1 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:18:19.83 ID:hfA9PeE50
叛逆の物語で、ほむらが世界を再編した後、
さやかと対立することも無く、
まどかが円環の理に戻ることもなく、
平穏な日常が続いた、新編から6年後の世界を想像しました。
2 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:18:46.57 ID:hfA9PeE50
まどか「…ほむら…ちゃん?」
ほむら「ええ。久しぶりね、まどか」
まどか「やっぱり…ほむら、ちゃん…っ!」
ほむら「元気そうで何よりだわ」
まどか「久しぶり、どころじゃないよ…っ全然連絡くれなくって…」
ほむら「ちょっと色々あったの。ここで立ち話も何だわ」
まどか「あ…そうだね。ここでは話しにくいよね」
ほむら「もうお参りは済ませたの?」
まどか「うん。もう夕方…今からどこか、行こう?」
ほむら「ええ、ゆっくり話せるところがいいわね」
まどか「じゃあ駅まで戻ろう」
ほむら「ええ」
3 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:19:17.39 ID:hfA9PeE50
まどか「…ほむらちゃんが居なくなって、私すごく寂しかったの」
ほむら「そう…心配かけたわね」
まどか「だって…あの時のクラスのみんな、全然気にしてなくて…怖かった」
ほむら「あの時はあの時よ。今、私はここに居るわ」
まどか「うん…あ、そこのお店でいい?」
ほむら「ええ、入りましょう」
4 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:19:45.70 ID:hfA9PeE50
まどか「それにしても…4年ぶりかな」
ほむら「そうね、高校2年の夏からだから」
まどか「ちょうど4年…ほむらちゃんもお酒飲む?」
ほむら「まどかが飲むなら私も付き合うわ」
まどか「じゃあこれとこれ…お願いします。でも、今日は会えて良かった…実はね?」
ほむら「ええ」
まどか「何か、予感がしてたの」
ほむら「そう」
まどか「だから、直ぐに分かったよ…」
ほむら「それは私にも言えるわ」
まどか「え?」
ほむら「貴女よ。全然変わってない…背は少し伸びたみたいだけど、雰囲気はあの頃と変わらない…」
まどか「あ、ほむらちゃんまで子供扱いする!そりゃあ確かに未だに補導されそうになるけどさ…」
ほむら「ふふ…子供っぽいと云うわけではないのよ?あ、お酒が来たわね」
まどか「ほむらちゃんは昔から大人びてて綺麗だったよ…はい、ありがとうございます」
ほむら「私は太陽の前の月よ…では、再会を祝して…」
まどか「乾杯」
5 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:20:16.19 ID:hfA9PeE50
まどか「何だか懐かしいね…中学校の頃、みんなが居た頃…」
ほむら「ええ」
まどか「あの頃が一番楽しかったな…」
ほむら「そうね」
まどか「2年の夏、みんなで海行ったの覚えてる?ほむらちゃん、さやかちゃん、杏子ちゃん、仁美ちゃん、
マミさん、なぎさちゃん…」
ほむら「私はその時行けなかったのよ」
まどか「あれ?そうだっけ…あ、そうだ、家の用事があるって言ってたね。私も残念だったから…」
ほむら「ええ、でもお土産話を散々聞かされたからお腹いっぱいになったわ」
まどか「てぃひひ…修学旅行とか、文化祭とか、楽し…あれ?」
ほむら「そうね、みんなで同じ班になって楽しかったわ」スッ
まどか「…うん、中学生の頃はいつもみんなと一緒に居たもんね」
6 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:20:47.21 ID:hfA9PeE50
まどか「高校に入ってすぐ…マミさんがあんなことになって…」
ほむら「貴女が泣き止まないからみんなで慰めていたわね」
まどか「うん…だって、憧れの先輩だったから…」
ほむら「それが魔法少女の運命よ」
まどか「でもっ…でも、なぎさちゃんの泣くのを我慢している顔が、余計に辛かった…」
ほむら「巴マミは最後まで立派に戦った。責務を果たしたのよ」
まどか「そう、だね…」
ほむら「彼女の意思は杏子やさやか…他の魔法少女にも受け継がれたわ」
7 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:21:16.57 ID:hfA9PeE50
まどか「その後…杏子ちゃんは風見野に戻って…」
ほむら「ええ、彼女は死期を悟っていたのか。それとも死に場所を選んだのか」
まどか「さやかちゃんと2人でずっと教会に通ってたよ…」
ほむら「ええ」
まどか「さやかちゃんも…」
ほむら「…さやかは杏子の死をずっと引きずっていたわ」
まどか「うん、いつも自分を責めてた」
ほむら「ソウルジェムは限界だった。浄化が追いつかなかったわ」
まどか「…親友として、何の力にもなれなかったな…」
ほむら「最後まで彼女は正義の魔法少女だった。讃えるべきよ…」
まどか「…うん」
ほむら「…」
まどか「それから直ぐ、ほむらちゃんも居なくなって…」
ほむら「ええ…」
まどか「あ、ゴメンね!せっかく久しぶりに会えたのに湿っぽい話ばかり…」
ほむら「いえ、いいのよ。これも彼女達への追悼…」
まどか「うん、そうだね…でも、でも、他にも話したいことがたくさんあるから」
ほむら「まだ夜はこれからよ。次は何を頼むの?」
8 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:22:11.60 ID:hfA9PeE50
まどか「それでね、あの時さやかちゃんが…」
ほむら「ええ、あの時は本当に困ったわ…あら、もうこんな時間よ」
まどか「え…あ、本当…なんかあっという間だったね…」
ほむら「話に夢中になってたからよ…随分飲んだみたいだけど立てる?」
まどか「大丈夫大丈夫」フラフラ
ありがとうございましたー
ほむら「まどか、千鳥足よ。私の手につかまって」
まどか「だいじょう…あっ」フラッ
ほむら「危ない…」ダキッ
まどか「ありがと…ほむらちゃん…」
ほむら「良かったわ、転ばなくて」
まどか「…」ギュ…
ほむら「…」
まどか「こうやってると思い出すね…」
ほむら「…ええ」
まどか「校舎を案内してもらってて…廊下で…」
ほむら「あの時は急にごめんなさい」
まどか「ううん。その時はビックリしたけど…本当は恥ずかしいというより、照れてたのかな」
ほむら「…そう」
まどか「うん…」
9 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:22:47.98 ID:hfA9PeE50
まどか「ほむらちゃん、送ってくれてありが…あ…」カクッ
ほむら「あら、部屋まで送るわ」
まどか「ごめんね…やっぱり優しいね、ほむらちゃん…」
ほむら「貴女と比べたら私なんて…はい、ベッドよ。横になって」
まどか「うん…」
ほむら「はい、お水よ」
まどか「ありがとう」
ほむら「…」
まどか「…」クイッ
ほむら「まどか?」
まどか「もうちょっと…居てくれないかな…」
ほむら「勿論よ…貴女が寝るまでここに居るわ」
12 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:27:06.92 ID:hfA9PeE50
まどか「でも良かった、ほむらちゃんとまた会えて…」
ほむら「何も言わずに美滝原を離れて、申し訳ないと思ってるわ」
まどか「本当だよ…ずっと探したもん…ずっと…」
ほむら「ええ…本当は、きちんとお別れを言って去るつもりだったの」
まどか「…え」
ほむら「まどか。円環の理」
まどか「え?急に何?」
ほむら「さやかが死んだ後、貴女に試したキーワードよ」
まどか「えん…かん…?」
ほむら「その時も反応は無かった…美樹さやかが死んだ時点で、私が貴女の近くに居る必要はなくなった」
まどか「…?」
ほむら「それどころか、私が居れば余計な災厄を招きかねない…だから去ったの」
まどか「何言っ…ほむらちゃん?」
ほむら「でも、その際貴女の記憶を消すのを躊躇ってしまった…」
まどか「ほむ…」ガバッ
ほむら「それは私の甘えだったわ…」スッ
まどか「ら…ちゃ…」クラッ
ほむら「貴女に…貴女にだけは、私のことを覚えていて貰いたかった」
13 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:28:16.24 ID:hfA9PeE50
ほむら「けれど、それは余計に貴女を苦しませた…記憶は常に貴女を責めることになった」
まどか「…あ…」ドサッ
ほむら「この4年間、葛藤した。迷いなんて…躊躇いなんて。とうに捨てたはずだったのに…」
まどか「…」
ほむら「…貴女の為なら私は何でも出来る…どうなっても構わない。再び決意をしたわ」
まどか「ほ…」
ほむら「魔法少女達の血塗られた記憶を貴女から…私の存在した証を、世界から、貴女から。消去する」
まどか「や…め…」
ほむら「まどか、眠りなさい…」スッ
まどか「ほ…む…」
ほむら「目を覚ました時には、新しい世界が待っているわ」
まどか「…」
ほむら「またいつか、この世の終わりに逢える日が来る」
まどか「…」スー
ほむら「まどか」
ほむら「…」
ほむら「さよ、う」
ほむら「なら…」
ほむら「…」
ポタッ
14 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:28:48.19 ID:hfA9PeE50
まどか「…ん~」
まどか「…朝」
まどか(今日の講義は…昼からだから、大丈夫)
まどか(頭痛い…完全に二日酔いだね…)
まどか「あ…居ない…ほ…」
まどか「…?…居ない?」
まどか(…)
まどか(…誰が居ないの?)
まどか(誰が居るはずだったの…?)
まどか(お水…)ゴクゴク
まどか(…)
まどか(ほ…)
まどか(…思い出せない)
まどか(…)
15 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:29:16.49 ID:hfA9PeE50
まどか「あ、お母さん…おはよ…」
詢子「おはよ…って酷い顔だね」
まどか「昨日遅くまで飲んでて…」
詢子「仁美ちゃんと飲んでたのかい?」
まどか「ううん…」
詢子「大学の同級生かい」
まどか「ううん違うの…誰だろ」
詢子「おいおい、誰と飲んでたのかも分からないの?危ない奴じゃあ」
まどか「分からない…でも大事な人なのっ…絶対忘れちゃダメ、なのっ」
詢子「…そう。まあ飲みすぎて混乱してるのさ。シャワーでも浴びて頭スッキリさせてきな」
まどか「うん…」
16 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:29:43.19 ID:hfA9PeE50
まどか(昨日はさやかちゃんとマミさん、杏子ちゃんのお墓参りをして)
まどか(それから…)
まどか(夢の中で…逢った…ような…)
まどか(もうその夢の中身も思い出せない…)
17 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:30:11.79 ID:hfA9PeE50
「おーい、まどかー」
まどか「はーい、今行くよー」
「この前の講義のノート写させてー」
まどか「もう、いつも代返じゃダメだよっ」
「ごめんごめん」
「今日はどこ遊びにいく?」
まどか「今日はねー…」
まどか「…」
「どうしたのー?ボーっとして」
「まどか、たまにこうなるんだよね」
まどか「あ、うんゴメンね!で、今日はね…」
18 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:30:37.73 ID:hfA9PeE50
まどか「じゃあまた明日っ」
「ばーい」
「でもまどか、随分と変わったね」
「うんうん、前はほんと近寄り難かったからね」
「いっつも暗い顔してさぁ」
「何かふっ切れる事があったんじゃない?」
「今が、素のまどかなんだろうね」
19 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:31:08.50 ID:hfA9PeE50
まどか(今日もいつもと変わらない毎日です)
まどか(でも、ふとした時に思い出すんです)
まどか(長い黒髪の女の子)
まどか(名前も思い出せない)
まどか(どんな顔をしていたかも思い出せない)
まどか(でも、いつも私のそばに居て)
まどか(私を守ってくれて)
まどか(寂しそうに笑ってる)
まどか(そんな姿が、瞼に浮かぶのです)
まどか(…)
まどか(ありがとう)
まどか(いつか)
まどか(いつか逢える日が来るよね)
20 : ◆OkhT76nerU[saga]:2014/02/05(水) 00:32:52.35 ID:hfA9PeE50
これにて終了です。
単発でこんなんでいいのかと思いましたが。
叛逆の物語後の世界。
大きい事件が無ければこうなるのかな…と思って書いてみました。
21 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします[sage saga]:2014/02/05(水) 01:59:26.02 ID:6VhyjiuM0
乙!!!!
結局、平和が一番って訳よ!
22 :以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします2014/02/05(水) 02:29:43.24 ID:9DSIeeQ80
乙
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