん家具が少なくて殺風景だ。
でもまあ、羽毛のベッドは評価してやってもいいかな。あの神父じゃ、この程度のもてなしで精一杯なんだろう。
何時の間にかライダーは消えてたけど、まああんなクソみたいなサーヴァントじゃ勝てるわけないし。
うん、僕は決して臆病風に吹かれたわけじゃない。ただ最良の選択をしただけさ!
というわけで何をしよう>>11
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [sage] 2012/07/22 00:51:21.36 ID:WYZVx4N20
かっこいいポーズ
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 00:56:04.29 ID:gyUnv6ZB0
今のうちに、家ではやりづらいことを済ませておこう。
すなわち、間桐慎二の限界性能を図ること……ベストポージングを探すのだ!
顔は右斜め45度、なんてのは素人の発言だ。小数点以下を探求しないようでは男が廃る。
幸い鏡は部屋にあるし、今のうちにじっくり調べてみよう。
うむ、腰はちょっと捻った方が……。
――途中ちょっと変な声が聞こえたような。
幽霊……のわけないな。教会へ訪れたシスターが僕の色気に当てられたのだろうか。
>>14
1.声の主を探しに行く
2.完全なるかっこいいポーズを極める
3.そんなことより衛宮いびり
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 00:57:12.41 ID:rR1EEHcfO
2
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 01:05:05.40 ID:gyUnv6ZB0
右手で指差す方向は真上より、ちょっと傾いてた方がいいか。
ほほ笑む対象がいないと笑顔が作りづらいが……僕の笑みはみんなのものだし、こういう練習も欠かせない。
「……格好いいじゃねえか」
気づくと、青い騎士が僕の部屋を覗いていた。
鍛え上げられた筋肉。細身の身体はしっかりと締り、しかしくどさがない。良い肉体美だ。僕ほどじゃないけどな!
「僕のセンスについてこれるなんて、只者じゃないな。まさかサーヴァントか」
「魔力感知も無しに見抜くとは、お前こそ……」
「ニヤリ」
「ニヤリ」
互いに自身の誇る最大の「格好良いポーズ」を魅せ合う。
悔しいが相手もかなりの格好よさだった。喩えるなら、風呂上りに腰に手を当てて牛乳を飲み干す間桐慎二に匹敵する。
力量を認め合った二人は熱い握手を交わし、互いの名前を名乗り合ったのだった。
「クランの番犬だ」
「冬木の華だ」
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 01:09:31.08 ID:gyUnv6ZB0
格好良いポーズの探求を続けているうちにもう昼過ぎになっていた。
「一緒に飯でも喰おうぜ」と格好いい男に言われたので、人の親切を無駄にしない僕はついて行ってやろうと思う。
せっかくなので美味しい飯を食べさせてやりたいが、桜に大判焼きを貢いできたので懐がさびしい。
傍らの格好良いサーヴァントはどうみてもサイフを携帯していたので、僕が払う必要がありそうだ。
食事をどうしようか >>23
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 01:11:12.65 ID:pRNitbTz0
士郎の手料理
24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 01:15:37.23 ID:gyUnv6ZB0
「おい衛宮ー」
衛宮の家に来るのは久しぶりだ。ちょっと緊張する。桜が出てきたらどうしよう。
控えめに。ついで強く、戸を叩く。
「なんだ慎二か」
「慎二か、とは何だ。せっかく衛宮ん家に来てやったんだぜ?」
「いや、ちょうど醤油が切れてて、昼飯のために買いに行こうと……」
「よし、僕が買ってきてやるから、昼飯作ってよ! 二人分追加な」
返事を聞かずに商店街へ。衛宮は断れないタイプだから、これで大丈夫だろう。
26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 01:19:08.34 ID:gyUnv6ZB0
衛宮家の今に戻ると、異様な圧力を感じた。
格好良い青のサーヴァントと、綺麗な金髪の女が睨みあっている。
視線から火花が飛ぶほどの迫力。威圧感だけで部屋が消し飛びそうだ。
そしてその空気を意に介さず料理を続ける衛宮もまた異常。
こんな環境では衛宮の手料理が楽しめない。僕が場を和ませるしかないだろう。
僕の合コン技術を生かして場を鎮めてみせる! そう、>>28 でね!
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 01:21:41.37 ID:wgvFZRdQ0
かっこいいポーズ
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 01:31:16.79 ID:gyUnv6ZB0
「光魔法! 格好いいポーズ!」
決まった。青いサーヴァントは破顔一笑。衛宮と金髪の女は変な顔をしたが、あれは微笑みを堪えているのだ。
ふふっ。惚れちゃってもいいんだぜ子猫ちゃん。衛宮に惚れられても困るが、まあ僕の色気の弊害だと思って我慢してやらないでもないぞ。
「さ、出来たぞ。慎二、ご飯よそってくれるか? 茶碗はそこな。人数分あるはずだ」
あれ、スルー? いや、目的は達した……と思うんだが。
「それでランサー。あなたは本当に食事のためだけに?」
「そういってるだろ。公私はしっかり分ける。食事は神聖だ。てめぇから仕掛けてこない限り、行儀よく食べるに徹する」
「うん、士郎の食事は神聖だ。食べ物を粗末にする者は我が剣に賭けて許さない」
「お、意見が合うじゃねえかセイバー」
金髪の可愛い子が青いサーヴァントに集中しているのが気にくわない。
見る目がない……いや、恥ずかしくて目を合わせられないのか。恋愛は奥手そうだしな。
兎にも角にも食事が上手い。俺の茶碗にだけ蟲の汁みたいのが微妙にかかってたりする我が家とは大違いだ。
上手過ぎて思わず衛宮を持ち帰りたいほどだ。
「衛宮、>>33」
1.聖杯戦争のことなんだが
2.愛してる
3.さっきの僕のポーズ、どう思う?
33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [sage] 2012/07/22 01:33:31.75 ID:WYZVx4N20
3
37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 01:42:10.58 ID:gyUnv6ZB0
「どう思うって、慎二らしくて良いと思うけど?」
「と、当然だろ// そんな当たり前のこと言ってないで、アドバイスとか無いのかよ」
衛宮はひとしきり唸り、カボチャの煮付けを口に運び、そこで金髪の可愛い子が口を挟んできた。
「変わった構えでしたが……思い返すと意外に隙が無い。重心をあえて落ち着かせないことで敏捷性を取ったのですね。
あえて改善点を挙げるなら、足元でしょうか。あれでは左右へ避けるのは早いでしょうが、滑らかさに欠ける。
バックステップや前転への選択肢があれば、なお強力な構えになることでしょう」
「足元か。そこは盲点だった。こう、斜めに開く感じはどうだろうか」
「いえ、片方は前に固定して……」
「こうか!」
「おい冬木の華、それだと左面が甘い」
「ああ、全方位に意識を配らなくては失礼だよな」
なかなか理解のある子だった。僕の格好いいポーズスキルが一段階上がった気がする。
ときどき含み笑いをする衛宮は、もうマジで僕に惚れてるんじゃないかって感じだが、料理が上手いので許す。
青い奴の、神父への愚痴を聞いてやったら、こいつも僕の格好いいポーズ研究に協力してくれた
40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 01:47:10.65 ID:gyUnv6ZB0
ようやく納得の行くポーズができた時には、もう夕方だった。
充実した時間は進むのが早い。
「おい衛宮、どこ行くんだよ」
「セイバーに稽古を付けてもらおうと思って」
「おっ、面白そうだな。俺も混ぜろよ。本業は槍だが、剣もいけるぜ?」
三人とも、僕のパーフェクトポーズにさしたる言葉もかけず、道場へ行ってしまった。
おい待てよ、ここから二段階に派生をもって真の慎二アルティメットが完成するんだよ。
腹いせに衛宮家を漁る……ってのは浅ましいな。かといって家に返っても桜と祖父さまにいびられるだけだ。
どうしようか >>42
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 01:49:08.90 ID:wgvFZRdQ0
偶然金ぴかが通りかかる
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 01:55:43.96 ID:gyUnv6ZB0
「また雑種に飼われているとはもったいない、早く俺の手に……ん?」
なんか金髪のイケメンがこっちを見てる。不法侵入じゃね?
ラフな格好が似合ってて凛々しい視線が素敵だけど、盗み見とは感心しないな。
「お前は、あのマジックミラーの向こうでポーズを取っていた男!」
「その声は、鏡の向こうから聞こえてきた奇声!」
まるで挑戦するかのように、金ぴかの男は障子越しのポーズを取った。
輝き溢れる体勢。中心は胸筋か、ボディビルディングの方の手法に近い。
弾力と伸縮性に富んだ筋肉は暑苦しさという欠点がまるで無い。まるで古代の彫刻のような格好いいポーズ。
俺は…… >>45
1.敗北を認める
2.慎二アルティメットで対抗だ
3.相手の欠点を指摘してやる
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 01:56:32.63 ID:H89m4CxPO
2
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 02:02:51.67 ID:gyUnv6ZB0
全身全霊、この一瞬に全てを賭す!
血液が沸騰するような興奮。あるべき慎二を想像し創造しろ!
選ばれた人間。間桐の後継者たる俺には力がある。
究極の姿勢、完全な視線。足りないのなら奪い取れ、それが間桐の有り方!
「ふっ。所詮雑種か」
「まだだ、羅漢魅了す(ゲイ)――」
前転。セイバーは僕にヒントをくれた。
輪転こそ間桐の本質。餌、成長、収穫。蟲とは、生命とは輪転するもの!
「ぬっ……! 貴様ッ!」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 02:11:00.05 ID:gyUnv6ZB0
「死翔の構え!」
喰らえッ、僕のアクロバティックポーズを!
ポーズとは点。しかしその間のダイナミクスは、ポーズを三次元にまで昇華する。
「ぬうううう! 全てのポージングの原典を集めたこの俺が知らない世界だと!?」
しなやかにして豪快。セイバーはライオンの如き野生のポーズを。
強く早くしかし儚く。クランの番犬さんは風の如き自然の有り様を。
そして桜がッ、間桐の魔術がこの世の闇を教えてくれた!
「勝利すべき黒金のポーズ――!」
瞬間、居間は光に満ちる。精神に干渉するレベルに達したそれは、もはや魔術、否魔法と言っても過言ではない。
「この俺の手に入らぬ宝は彼女一人と思っていたが……これは……」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 02:16:57.34 ID:gyUnv6ZB0
心の奥、存在そのものにまで絡みつくこの世全ての悪。
その呪いが、慎二の決死のポーズによってほどけていく。
呪いによって現世とのパスを強制接続されていた身体が崩れる。
闇を仲介する契約は今ここに破棄され、前回から残る8人目は感動と共に魔力を失いつつあった。
「最後にいいものが見れたぞ……」
「ま、待て! >>58」
1.僕と契約しろ!
2.お前の本気はそんなものか!
3.まだ僕のポーズは終わってない!
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 02:17:28.23 ID:gyUnv6ZB0
あ、安価ミス>>61で
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 02:17:38.68 ID:wgvFZRdQ0
2
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: [] 2012/07/22 02:24:35.80 ID:gyUnv6ZB0
「こんなポーズを魅せられてはもう三流の芝居など出来ぬ」
「感動を糧に飽くなき探求を続けるのが魔術師……いや、僕たちだ!」
アーチャーのサーヴァントゆえ、単独行動スキルはある。
あるが、魔力無しでこの男に恥じぬポーズができるのか。王は逡巡する。
「お前は回路も無しにこの境地にたどり着いたのだったな……。
いいだろう。見せてやる。我が愛剣エアと共に佇む姿を!」
剣というには異様に過ぎ、しかし他の武器のいずれでもないソレ。
王を名乗るには慢心が過ぎ、しかし王以外のいずれでもない男。
シンプルにして王道。慎二のそれに及ばないのは王自身が理解している。
それは勝負ではなく、礼儀。
67 :眠いので寝るかー: [] 2012/07/22 02:29:23.53 ID:gyUnv6ZB0
令呪無きマスターと在りうべからざる八人目のサーヴァントが聖杯戦争を制すのは、当然の帰着。
彼らは強い絆と弛まぬ努力によって平和的に戦いを終わらせる。
ひたすらに格好いい姿だけを書いても仕様がないため、筆をここで置こう。
第五次聖杯戦争、アンリマユは聖杯の中で願った。
おれもあんな、ぽーずがしたい……。
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