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【俺ガイル】静かな湖畔

1: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 06:56:09.00 ID:/4AD5Plu0

原作無視・キャラ崩壊
色々と注意

結衣視点で物語は進行します
一日に3~10ほど投下

ガガガ文庫 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10.5(イラスト完全版)

2: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 06:56:53.34 ID:/4AD5Plu0

雪乃「比企谷君、あれほど噛んだガムは可燃ゴミに入れなさいっていったのに……」

 ――クチャクチャ

結衣「ゆきのん、なにしてるの」

雪乃「……」

 ――――クチャクチャ

結衣「……」

雪乃「……?」

 ――――――クチャクチャ

結衣「……」

雪乃「あぁ」


 ――ゴクン


雪乃「……」

結衣「……」

雪乃「あげないわよ」

結衣「ゆきのん、そこじゃないよ」


3: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 06:57:21.61 ID:/4AD5Plu0

雪乃「……」

 ――ズズッ

結衣「ゆきのん、何飲んでるの?」

雪乃「お味噌汁よ、お弁当と一緒にと思って魔法瓶に入れてきたの」
雪乃「由比ヶ浜さんにも、おすそ分け」

結衣「……」

 ――ズズッ

結衣「さすがゆきのんお料理上手だね」

雪乃「ありがとう、お味噌汁って、ダシが重要なのよ」

 ――ズズッ

雪乃「あら、比企谷君どうかしたのかしら?」
雪乃「え?昨日この辺りにジャージが無かったか、って?」
雪乃「知らないわよ、そもそも体育で使用した、貴方の汗臭いジャージなんて部室に持ち込まないで頂戴」
雪乃「それはテロにも等しい行為よ」
雪乃「わかったらさっさと行って頂戴、貴方がそこにいるだけで、ご飯が美味しくなくなるわ」
 
結衣「……」

雪乃「……そう、ダシが重要なのよ」

結衣「ヴォエ!!!」


4: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 06:57:53.89 ID:/4AD5Plu0

雪乃「……」

 ――ズズッ

雪乃「今度は何かしら?」
雪乃「え?戸部君が間違えてた?貴方のジャージと?」
雪乃「ヴォエ!!!」

結衣「ヴォエ!!!」


5: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 06:59:43.72 ID:/4AD5Plu0

結衣「ゆきのん、今日のお弁当はサラダだけなんだ」

雪乃「そうね、でもドレッシングは手作りなの」
雪乃「塩・胡椒・オイルでシンプルに頂くの」
雪乃「由比ヶ浜さんにも、おすそ分け」

結衣「ほんとだ、野菜の味がしておいしいね」

雪乃「あと」
雪乃「ごめんなさい、あまりこういうことを言うべきではないのだけれど」
雪乃「由比ヶ浜さん、貴方臭うわ、夏が近づいて来てるし、気をつけて」

結衣「……」

雪乃「お肉ばっかり食べてるから」
雪乃「貴方は臭いのよ」
雪乃「もっと野菜を食べなさい」

結衣「わかったよ、ゆきのん」

雪乃「あと」
雪乃「143枚よ、確か」
雪乃「比企谷君に使ったあぶらとり紙の枚数」

結衣「ヴォエ!!!」


6: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 07:01:41.23 ID:/4AD5Plu0

雪乃「ねぇ知ってるかしら、由比ヶ浜さん」

結衣「どうしたの、ゆきのん」

雪乃「臭いついでで思い出したの」
雪乃「人の頭皮ってすごく臭いのよ」
雪乃「どれだけ素敵な女性、可愛い女性であっても、それは例外でないの」

結衣「そうなんだ」

雪乃「貴方の頭皮はどうかしら」

 ――スンスン

雪乃「――クサッ!!!」

結衣「……」

雪乃「酷い臭いだわ、貴方のことだから臭いとはわかっていたけれど」
雪乃「正直、酷すぎるわ、耐えられない」
雪乃「小さい頃に行った、厩舎みたいな臭いがする」
雪乃「でももう一度」

 ――スンスン

雪乃「クサッ!!!」

結衣「……」

雪乃「本当に酷い」
雪乃「お願いだから自分の尿をシャンプー代わりにするのはやめて頂戴」

 ――スンスン

雪乃「ヴォエ!!!」

結衣「ゆきのん、おこるよ」


7: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 07:02:17.33 ID:/4AD5Plu0

雪乃「ああ、本当に酷い」
雪乃「あ、そうだわ、逆に女性なら必ずいい匂いがするところがあるの」
雪乃「どこかわかるかしら?」

結衣「わかんないよ、ゆきのん」

雪乃「下着と、胸の間」

 そう言って私の首元から手を差し込み、
 ぐに、ぐに、と

雪乃「下着に染み付いた柔軟剤の香りと」
雪乃「胸からの体温と汗」
雪乃「混じるのよ、わかるでしょ?」
雪乃「……こんなものかしら」

 ――スンスン

雪乃「ヴォエ!!!」

結衣「……」

雪乃「さすがね」
雪乃「ここが臭いということは、もうどうしようもないわね」

結衣「……」


8: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 07:02:55.71 ID:/4AD5Plu0

 雨が降っていた
 彼女はただぼーっと立ちすくんでいた
 時折、なにか考え事をしているようなそんな表情をしてたと思う

 ぼーっと
 ぼーっと
 ぼーっと
 傘もささずに

 なんだか邪魔をしちゃいけない気がして
 私は裏口へ向かった


14: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 22:02:33.90 ID:/4AD5Plu0

雪乃「由比ヶ浜さん、これ、貴方にあげるわ、制汗スプレーよ」

結衣「ありがとう、ゆきのん」

雪乃「お礼はいいから、早く使ってくれないかしら?」

結衣「……」

 ――プシューーー

雪乃「違うわ、鼻からよ」

結衣「……」

 ――プシュ

結衣「ヴォエ!!!」

雪乃「……」

結衣「……」

雪乃「早くして、何、どうして私を苛つかせるの」

結衣「……」

 ――プシューーーーーー

結衣「……」

雪乃「……」

結衣「……」

雪乃「デトックスよ」

結衣「ヴォエ!!!」


15: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 22:03:45.37 ID:/4AD5Plu0

雪乃「あら、由比ヶ浜さん」

 ――ペチャペチャ

結衣「ゆきのん、なにやってるの」

雪乃「見ればわかるでしょ」

 ――ペチャペチャ

結衣「……」

雪乃「男性のフェロモンって、耳の後ろと、睾丸の裏が特に分泌量が多いの」

結衣「……」

雪乃「そして私が舐めているこれは、比企谷君のイス」

 ――ペチャペチャ

結衣「……」

雪乃「もうこれは、彼とセックスを経験したと言っても過言では無いと思うのだけれど、どうかしら」

 ――ペチャペチャ

結衣「そうだね、ゆきのん」

 ――ペチャペチャ
 ――――ペチャペチャ
 ――――――ペチャペチャ


16: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 22:04:48.30 ID:/4AD5Plu0

雪乃「由比ヶ浜さん、覚えているかしら」

結衣「なんのこと、ゆきのん」

雪乃「林間学校の時」
雪乃「比企谷君、水着姿の貴方の胸を何度も、何度も見てた」

結衣「……」

雪乃「比企谷君、その後、川の水で顔を洗ってたわ」

結衣「……」

雪乃「私、実はあの時、みんなと川遊びを楽しんでるフリをしながら、その、放尿をしてたの」

結衣「……」

雪乃「……」

結衣「……」

雪乃「もうこれは、彼とセックスを経験したと言っても過言では無いと思うのだけれど、どうかしら」

結衣「そうだね、ゆきのん」


17: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 22:06:09.92 ID:/4AD5Plu0

雪乃「由比ヶ浜さん、覚えているかしら」

結衣「なんのこと、ゆきのん」

雪乃「比企谷君が私達に依頼をした時」
雪乃「今までに見たことが無い表情をしてたわ」

結衣「うん、すごく真剣だったね」

雪乃「……」

結衣「……」

雪乃「その」
雪乃「言いにくいのだけれど」
雪乃「私、実はあの時、緊張のあまり、その、放屁をしてしまってたの」
雪乃「もちろん、音は出さなかったけれど」

結衣「……」

雪乃「放屁って、実は霧状の大便をまき散らす行為なのよ」

結衣「……」

雪乃「比企谷君のあの時の表情、きっとすごく、臭かったんだと思う」

結衣「……」

雪乃「涙も溜めていたし、目に染みる程の臭いだったのね」

結衣「……」

雪乃「もうこれは、彼とセックスを経験したと言っても過言では無いと思うのだけれど、どうかしら」

結衣「ヴォエ!!!」


18: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 22:06:46.29 ID:/4AD5Plu0

結衣「ゆきのん、今日のお弁当はウィンナーだけなんだ」

雪乃「そうね、実はこれ、手作りなのよ」

結衣「すごいね、ゆきのん」

雪乃「ありがとう、バジルと香辛料を多めに入れて、チップも香り高いものを使用したわ」
雪乃「形は少し不格好だけど、味は保証するわ」
雪乃「由比ヶ浜さんにも、おすそ分け」

結衣「ほんとだ、おいしいね」

雪乃「クサッ!!!」

結衣「……」

雪乃「貴方の息、大便の臭いがしたわよ」

結衣「……」

雪乃「信じられない、酷すぎて吐きそう」
雪乃「由比ヶ浜さん、私はトイレで食事をする趣味はないの」
雪乃「いい加減にして」

結衣「……」

雪乃「私の楽しい食事の時間の邪魔をして、許せない、謝って」

結衣「……」

雪乃「謝って」

結衣「ごめんね、ゆきのん」

雪乃「ヴォエ!!!」


19: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 22:08:11.72 ID:/4AD5Plu0

 また雨が降っていた
 彼女は曇った空を見上げながら

 ――くるくる
 ――――くるくる

 と
 回っていた
 子供みたいに
 でも綺麗だなとも思った

 邪魔をしないように
 そっと横を通り過ぎようと思ったけど
 あまりにも楽しそうだから
 つい声をかけちゃった
 
「由比ヶ浜さん、私気づいたの」

 どうしたの、ゆきのん

「雨の中には彼が在る」
「この一粒、一粒に、全部」  

 ――くるくる

 どうして、回ってるの

「遠心分離器よ」

 ――くるくる

「不純物が多すぎるから」

 ――くるくる

「私は遠心分離器なのよ」

 ――くるくる
 ――――くるくる


22: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 23:05:51.54 ID:/4AD5Plu0

雪乃「由比ヶ浜さん、私、おいしいコーヒーが飲みたいわ」
雪乃「どこか素敵なお店に、連れて行ってくれないかしら」

結衣「わかったよ、ゆきのん」


 珍しいな、と思った
 でもうれしいな、とも

 そうだ
 前にみんなでよく行っていた
 駅前の交差点の近くにある
 あのカフェに行こう

 店いっぱいに広がるコーヒーとバターの匂い
 ふかふかのソファー
 ショーケースに並べられた宝石みたいなケーキ

 きっとあそこなら
 彼女も喜んでくれるはず

 そんなことを考えながら
 二人で並んで歩いて

 学校の近くの古ぼけた喫茶店に入ることにした


雪乃「私は紅茶を」

結衣「私も」


23: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 23:06:30.08 ID:/4AD5Plu0

由比ヶ浜さん

どうしたの、ゆきのん


由比ヶ浜さん?

どうしたの、ゆきのん?


由比ヶ浜さん

ゆきのん……?


ユイガハマさん

ゆきのん……


ユイガハマサン?

……


26: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 23:21:35.25 ID:/4AD5Plu0

 誰もいない生徒会室
 綺麗に整頓された書類に筆記用具

 イスに座って少しだけ考え事

 何故ここに来ようと思ったかすら
 よくわからない
 よくわからない
 わからない
 わからない
 わかりたくない
 わかりたくない
 ワカラナイ
 ワカラナイ
 ワカラナイ
 ワカラナイ――


27: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 23:22:11.55 ID:/4AD5Plu0

雪乃「由比ヶ浜さん、どうしたの、急に家にまで押しかけてきて」

結衣「ゆきのん、ごめん急に、迷惑だった?」

雪乃「別に構わないわ」
雪乃「でもごめんなさい、今、お茶の葉を切らしちゃってるの」

結衣「いいよ、気にしないで」

雪乃「そう?何もないところだけど、せめてそこのソファーでくつろいでいって」

結衣「ありがとう、ゆきのん」

雪乃「……」

結衣「……」

雪乃「……」

結衣「……」

雪乃「……」

結衣「……」


28: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 23:28:43.87 ID:/4AD5Plu0

雪乃「……フフ」

結衣「……?」

雪乃「しずかな」

結衣「……」

雪乃「しずかな湖畔の 森のかげから」

結衣「……」

雪乃「……」

結衣「……懐かしい歌だね」

雪乃「……」

結衣「……」

雪乃「しずかな湖畔の 森のかげから」

結衣「……」

雪乃「しずかな湖畔の 森のかげから」

結衣「……」


29: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 23:30:10.91 ID:/4AD5Plu0

雪乃「しずかな湖畔の 森のかげから」

結衣「もう起――」

雪乃「アアアアアアアアアアアアアアアァァァァァ!!!」
雪乃「クサッ!!!クサッ!!!クサッ!!!」
雪乃「ヴォエ!!!」

結衣「……」

雪乃「……」

結衣「……」

雪乃「……やめて、口を開かないで」
雪乃「私の部屋が、汚れる」

結衣「……」

雪乃「……」

結衣「……」

雪乃「しずかな湖畔の――」


30: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 23:31:08.43 ID:/4AD5Plu0

雪乃「――あら、そうだ、すっかり忘れてた」
雪乃「冷蔵庫」
雪乃「確かお水を冷やしてあったはず」
雪乃「少し飲んできたらどうかしら」
雪乃「ね?行ってらっしゃい」

結衣「わかったよ、ゆきのん」

雪乃「コップは好きなのを使って」
雪乃「使ったらゴミ箱に入れておいてくれればいいから」

結衣「……」

雪乃「……」

結衣「わかったよ、ゆきのん」


31: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 23:45:42.92 ID:/4AD5Plu0

 そういえば
 私は彼女のキッチンに入るのは初めてだった

 たくさんの調理器具
 並べられた調味料の小瓶
 大人びた柄のテーブルクロスに
 子猫を模したティーカップ

 彼女らしいなって
 思った

 でも
 私はこの場所を
 キッチンだと
 思えない





 むせ返るような

 消毒液の臭いが

 鼻にこびりついて





 ――そう、まるで病院のよう


32: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 23:49:25.41 ID:/4AD5Plu0

 彼女は冷蔵庫にお水を入れてあるって言ってたけど
 入ってないって一目でわかった

 だって冷蔵庫の中には何も無かったから 

 一人暮らしにしては
 大きな大きな冷蔵庫
 一番下は野菜室
 その上の二つが冷凍室

 多分ここに在るんだろうと思って
 冷凍室を開けてみる
 冷凍室を閉じる


33: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 23:51:55.77 ID:/4AD5Plu0

 なんでだろう
 今彼女が
 私の後ろにいるって
 わかった

 何も言わないし
 何も聞こえないけど
 きっと彼女は今も
 歌い続けてるんだろう
 寂しさを
 紛らわすように

 『静かな湖畔の』
 第一節を 
 ずっと一人で
 一人だけで
 輪唱を

 そして本当は
 待っている

 大好きな
 大好きなゆきのんに
 教えてあげなきゃ
 そう次は


 『もう起きちゃいかがと かっこうが鳴く』


 だよ 

 って


34: ◆xgvIN1yLiQ 2015/05/22(金) 23:53:47.23 ID:/4AD5Plu0

完結です。

書きたいことをただひたすら書きなぐっただけのssです。
ここまで読んでくださった人がいましたら、
ありがとうございました。
それでは。



やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。10.5 とらのあな特典ブックカバー
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