1: ◆/BueNLs5lw 2014/12/19(金) 00:49:36.10 ID:l++eVCrR0
ほのにこ
たぶん短い
深夜――コンビニ前
にこ「あー、お腹空いた。財布バックに入ってたっけ」
ゴソゴソ
にこ「……から揚げくらいなら買えるか」
ウイーン
にこ「……やっぱりちょっと食べてこれば良かったかしら……あいたッ」
ヒリヒリ
にこ「たく、穂乃果のせいで……膝もすりむいちゃったじゃない」
にこ(……ま、勝手にこけただけだけど)
にこ「あの、からあげ一つお願いします」
店員「はい」
2: ◆/BueNLs5lw 2014/12/19(金) 00:58:50.83 ID:l++eVCrR0
ウイーン
店員「ありがとうございましたー」
にこ「こんなの5個も食べたら、絶対太るわ……」モグモグ
にこ「あいつ、まだにこん家にいるかしら……」
にこ「もしかして追いかけて来てるかな……」
ピローン
にこ「……着信。穂乃果か。私も少し大人気なかったし……」
ピッ
にこ「もしもし」
穂乃果『……にこちゃん』
にこ「……その、悪かったわ」
穂乃果『……どこ?』
にこ「あー、駅前のコンビニよ」
穂乃果『あ……いた』
にこ「え?」クル
3: ◆/BueNLs5lw 2014/12/19(金) 01:08:37.15 ID:l++eVCrR0
穂乃果「……ごめんなさい」
にこ「私に弱音吐くなんて……リーダー失格よ」
穂乃果「……だって、にこちゃん達がもうすぐ卒業しちゃうって思ったら……」
にこ「思ったらなんだって言うの……仕方がないじゃない」
穂乃果「そうだよ……でも、私、にこちゃんみたいに割り切れないよ」
にこ「……」
穂乃果の頭が、にこの肩に置かれる。
穂乃果「どうやって乗り越えたらいいのかな……」
にこ「今生の別れでもあるまいし……」
穂乃果「部長がいなきゃ、リーダーは……背中が寂しいんだもん」
にこはふっと息を吐いた。
こんな甘えん坊がリーダーなわけがない。
にこ「あんた一人じゃリーダーになんてなれないってことくらい、みんな分かってる」
穂乃果「そのみんなの中に、にこちゃんがいるんだよ……?」
にこ「もうすぐいなくなる奴のことを数に入れないの」
4: ◆/BueNLs5lw 2014/12/19(金) 01:19:39.17 ID:l++eVCrR0
穂乃果の声が肩を揺らす。
にこ「μ’sはもうおしまい。それを決めたのはあんた達じゃない」
穂乃果「でも、でもッ……にこちゃんが、遠くに行っちゃうのはいやだよッ」
にこ「私だって、それなりに覚悟していくわけ……穂乃果、欠けることはアイドルにはよくあるのよ」
穂乃果「にこちゃんはアイドルだけど、アイドルの前に……私の大好きなにこちゃんだもんッ」
にこ「穂乃果……」
穂乃果「私も、一緒に……」
にこ「ばーか」
べしッ
穂乃果「いたッ」
にこ「あんたは高校生活満喫しなさいよ」
穂乃果「……どうして……みんな一緒になれないのかな」
にこ「子どもみたいに駄々こねない」
5: ◆/BueNLs5lw 2014/12/19(金) 01:33:00.88 ID:l++eVCrR0
穂乃果「にこちゃん……置いて行かないでよお……ッ」
にこ「どうして、こんなに弱虫になっちゃったのか……あんた」
穂乃果「にこちゃんが、私にたくさんたくさん……色んなものをくれたからだよ。手放せないものが多すぎるんだよ……」
にこ「……穂乃果」
穂乃果「……なあに?」
にこ「少し、距離を取るのもお互いのため……だと思う」
穂乃果「……それ、どういう」
にこ「別れるってこと」
穂乃果「……ッ」ポロ
にこ「遠距離で苦しいのは、もちろん互いを強くするかもしれない……でも、今のあんた見てると、辛いかな」
6: ◆/BueNLs5lw 2014/12/19(金) 01:46:07.27 ID:l++eVCrR0
穂乃果「別れちゃうの……ッ……もっと辛いよ」ポロポロ
にこ「そうかもね……」
穂乃果「にこちゃん……やだッ……やだよおッ」
にこ「……」
スポットライトの似合う少女は、
街灯の明かりの下で泣きじゃくっていた。
私は涙を拭うことはしなかった。
彼女を抱きしめてあげることもしなかった。
穂乃果「ひどいよッ……」
このまま、彼女と一緒になるのもいいと思ったけど。
それじゃあ、二人何も変わらないから。
にこ「うん……」
分かってる。
でも、
穂乃果なら、
またきっと――。
終わり
ラブライブ! School idol diary ~μ\'sのクリスマス~
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