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友奈「勇者育成プログラム?」

1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 17:30:05.55 ID:ZGVxXauiNIKU.net

- 東郷家 美森の部屋 -


友奈「あっ……もうこんな時間」

東郷「ほんとだ、そろそろお開きにする?」

友奈「そうだね、家に帰って課題やらないと……って、東郷さんは終わった?」

東郷「私は授業中に終わらせたから」

友奈「さ、さすが東郷さん……え、えっと……」

東郷「だーめ」

友奈「ま、まだ何も言ってないよ……」

東郷「友奈ちゃんの考えはお見通しです」

東郷「課題に役に立ちそうな情報、送っておくから。自分でがんばってね」

友奈「うぅ……ありがと」

【Amazon.co.jp限定】 結城友奈は勇者である 6 (オリジナル2L型ブロマイド付) [Blu-ray]

2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 17:33:30.36 ID:ZGVxXauiNIKU.net

友奈「それじゃあ、また明日ね」

東郷「友奈ちゃん。端末、忘れているわ」

友奈「あっ……いけないいけない」

東郷「はい、友奈ちゃん」

友奈「ありがと、東郷さん。それじゃ」

東郷「うん……また明日」


――

- 結城家 友奈の部屋 -

友奈「はぁ……やっと、課題が終わったぁ」

友奈「あ、東郷さんにお礼言わなきゃ」

『東郷さん、ありがとうね。東郷さんのおかげで課題やっと終わったよー』

友奈「送信っと。あっ、結構時間かかっちゃった……早く寝ないと」


4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 17:37:10.44 ID:ZGVxXauiNIKU.net

友奈「また、朝起きられなくて東郷さんに叱られちゃう」

友奈「えへへ、ベッドにイーン!」ボフッ

友奈「ふかふかー」

友奈「はっ、いけない。寝る前に勇者の心得、復習しなくちゃ」

 ピロリーン

友奈「ん? あれ、なんだろこのアプリ」

 『勇者育成プログラム ver4.041』

友奈「……勇者育成プログラム? こんなのダウンロードしたっけ」

友奈「でもなんかすごい役に立ちそう!」

友奈「えいっ、ぽちっと!」


 ブゥン  プツッ


――――――

――――

――


6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 17:40:18.70 ID:ZGVxXauiNIKU.net

チュンチュン

友奈「……」

友奈「んっ……明るい……もう朝ぁ……?」

友奈「って! あれ……?」ガバッ

友奈「ここどこ……」

友奈「わたしの部屋じゃ……ない?」

女性『さあ できたわ』

友奈「わっ……」

友奈(び、びっくりした……)

女性『ゆうなや』

女性『いいこだから このおべんとうを いけで つりをしている おとうさんに もっていっておくれ』

友奈「えっ……と? どなた……ですか?」

女性『あっ それから むらのみんなに あったら ちゃんと あいさつ するのですよ』

友奈「……村の……みんな?」


8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 17:43:38.33 ID:ZGVxXauiNIKU.net

女性『おべんとうを とどけてくれたら おまえも すぐ しょくじに しますからね』

友奈「えっ……あっ、はい」


――

友奈「……って、言われるがままにお弁当持って外に出てきちゃったけど」

友奈「これって、夢……だよね。それにしては妙にリアル……かも」

友奈「お父さんにって言ってたっけ。ということはあの人はお母さん?」

友奈「うーん……わたしの?」

友奈「まぁ、考えても仕方ないし、お弁当届けよっと」

男性『おっ ゆうな。 さんぽかい? きょうは いいてんき だね』

友奈「あっ、おはようございます。えっと、お父さんにお弁当届けに行くんです」


9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 17:46:55.85 ID:ZGVxXauiNIKU.net

友奈(池ってどっちだろう……迷った……)

友奈(あれ、あんなところに兵隊さん……?)

兵士『ここは むらの いりぐち』

兵士『あやしいやつが はいってこないよう みはっているのだ』

友奈「お、お勤めごくろうさまです!」

兵士『ゆうな。むらの そとへ でたいのか?』

友奈「えっと、とりあえずお父さんにお弁当を届けないといけないから」

兵士『そうだな。 ゆうなが むらを でるには もっともっと つよくならなくてはな』

友奈「……あ、は、はい。それじゃわたしはこれで……」

友奈(強くないと村の外に出られない? どういうことだろう……)


10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 17:50:16.96 ID:ZGVxXauiNIKU.net

友奈(そんなにこの村、広くはないのかな)

友奈(あれ、この家……ドアが開きっぱなし……)

友奈(ちょっとくらい、寄り道しても大丈夫だよね)

友奈「こ、こんにちはー。あの、ドアがあいて――」

老人『おお ゆうなか!』

老人『きょうは そなたに いかづちの じゅもんを おしえようぞ!』

友奈「ええっ! 呪文を教えてもらえるんですか!?」

老人『しかし そのようすでは はらが へっているな』

老人『よし! じゅぎょうは めしをくってからじゃ!』

友奈「わ、わかりました! 師匠!」

友奈(そういえば、お弁当届けたらごはんって、お母さんが言ってたっけ)

友奈「また後ほど、よろしくお願いします!」ビシッ


12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 17:53:56.47 ID:ZGVxXauiNIKU.net

友奈「呪文ってどんなのだろう、いかづちって言ってたよね」

友奈「こう、ピカピカドーン! みたいな感じなのかな」

友奈「楽しみ~」

戦士『きえーい! ボカッ!』

友奈「あいた! な、なにするんですかぁ!」

戦士『わっはっはっ。 ゆだんしたな ゆうな』

戦士『けんの しゅぎょうは きびしいのだ』

友奈「け、剣の修行?」

友奈(そういえば腰に鞘があるけど……)チャキ

友奈(茶色の剣? 鉄じゃないのかな)

友奈(でも呪文よりかはこっちのほうがわたしに合ってる、かも)


16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 17:57:07.81 ID:ZGVxXauiNIKU.net

友奈「この建物、INNって書いてる。なんだろう」

友奈「入ってみよっと!」

友奈「こんにちはー」

友奈(ん、なんかこのおじさん、上の空?)

友奈「何かあったんですか?」

商人『じつは ゆうべ たびのしじんが このむらに まよいこんできましてな』

友奈(迷い込んでって、そんなにここって山の奥なのかな)

商人『むらの おきてを やぶって つい たすけてしまったのです』

友奈(村の掟なんてあるんだ……)


17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 17:59:57.99 ID:ZGVxXauiNIKU.net

友奈「でも、村の掟だからって、困っている人を助けないなんておかしいよ!」

友奈「だから、おじさんは正しいことをしたと思う!」

商人『わざわいの たねに ならねばよいですが……』

友奈「大丈夫、考えすぎだよ」

――

友奈(奥の部屋に居るのがもしかして……)

詩人『わたしは たびの しじん』

詩人『やまみちで まよってしまって このむらに たどりついたのです』

友奈「それは災難でしたね……でも大丈夫!」

友奈「村のみんな、いい人たちばかりだから! きっと帰ることができますよ」

詩人『しかし こんな やまおくに こんなむらが あったとは……』

詩人『きいたことも ありませんでしたよ』

友奈「き、聞いたことすらないんですね……」

友奈(ここ……どれだけ田舎なんだろう)


18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 18:04:00.81 ID:ZGVxXauiNIKU.net

友奈(いけない、寄り道しすぎちゃったかな。お父さん、お弁当を待ってるかも)

友奈「あっ、池があった!」

友奈「ということは……釣りをしてる人が……いたいた、あれがお父さんかな」

友奈「おとーさーん!」ブンブン

学者『おお ゆうな。 おべんとうを もってきてくれたのか』

友奈「うん! はい、これ。お弁当!」

学者『ところで ゆうなや』

友奈「なに?」

学者『おまえも 17さい そろそろ おとなの なかまいりだな』

友奈「い、いきなりどうしたの?」

友奈(それにわたし、まだ13歳だし……娘の歳を間違える父親ってどうなのかなぁ……)

友奈(わたしのお父さん、覚えてるかな……ちょっと怪しい)


19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 18:07:24.66 ID:ZGVxXauiNIKU.net

学者『よいか ゆうな。 つよく ただしく いきるのだぞ』

学者『たとえ なにが おこってもな……』

友奈「えっ……」

友奈(強く、正しく、勇ましく……それが、それこそが)

友奈「わかってるよ、お父さん。それが勇者だから!」

友奈「それじゃあ、もう戻るね」

友奈(お母さん、わたしの分のごはん、用意してくれてるだろうし)

――

友奈「それにしても……んー! いい天気!」

友奈「すごい山奥みたいだけど、自然いっぱいで空気もおいしい!」

友奈「村のみんなも良い人ばかりだし!」

友奈「のどかでいい村だなあ」


21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 18:12:30.91 ID:ZGVxXauiNIKU.net

友奈(帰りは違う道から帰ってみようかな)

友奈「わっ……なにあれ、すごいお花畑!」

友奈「見たことない花ばっかり……押し花にしたら、すごく綺麗かも」

友奈「少しもらっていこうかな……って、あれ、なんだろう」

エルフ「……」

友奈「だ、誰か倒れてる!?」

エルフ「ふわぁぁ」

友奈(って……あれ……もしかして……)

友奈「東郷……さん?」

エルフ「あら、おはよう、ゆうな」


22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 18:17:40.88 ID:ZGVxXauiNIKU.net

友奈「東郷さん! 東郷さんもここに来てたんだね!」

エルフ「トーゴーサン?」

友奈「えへへ、夢の中でも東郷さんに会えるなんて……」

エルフ「んー、私の方が寝起きのはずだけど……」

エルフ「寝ぼけているのはゆうなの方みたいね」

友奈「えっ……何言ってるの東郷さん……」

エルフ「それとも、頭でも打ったのかしら……」

友奈「わ、わたし、頭なんて打ってないよ!」

エルフ「そっか、そっか……かわいそうなゆうな」

エルフ「そんなかわいそうなゆうなに、ちゃんと一から教えてあげるね」

友奈「えーっと……はい」

エルフ「私の名前はシンシア」

エルフ「ゆうなとは、この村でずーっと一緒にすごしてきた幼馴染よ」


23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 20:11:43.77 ID:CTAB2hiY0.net

友奈「シンシア……さん?」

エルフ「はぁ……さん付けだなんて、やっぱりまだ……」

友奈「い、今のは違うの! シンシア! シンシアだよね! 忘れるわけないよ!」

エルフ「ふふっ、どうやら思い出したみたいね」

友奈(どこからどう見ても、東郷さんなのに……声も。あっ、でも耳がとんがってる!)

友奈(こういう耳をしてるのエルフって言うんだっけ)

友奈(東郷さん、似合ってるなあ)

友奈(なんか着ている服とか帽子も、ファンタジーって感じがするし!)

エルフ「もしかしてゆうな。まだ寝足りてない?」

友奈「あはは、そ、そうかも?」

友奈(というか、今まさに眠っている最中だと思うんだけど……)

エルフ「ほら、こうして……寝転がっていると、とてもいい気持ちよ」

友奈「ほんと?」


24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 20:23:57.57 ID:CTAB2hiY0.net

コロンッ

友奈「わぁ……おひさま、ぽかぽかであったかい……」

友奈「それにお花もいい香り……」

エルフ「でしょう?」

友奈「確かにここなら、お昼寝したら気持ちよさそう」

エルフ「ふふっ、ゆうななら日が沈んで、夜になっても寝ていそうね」

友奈「そ、そんなに寝ないよ!」

エルフ「あははっ」

友奈「もう……」

友奈(外見が東郷さんだからかな。全然初めて会った気がしないというか)

友奈(なんかこう……壁が最初から無い感じ)

友奈(ほんとにずっと一緒にいた幼馴染みたい)

友奈(もしかして、わたしにお姉ちゃんがいたら……こんな感じなのかなぁ)


26: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 20:27:19.32 ID:CTAB2hiY0.net

友奈「……さっきはごめんね。変な事言って」

エルフ「ふふっ、全然気にしてないよ。それに、私だってたまに寝ぼけることはあるし」

友奈「そうだよ。シンシアだって、この前……」

友奈「『もう食べられないよ~』って寝言、言ってたんだから」

エルフ「えっ! 嘘!?」

友奈「えへへ、うーそ!」

エルフ「ひどい。私をからかったのね」

友奈「さっきのおかえし、だよ」

エルフ「ゆうな~」ブンブン

友奈「あははっ……いたい、痛いってばー」

友奈(よかった……なんとかごまかせたかも)


27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 20:30:23.94 ID:CTAB2hiY0.net

友奈(それにしても……東郷さんの声で『ゆうな』って呼び捨てにされると)

友奈(ちょっと、どきどきする、かも)

エルフ「ゆうな」

友奈「な、なにかな」

友奈(こ、声に出ちゃってた!?)

エルフ「こっち向いて」

友奈「うん……」

エルフ「……そんな意地悪を言っちゃう口は……この口かしら」クイッ

友奈「な、なななっ」

友奈(近い! 東郷さ……じゃなくて、シンシア近いよ!)

エルフ「そんないけない口は……」

友奈(えっ……えっ!)

エルフ「……」

友奈「……っ」


28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 20:33:31.16 ID:CTAB2hiY0.net

エルフ「……」

友奈(キス……だよね、今の……)

友奈(今まで誰とも……東郷さんとだって、したことなかったのに)

エルフ「……しちゃったね」

友奈「う、うん」

エルフ「ごめん、嫌だった?」

友奈「い、嫌じゃないけど……びっくりした、かな」

エルフ「ふふっ、ゆうな、顔真っ赤」

友奈「だ、だって、いきなりだったし! それにシンシアだって……」

エルフ「あはは、ばれちゃった」

友奈「……どうして?」

エルフ「んー、ゆうなが可愛かったから?」


30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 20:36:36.93 ID:CTAB2hiY0.net

友奈「か、可愛いって……」

エルフ「もちろん可愛いだけじゃないけれど」

友奈(平常心、平常心。こ、これはエルフ流のスキンシップって思うことにしよう)

エルフ「ゆうな?」

友奈「ひゃい!?」

エルフ「ふふっ……やっぱり可愛い」

友奈「もう……シンシアだって、わたしのことからかってる」

エルフ「ごめんごめん。からかってなんかいないの。ほら、こっちきて?」

友奈「な、なにかな」

ギュゥゥ

友奈「シ、シンシア……?」

エルフ「……嫌だったら言ってね」


31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 20:39:46.33 ID:CTAB2hiY0.net

友奈「えっと……嫌じゃないよ。シンシア、あたたかいし」

エルフ「……ありがとうね、ゆうな。私もあたたかい」

友奈「……」

エルフ「やっぱり私は……ぎゅーってする方が好き」

友奈「どうして?」

エルフ「お互いがお互いのこと、たくさん感じられるから」

エルフ「そばにいるよってこと、実感できるから」

友奈「……そっか」

エルフ「ねえ、ゆうな」

友奈「……なぁに?」

エルフ「私たち、大きくなっても……このままでいられたらいいのにね」

友奈「えっ」

エルフ「……ごめん、なんでもない」

友奈「えっと……うん……」


32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 20:42:59.96 ID:CTAB2hiY0.net

クゥゥゥ

友奈「あっ……」カァァ

エルフ「あはっ、あははは。おなかの虫、鳴いちゃったね」

友奈「うぅ……そういえば、ごはんまだ食べてなかったよ」

エルフ「ごはんも食べずにお散歩してたの?」

友奈「お母さんに頼まれて、お父さんにお弁当届けてて……あっ」

友奈「帰ったらごはんにするって、言ってた……」

エルフ「それは大変。ゆうなのお母さん、待っているかもね」

友奈「じゃ、じゃあ、わたし帰るね」

エルフ「ええ」

友奈「また、お話しようね!」

エルフ「……うん、またね」


34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 20:46:12.02 ID:CTAB2hiY0.net

友奈(夢の中で東郷さんの姿をした女の子とキス……)

友奈(くちびる、柔らかかった……それに、まだ……どきどきしてる)

友奈(わたし、もしかして……)

キュルルル

友奈(はぁ……色気より食い気とは我ながら……)

友奈(というか夢なのにおなかすくんだ……)


- 村の自宅 -

友奈「ただいまー」

女性『おかえり ごくろうだったね。 おまえも ごはんに するかい?』

友奈「うん! もうおなかぺこぺこだよー」

女性『じゃあ そこに おすわり。 すぐに したくを するから』

友奈「はーい」


37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 20:49:24.84 ID:CTAB2hiY0.net

ゴゴゴゴゴッ


友奈「な、なに? 地震!?」

バタンッ

商人『つ ついに このむらが まものたちに みつかったんです!』

商人『やつらは むらの すぐそばまで きてて!』

友奈「INNの所のおじさん!? それに魔物って……」

女性『まあ たいへん! ゆうなや わたしのことは いいから すぐに おにげ!』

友奈「えっ……」

商人『さあ わたしに ついてきてください!』

友奈「ちょ、ちょっと待って! お、おじさん!? 引っ張らないで!」


オオオオオォォォ


友奈「なにこれ……地震じゃなくて魔物たちの地響き……なの?」

兵士『まものは おれたちで くいとめる!』

兵士『ゆうなを はやく あんぜんな ところへ!』


38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 20:52:36.70 ID:CTAB2hiY0.net

戦士『くそー! まものどもめ! ついに ゆうなの いばしょを つきとめたか!』

友奈「わ、わたしの居場所!?」

戦士『もうすこし じかんが あれば ゆうなを りっぱな ゆうしゃに そだてられたものをっ!』

友奈「えっ……勇者を育てるって……」

戦士『ついてこい! ゆうな!』

友奈「いたっ……待って、待ってよ!」

――

学者『ゆうなや ついに くるべきときが きたようだ』

友奈「お父さん?」

学者『いままで だまっていたが わたしたち ふうふは おまえのほんとうの おやでは なかったのだ』

友奈「それって……」

学者『くわしい はなしを したいが いまは じかんが ない……。 さあ はやく かくれるのだ』

友奈「そんな、隠れるだなんて……」


39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 20:55:49.10 ID:CTAB2hiY0.net

- 地下倉庫 -

鉱夫『どひゃー! まものが せめてきたって!? それじゃ たたかわなくては!』

友奈「……ッ」

――

戦士『いいか よくきけ ゆうな。 まものたちの ねらいは おまえのいのち!』

戦士『まものたちは おまえが めざわりなのだ』

友奈「それは……魔物たちはわたしを狙ってるってことだよね」

戦士『おまえには ひめられた ちからがある』

戦士『いつのひか どんな じゃあくなものでも たおせるくらいに つよくなるだろう』

戦士『しかし いまの おまえは まだ よわい』

戦士『とにかく にげて いきのびるのだ! わかったなっ!』

友奈「……わからないよ」

友奈「全然、わからない!」

友奈「魔物たちはわたしの命を狙っていて……わたしだけ隠れるだなんて……」

友奈「そんなこと……わたしは絶対できない!」ダッ


42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 20:58:52.11 ID:CTAB2hiY0.net

エルフ「ゆうな! あなた何してるの!」

友奈「シンシア!? それはこっちの台詞だよ! シンシアは早く隠れてて!」

エルフ「だめよ……あんな数、勝てるわけがない……」

友奈「村のみんなだってわかってるはずなんだ」

友奈「わかってるはずなのに……それでもみんな、戦うって言ってたんだよ」

エルフ「あなたにもしものことがあったら私……とにかく隠れて! 私もすぐに行くわっ!」

友奈「嫌だっ!」

友奈「みんなががんばっているのに自分だけ逃げるだなんて……間違ってる!」

友奈「そんなの……勇者じゃない!」ダッ

エルフ「ゆうなっ! だめぇ!」

――

オオオオオォォォ


友奈(すごい魔物の数……)

友奈(みんなのためになることを勇んでやる……それが勇者)

友奈「勇者部、五箇条! なせば大抵なんとかなる!」


43: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:01:56.79 ID:CTAB2hiY0.net

友奈(って、さすがに素手じゃ……きついよね)

友奈(そういえば、さっき見た茶色の剣……)チャキ

友奈「よし、これで……戦える!」

魔物『シャァァァァ』

友奈「先手必勝! はぁぁぁぁ!」

キンッ

魔物『ガッ……キェェェェ』

友奈(あまり手ごたえがない!? でも大丈夫、相手の動きが遅い!)

友奈(これなら余裕で避けられ……って、あれ、体がっ……)

ザシュゥゥ

友奈「かはっ……」


 ドサッ


45: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:05:06.35 ID:CTAB2hiY0.net

友奈(なに……これ、わたし……やられたの?)

ドクンドクンドクン

友奈「――ッ!」

友奈(い、痛い……いたい、いたいいたいいたい……)

エルフ「ゆうなっ! ゆうなぁぁぁぁ!!」

友奈(遠くでシンシアの声が聞こえる……)

友奈(だめ……意識が……)

魔物『……』ニヤッ

友奈(こんなところで……)

友奈(みんな……シンシア……)


グシャ


ゆうなは しんでしまった!


48: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:08:13.68 ID:CTAB2hiY0.net

チュンチュン

友奈「……ッ」ガバッ

友奈(あれ、わたしどうして……)

友奈(確か……魔物にやられて、意識が遠くなって……)

友奈「うっ……ごほっ、ごほっ……」

友奈「はぁ……はぁ……」

友奈(何これ……やられた時の感触、痛み……はっきり思い出せる……)

友奈(でも傷跡なんて、一つも……)

友奈(夢……だったのかな……)

友奈(ひどい夢……)

友奈「……って」

友奈(ここ、わたしの部屋じゃ……ない……)

友奈(……村の自分の家だ)


50: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:11:20.93 ID:CTAB2hiY0.net

友奈(夢の中で夢を見るって、そんな不思議なこともあるんだ……)

友奈(でも……ほんとに夢で良かった……)

女性『さあ できたわ』

友奈「わっ……」

女性『ゆうなや』

女性『いいこだから このおべんとうを いけで つりをしている おとうさんに もっていっておくれ』

友奈「お、お母さん」

女性『あっ それから むらのみんなに あったら ちゃんと あいさつ するのですよ』

友奈「あっ……うん、わかったよ」

女性『おべんとうを とどけてくれたら おまえも すぐ しょくじに しますからね』

友奈「はーい」


52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:14:49.85 ID:CTAB2hiY0.net

友奈(村が……元通りになってる……)

友奈(やっぱり夢だったんだよね)

男性『おっ ゆうな。 さんぽかい? きょうは いいてんき だね』

友奈「おはようございます! これからお父さんにお弁当届けに行くんです」

友奈(みんなも無事でよかった……)

――

兵士『ここは むらの いりぐち』

兵士『あやしいやつが はいってこないよう みはっているのだ』

友奈「村の警備ごくろうさまです!」

兵士『ゆうな。むらの そとへ でたいのか?』

友奈(村の外……かぁ)

友奈「ちょっと、興味があるかなー、なんて」

兵士『しかし まだ そのときではない』

兵士『いまの おまえでは まだまだ ちからぶそく なのだ』

友奈「あっ……は、はい。わかりました……」


54: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:17:57.39 ID:CTAB2hiY0.net

友奈(力不足……か、確かに夢の中じゃ体がぜんぜん……)

友奈「って、そういえばあの時……」チャキ

友奈(相手の攻撃が完全に見えてたのに、体が動かなかった)

友奈「えいっ」ブンッ

友奈(自分の攻撃は問題ない……)

友奈(じゃあ……っと、剣でやったら危ないから鞘を真上に投げてっと……)シュッ

ヒュンヒュンヒュン

友奈(そして……避け……って!)

スコンッ

友奈「あいったぁ!」

友奈(いたた、やっぱり避けれらなかった)

友奈(うぅ……わたし、こんなに反応鈍かったっけ……)

友奈(まぁいっか、お父さんにお弁当届けに行こう)


55: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:21:03.30 ID:CTAB2hiY0.net

友奈「おとーさーん!」ブンブン

学者『おお ゆうな。 おべんとうを もってきてくれたのか』

友奈「うん! はい、これ。お弁当! もう、忘れっぽいんだから……」

学者『ところで ゆうなや』

友奈「えっ」

学者『おまえも 17さい そろそろ おとなの なかまいりだな』

友奈「そ、そうだね」

友奈(また娘の歳、間違ってるし……)

学者『よいか ゆうな。 つよく ただしく いきるのだぞ』

学者『たとえ なにが おこってもな……』

友奈「う、うん」

友奈(何が……起こっても……か)

友奈「わかったよ、お父さん」

友奈「それじゃあ、わたし、もう戻るね」

友奈(偶然……だよね?)


56: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:24:08.74 ID:CTAB2hiY0.net

友奈(そういえば、シンシアは……花畑にいるのかな)

友奈(……でも、ちょっと恥ずかしいかも)

 (エルフ「……そんな意地悪を言っちゃう口は……この口かしら」)

友奈「……」ボンッ

友奈(違う違う! あれは夢だったんだから! キスされちゃうだなんて全然……)

友奈(全然……)

友奈(そ、そう! あ、朝の挨拶って大事だよね!)


- 花畑 -

友奈「いた……シンシア」

友奈(やっぱり外見は東郷さんなんだ……)

エルフ「すぅ……すぅ……」

友奈(気持ちよさそうに寝てる……)


58: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:27:15.62 ID:CTAB2hiY0.net

友奈(普段わたしの方が起こしてもらってばかりだから気づかなかったけど……)

友奈(東郷さんの寝顔……かわいい)

友奈(だ、誰もいないよね)キョロキョロ

友奈(って、なんで誰かを気にしてるの、わたし!)

エルフ「すぅ……すぅ……」

友奈(夢の中でだけど……キスしたんだよね、わたしたち)

友奈(もう少しだけ……もう少しだけ近くでみてもいいよね)スッ

友奈(まつげ……長くて綺麗……それに……)

友奈(唇……柔らかそう……)

エルフ「んっ……」

友奈「……」ビクッ

エルフ「すぅ……すぅ……」

友奈(び、びっくりしたぁ……起きてないよね……)


59: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:30:22.58 ID:CTAB2hiY0.net

友奈(だ、だめだよ……そんな、寝てるからって……)

友奈(でも……でも……)チラッ

友奈(そうだ……これも夢なんだよね……だったら……)

友奈「ごめんね、東郷さん、シンシア……わたし……」ボソッ

友奈(……しちゃうね)

エルフ「……」パチッ

友奈「……」ビクッ

エルフ「……」

友奈「……」

エルフ「……」

友奈「……お、おはようー、なんちゃって」

エルフ「な、ななななななっ!」アワアワ


61: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:35:32.35 ID:CTAB2hiY0.net

――

エルフ「……ゆうな、そこに座りなさい」

友奈「えっと……はい」

エルフ「こほん……まずはおはよう、ゆうな」

友奈「お、おはようございます」

エルフ「正直に言ったら許してあげる……何をしようとしてたの?」

友奈「ごめん……その……シンシアの寝顔があまりにも可愛かったから……」

エルフ「……ッ」

友奈「つい、近くで見たくなっちゃって……」

エルフ「……」

友奈「ごめんね、驚かせて」

エルフ「……それだけ?」

友奈「えっ……」


64: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:41:02.85 ID:CTAB2hiY0.net

エルフ「本当に……それだけなの?」

友奈「……ごめん。ちゃんと言うね」

エルフ「……」

友奈「わたし、シンシアに……キスしようとしてた」

エルフ「……理由を聞いてもいいかしら」

友奈「夢の中でね、その……シンシアがわたしにキスしてきて……」

友奈「すごく、どきどきして……意識しちゃって……」

友奈「寝ているシンシアの唇を見てたら……とても柔らかそうだなって」

友奈「また、してみたいって思っちゃった」

友奈「……ごめんなさい」

エルフ「そう……」


65: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:44:14.29 ID:CTAB2hiY0.net

エルフ「私はそういうの、好きじゃないかな」

友奈「本当に……ごめんね」

エルフ「寝てるときに一方的になんて……ずるいもの」

友奈「えっ」

エルフ「こういうのは……お互いどきどきしながら触れ合わないと意味がないと思うから」

友奈「そ、そうなのかな……」

エルフ「ゆうな」

友奈「……?」

エルフ「まだ……その、私と……したいと思ってる?」

友奈「えっと……うん」

エルフ「私はゆうながしたいなら……いいよ」


68: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:47:35.82 ID:CTAB2hiY0.net

友奈「シンシア……」ギュゥ

エルフ「……」

友奈「じゃあ、するね……?」

エルフ「……」コクッ

友奈「……」

エルフ「……っ」

友奈「……えへへ、しちゃった」

エルフ「……もう一回して……ほしい」

友奈「……うん」

エルフ「……んっ」

友奈「……っ」


72: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:50:43.15 ID:CTAB2hiY0.net

――

友奈「……怖い夢を見たんだ」

エルフ「……えっ」

友奈「魔物たちが大勢やってきて、この村が襲われて……」

友奈「みんな魔物にやられてしまって……」

友奈「わたしも戦ったんだけど……全然敵わなくて……」

エルフ「ゆうな」

友奈「……」

エルフ「そんなの、ただの夢よ。忘れてしまいなさい」

友奈「シンシア……」

エルフ「それに。こんな山奥の寂れた村、魔物たちが襲うわけないじゃない」

友奈「そうなのかな……」

エルフ「私が魔物なら……そうね、金銀財宝があるお城とかを狙うかしら」

友奈「あはは……そっか、そうだよね」


75: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:53:50.55 ID:CTAB2hiY0.net

エルフ「もしも……万が一、この村に何か起こったとしても……」

友奈「……」

エルフ「大丈夫よ、ゆうな。あなたは私が守ってあげるから」ギュッ

友奈「……ありがとう、シンシア」

エルフ「素直でよろしい」

友奈「わたしだって……」

エルフ「えっ」

友奈「シンシアがもし危ない目にあったら……全力で守るから」

エルフ「ふふっ……ありがとう。私たち両想いね」

友奈「……りょ、両想いって」カァァ

エルフ「赤くなっちゃって……かわいい」

友奈「もう……シンシアの意地悪」

エルフ「ごめんごめん」


76: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:57:17.08 ID:CTAB2hiY0.net

友奈「それじゃあ、お母さんが家で待ってるから。わたし、そろそろ行くね」

エルフ「……ゆうな」

友奈「なぁに?」

エルフ「……ううん、なんでもない」

友奈「……? それじゃあ、またね」

エルフ「うん……またね」


- 村の自宅 -

友奈(シンシア……最後に何を言いかけてたんだろう)

友奈「ただいまー」

女性『おかえり ごくろうだったね。 おまえも ごはんに するかい?』

友奈「うん! もう、おなかすいちゃって」

女性『じゃあ そこに おすわり。 すぐに したくを するから』

友奈「はぁい」


79: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 21:59:59.08 ID:CTAB2hiY0.net

ゴゴゴゴゴッ


友奈「えっ……」

バタンッ

商人『つ ついに このむらが まものたちに みつかったんです!』

商人『やつらは むらの すぐそばまで きてて!』

友奈「そんな……これって……」

友奈(夢とまったく同じ……)

女性『まあ たいへん! ゆうなや わたしのことは いいから すぐに おにげ!』

友奈「……」

商人『さあ わたしに ついてきてください!』

友奈「正夢……なの?」


オオオオオォォォ


兵士『まものは おれたちで くいとめる!』

兵士『ゆうなを はやく あんぜんな ところへ!』


80: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:03:06.96 ID:CTAB2hiY0.net

戦士『くそー! まものどもめ! ついに ゆうなの いばしょを つきとめたか!』

友奈「これじゃ……またみんなが」

戦士『もうすこし じかんが あれば ゆうなを りっぱな ゆうしゃに そだてられたものをっ!』

友奈「……」

戦士『ついてこい! ゆうな!』

友奈「嫌っ! わたしは!」

友奈「もうあんな思いしたくない!」

友奈「みんなを犠牲にして、自分だけ生き残るなんて!」

友奈「やっぱりそんなの勇者じゃない!」ダッ


タッタッタッ

友奈(確かめないと……本当のこと)

友奈(もし夢じゃなかったとしたら……わたしは!)


81: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:06:14.68 ID:CTAB2hiY0.net

魔物『シャァァァァ』

友奈「……」チャキ

友奈(あの出来事が夢ではないとしたら……)

友奈(さっきは体の反応速度を見誤っただけ……思い出して……)

友奈「……ッ!」

キンッ

魔物『ガッ……キェェェェ』

友奈(きたっ! 目いっぱい早めに回避!)

友奈(……やっぱり体がっ……でも!)

ザシュ

友奈「くっ……」

友奈(左腕がやられたっ……でもまだ!)

友奈「はぁぁぁぁぁ!」

ザシュゥゥゥ


83: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:09:20.14 ID:CTAB2hiY0.net

魔物『ギャァァァァ!』

バタンッ

友奈「やった……なんとかやっつけ……」

 ヒュン
      サクッ

友奈「えっ……」ガクッ

友奈(奥に……弓兵が……)

友奈(息が……でき……)

ドサッ

友奈(また……やられちゃった……)

友奈(みんな……ごめん、ほんとにごめんね……)

友奈(シンシア……)

魔物『……』ニタァ

ヒュンヒュンヒュン
   サクッサクッサクッ


ゆうなは しんでしまった!


87: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:12:29.50 ID:CTAB2hiY0.net

チュンチュン

友奈「……ッ」ガバッ

友奈(わたし、弓矢にやられて……それで……)

友奈(矢が刺さった痕も何もない……)

友奈(なにこれ……何が起きてるの……)

女性『さあ できたわ』

友奈「……おはよう、お母さん」

女性『ゆうなや いいこだから このおべんとうを いけで つりをしている おとうさんに もっていっておくれ』

友奈「わかったよ」

女性『あっ それから むらのみんなに あったら ちゃんと あいさつ するのですよ』

友奈「うん……」

女性『おべんとうを とどけてくれたら おまえも すぐ しょくじに しますからね』

友奈「ありがとうね」


88: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:15:39.21 ID:CTAB2hiY0.net

- 花畑 -


エルフ「すぅ……すぅ……」

友奈(シンシアは……やっぱり寝てる)

友奈(東郷さんの綺麗な黒髪……いつ触ってもさらさら)

友奈「シンシア。隣、お邪魔するね」コロンッ

友奈「んっー、やっぱりここは気持ちいい……」

友奈「……」

友奈(2度目の魔物の襲撃後も、村は元通りになってた)

友奈(まるで……わたしがやられたら、襲われる前に戻ってるみたい……)

友奈(でも、ここが現実世界とは思えない……わたしがずっと見てる夢、なのかな)

友奈(こんな夢……ありえるのかな……)

友奈「あぁっ、もうわたしには難しすぎるよ」ブンブン

エルフ「……」


91: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:19:03.30 ID:CTAB2hiY0.net

エルフ「……」フゥー

友奈「ひゃっ! シ、シンシア!? な、ななな何やって!」

エルフ「目が覚めたらゆうなが横で難しい顔してたから……つい……」

友奈「つい、で耳に息吹きかけないで!」

エルフ「あはは、ごめんごめん」

友奈(うぅ……まだ、どきどきしてる……)

エルフ「おはよう、ゆうな」

友奈「うぅ……おはよう」

エルフ「ふふっ、元気出た?」

友奈「もう……最初から元気だよ。元気だけがわたしの取り柄だし……」

エルフ「だけ、なんてことはないと思うけど」

友奈「えっ」

エルフ「ゆうなには、たくさんたくさん良いところがあるの、私は知ってるから」

友奈「た、たとえば……?」


92: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:22:10.02 ID:CTAB2hiY0.net

エルフ「かわいいところ」

友奈「うっ……他には?」

エルフ「えっと……キュートなところ?」

友奈「……他には?」

エルフ「うーん、かわいいところ?」

友奈「二回目!? それにキュートも同じ意味かな!」

エルフ「それぐらい、ゆうなはかわいいっていうことよ」

友奈「そんなことないと思うけど……ありがとう、シンシア」

エルフ「ふふっ、やっと笑った」

友奈「えっ……」

エルフ「やっぱり笑ってる時のゆうなが一番かわいい」

友奈「うぅ……」


93: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:25:16.71 ID:CTAB2hiY0.net

エルフ「いつでも私のこと、頼って良いんだからね」

友奈「えっ……」

エルフ「ゆうなが話してくれるの、私、待ってるから」

友奈「シンシア……」

エルフ「……」ニコッ

友奈「じゃあ……その……」

エルフ「ん?」

友奈「嫌じゃなかったらで良いんだ……あのね……」

エルフ「うん」

友奈「少しだけでいいから……わたしのこと、ぎゅってしてほしい……」

ギュゥゥゥ

友奈「あっ……」

エルフ「少しだなんて言わないで。私はずっとでも……いいから」

友奈「……ありがとうね」


96: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:28:23.61 ID:CTAB2hiY0.net

エルフ「ゆうな」

友奈「……?」

エルフ「私は……ゆうなの味方だから。いつだって、何があったって、あなたの味方だから……」

友奈「……シンシア?」

エルフ「それだけは覚えていて」

友奈「う、うん」

エルフ「ふふっ……いいこいいこ」ナデナデ

友奈「うぅ……子ども扱い……」

エルフ「じゃあ……おとな扱いする?」クイッ

友奈「えっ……」

エルフ「……」

友奈「……っ」

エルフ「ゆうな……好きよ」


98: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:31:34.43 ID:CTAB2hiY0.net

友奈「えっ……えぇっ!?」

エルフ「ふふっ……言っちゃった」

友奈「好きって……その……やっぱりそっちのだよね」

エルフ「うん。愛おしいの方の好き」

友奈「わたしたち、幼馴染……だよね」

エルフ「幼馴染だからって、好きになっちゃダメなのかな」

友奈「そ、そんなことはないけど……」

エルフ「でしょう?」

友奈「わたしだって……誰とでもなんてキスしないよ……」

エルフ「……じゃあ」

友奈「ごめん……」

エルフ「……」

友奈「わたし……好きな人がいるんだ」

エルフ「……」

友奈「だから……本当にごめん」


100: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:34:40.83 ID:CTAB2hiY0.net

エルフ「……その本当に好きな人ってこの村にいるの?」

友奈「違うの、えっと……」

友奈(どうしよう……村の外の人だなんて言えない……)

友奈「……ゆ、夢の中の人」

エルフ「えっ」

友奈「夢に出てくる……シンシアにそっくりで綺麗な人」

友奈「いつもわたしのこと気にかけてくれて、見守ってくれて、わたしのために怒ってもくれて」

友奈「ちょっと突っ走っちゃうところもあるけど、そんなところも可愛くて」

友奈「でも、時々泣き虫さんで、あまえんぼさんで……わたしが守ってあげたい人」

友奈「わたしの大事な人……なんだ」

エルフ「……そっか」

友奈「ごめんなさい、シンシア」


102: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:38:11.84 ID:CTAB2hiY0.net

エルフ「ううん、いいの。ゆうながその子に本気だってこと、すぐにわかったから」

友奈「……」

エルフ「あはは……でも、まさか夢の中の子に負けるなんて思わなかった」

友奈「……」

エルフ「その子と私はそんなにそっくりなの?」

友奈「えっと……うん。瓜二つ……かな」

エルフ「……」

友奈「……」

エルフ「でも……現実では、私が……ゆうなの一番ってことで良いんだよね」

友奈「えっ……」

エルフ「夢の中ではその子がゆうなを支えて、現実では私がゆうなを支える」

エルフ「それじゃ……ダメ、かな」


105: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:41:31.98 ID:CTAB2hiY0.net

友奈「それは、シンシアが一番つらいんじゃ……」

エルフ「ううん、私はそれでもいいの。ゆうなは私とキスしてくれた」

エルフ「……それだけで十分だから」

友奈「……」

エルフ「私はこうやって……ゆうなを抱きしめることができるだけで幸せ、だよ」

友奈「……シンシア」

エルフ「ゆう――」

友奈「……」

エルフ「……っ」

友奈「……」

エルフ「……ど、どうして?」

友奈「わたしにもわからない……けど、こうしたかったんだ……ダメだったかな」

エルフ「ううん、ダメなわけない……えへへ、嬉しい」


107: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:44:44.95 ID:CTAB2hiY0.net

ギュゥゥ

エルフ「ゆうな……好き……大好き……」

友奈「わたしも、シンシアのこと……大切に思ってるから」

エルフ「……でもなんか、ゆうなのキス……慣れてる感じがした」

友奈「そ、そんなことないよ……」

友奈(もう何回もシンシアとしてるなんて……言えない)

エルフ「夢の中のその子とは……してるの?」

友奈「し、してないよ! まだしたことない……」

エルフ「ま、まだ?」ジトー

友奈「その……えっと……あはは」

エルフ「ごめん、意地悪言っちゃった。でもそっか……まだ私とだけかぁ……」

友奈「シンシア?」

エルフ「ふふっ、なんでもなーい」


110: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:47:58.53 ID:CTAB2hiY0.net

友奈「シンシア、わたし決めたよ」

エルフ「ゆうな?」

友奈「どんなことがあっても、わたしはシンシアと、この村を守る……必ず」

エルフ「……」

友奈「わたしたちが大きくなっても、ずっとこのままで居られるように……」

エルフ「……っ」

友奈「だからね……その……時々で良いからこうやって……」

友奈「抱きしめてくれないかな」

エルフ「私はいつでも、ゆうなのためなら何でも……」

友奈「……シンシア」ギュッ

エルフ「私はずっと……待ってるから」

友奈「ありがとうね」


112: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:50:34.48 ID:CTAB2hiY0.net

友奈「それじゃあ、わたしもう行くから」

エルフ「あっ……」

友奈「シンシアも今日は家に帰ったほうが良いよ」

エルフ「……うん」

友奈「またね、シンシア」

エルフ「……またね、ゆうな」


――

友奈(たぶんわたしが家に帰ったら……魔物が襲撃してくる)

ガチャ

友奈「……ただいま」

女性『おかえり ごくろうだったね。 おまえも ごはんに するかい?』

友奈「うん」

女性『じゃあ そこに おすわり。 すぐに したくを するから』

友奈「ありがとう、お母さん」


113: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:53:10.37 ID:CTAB2hiY0.net

ゴゴゴゴゴッ


友奈(きた……)

バタンッ

商人『つ ついに このむらが まものたちに みつかったんです!』

商人『やつらは むらの すぐそばまで きてて!』

友奈「おじさん、ちょっと避けて!」ダッ


オオオオオォォォ


友奈「やっぱりきた……それなら!」チャキ

友奈「……夢であろうがなかろうが、ここがどこでも関係ない」

友奈「わたしはわたしの……全力を尽くす!」

友奈「そして必ずこの村を……シンシアを救ってみせる!」


友奈「勇者部五箇条!」

友奈「なるべく諦めない!」


114: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:56:29.05 ID:CTAB2hiY0.net

チュンチュン

友奈「……ッ」ガバッ

友奈「うっ……ごほっ……ごほっ」

友奈(何度やってもこの感覚には慣れないよ……)

友奈(それにしても、弓兵の数が結構多い……あの弓はやっかいかな……)

友奈(でも最初の魔物……攻撃パターンが前と同じだった)

友奈(ということは……)


女性『さあ できたわ』

友奈「おはよう、お母さん」

女性『ゆうなや いいこだから このおべんとうを いけで つりをしている おとうさんに もっていっておくれ』

友奈「わかったよ」


117: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 22:59:35.18 ID:CTAB2hiY0.net

女性『あっ それから むらのみんなに あったら ちゃんと あいさつ するのですよ』

友奈「うん」

女性『おべんとうを とどけてくれたら おまえも すぐ しょくじに しますからね』

友奈「いってきます!」

――

クゥゥゥ

友奈「うぅ……」

友奈(腹が減っては戦はできぬ……って言うし)

友奈(お父さん、ごめんね。お弁当もらうから)

友奈「いただきます」

友奈「!?」

友奈(あれ……なにこれ、味がわかる……)

友奈「……おいしい……ぐすっ……おいしいよぉ」モグモグ


友奈「ごちそうさまでした」

友奈「よし……元気でた、それじゃあ……」


121: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:02:42.61 ID:CTAB2hiY0.net

学者『おお ゆうな。 おべんとうを もってきてくれたのか』

友奈「えっと……」

学者『なんと!? おべんとうは おまえが たべてしまっただと!? とほほ……』

友奈「本当にごめんね! お父さん」

――

友奈(……次は)

友奈(ごめん、シンシア……魔物たちを追い返すまで、少しだけお別れ)

友奈(またあなたと、お喋りするの……楽しみにしてるから)


友奈(それにしても、この茶色の剣……)チャキ

友奈(あまり切れ味がよくない気がする……)

友奈(これならいっそのこと、得意な素手で戦ったほうが良いんじゃないかな)

友奈(よし、試してみよう!)


124: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:05:47.63 ID:CTAB2hiY0.net

チュンチュン

友奈「……ッ」ガバッ

友奈(うぅ……素手じゃ最初の敵にも勝てなかった……)

友奈(やっぱりこの剣を使うしかないかぁ)

友奈(そうだ、ちょっと村に何か役に立つものがないか探してみよう)


- 地下倉庫 -

鉱夫『おや ゆうなじゃないか。 ここは そうこだよ』

友奈「こ、こんにちはー」

友奈(ここって一番最初に避難した倉庫だったっけ……)

友奈(何かないかなーって……これ、摘み取った葉っぱ?)クンクン

ゆうなは やくそうをてにいれた!

友奈(いい香り……とは言えないけど、食べられるのかな)パクッ

友奈「~~~っ!」

友奈(にがいにがいにがい!)

友奈(……でもなんか、少し元気が出てきた気がする。持っていこう)


125: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:08:29.00 ID:CTAB2hiY0.net

――

友奈「はぁぁっ!」

ザシュゥ

魔物『グギャァァァ』ドサッ

友奈「はぁ……はぁ……」

友奈(だめ……血が出過ぎちゃったのかな……意識が……)

友奈(そうだ、さっきの葉っぱ……あの苦味なら……)ムシャムシャ

友奈(うっ……やっぱりにがい……って)

友奈「なにこれ……傷が……」

ゆうなの たいりょくがかいふくした!

友奈「この葉っぱに……こんな効果があったなんて」

友奈「でも、これでまだ!」チャキ

友奈「戦える!」


127: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:11:16.69 ID:CTAB2hiY0.net

チュンチュン

友奈「……」ガバッ

女性『ゆうなや いいこだから このおべんとうを いけで つりをしている おとうさんに もっていっておくれ』

友奈「わかったよ、お母さん!」

――

チュンチュン

友奈「……」ガバッ

女性『あっ それから むらのみんなに あったら ちゃんと あいさつ するのですよ』

友奈「わかったよ、お母さん」

――

チュンチュン

友奈「……」ガバッ

女性『おべんとうを とどけてくれたら おまえも すぐ しょくじに しますからね』

友奈「……わかったよ、お母さん」


128: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:13:54.41 ID:CTAB2hiY0.net

チュンチュン

友奈(わたしのために……みんなが……シンシアが犠牲になるなんて……)

チュンチュン

友奈(絶対にあっちゃいけない……絶対にさせない……)

チュンチュン

友奈(わたしがやらなきゃ……だって、わたしは勇者だから……)

チュンチュン

友奈(勇者部五箇条……なるべく諦めない……)

チュンチュン

友奈(なるべく諦めない……)

チュンチュン

友奈(諦めない……)

チュンチュン

友奈(……)


132: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:16:38.94 ID:CTAB2hiY0.net

 チュンチュン……                チュンチュン……
        チュンチュン……
                チュンチュン……
                        チュンチュン……
  チュンチュン……      チュンチュン……
                    チュンチュン……
          チュンチュン……
チュンチュン……
                        チュンチュン……
                チュンチュン……
      チュンチュン……
                    チュンチュン……
            チュンチュン……
   チュンチュン……
                         チュンチュン……
                チュンチュン……
        チュンチュン……
チュンチュン……
                     チュンチュン……
            チュンチュン……
      チュンチュン……
                         チュンチュン……
                 チュンチュン……
 チュンチュン……
                       チュンチュン……


137: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:20:00.27 ID:CTAB2hiY0.net

チュンチュン

友奈「……」スクッ

女性『さあ できたわ』

友奈「……」

女性『ゆうなや いいこだから このおべんとうを いけで つりをしている おとうさんに もっていっておくれ』

友奈「……」

女性『あっ それから むらのみんなに あったら ちゃんと あいさつ するのですよ』

友奈「……」

女性『おべんとうを とどけてくれたら おまえも すぐ しょくじに しますからね』


友奈「……おはよう、いってきます」ボソッ


141: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:22:08.56 ID:CTAB2hiY0.net

――

タッタッタッ

友奈(右に骸骨兵が2体、こいつらを背後から奇襲)

魔物『グガッ!』

友奈(持っていた剣を奪って装備)

友奈(次に正面の頭巾の弓兵の矢を……)

友奈(3、2、1……避ける)スッ

ヒュン

友奈(そして二発目が来る前に接近……弓兵を)

友奈(斬りあげる)

魔物『ギャァァァ!』

友奈(ここで前へ出ず、5秒間停止……深呼吸)

友奈「すぅ……はぁ……」


143: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:24:15.55 ID:CTAB2hiY0.net

ヒュンヒュンヒュン

   サクッサクッサクッ

友奈(矢の雨をやり過ごして……突撃!)

友奈「はぁぁぁッ!」

――――――

――――

――

ゆうなは まもののむれをやっつけた!


友奈「……やった」

友奈「やったよ、シンシア、みんな……全部、全部やっつけた」

友奈「わたし……やり遂げたよ……」

友奈「……」

友奈「あれ……みんなは……?」

友奈「……みんなはどこだろう」

友奈「探さなきゃ……」


145: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:26:30.60 ID:CTAB2hiY0.net

友奈(それにしても自分でやったとはいえ……)

魔物たち『――』

友奈(あとで……お墓、作るから……)

魔物『――』キランッ

友奈「あれ……あの頭巾の弓兵の胸元……何か光って……」

友奈「ペンダント? しかも折り紙だ……」

友奈「なんで魔物がこんなものを……」スッ

ペラッ

『ドウカ トウチャン ガ ブジニ カエッテ キマスヨウニ』

友奈「――ッ!」

友奈「なに……これ……」ガクッ

友奈「こんな……こんなことって……ないよ……」


146: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:28:34.81 ID:CTAB2hiY0.net

友奈(この魔物にも子供がいて……)

友奈(この戦いだって、もしかしたら子供を守るために戦っていたかもしれない……)

友奈「わたしは……本当に正しいことをしたの……?」

友奈「勇者だから……みんなを守るからって……魔物を全部やっつけて……」

友奈「誰かの大事な人を……みんなやっつけて……」

友奈「……」

友奈「もう……わからないよ……」

友奈「わたし……わからない……」

 ヒュン
       サクッ

友奈「えっ……かはっ……」

友奈(なに……これ……矢?)

ドサッ


149: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:30:53.68 ID:CTAB2hiY0.net

友奈(どうして……魔物は全部……倒した……のに)

ゴゴゴゴゴゴゴゴッ――

友奈(なに……この音……)

オオオォォォォォ――

友奈(黒い塊が……近づいて……くる)


『ユウシャヲコロセ!』

『コロセ! コロセ! コロセ!』


友奈(違う……黒い塊じゃない……あれは……)

友奈(魔物の……群れ……)

友奈(……あんな数……勝てっこない……)


ヒュンヒュンヒュンヒュン

  サクッサクッサクッサクッ


ゆうなは しんでしまった!


150: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:33:04.49 ID:CTAB2hiY0.net

チュンチュン

友奈「……」

友奈(わたし……もう戦えない……)

女性『さあ できたわ』

友奈「……お母さん」

女性『ゆうなや いいこだから このおべんとうを いけで つりをしている おとうさんに もっていっておくれ』

友奈「ごめん……あのね」

女性『あっ それから むらのみんなに あったら ちゃんと あいさつ するのですよ』

友奈「わたし……もう……」

女性『おべんとうを とどけてくれたら おまえも すぐ しょくじに しますからね』

友奈「……疲れちゃった」


160: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:41:49.06 ID:CTAB2hiY0.net

友奈(わたしが黙っていれば……みんなが幸せなままだから……)

友奈(こうしていれば……いつか夢が……終わるから……)

友奈「だからもう……お弁当は届けられない……ごめん、お母さん」

女性『おべんとうを とどけてくれたら おまえも すぐ しょくじに しますからね』

友奈「……お母さん?」

女性『おべんとうを とどけてくれたら――』

友奈「……そ、それ……冗談かなにか?」

女性『おべんとう――』

友奈「ねぇ……お母さん、やめてよ……」

女性『――』

友奈「やめて……」

女性『――』

友奈「いや……」

女性『――』

友奈「いやぁぁぁッ!」ダッ


161: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:43:09.53 ID:CTAB2hiY0.net

タッタッタッ

友奈(なにこれ……お母さんが!)

男性『おっ ゆうな。 さんぽかい? きょうは いいてんき だね』

友奈「おじさん! お母さんが! お母さんが大変で――」

男性『おっ ゆうな。 さんぽかい?――』

友奈「えっ……」

男性『おっ ゆうな――』

友奈「やだ……嘘……いやぁっ!」


老人『おお ゆうなか! きょうは そなたに いかづちの じゅもんを おしえようぞ!』

友奈「だ、だれか……」


戦士『きえーい! ボカッ!』

友奈「わたしの話を……聞いて……」


商人『じつは ゆうべ たびのしじんが このむらに まよいこんできましてな』

友奈「聞いてよぉ!」


164: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:44:51.78 ID:CTAB2hiY0.net

友奈「こんな……こんなのって……」

友奈「もう……村の外しか……」

兵士『ここは むらの いりぐち』

兵士『あやしいやつが はいってこないよう みはっているのだ』

友奈「兵隊さん、ごめん! 通るね!」ダッ

 ブゥン ピシッ

友奈「きゃ!」

友奈「……なに、これ」スッ

 ブゥン ピシッ

友奈「……なんで……どうして出られないの?」

友奈「魔物は……外からやってきてるのに……」

友奈「どうして……」

友奈「みんなも……村もおかしいよ……」

友奈「……わたし……どうしたらいいの……」


167: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:46:37.34 ID:CTAB2hiY0.net

(エルフ「私はずっと……待ってるから」)

友奈「……シンシア」

友奈「シンシアなら……きっと……」



- 花畑 -

友奈「……嘘」

友奈「……シンシア?」

友奈「どこに……いるの?」

友奈「これ……いつもの悪戯だよね……かくれんぼしてるの……かな」

友奈「ねぇ、どこに行ったの? シンシア……」

友奈「出てきて……シンシア……」

友奈「……お願い……だから……」

友奈「……」

友奈「……探さ……ないと」フラッ


169: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:48:17.55 ID:CTAB2hiY0.net

友奈「シンシア……どこにいるの……シンシア」

詩人『わたしは たびの しじん。 やまみちで まよってしまって このむらに たどりついたのです』


友奈「……お願い……姿を見せて……」

学者『おお ゆうな。 おべんとうを もってきてくれたのか』


友奈「わたしには……もう……シンシアしか……」

鉱夫『おや ゆうなじゃないか。 ここは そうこだよ』



- 花畑 -

バタッ

友奈(……なんで……どうして……)

友奈(……ずっと待ってるって……言った……のに)

友奈「ひどい……ひどいよ……」

友奈「シンシアのうそつき……」


172: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:49:54.45 ID:CTAB2hiY0.net

――――――

――――

――

友奈「……っ」

友奈「わたし……眠って……」

エルフ「……」

友奈(……東郷……さん? ……ちがう)

友奈「……シンシ……ア?」

エルフ「おはよう、ゆうな」

友奈「シンシアぁ!」ガバッ

エルフ「きゃっ」

友奈「シンシア……シンシアぁぁ!」ギュゥゥ

エルフ「ゆ、ゆうな?」

友奈「よかった……シンシア……ぐすっ……もう……会えないんじゃないかって」

エルフ「……よしよし、私はここにいるよ」ナデナデ


174: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:51:35.36 ID:CTAB2hiY0.net

友奈「村のみんながおかしくなって……村の外にも出られなくて……」

友奈「シンシアも、ここからいなくなっちゃってて……」

エルフ「……」

友奈「わたしがみんなを守らなきゃって……戦って、戦い抜いて……」

友奈「でも、襲ってくる魔物たちにも家族がいて……守るべき大事な存在がいて……」

友奈「わたし……もう……ダメだよ……」

友奈「もう……戦えない……」

エルフ「ゆうな……」ギュゥゥ

友奈「……ひぐっ……ぐすっ……」

エルフ「一人でつらかったよね……苦しかった、よね」

友奈「……」

エルフ「ごめん……ごめんね……」


176: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:53:17.81 ID:CTAB2hiY0.net

エルフ「大事な幼馴染がこんなになるまでがんばって……」

エルフ「こんなに震えて……悲しんで……がんばってたのに」

エルフ「……傍にいることができなかった」

友奈「そんな……シンシアは悪くない……わたしが……」

エルフ「本当にごめんね、ゆうな」ギュゥゥ

友奈「シンシアぁ……」

――

エルフ「……落ち着いた?」

友奈「……」コクッ

エルフ「目、こんなに腫らしちゃって……かわいい顔が台無しよ」

友奈「……」フルフル

エルフ「ううん、ゆうなはかわいいわ」

エルフ「それに誰よりも優しくて……いつもみんなのために一生懸命で……」

エルフ「私の一番大事で大切なひと」


179: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/29(月) 23:57:25.28 ID:CTAB2hiY0.net

エルフ「ゆうな……私ね」

エルフ「ゆうなのことが大好き。あなたの全てが……全部、ぜんぶ好き」

エルフ「ゆうなのためなら……私は……」ギュゥゥ

友奈「……シンシア」

エルフ「……」

友奈「……」

エルフ「……そんな顔してると……キスしちゃうよ」

友奈「……いいよ」

エルフ「えっ……」

友奈「キスしてほしい……」

エルフ「……」

友奈「もっとシンシアを感じたい……一緒にいるって感じたい……」

エルフ「……それって」

友奈「だめ……かな」

エルフ「ううん……だめなはず……ない」


181: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 00:00:27.62 ID:9HhLKjor0.net

エルフ「……」クイッ

友奈「……あっ」

エルフ「……」

友奈「……っ」

エルフ「……ゆうな」

友奈「シンシア……もっと……」

エルフ「……んっ」

友奈「んっ……ちゅ……」

エルフ「……ん……ゆうなぁ……んっ……ちゅ……」

友奈「ちゅ……れろ……」

エルフ「……っ!」

友奈「……」

エルフ「……」コクッ

友奈「……んっ……ちゅぅ……れろ……」

エルフ「……っ……んちゅ……ちゅぅ……」


182: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 00:03:34.40 ID:9HhLKjor0.net

友奈「シンシアぁ……」

エルフ「……はぁ……はぁ……ゆう、な……」

友奈「シンシア……ずっと……ずっと一緒に……」

エルフ「ゆうな……好き……愛してる……」ギュゥゥ

友奈「……わたしもだよ……シンシア」

――

エルフ「ゆうな……私ね、夢を見たの」

友奈「……」

エルフ「それは……どこかの町外れの小さい家でね」

エルフ「そこに私とゆうなの二人で暮らしてて……」

エルフ「ゆうなが山に薬草を取りにいって。私がそれをお薬にして売って……」

エルフ「決して裕福ではないけれど……毎日がとっても楽しくて」

エルフ「ずっとずっと続いてほしいような……夢」

エルフ「本当に幸せな夢……だったの」


183: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 00:06:44.12 ID:9HhLKjor0.net

友奈「……」

エルフ「ゆうな……逃げよう、ここから」

エルフ「遠くに二人で一緒に。そして夢のように二人で……幸せになるの」

友奈「でも……村の外には……」

エルフ「大丈夫、私に任せて」

友奈「……?」

エルフ「さっきはごめんなさい……いつもの花畑にいなくて」

友奈「……」フルフル

エルフ「ずっと探していたの、ここから抜け出す方法を」

友奈「……抜け出すって」

エルフ「どんな世界にだって完璧なものなんて存在しない……」

エルフ「必ずどこかに……綻びが生じているから……」

友奈「シンシア、何を言って……」

エルフ「ここだって例外じゃないの」

エルフ「やっと見つけることができたから」


184: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 00:09:49.73 ID:9HhLKjor0.net

- 村のはずれ -


エルフ「……ここから外に出られるわ」

友奈「ここだけ……見えない壁がない……」

エルフ「さぁ、ゆうな。いきましょう」

友奈「シンシア……えっと……」

エルフ「……?」

友奈「その……手、繋いでもいいかな」

エルフ「ゆうな……」

友奈「ダメ……かな」

エルフ「ふふっ、かわいい」

友奈「……っ」

エルフ「決して……離しちゃだめよ」ギュッ

友奈「う、うん……」


186: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 00:12:54.29 ID:9HhLKjor0.net

- 森の中 -


エルフ「この森をしばらく南へ行けば、やがて城下町にたどり着くわ」

エルフ「そこまで行けば……」

友奈「シンシア……その……」

エルフ「ゆうな?」

友奈「さっきの答え、ちゃんと言ってなかったから」

エルフ「……えっ」

友奈「わたしも……シンシアのことが好き」

友奈「ちょっと意地悪で、すぐからかったりするけど……」

友奈「わたしのこと、いつも一番に考えてくれて……」

友奈「わたしのこと抱きしめてくれて、今だってこうやって手を繋いでくれて」

友奈「そして……わたしのこと、好きって言ってくれた」

友奈「ありがとうね、シンシア」

エルフ「ゆうな……」


189: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 00:16:03.37 ID:9HhLKjor0.net

エルフ「私こそ……私のこと好きって言ってくれて……ありがとう」

友奈「……わたしたち、両想いだね」

エルフ「ふふっ、そうね」

友奈「シンシアの夢の話……わたしも叶えたい」

エルフ「ゆうな……でもあなたには――」


ゴゴゴゴゴッ


友奈「な、なに?」

エルフ「嘘……なんで……」


オオオオォォォォ


エルフ「ゆうな! こっち!」

友奈「えっ……えっ!」

エルフ「急いで!」

友奈「う、うん」


190: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 00:19:43.96 ID:9HhLKjor0.net

ガサガサッ

エルフ「くっ!」スッ

ヒュン
    ザクッ

魔物『グアアァァァァ』ドサッ

友奈「すごい……シンシア……それ、弓矢?」

エルフ「ふふっ、こう見えて弓の扱いには自信があるのよ」

友奈「そ、そうなんだ」

エルフ「急ぎましょう、魔物たちがどんどん近づいてきてる」


オオオオォォォォ


『ユウシャヲ コロセ!』

『コロセ! コロセ! コロセ!』


友奈「……っ」

エルフ「……」ギュッ


192: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 00:22:48.94 ID:9HhLKjor0.net

エルフ「……ッ!」スッ

魔物『ギャァァァァ』ドサッ

友奈「シンシア……わたし……」

エルフ「だめ……ゆうなには戦わせない、絶対……」

友奈「でも……」

エルフ「こっち!」ダッ

友奈「……」

――

エルフ「はっ……はっ……はっ!」

友奈「……っ……っ……!」

魔物『……グルルルル』

エルフ「くっ……もう矢が……」

魔物『ウキャキャキャ』

エルフ「まずい……囲まれた」


193: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 00:25:55.49 ID:9HhLKjor0.net

友奈「……シンシア」

エルフ「大丈夫」


シンシアは 睡眠呪文をとなえた!


魔物たち『……』グゴォ

友奈「……魔物たちが寝ちゃった」

エルフ「ふふっ……私の得意呪文よ」

友奈「すごい……」

エルフ「今のうちに早く通り抜けましょう!」

友奈「う、うん!」ダッ

魔物『……グッ……』

友奈「……えっ」

魔物『……ガァァァ!』

エルフ「ゆうな!」

ザシュッ


196: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 00:29:06.71 ID:9HhLKjor0.net

エルフ「……ッ!」グッ


シンシアは 閃熱呪文をとなえた!


魔物『……ギャァァァ』バタッ

エルフ「……かはっ」

ドサッ

友奈「シンシア!」

エルフ「……ゆう……な、大丈夫?」

友奈「そんな……わたしのことより、シンシアが!」

エルフ「大丈夫……そう、ね……よかった」

友奈「血が……たくさん血が……早く、早く手当てしないと」

エルフ「……逃げ……て、ゆうな」

友奈「……えっ」


202: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 00:50:13.88 ID:9HhLKjor0.net

エルフ「これじゃ……わた……し、もう……逃げられ……ないから」

友奈「何言ってるの……一緒に逃げよう」

友奈「二人で一緒に……暮らすって……幸せになるって……言ったよね」

エルフ「ゆう……な……」

友奈「掴まって!」ギュッ


オオオオォォォォ


『ユウシャヲ コロセ!』

『コロセ! コロセ! コロセ!』


エルフ「だめ……ゆうな……追い、つかれる……」

友奈「嫌っ……絶対に連れていく……」

エルフ「おね……がい……だから……」

友奈「大事な人を置いて逃げるなんて……そんなの……」


204: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 00:53:39.32 ID:9HhLKjor0.net

ガサガサッ

魔物たち『……ッ』スッ


 ヒュンヒュンヒュン


エルフ「……危ないッ!」ドンッ

友奈「えっ……きゃ!」ズサァ


エルフ「ゆう、なちゃん……逃げ――」


 ザクッザクッザクッ


エルフ「――ッ!」


 ドサッ


206: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 00:57:06.94 ID:9HhLKjor0.net

友奈「……シンシ……ア……?」

エルフ「――」

友奈「いや……」

友奈「いやあぁぁぁぁ!!」

友奈「シンシア!! シンシアぁぁぁ!!!」


魔物『シャァァァァ』

友奈「……」

魔物『クケケケケケ』

友奈「……ッ」


友奈「よくもシンシアを……」チャキ

友奈「シンシアをぉぉぉぉぉ!!」


ゆうなの こうげき!

かいしんの いちげき!

魔物『ギャァァァァ!』


207: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 00:59:47.37 ID:9HhLKjor0.net

友奈「ああああああぁぁぁっ!!」

ゆうなの こうげき!

かいしんの いちげき!

魔物『ガハッ!』


友奈「許さない……絶対に許さないッ!!」

ゆうなの こうげき!

かいしんの いちげき!

魔物『グギャァァァァ!』


友奈「――ッ!!」

ゆうなの こうげき!

かいしんの いちげき!

魔物『ギィヤァァァァ!』


209: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 01:03:24.31 ID:9HhLKjor0.net

 ヒュンヒュンヒュン

  ザクッザクッザクッ

友奈「ぐっ……」ガクッ

友奈「まだまだぁ!!」

友奈「はぁぁぁぁぁっ!!」

ガキンッ

友奈「……えっ」

魔物『……』ニヤッ

 ブンッ
     ザシュッ

友奈「――」

友奈(あれ……わた、しが……とお……くに……)

友奈(ごめ……んね、シン……シア……)


ドサッ


ゆうなは しんでしまった!


211: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 01:08:39.26 ID:9HhLKjor0.net

チュンチュン

友奈「……」

女性『さあ できたわ』

友奈「……」

女性『ゆうなや いいこだから このおべんとうを いけで つりをしている おとうさんに もっていっておくれ』

友奈「……」

女性『あっ それから むらのみんなに あったら ちゃんと あいさつ するのですよ』

友奈「……」

女性『おべんとうを とどけてくれたら おまえも すぐ しょくじに しますからね』

友奈「……」

友奈「……シンシア」

友奈「……会いたい」

友奈「……いかなきゃ……花畑に……」


212: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 01:12:51.20 ID:9HhLKjor0.net

- 花畑 -


友奈「……シンシア……シンシアぁ」

友奈「シンシアは……あっ……」

友奈「……えっ」

友奈「どう……して……」

エルフ『――』

友奈「あなた……誰ですか」

エルフ『おはよう ゆうな。 こうして ねっころがっていると とても いいきもちよ』

友奈「シンシアは……どこ……?」

エルフ『わたしたち おおきくなっても このままで いられたら いいのにね』

友奈「ねぇ! シンシアはどこなの!」

エルフ『おはよう ゆうな。 こうして ねっころがっていると とても いいきもちよ』

友奈「いや……シンシア……」

エルフ『わたしたち おおきくなっても このままで いられたら いいのにね』

友奈「いやぁぁぁ!」ダッ


215: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 01:17:00.04 ID:9HhLKjor0.net

タッタッタッ

友奈「どこ……どこなの……シンシア」

友奈「一人に…しないで……」

友奈「しないでよぉ……」

友奈「まさか……村の外に……」


- 村のはずれ -

友奈「たしか……ここのはず……」

ブゥン ピシッ

友奈「えっ……」

ブゥン ピシッ

友奈「うそ……通れなく……なってる……」

友奈「……」

友奈「……シンシアもいない……外にも出られない……」

友奈「これじゃ……わたし……」


219: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 01:21:18.00 ID:9HhLKjor0.net

キランッ

友奈「……なにあれ」スッ


ゆうなは あしもとをしらべた!

ゆうなは やくそうをてにいれた!


友奈「……傷が治る葉っぱ……どうしてこんなところに……」

友奈「……」

友奈「……まさか」


- 村の自宅 -

友奈「……」

女性『おかえり ごくろうだったね。 おまえも ごはんに するかい?』

女性『じゃあ そこに おすわり。 すぐに したくを するから』

友奈「……」

ゴゴゴゴゴッ

バタンッ


221: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 01:25:37.53 ID:9HhLKjor0.net

商人『つ ついに このむらが まものたちに みつかったんです!

商人『やつらは むらの すぐそばまで きてて!』

女性『まあ たいへん! ゆうなや わたしのことは いいから すぐに おにげ!』

商人『さあ わたしに ついてきてください!』

友奈「……」


オオオオオォォォ


兵士『まものは おれたちで くいとめる! ゆうなを はやく あんぜんな ところへ!』

エルフ『ゆうな! あなたに もしものことが あったら わたし……』

エルフ『とにかく かくれて! わたしも すぐに いくわっ!』

友奈「……ッ」


戦士『くそー! まものどもめ! ついに ゆうなの いばしょを つきとめたか!』

戦士『もうすこし じかんが あれば ゆうなを りっぱな ゆうしゃに そだてられたものをっ!』

戦士『ついてこい! ゆうな!』

友奈「……」


223: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 01:29:46.12 ID:9HhLKjor0.net

学者『ゆうなや ついに くるべきときが きたようだ』

学者『いままで だまっていたが わたしたち ふうふは おまえのほんとうの おやでは なかったのだ』

学者『くわしい はなしを したいが いまは じかんが ない……。 さあ はやく かくれるのだ』

友奈「……」


- 地下倉庫 -

鉱夫『どひゃー! まものが せめてきたって!? それじゃ たたかわなくては!』

友奈「……」

戦士『いいか よくきけ ゆうな。 まものたちの ねらいは おまえのいのち!』

戦士『まものたちは おまえが めざわりなのだ』

戦士『おまえには ひめられた ちからがある。

戦士『いつのひか どんな じゃあくなものでも たおせるくらいに つよくなるだろう』

戦士『しかし いまの おまえは まだ よわい』

戦士『とにかく にげて いきのびるのだ! わかったなっ!』

友奈「……ごめん、ごめんね、みんな」

友奈「わたし……みんなを守れなくて……ごめんなさい……」


224: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 01:33:51.69 ID:9HhLKjor0.net

 オオオオオォォォ
 
          ギャァァァァ

 ズシンッ

       ウワァァァァ


バタンッ

友奈「……あっ」

エルフ『ゆうな……』

友奈「……」

エルフ『いままで あなたと いっしょに あそべて とても たのしかったわ……』

エルフ『ゆうなは とても かわいいし ほんとうの いもうと のように おもっていたのよ』

友奈「……」

エルフ『だいじょうぶ。 あなたを ころさせは しないわ』


シンシアは 変化呪文をといた!


226: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 01:38:00.00 ID:9HhLKjor0.net

エルフ「……」

友奈「シンシ……ア……?」

エルフ「ゆうな」

友奈「シンシアぁ!」ギュゥ

友奈「よかった、シンシア……無事でよかった……」

エルフ「ごめんね、ゆうな……」

友奈「……」フルフル

エルフ「ゆうなが薬草に気づいてくれてよかった」

エルフ「そして……この世界をあざむくためには仕方がなかったの」

友奈「……世界を?」

エルフ「私は……この世界のバグだから」

友奈「な、何を言って……」

エルフ「私というバグをこの世界は摘もうとした。それが森での魔物の襲撃……」

エルフ「今、私が生きているとわかった以上、次こそ確実に私は……」

エルフ「だからもう……ゆうなに会えるのはこれで最後、だと思う」


228: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 01:42:18.41 ID:9HhLKjor0.net

エルフ「ゆうな、よく聞いて」

エルフ「この村は……この世界はね。いつか訪れる災厄から、あなたの世界を守るため」

エルフ「あなたを一人前の勇者に育てるために生まれたの」

エルフ「それが、この勇者育成プログラム」

友奈「……」

エルフ「そして、そこで作られた私の役割は……あなたを守って死ぬこと」

友奈「……ッ」

エルフ「さっきの姿が……元々の私の姿だから」

友奈「そんな……そんなことって」

エルフ「理由はわからない……けれど、この世界が始まったときにね」

エルフ「プログラムから端末へのアクセスが行われて、気がついたら私はこの姿になっていた」

エルフ「この姿があなたの……ゆうなの大事な人、なんだよね」

友奈「……」

エルフ「ごめんね、ゆうな……この姿のせいで、あなたを余計に悲しませてしまった」


230: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 01:46:22.03 ID:9HhLKjor0.net

エルフ「だからね。あなたは何も気にすることはないの」

エルフ「このまま真っ直ぐ、振り向かずに……先へ進めばいい」

エルフ「それがあなたの……勇者としての役割だから」

友奈「……」

エルフ「そして、私は……私の役割を果たす」


シンシアは 変化呪文をとなえた!

シンシアは ゆうなそっくりにすがたをかえた!


友奈「シンシア……何を……やって……」

エルフ「ごめんね、ゆうな」

エルフ「ずっと考えて……考え抜いたけれど……」

エルフ「やっぱりこれしか思いつかなかった」

友奈「まさか……シンシア……」

エルフ「あなたを生かすには、この方法しかないから」


233: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 01:50:54.53 ID:9HhLKjor0.net

友奈「……嫌だ」

友奈「誰かを助けるために誰かが犠牲になるなんて……おかしい……おかしいよ」

友奈「わたしの大事な人が……犠牲になるなんて……耐えられない……」

エルフ「……ゆうな」

友奈「プログラムだとか……作られた存在だとか関係ない」

友奈「わたしはシンシアのことが好き。シンシアだってわたしのこと、好きっていってくれた」

友奈「キスだって……してくれた。わたし……初めてだった」

友奈「その気持ちまでも……作られたものだったの? 偽りだったの?」

エルフ「……っ」

友奈「ねぇ……シンシア……答えてよ」

エルフ「……」

友奈「答えてよ!」

エルフ「……ないじゃない」ボソッ

友奈「……」

エルフ「そんなはずないじゃないッ!!」


237: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 01:55:25.18 ID:9HhLKjor0.net

エルフ「私だってゆうなが好き! あなたの全てが愛おしい!」

エルフ「あなたのためなら、私の全てを捧げても構わない!」

友奈「シンシア……」

エルフ「だからこそ、あなたには……あなたにだけは生きてほしい」

友奈「……」

エルフ「お願いだから……これ以上、私を困らせないで」

友奈「……」ギュゥゥ

エルフ「……離して」

友奈「……」フルフル

エルフ「離してっていってるでしょう!」

友奈「……」フルフルフル

エルフ「……ゆうなッ!」


シンシアは 睡眠呪文をとなえた!


239: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 01:59:40.55 ID:9HhLKjor0.net

友奈「なっ……」ガクッ

エルフ「……」スッ

友奈「これは……眠りの……」

エルフ「……」

友奈「……待って」

エルフ「……ごめんね、ゆうな」クルッ

友奈「シンシ……ア……」


友奈(だめっ……このまま眠っちゃ……)

友奈「……ッ!」チャキ

ザクッ

友奈「……くっ!」


カランカラン

 ポタッ    ポタッ


242: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 02:04:57.32 ID:9HhLKjor0.net

友奈「待って」ギュッ

エルフ「ど……どうして……睡眠呪文が……」

友奈「行かせない……」

ポタッ ポタッ

エルフ「ゆうな……!? そんな……自分の腕を……」

友奈「絶対に……行かせないッ!」

エルフ「……」

友奈「絶対に……」

エルフ「……わかった」


シンシアは 変化呪文をといた!


友奈「シンシア……」ギュゥゥ

エルフ「ゆうなの気持ち……痛いほど伝わったから」

エルフ「私もここにいる……一緒に、ここで……」ナデナデ

友奈「うんっ……うんっ」


244: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 02:09:00.80 ID:9HhLKjor0.net

エルフ「その前に早くその傷を治さないと……薬草は持ってる?」

友奈「これ……だよね」


ゆうなは やくそうをつかった!

ゆうなの きずがかいふくした!


友奈「あ、あれ……」


ゆうなは からだがしびれてうごけなくなった!


友奈「やだ……か、らだが……こ、えも……」

エルフ「大丈夫……一時的なものだから……」

友奈「――ッ!」

エルフ「ゆうな」クイッ

友奈「……っ」

エルフ「……」


245: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 02:13:11.48 ID:9HhLKjor0.net

エルフ「私のこと、好きって言ってくれて……愛してくれて、ありがとう」

エルフ「私もあなたのこと、ゆうなのこと愛してるよ」

エルフ「夢の中の……ゆうなの大事な人を……守ってあげてね」


シンシアは 変化呪文をとなえた!

シンシアは ゆうなそっくりにすがたをかえた!


エルフ「さようなら、ゆうな」


――――――

――――

――


 オオオオオォォォ


魔物『ゆうしゃ ゆうなを しとめました!』

魔族の王『よくぞ でかした! では みなのもの ひきあげじゃあ!』


248: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 02:17:27.34 ID:9HhLKjor0.net

ズ……ズズッ……

友奈「……いか……なきゃ……」

友奈「シンシアを……助けなきゃ……」


- 山奥の廃村 -

友奈「ひどい……」

友奈「何も……残ってない……」

友奈「みんな……シンシア……」

友奈「……」


- 自宅 跡地 -

友奈「誰か……お母さん、お父さん……」

友奈「だれか……いないの……」


- 宿屋 跡地 -

友奈「誰も……誰も……いない……」

友奈「みんな……みんな……わたしのせいで……」


250: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 02:22:39.81 ID:9HhLKjor0.net

- 花畑 跡地 -


友奈「シンシア……どこなの……」

友奈「あんなに綺麗な花が……咲いてたのに……」

友奈「シンシアが……好きだった花畑だったのに……」

友奈「……あれは」


友奈「……ッ!」


友奈「いや……」


ゆうなは あしもとをしらべた!


友奈「あ、あぁ……」ガクッ



ゆうなは はねぼうしを てにいれた!



友奈「あああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」


255: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 02:27:07.74 ID:9HhLKjor0.net

友奈「シンシア……シンシアぁ!!」


ギュゥゥゥ


――――――

――――

――


ダンッ

友奈「……何が勇者だ」

友奈「誰も救えなかった……みんな救えなかった……」

友奈「大事な人のこと……一人だって……守れなかった」

友奈「シンシアは命をかけて、わたしを守ってくれたのに……」

友奈「わたしは……なんて弱いんだろう……」


友奈「わたしは……勇者にはなれない……」


258: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 02:31:40.60 ID:9HhLKjor0.net

パァァァァ


友奈「なに……これ……帽子が……」

友奈「……ッ!」


 『勇気とは……力強く信じること』


 『気持ちだけは無謀となり、力だけでは粗暴となる』


 『心と体……どちらも強く兼ね備えてこそ、本当の勇者だから』


シュゥゥゥゥ


友奈「……」

友奈「……誰……なの?」

友奈「力のない勇気は……勇気じゃない……」

友奈「今までのわたしの行いは、ただの無謀だったんだ……」


262: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 02:35:49.57 ID:9HhLKjor0.net

友奈「……」

友奈「……だったら……わたしは」


友奈「シンシア……わたし、強くなる。心も……体も」

友奈「みんなを……大事な人を守れるように……強く」


パシンッ

友奈「よしッ!」

友奈「わたしの勇者部、六箇条目!」


友奈「心も、体も、強くあれ!」


友奈「……わたしは!」


友奈「本当の勇者になってみせる!」



ゆうなは むらのそとへたびだった!


265: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 02:39:59.47 ID:9HhLKjor0.net

- 城下町 -

占い師『あなたを さがしていました。 じゃあくなるものを たおせる ちからを ひめた あなたを』

踊り子『ちょうど よかったわ! これからは このひとに やしなって もらいましょ』


- 港町 -

商人『わたしも なかまに してください。 いっしょに せかいじゅうを まわろうじゃありませんか!?』


- 宿町 -

魔法使い『おお ありがたい! では このじいも おともしますぞ!』

神官『いぜん ゆうしゃのすむ むらが まものに ほろぼされたそうです。 もしや ゆうなどのが……』

王女『じゃあ いっしょに さがしましょう。 たびは おおいほうが たのしいしね』


- 王城 -

戦士『ゆうしゃどの! せかいを はめつから すくうため ともに たたかいましょうぞ!』

――――――

――――

――


267: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 02:44:20.03 ID:9HhLKjor0.net

- 闇の深淵 -


魔族の王『ぐはあああ……! なにものだ おまえたちは?』


友奈「わたしは結城友奈。勇者だよ」


魔族の王『うぐおおお……! わたしには なにも おもいだせぬ……』


友奈「あなたにも悲しいことがあったことは知ってる」

友奈「わたしも大事な人を失ったから、その気持ちはわかる」


魔族の王『……』


友奈「誰にだって、大事な人が居て……」

友奈「大事な人を守るために戦って……それぞれの正義があって」


271: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 02:48:34.90 ID:9HhLKjor0.net

魔族の王『しかし なにを やるべきかは わかっている』


友奈「だからあなたは悪くない」

友奈「誰かが悪いなんてない……誰だって悪くない!」


魔族の王『があああ……!』


友奈「でも、あなたが世界を滅ぼそうとするならわたしは!」


魔族の王『おまえたち にんげんどもを ねだやしにしてくれるわっ!』


友奈「わたしが、わたし達の勇気と正義が世界を救う!」

友奈「あなたをその憎しみの呪縛から救ってみせる!」



友奈「わたしは――勇者だから!」


272: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 02:53:03.39 ID:9HhLKjor0.net

――


友奈「みんな! わたしに力を!」

友奈「はぁぁぁぁぁぁっ!」


ゆうなとそのなかまたちは 極大電撃呪文をとなえた!


ズドンッ

      ピシィィィッ


魔族の王『ぐはあああ……!』


ズシンッ


友奈「ハァ……はぁ……」


魔族の王『からだが あつい……。 わたしは やぶれたのか……』


友奈「わたしの……わたしたちの勝ちだよ」


275: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 02:57:24.74 ID:9HhLKjor0.net

魔族の王『わたしの からだが くずれてゆく……』


友奈「あなたとも出会い方が違ったら……もしかしたら……」


魔族の王『うぐおおお……! ぐふっ!』


友奈「分かり合えたかもしれない……ね」


ゴゴゴゴゴゴゴッ


友奈「シンシア……わたし、やったよ」

友奈「あなたの命が……この世界を守ったんだよ」



友奈「さぁ帰ろう! みんなを待っていてくれる人たちの所へ!」


278: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 03:01:58.35 ID:9HhLKjor0.net

――

- 気球の中 -

友奈「みんな……ありがとう。わたしのこと助けてくれて、一緒に戦ってくれて」

友奈「わたし一人じゃ、何もできなかった……でもみんながいたから」

友奈「みんなで力を合わせたから、今があるんだよ」

友奈「だから、本当にほんとうにありがとう」

――――――

――――

――


- 山奥の廃村 -


友奈「……ただいま」

友奈「村のみんな……わたしね、世界を守ったんだ」

友奈「みんながわたしを守ってくれたおかげで……世界を守れたんだよ」


281: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 03:06:21.60 ID:9HhLKjor0.net

- 花畑 跡地 -


友奈「……シンシア、ただいま」


ゆうなは はねぼうしをとりだした!


友奈「シンシア……」


ギュゥゥゥ


友奈「わたし……勇者になれたのかな……」

友奈「あなたの言っていた本当の勇者に……」



   「ありがとう、ゆうな」



友奈「えっ……」

友奈「……シ、シンシア?」


284: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 03:10:29.45 ID:9HhLKjor0.net

友奈「そ、空が……世界が白けて……」


パァァァァァ


友奈「――ッ!」


友奈(シンシア……わたしこそ、ありがとうね)



  ―― The End ――



 ブゥン  プツッ


――――――

――――

――


285: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 03:14:44.18 ID:9HhLKjor0.net

- 結城家 友奈の部屋 -

チュンチュン

友奈「……」

友奈「わたしの……部屋?」

友奈「嘘……全部……夢だったの?」

友奈「……ッ!」ガバッ

友奈「どうして……羽帽子が……」


ギュゥゥゥ


友奈「……夢じゃ……なかったんだ」

友奈「……」スッ

スルッ ストンッ

友奈「あ、あれ……」

スルッ ストンッ

友奈「やっぱり……わたしじゃかぶれない、みたい」


287: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 03:18:48.21 ID:9HhLKjor0.net

友奈「そうだ、スマホ……」

友奈「うそ……勇者育成プログラムが……消えてる」

ガチャ

東郷「友奈ちゃん……おは……よ、って!?」

友奈「あっ……シン……じゃなかった。東郷さん、おはよう」

東郷「友奈ちゃんが、私が来る前に起きているなんて……」

友奈「あはは、なぜか目が覚めちゃって」

東郷「……友奈ちゃん。何かあった?」

友奈「ひ、ひどいなー。わたしだって早く起きられる時だって――」

東郷「違うの、そうじゃなくて……」

東郷「友奈ちゃん……泣いてるから」

友奈「えっ……あ、あれ……」

東郷「……」

友奈「あはは、さっき大きなあくびしてたからかなー」

東郷「……そう」


289: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 03:23:33.33 ID:9HhLKjor0.net

友奈「そうだ、東郷さん。それよりもね」

友奈「はい、これ」

東郷「えっと……帽子? 素敵な帽子だけれど……」

友奈「この帽子、東郷さんにあげる」

東郷「えっ……こんな良い物、突然もらえないわ。理由もないのに……」

友奈「いきなりでごめん、東郷さん。でも、わたしの一生のお願い」ギュッ

東郷「……えっ、ゆ、友奈ちゃん?」

友奈「この帽子、もらってくれないかな。東郷さんじゃなきゃ、ダメなんだ」ジッ

東郷「……ッ」

友奈「……」

東郷「……わかったよ。ありがとう、友奈ちゃん……本当に嬉しい」

友奈「ありがとうね、東郷さん」

東郷「私……この帽子、一生大切にするね」

友奈「あはは、大げさだよ」

東郷「ふふっ……友奈ちゃんだって」


293: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 03:27:38.68 ID:9HhLKjor0.net

友奈「東郷さん、もう一つだけお願い……いいかな」

東郷「えっと、私にできることだったら何でも」

友奈「その羽帽子を……かぶってみてくれないかな」

東郷「そ、そんなことで良いの?」

友奈「うん」

東郷「それじゃあ……」スッ


ピタッ


友奈「……ッ」

東郷「ど、どうかな?」

友奈「……」ギュゥゥ

東郷「ゆ、友奈ちゃん!?」



友奈「うんっ……よく似合ってる」


294: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 03:31:42.06 ID:9HhLKjor0.net

――

友奈「東郷さん、おはよう」

東郷「おはよう、友奈ちゃん」


東郷(あの日を境に、友奈ちゃんは少し変わった)

東郷(朝に弱かった友奈ちゃんが、毎朝早く起きてランニングするようになった)


友奈「んー、いい天気」

東郷「ほんとね、良いお洗濯日和」


東郷(おじさまとの武術の稽古も再開したと聞いている)

東郷(友奈ちゃんの寝顔を見られなくなったのは少し寂しいけれど)

東郷(でも、友奈ちゃんには、友奈ちゃんなりの考えがあるんだと思う)


友奈「今日も一日がんばろうね」

東郷「ええ」


東郷(だったら私はいつだって……)


296: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 03:36:00.47 ID:9HhLKjor0.net

友奈「……」


東郷(変わった事といえばもう一つ)

東郷(ほんの少しだけ、友奈ちゃんが一人でいることが増えた気がする)

東郷(そんな時は決まって、どこか遠くを見つめているような、そんな目をしている)


東郷「友奈ちゃん」

友奈「あっ、東郷さん!」ニコッ


東郷(私に気づくと、いつものふにゃっとした可愛い笑顔に変わるのだけど)

東郷(でもいつか……友奈ちゃんが自分から話してくれるその日まで私は……)


友奈「……東郷さぁん」ギュゥ

東郷「ふふっ……どうしたの? 友奈ちゃん」ナデナデ

友奈「えへへ、呼んでみただけ」

東郷「もう、変な友奈ちゃん」


東郷(いつだって……友奈ちゃんを支えていこう)


298: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 03:40:15.36 ID:9HhLKjor0.net

- 学校の屋上 -


友奈「……」


友奈「シンシア……」

友奈「わたし……もっともっと強くなる」



友奈「そして、この世界のこと。東郷さんのこと……必ず守ってみせる」

友奈「だから……見守っていてね、シンシア」



友奈「わたしは……結城友奈は勇者になる!」



                                      ┼ヽ  -|r‐、. レ |
                                       d⌒) ./| _ノ  __ノ
                                      ---------------
                                      制作・著作 SNK


299: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 03:40:55.16 ID:+6kLazRb0.net

乙乙 よくぞ書ききった


300: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 03:41:16.46 ID:yUw4Tw830.net


今日は良いゆゆゆSSが多くて楽しめた


301: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/12/30(火) 03:41:17.75 ID:0RumF1rY0.net




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